パナソニック・トヨタ・レーシングは3月2日(木)、スペイン・バレンシアでの合同テスト2日目を終え、
冬季テストプログラムを全て終了した。昨年11月にスペイン・バルセロナで冬季テストが始まって以来、
新型“TF106”には、重要なテスト項目が数多く含まれていた。それは、新しい後部デザイン、修正された
フロントサスペンション、新しい仕様の“RVX-06”V型8気筒エンジン、そして初めて装着するブリヂストン
タイヤなどであった。チームはこれら全ての未知の要素に相対することとなったが、2005年の年末には、
成果を示し始めた。
2006年を迎え、ヘレス・サーキットでテストを再開したチームは、シーズン開幕までに、ブリヂストン
タイヤのテストを積み重ねることと、新たなV型8気筒エンジンの信頼性を確認することにテストの主眼を
おいた。タイヤは非常に多くのバリエーションとコンパウンドが試され、テストされた。南欧という土地柄とは
いえ、天候は常にレースシミュレーションにふさわしくはなかったが、チームは懸命な作業を続け、エンジンの
走行距離を重ねる間に、重要なデータ収集を続けた。 “トヨタ・ウェイ”による絶え間ない改良という手段を
用いたことで、チームはドイツ・ケルンの50%スケール風洞を駆使し、最新の空力パッケージの開発を
シーズン開幕直前まで行うことが出来た。そして、2月14日(火)寒く、降雨にも見舞われたイタリアの
バレルンガ・サーキットにおいて、風洞の外で初めて新空力パッケージのテストデータを得た。低い気温は
チームの士気を弱めることなく、新型パッケージは期待通りの性能を示した。
冬季テスト期間が終了し、いよいよチームは8週間に渡って行って来た成果を得るために開幕戦バーレーン
GPへと向かう。新しいエンジン、新しい予選方式やタイヤ交換の復活など、2006年シーズンはより
興味深いものとなり、また、戦略面においても、各チームにとってよりチャレンジングなものになるはずだ。
パナソニック・トヨタ・レーシングは砂漠の王国バーレーンでの戦いに向けて、多くの距離と経験を重ねて
準備を整えて来た。昨年11月29日に2台の“TF106”で開始された冬季テストは、通算4635周、
20307kmもの距離を走破したことになる。
準備期間は終わり、パナソニック・トヨタ・レーシングは、レースシーズンへと臨む。そして、より
エキサイティングで、激しい戦いが予想されるシーズンを楽しみにしている。
ラルフ・シューマッハー :TF106/05
ベストラップ:1分12秒067
周回数:72周
走行距離:288km
ラルフ・シューマッハーは、テストの最終日を、タイヤテストとレースセットアップに集中して過ごした。
「今日はタイヤのバランスに関するセットアップと、いくつかのレーステスト項目の作業を行った。一日中
懸命な作業を行った結果、全てのテスト項目を、予定よりも早く終了することが出来た。今のところ、全てが
予定通りで、良い方向に進んでおり、これまでに我々が達成してきたことに満足している。“TF106”も
高い性能を発揮しており、バーレーンでは、我々が正しい方向に進んでいることを証明出来るだろう。
冬季テストを全て終了し、準備は万端で、シーズン開幕を楽観的に感じているが、以前にも言ったように、
ライバルチームと比較して、我々がどのレベルに位置するのかを語ることは難しい。“TF106”は一貫性に
優れ、信頼性も高く、運転しても好印象だ。来週水曜日には、バーレーンへと向かい、シーズンが開幕する。
F1を戦っている他の人々と同様に、我々の目標はレースに勝つことであり、2006年シーズンは非常に
興味深いものになると思う」
ヤルノ・トゥルーリ :TF106/02
ベストラップ:1分12秒346
周回数:107周
走行距離:428km
ヤルノ・トゥルーリもテスト2日目となる最終日の走行を終え、冬季テスト期間中の着実な進化に満足している。
「今日もいくつかのタイヤと、その挙動を理解するためのテストを継続した。今回のテストが、開幕戦へ向けた
準備を行う最後のチャンスであり、低速なセーフティカー導入時の走行や、フォーメーションラップ時などを
想定したテストも行った。開幕戦へ向けた準備は整ったと感じているが、我々の競争力がどの程度かを語るのは
難しい。唯一言えることは、チームはテストで素晴らしい仕事をこなし、組織は完璧に機能したということだ。
テスト終盤では悪天候に見舞われたが、ロングランテストも遂行することが出来た。我々の目標は、昨年の
能力をより改善し、前進していくことだ。そして、現在、確かな感触を掴んでいる。チームは常に開発を続け、
戦っており、同じ思いを共有してレースでの勝利へとベストを尽くす」
ゲルト・プファイファー :テスト・チーム・マネージャー
「今日も、冬季テスト期間中と同様に、“TF106”の信頼性や空力に関するテストを行い、開幕戦へ向けて
様々なセットアップやタイヤのコンパウンドを試した。また、レースの準備として、ロングランをこなし、
予選での周回及びタイヤの挙動についてもテストした。両ドライバーはプログラム全体を通して精力的であり、
新しい“TF106”の開発において大きな助けとなってくれた。テストプログラムにおいて得られた進化と到達した
レベルは、満足出来るものだと思う。走行距離を重ねている間に、多くの有意義な情報を収集、“TF106”と
その性能を良く理解することが出来た」
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