Round5
TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race Rd.5 第5戦 十勝スピードウェイ
クラブマンシリーズ レポート

♯38神谷裕幸選手がポールトゥウィンで
前戦から2連勝を達成する

 年間9ラウンド10戦で競われる2017年のTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Raceは、中盤戦の山場となる十勝スピードウェイでのダブルヘッダーを迎えた。
 今回の十勝スピードウェイラウンドは、7月29日(土)に第5戦が1DAY開催で実施され、翌日の30日(日)にも第6戦が1DAYで行なわれる。ダブルヘッダーの2連戦ということで、競技方法が従来とは異なっていて、第5戦については、通常とおりに予選が行われ、決勝レースは10周。第6戦は予選がなく、第5戦の決勝でのベストラップでグリッドが決定し、決勝レースの周回数は14周となっている。また、2戦で使用できるタイヤの本数が6本と限られていて、各チームの戦略も見物のひとつ。
 クラブマンシリーズにエントリーしたのは27台で、2015年にプロフェッショナルシリーズとクラブマンシリーズの2シリーズ制になってから最大の出走台数となった。

神谷選手が2戦連続となるポールポジションを獲得

 28日(金)の専有走行は午後からウエットコンディションとなったが、一転して29日(土)はドライコンディションで競われた。10時30分から15分間に渡って行なわれた予選は、上位6台が僅差のタイムアタックを披露する。予選開始から5分の時点でタイミングモニターの最上位に躍り出たのは、♯500小野田貴俊選手で、タイムは1分37秒602。小野田選手に続いたのが♯38神谷裕幸選手で、3番手が♯84橋本洋平選手だった。この3台のタイム差はわずか0.05秒で、3台ともにタイムアタックを続けた。
 小野田選手が計測2周目に1分37秒574までタイムを伸ばすが、このタイムをさらに上回ったのが神谷選手で、タイムは1分37秒541。橋本選手も1分37秒602までタイムアップするが、上位2台には届かなかった。結果として神谷選手が前戦から連続してポールポジションを獲得した。
 4位以降は、♯771菱井將文選手が1分37秒670、♯75手塚祐弥選手が1分37秒738、♯130松井宏太選手が1分37秒978で続き、トップ6がコンマ5秒差に入る熾烈な予選となった。

神谷選手が冷静なスタートから
リードを築き、ダブルヘッダー初戦を制す

 予選終了からわずか2時間半後に行なわれた決勝レース。午前中は曇り空に覆われていた十勝スピードウェイだが、昼前から日が差し込むようになり、クラブマンシリーズの決勝レースが開始されるころには快晴となった。
 ポールポジションスタートの神谷選手は、好スタートを切り1コーナーをトップでクリアする。2番手には小野田選手、3番手には橋本選手が続いた。上位陣では4番手スタートの菱井選手が1周目でポジションを7番手までポジションを落としてしまい、5番手スタートの手塚選手、6番手スタートの松井選手がそれぞれポジションをひとつ上げて1周目のコントロールラインを通過。
 2周目以降は、トップの神谷選手から4番手の手塚選手までが1分38秒台前半のタイムで後続を引き離しに掛かる。神谷選手と2番手の小野田選手との差は、1秒弱で小野田選手はテールトゥノーズまで迫ることができない。一方で激化したのが3番手争い。手塚選手が3周目に全体のベストタイムとなる1分37秒772をマークして橋本選手に迫った。2台は4周目までテールトゥノーズのバトルを繰り広げるが、5周目の4コーナーで手塚選手が橋本選手のイン側に並びかけ、パッシングを試みるが両車は接触してしまう。手塚選手が橋本選手を押し出す形となり、橋本選手がスピンを喫する。
レースが中盤となる5周目にはトップを走る神谷選手がペースアップし、小野田選手と1.1秒の差をつける。7周目にはその差が1.9秒まで拡がり、2台のバトルにも終止符が打たれた。後続の展開では、出遅れてしまった菱井選手だったが、2周目には6番手、5周目には5番手、7周目にはスタートポジションとなる4番手まで順位を戻した。
 レースは10周目にチェッカーが振られ、神谷選手が見事にポールトゥウィンを達成し、前戦から2連勝を飾ることになった。2位には小野田選手。3位には手塚選手、4位には菱井選手、5位には松井選手が入った。レース後に、3番手争いを行っていた橋本選手と手塚選手の接触が審議となり、手塚選手には決勝レース結果に30秒を加算するペナルティが与えられ、11位となった。このペナルティにより4位以降の選手が1ポジションずつ繰り上がり、菱井選手が3位を獲得している。

リザルト

Rank Driver Car name Total time Gap
1位 神谷裕幸 N中部ミッドレススノコ86 16'33.598 -
2位 小野田貴俊 ネッツ東埼玉ワコーズED86 16'35.179 1.581
3位 菱井將文 CUSCO BS 86 16'40.633 7.035
4位 松井宏太 ネッツ青森アップルRC86YH 16'44.835 11.237
5位 伊藤俊哉 サミット&ミッドランド 86 16'53.195 19.597

優勝者コメント
抜きにくい十勝スピードウェイなので
ポールポジションが重要だと思っていました

♯38神谷裕幸選手

「予選は、同じヨコハマタイヤを履く小野田選手と引っ張り合ってタイムアタックをしました。上位がコンマ1秒ほどの僅差だったので、少しでもスリップが使えたことがポールポジションを取れた要因だと思います。決勝レースは無難にスタートが切れて、序盤の混戦の間にギャップを築けたことが勝因だったと思います。2周目以降は、ベストラップが明日のグリッドとなるので、毎周タイムアタックのつもりで走りました。十勝スピードウェイは普段走る機会がないので、まだまだタイムを詰める余地があると思っています。明日のレースでも優勝できるように、今日のレースを振り返って対策を練りたいと思います」

次戦予告

2017 TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 第6大会 第7戦
開催予定:2017.9.1 ~ 2
場所:富士スピードウェイ