パナソニック・トヨタ・レーシングは、5月16日(火)から19日(金)の4
日間にわたり、南仏・ポールリカール・サーキットで行われたF1合同テストに
参加した。4人のドライバーは、来週開催される第7戦モナコGPから新たに投
入される進化型“TF106B”を使用して、経験を積むと共に、分析を行った。テス
トプログラムは、それぞれのドライバーが来るモナコGP及びカナダGPへ向けての
タイヤ選択を行い、加えて、正しいセットアップとバランスを見出すために集中
した。
ヤルノ・トゥルーリ : TF106/06B
1日目:ベストラップ:1分05秒752 周回数:117周
2日目:ベストラップ:1分05秒624 周回数:143周
通算走行距離:934.18km
「最終的に、新しい“TF106B”で多くの距離を走破できたことに満足している。
前回ここで行われたテストでは、パーツが十分に揃わず、多くは走り込めなかった。しかし、今回のテストで、進化型“TF106B”がポテンシャルを示してくれた
と言える。より剛性の高いモノコック構造により、今まで以上のグリップが感じられる。主にセットアップ作業を行い、進化型“TF106B”に慣れることができた。そしてマーク出来たタイムは、他チームと比較してもかなり良いものであった。
さらに、我々はモナコGPへ向けたいくつかのタイヤテストを行った。モナコGPはいつでもチャレンジングなレースであり、私は良い思い出を持っている。それだけにモナコでのレースを楽しみにしており、我々の結果も上向いてくれるはずだ」
ラルフ・シューマッハー : TF106/07B
1日目: ベストラップ:1分07秒009 周回数:104周
2日目: ベストラップ:1分06秒333 周回数:112周
通算走行距離:776.088km
「今回のテストは、私が進化型“TF106B”の経験を重ねるという意味で我々にとって重要なものであった。そして、良い進化を遂げられたと信じている。進化型
“TF106B”は全く新しい空力パッケージではないけれども、ロングランに置いてコンマ数秒のタイムアップが図れるはずだ。モナコGPへ向けたタイヤテスト以外にも、挙動をより理解するためにも、異なるセットアップのバリエーションを試
した。全体的に見て良いテストであった。モナコGPでは、この進化型“TF106B”の明確な効果を出したい」
リカルド・ゾンタ : TF106/06B
1日目: ベストラップ:1分26秒261 周回数:101周
2日目: ベストラップ:1分27秒239 周回数: 88周
通算走行距離:985.824km
「2日間に渡って“TF106B”をドライブし、モントリオールのサーキットに似た、非常に長いストレートを持つコースで、カナダGPへ向けた準備作業を行った。
最終日となった今日は強い風に見舞われたが、実際に、そのようなグリップコンディションの下で、どのようなタイヤと空力のセットアップが必要とされるかを
決定する助けとなった。バランスが非常に改善され、ドライブしているときも好印象だ。私の“TF106B”は特に大きな問題に見舞われることもなく、テストは上手く行った」
オリビエ・パニス : TF106/07B
1日目: ベストラップ:1分27秒037 周回数: 82周
2日目: ベストラップ:1分27秒143 周回数: 35周
通算走行距離:610.272km
「テストの現場に戻り、特に、進化型“TF106B”を試すことが出来て嬉しい。昨日は非常に快適にセットアップ作業をこなし、機能向上へといくつかの解決法も
見出せた。今日は、エンジンに若干の問題を抱え、我々は早めにテストを終了することとなった。しかし、これは、テストではよくあることだ。結果として、タ
イヤの温度が上昇していれば、タイヤとグリップに関して、さらに良い結果が得られる確信を得た。進化型“TF106B”はかなり有望に見えるが、非常にトリッキーな公道コースであるモナコにおいてどうなるかは実際に走ってみなくては分からない」
パスカル・バセロン : シャシー部門シニア・ゼネラル・マネージャー
「今週のポールリカール合同テストでは、進化型“TF106B”のより進んだテストに焦点を合わせた。この新しい仕様は、新しい空力パッケージよりも、むしろ、
大きな目標のひとつであるフロントのメカニカルグリップを改良した車体構造の開発だ。コースは、最初の2日間、来週に迫ったモンテカルロの公道コースをシ
ミュレートするものであり、2人のレースドライバーは、それぞれのセットアップ作業を行った。このコース設定によって、レースにおいてどのようなタイヤの
選択が必要であり、どのように進化型“TF106B”が反応するのかを理解することが出来た。後半の2日間は、カナダGPの準備のために、2つの長いストレートを
持つ、モントリオールを想定した異なるコースを使用した。テストドライバーのオリビエ・パニスとリカルド・ゾンタは、新しい仕様に慣れるべく、初めて進化
型“TF106B”をテストした。全体的に見て、今回のテストは継続的な開発の一貫であり、常に我々はパフォーマンスとパッケージを改善するために努力を続けている」 |