86/BRZ Race 谷口信輝×近藤翼 2018シーズンエンドトーク

いつもはコース上で火花を散らしているこのふたり。シーズン終了後はオフサイドということで、それぞれの今季を振り返ってもらいました。

──まずは谷口選手、チャンピオン獲得おめでとうございます。2018年はどんなシーズンでしたか?
谷口:タイヤ選択の件もあったし、いくつか落とし穴もあったけど、とにかく織戸学選手が序盤から飛ばしていて、調子に乗らせるとまずいなって(笑)。
近藤:織戸選手のペースでしたよね。
谷口:それでも、十勝で投入されたダンロップの新しいタイヤに履き換えて、5位と優勝で織戸選手を逆転できた。
──谷口選手の勝ちパターンかと思われましたが……。
谷口:第8戦もてぎでも落とし穴があった(笑)。予選アタックのとき、3コーナーでスパーンって滑った。アタックのタイミングでどうやらオイルか何かが捲かれていたらしいんだけど、とにかく後方に沈んでしまった。ランキング上位の佐々木雅弘選手も沈んで。
近藤:僕はヤル気が出ました(笑)。
谷口:だから、ファステストラップの1点を狙い、後方でゆっくり走っていたんだけど、僕の後ろで佐々木選手がスリップを狙っていた(笑)。何とか1点を獲れたからよかったけど、佐々木選手と織戸選手に最終戦鈴鹿でのタイトルの権利を残してしまった。
近藤:鈴鹿では谷口さんも迷ったんじゃないですか? タイヤの選択では。
谷口:最終戦は土曜のワンデイイベント。でも、予選は乾くかまだ濡れているか分からない、決勝は間違いなくドライ、という状況になっちゃった。ドライならDL、雨ならBSが有利だろうけど、先が読めないなかでどちらを履くのか、決めないといけなくなった。
近藤:谷口さんは5位以上でタイトル決定という条件でしたよね。
谷口:それも考慮してBSを選んだんだよね。ドライになってもそこそこのタイムを出す自信はあったし、DL有利のコンディションになれば、その週にやたらと速かった菅波冬悟選手が前に行ってくれるだろうと(笑)。ほかにもDL勢には速い選手がいっぱいいるから、織戸選手も簡単ではない。それなら、自分はBSを履いて佐々木選手を止めようと。結局、僕は予選3番手で、そのふたりは中団に沈んだ。

お互いのドライバー評については、「憧れの大先輩」(近藤)、「下りているときはこんなに穏やかだけど、乗るとガラッと変わるのが翼(笑)」(谷口)とのことだ。
お互いのドライバー評については、「憧れの大先輩」(近藤)、「下りているときはこんなに穏やかだけど、乗るとガラッと変わるのが翼(笑)」(谷口)とのことだ。

──判断がドンピシャに決まり、4位チェッカーでタイトル獲得となりました。一方の近藤選手は今年の目標のひとつを優勝に置いていたと思います。
近藤:17年は未勝利でのチャンピオンだったので、とにかく勝ちたいと思っていました。ただ、SUGOで原因不明のトラブルが出るなど滑り出しが悪く、タイトルを狙うのは厳しくなったかなと。それでも、チームの方が頑張ってくれて、シリーズ2位まで盛り返すことができたという感じですね。
──日曜2連戦の十勝では1レース目に青木孝行選手から0.2秒差の2位。
近藤:十勝は抜きづらいコースで、インに行こうとすると接触の可能性もあるので難しいんですよね。
谷口:午前に1戦、午後1戦だから、1レース目は勝負しづらい。2レース目のほうがもう少し思い切っていけるというところがあるよね。

最終戦鈴鹿で3度目のシリーズチャンピオンを決めた直後の谷口。「BSを選んだ途端に、お日さまが出てきた(笑)。でも、あのあたりは心理戦でもあるよね。どちらのタイヤを履くか、なかなか教えてくれない先輩もいました(笑)」。
最終戦鈴鹿で3度目のシリーズチャンピオンを決めた直後の谷口。「BSを選んだ途端に、お日さまが出てきた(笑)。でも、あのあたりは心理戦でもあるよね。どちらのタイヤを履くか、なかなか教えてくれない先輩もいました(笑)」。

──さて、おふたりともトヨタディーラーからの参戦で、メカニックもディーラーマンです。自分のチームのメカが作業の正確性や迅速性などでレベルアップしていると感じていますか。
谷口:レースでの作業はとにかく細かくて、空気圧は「何回計るの?」というくらいだし、車高も1以下の範囲で調整する。チリツモの争いです。短時間のなかでこれとこれを試したいとなったとき、なるべく同条件でやりたいから、作業の速さが必要になってくる。正確性も当然必要。最初のころはそのあたりの心構えは正直緩かったと思いますが、一緒に戦っていくうちに、「勝ちたい」という気持ちがメカにも出てきて、いまはエンジニアの指示がなくても仕事が済んでいる。速くするための提案もしてくれています。
近藤:僕も同じですね。仮にトラブルが出たとしても次のレースまでには直してくれていますし、17年もそれでチャンピオンを獲ることができました。
谷口:あと最近よく思うのは、86/BRZレースは注目度が上がってきて、今年の堤優威選手のように、優勝したらすぐに注目してもらえるようになったということ。それに、たとえばクラブマンクラスなら、結果が残らなかったとしても、自分自身の勉強になったり、スキルアップしたりといったことも感じられる。己を磨くもよし、名を売りに来るのもよしで、興味のある人はぜひ参加してほしい。問い合わせ先は下(↓)を見てみてね(笑)。

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オートスポーツ 2018 12/28号掲載
Text:高橋カズキヨ(Kazukiyo Takahashi)
Photo:服部眞哉(Shinya Hattori)/堤 晋一(Shin-ichi Tsutsumi)
佐藤宏治(Hiroharu Sato)