Round6
TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race Rd.6 富士スピードウェイ
プロフェッショナルシリーズ レポート

♯60服部尚貴選手が2015年以来の優勝とともに
ダンロップタイヤに初優勝をもたらす

 9大会10戦で競われている2017年のTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race。10戦中7戦の有効ポイント制で競われるプロフェッショナルシリーズは、いよいよ終盤のシリーズランキング争いが激化することになる。
 前回の十勝スピードウェイラウンドで、2連勝を飾りポイントランキングで4位まで浮上した♯369平中克幸選手がどのような活躍をみせるのか、そしてシーズン序盤からトップ争いを行なってきた♯1佐々木雅弘選手、♯97近藤翼選手、♯31青木孝行選手がポイントランキングを維持できるかなどが、今回の富士スピードウェイラウンドでの注目となった。
 第7戦にエントリーしたのは37台だったが、十勝スピードウェイラウンドでクラッシュを喫してしまった♯76小河諒選手と♯370元嶋佑弥選手は、マシンの修復が間に合わず出走を見合わせることになった。また、今戦は併催するスーパー耐久の決勝レースが10時間と長丁場なために、1日(金)に予選、2日(土)に決勝と変則的なスケジュールで開催されている。

♯10吉田広樹選手が強豪を押さえて
初のポールポジションを獲得

 9月1日(金)の午前中には専有走行が設けられていて、プロフェッショナルシリーズは11時30分~55分の25分間に渡り35台のマシンが走行。この専有走行で好調さを示したのがOTG MOTOR SPORTSの2台で、♯60服部尚貴選手が2分5秒866でトップタイムをマーク。そして、初参戦ながらも2番手のタイムを出して周囲を驚かせたのがFIA-F4などで活躍している♯80管波冬悟選手。タイムは2分6秒080だった。
 専有走行の終了から約5時間のインターバルを経て行なわれた予選も、引き続きOTG MOTOR SPORTSが速さをみせた。トップタイムをマークしたのは、専有走行では8番手となっていた♯10吉田広樹選手。タイム2分5秒027で、専有走行から約1.5秒のタイムアップを果たし、初のポールポジションを獲得した。2位は専有走行でトップだった♯60服部尚貴選手で、タイムは2分5秒234。3位は♯369平中克幸選手で2分5秒270というように、トップ3はダンロップとグッドイヤー勢で占められた。予選結果は、トップから20位までが1秒以内にひしめく白熱したタイムアタック合戦となった。

服部選手が吉田選手とのバトルを制して
2年ぶりのシリーズ2勝目を飾る

 予選終了から一夜明けて開催されたプロフェッショナルシリーズの決勝レース。予定通りの16時30分に10周のレースが始まった。
 ポールポジションの吉田選手は、冷静なスタートで1コーナーをトップで通過。後続の上位陣もトラブルなく、グリッド順のままヘアピンコーナーに進入する。続くダンロップコーナーでは4番手の♯97近藤翼選手が平中選手に仕掛けるが、平中選手が巧みなライン取りでパッシングは許さなかった。だが、最終コーナーからの脱出で近藤選手が平中選手に再び並び掛けて1コーナーで3番手に浮上。2周目を終えた時点で、先頭から吉田選手、服部選手、近藤選手、平中選手、♯500坪井翔選手のトップ5の並びとなった。
 トップを走る吉田選手の背後には1秒以内でピッタリと服部選手がつき、パッシングポイントを探っていく。2台のギャップは、3周目が0.1秒、4周目が0.4秒、5周目が0.3秒と常にテールトゥノーズの状態でレースは展開。ちなみに、このトップ争いを行なう二人は、吉田選手がジュニアフォーミュラに乗っているころからの師弟関係で、お互いが信頼しあう関係だからからこそ成り立つ拮抗したバトルが繰り広げられた。
 2台が競り合っている間に3番手の近藤選手がファステストラップをマークし、トップ2台の背後に迫り、レース中盤からは3台のバトルとなった。
 レース展開に動きがあったのは9周目のダンロップコーナーで、吉田選手のマシンが立ち上がりからの加速が鈍り、その隙を逃さなかった服部選手が続く13コーナーでイン側に入る。しかし、吉田選手も譲らず2台は並走のままレクサスコーナーを抜け、最終コーナーもサイドバイサイドのまま立ち上がる。ファイナルラップに突入するメインストレートでも2台は並走したままだったが、イン側を走っていた服部選手が1コーナーでついにトップに浮上。2番手となった吉田選手は近藤選手にもプレッシャーを掛けられ、最終コーナーでイン側に入られてしまう。しかし、立ち上がりで並んだ2台は、サイドバイサイドのままコントロールラインに向かうが、わずかに吉田選手の加速が勝り近藤選手を0.14秒差で振り切って2位となった。
 トップでチェッカーを受けた服部選手は、2015年の第3戦富士スピードウェイラウンド以来のシリーズ2勝目を飾り、装着するダンロップタイヤに初の栄冠をもたらした。
 2位には吉田選手、3位には近藤選手、4位には平中選手、5位には10番手から追い上げた♯32市森友明選手が入っている。

リザルト

Rank Driver Car name Total time Gap
1位 服部尚貴 OTG DL 86 21'13.751 -
2位 吉田広樹 OTG TN滋賀 86 21'14.461 0.710
3位 近藤翼 神奈川トヨタ☆DTEC86R 21'14.601 0.850
4位 平中克幸 GY RACING 86 21'16.316 2.565
5位 市森友明 大阪トヨタ86レーシング 21'16.625 2.874

優勝者コメント
吉田選手は同じチームなので
手の内を知っているだけに厳しいレースでした

♯60服部尚貴選手

「同じOTG MOTOR SPORTSからエントリーしている吉田選手は、使っているモノは同じで、セットアップも似ているために速さも得意な箇所も似ています。そのため、戦いにくい相手でした。中盤まで後ろからじっくりと動きを見ていて、セクター3は分がありそうだと思っていました。9周目は、ダンロップの立ち上がりで吉田選手のライン取りが苦しくなり加速が鈍りました。そのチャンスを逃さず最終コーナーまで並走になりましたが、そのまま1コーナーでパスできました。前回の十勝スピードウェイラウンドでは、勝てそうなチャンスがあったのに逃してしまって悔しい思いをしていたので、その借りを返せたのではないでしょうか。シーズン後半に向けて、シリーズランキングの上位狙いは厳しいかもしれませんが1戦1戦を大切に戦っていきたいです」

[MOTOR GAMES TV]
TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race Rd.6 富士スピードウェイ

[インカームービー]
Rd.6 富士スピードウェイ プロフェッショナルシリーズ

  • 【決勝】 オーバーテイク
  • 【予選】吉田選手ポールポジションラップ

次戦予告

2017 TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 第7大会 第8戦
開催予定:2017.9.30 ~ 10.1
場所:スポーツランドSUGO