Round8
TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race Rd.8 鈴鹿サーキット
プロフェッショナルシリーズ レポート

谷口信輝選手がライバル勢を抑えて
3年ぶり3回目のシリーズチャンピオンを獲得

第8戦ツインリンクもてぎで2位入賞した#70 庄司雄磨選手

 3月末に鈴鹿サーキットで開幕した2018年シーズンの「TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race」。全国の主要サーキットを巡って年間8大会9戦で競われてきた同レースが、鈴鹿サーキットに戻り最終戦を迎えることになりました。 2015年から2クラス制で争われている86/BRZ Raceですが、すでにクラブマンシリーズのシリーズチャンピオンは前戦のツインリンクもてぎで決定していて、#70庄司雄磨選手が8戦中3勝、2位3回という圧倒的な速さをみせて見事に初の栄冠に輝いています。

第8戦ツインリンクもてぎで2位入賞した#70 庄司雄磨選手
ポールポジションを獲得した菅波選手は、1コーナーをトップで通過すると、後続を引き離しに掛かる

 一方のプロフェッショナルシリーズは、#82谷口信輝選手と#17織戸学選手、#34佐々木雅弘選手の3名にシリーズチャンピオンの可能性が残り最終戦を迎えます。しかし、谷口選手は2位の織戸選手に14ポイント、3位の佐々木選手に18ポイントの差をつけていて、谷口選手が圧倒的に有利な状態となっていました。
 第9戦の鈴鹿サーキットラウンドはスーパーフォーミュラやWTCRと併催となったために、予選と決勝を10月27日(土)の一日で実施するワンデー開催となりました。
 27日は、夜半から早朝まで雨が降り続け、クラブマンシリーズの予選がスタートした8時には雨が止んでいましたが、それでもコースコンディションはウエット。クラブマンシリーズの予選後には、スーパーフォーミュラのフリー走行を挟んでプロフェッショナルシリーズの予選が実施となります。レコードライン以外は一部で路面が濡れていましたが、ほぼドライコンディションで開催されました。
 15分間の予選では前日の専有走行から速さをみせていた#80菅波冬悟選手が2番手の#500坪井翔選手を0.3秒引き離す2分31秒089をマークしてポールポジションを獲得。シリーズチャンピオン争いを行なっている3選手は、谷口選手が3番手、織戸選手が13番手、佐々木選手が15番手グリッドから決勝レースを戦うことになりました。
 予選終了から約5時間半が経過した16時15分にプロフェッショナルシリーズの決勝レースはスタート進行を迎えます。37台のマシンがグリッドに整列し、予定より15分遅れの16時30分に8周の決勝レースがスタートしました。
 ポールポジションを獲得した菅波選手は、1コーナーをトップで通過すると、後続を引き離しに掛かります。2番手以降では、予選で3位を得た谷口選手が#97小河諒選手と#1近藤翼選手にパスされて5番手へと後退してしまいます。1周目をトップで戻ってきた菅波選手は、2周目にファステストラップとなる2分32秒543をマークし、さらに後続を引き離し、レースが後半に入った5周目のコントロールでは2番手に3.6秒差をつけて独走態勢に入ります。

ポールポジションを獲得した菅波選手は、1コーナーをトップで通過すると、後続を引き離しに掛かる
最終戦のチャンピオンとなった OTG MOTOR SPORTS菅波冬悟選手の80号車

 一方で2番手争いは、スタートからポジションを守っていた坪井選手がジャンプスタートの判定を取られて4周目にドライブスルーペナルティを消化したため、小河選手が2番手、近藤選手が3番手、谷口選手が4番手となります。3選手の2番手争いは、終盤になると激化しテールトゥノーズの戦いとなりました。
 ファイナルラップを迎える7周目のコントロールでは、トップの菅波選手が2番手の小河選手に4.1秒のリードを築きますが、2番手から4番手は1秒以内の接近戦を展開。菅波選手は最後までラップタイムを落とすことなく、前戦のツインリンクもてぎから2連勝を達成し、有終の美を飾ることとなりました。2位には小河選手、3位には近藤選手、4位には谷口選手、5位には#90阪口良平選手というトップ5となり、シリーズチャンピオン争いを行なっていた織戸選手は9位、佐々木選手は11位で最終戦を終えました。
 この結果によって谷口選手が見事に3年ぶり3度目のシリーズチャンピオンを獲得しました。

