松原怜史選手が5勝目をマークし
2016年シーズンを有終の美で締める

　年間8戦のシリーズ戦で競われた2016年のTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race。4月からスタートした2016年シーズンも、今回の鈴鹿サーキットで最終戦を迎えることになった。
　クラブマンシリーズのシリーズチャンピオンは、オートポリスの代替戦となった第5戦の十勝スピードウェイラウンドで決まっていて、♯128松原怜史選手が有効ポイント4戦の中で全勝をマーク。圧倒的な速さと実力を示すことになった。
　シーズン最終戦ということもあり今戦の鈴鹿サーキットラウンドには76台のクラブマンレーサーがエントリー。鈴鹿サーキットのフルグリッドは40台なので、決勝Aレースに進出するのでさえ困難なほど多くのマシンが参戦することになった。
　シリーズチャンピオンこそ決定しているクラブマンシリーズだが、ランキング2位争いは、鈴鹿サーキットラウンドにエントリーしていない♯75手塚祐弥選手を追う♯600小野田貴俊選手と、僅かながら♯84橋本洋平選手に可能性が残されている状況だった。

　10月29日（土）に行なわれた予選は、2台がリタイヤしたが計74台のマシンが2組に分かれて競われた。両クラスともに20分間の時間が与えられていて、1組目では松原選手がシリーズチャンピオンの実力を発揮。2番手の小野田選手にコンマ3秒、3番手の♯336吉田綜一郎選手に1秒の差を付ける2分34秒015のトップタイムをマークした。続く2組目は、今シーズン4戦目の♯804山下昌樹選手が2分35秒441のトップタイムを記録。ランキング争いを行なう橋本選手は5/100秒及ばず2番手となった。2組の結果を受けて松原選手がポールポジションを獲得した。
　予選から約3時間のインターバルを経て、惜しくもトップ40台に残れなかった32台によって決勝Bレースがスタート。ポールポジションの♯502浅沼直之選手が8周を逃げ切って見事にポールトゥウィンを獲得した。

　前日の予選と同様に好天となった10月30日（日）の決勝Aレース。11時に8周のスタートが切られることとなった。ポールポジションの松原選手は順調なスタートとなった一方で、フロントローに並んだ山下選手は出遅れてしまい、3番手から加速してきた小野田選手に1コーナーで交わされてしまう。1周目を終了した時点での隊列は、松原選手、小野田選手、山下選手、♯126庄司雄磨選手、♯347番場彬選手のトップ5となった。トップを走る松原選手はペースが上がらず、すぐ後ろを小野田選手が追いかける。3周目のシケインでは小野田選手がインを指したが、松原選手がシケインを曲がりきれずにオーバーランしトップでコースへ復帰。その後もテールトゥノーズで2台のバトルが繰り広げられた。とくにシケインでは何度も小野田選手が仕掛けるが松原選手が要所を押さえて先行を許さない。山下選手と庄司選手の3番手争いも白熱するが、こちらも山下選手が先行を許さない展開が続いた。最終ラップまで熾烈なトップと3番手争いは行なわれたが、抜くには至らず松原選手がシーズン5勝目を記録。2位には小野田選手、3位には初表彰台となる山下選手が入った。
　この結果によりシリーズランキング2位は手塚選手、3位は小野田選手が獲得している。