 7年目のシーズンとなる「TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2019」は、3月下旬の鈴鹿サーキットラウンドにより開幕し、年間8大会を予定しています。2018年シーズンとの変更点としては、1大会2レース制もしくは2ヒート制を複数大会で実施し、1大会でのタイヤ使用本数は1セット(4本)に制限されます。
 また、2015年からプロフェッショナルシリーズとクラブマンシリーズの2クラス制になりましたが、2019年からはクラブマンシリーズの中でエキスパート/オープン(仮称)のクラスが設置されます。クラブマンシリーズは2クラス制になりますが混走を想定していて、エキスパートはプロフェッショナルシリーズと同様に未使用のタイヤでのスタートが義務付けられ、オープンクラスは現状の規定と同じく中古タイヤでの出走が可能です。

最終戦のチャンピオンとなった OTG MOTOR SPORTS菅波冬悟選手の80号車

シーズンチャンピオンインタビュー

2018年シーズンチャンピオンに輝いたKTMS #82谷口信輝選手

「3年ぶりにシリーズチャンピオンを獲得することができました。サポートして頂いている神戸トヨペットを含めて関係者に感謝します。昨年までの2シーズンは、私が履くヨコハマタイヤよりも他メーカーのモデルが優れたパフォーマンスを発揮していたために、スタッフには苦しい思いをさせていました。

 今シーズンは、ヨコハマタイヤとも相談した結果、他メーカーを履く代わりに全力でシリーズチャンピオンを狙うことになりました。

 シーズンを振り返ると、前半は織戸選手が連続で表彰台に登って、調子に乗せてはいけない選手を勢い付けてしまったと焦っていました。それでも第3戦のオートポリスと第7戦の十勝スピードウェイで勝てたことが大きかったです。特に十勝スピードウェイのダブルヘッダーでは優勝と5位で大量のポイントが稼げて、織戸選手と佐々木選手にリードを築けました。前戦のツインリンクもてぎでさらにポイント差を拡げてチャンピオン獲得を狙っていましたが、上手くいきませんでした。

 そして最終戦を迎えることになって、このレースウィークは勝つよりも確実にチャンピオンを獲ることを選びました。ウエットからドライに変化する予選で3番手を獲得できたことが、シリーズチャンピオンの後押しとなりました。決勝レースは、4位と予選結果から順位を落としてしまい悔しさもありますが、それでもポイントを積み重ねてシリーズチャンピオンを獲れて本当に良かったと思っています」

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問題:「2013年からはじまった『○○/○○○(★1)』レースは『○○(★2)』戦を達成しました!」
★1 の答えは『86/BRZ』。
★2 の答えは『50』。

募集は終了いたしました。
たくさんのご応募
ありがとうございました。

リザルト(プロフェッショナルシリーズ)

Rank No. Driver Car name Total time Gap
1位 #80 菅波冬悟 OTG DL 86 20'26.241 -
2位 #97 小河 諒 神奈川トヨタ☆DTEC86R 20'30.798 4.557
3位 #1 近藤翼 神奈川トヨタ☆DTEC86R 20'31.486 0.688
4位 #82 谷口信輝 KTMS86 20'31.623 0.137
5位 #90 阪口良平 大阪トヨタ86レーシングBS 20'33.396 1.773

リザルト(クラブマンシリーズ決勝A)

Rank No. Driver Car name Total time Gap
1位 #610 大島和也 TeamMDI/BSR86 12'54.117 -
2位 #0 神谷裕幸 N中部GRGミッドレスDL86 12'54.428 0.311
3位 #70 庄司雄磨 OTG DL 86 12'54.605 0.177
4位 #305 水野大 リキモリ制動屋ピース剛式86 12'55.303 0.698
5位 #713 松原怜史 GR-G神戸垂水86BS 12'59.387 4.084