GR86/BRZ Cup 2025
シリーズ表彰式

激戦のシーズンで上位に入ったプロとクラブマンの10名が
シリーズ表彰式で栄誉を称えられる

全7大会で争われた「TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup」の2025年シーズンは、11月29-30日に岡山国際サーキットで開催された最終戦で締めくくられた。
激しいポイント争いの中で、シリーズランキング上位5名のドライバーとチーム関係者を迎えて「TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2025シリーズ表彰式」が12月19日(金)に富士スピードウェイホテルの「Ballroom THE CIRCUIT」で開催された。

2025年シーズンを振り返ると、プロフェッショナルシリーズでは #7堤優威選手が、7大会中5大会で表彰台を獲得するレース強さを見せ、初のシリーズチャンピオンを獲得。クラブマンシリーズではマレーシアから初参戦し、走り慣れていない国内のサーキットをものともしなかった #338 Naquib Azlan(ナキブ・アズラン)選手が4勝を上げてシリーズチャンピオンに輝いた。

昨年から開催されることとなったシリーズ表彰式の会場となる「Ballroom THE CIRCUIT」は、富士スピードウェイホテル内のミュージアムに隣接する宴会場で、400㎡の式場は天井に車のデザインが描かれているなど、各選手を表するには最適な場所といえる。今回はプロフェッショナルシリーズとクラブマンシリーズのシリーズチャンピオン以下、5位までの選手とチーム関係者が招かれ、昨年以上に多くの招待者が会場に訪れていた。

多くのチームスタッフや関係者によって盛り上がりをみせたシリーズ表彰式

開場の11時30分前から多くの招待者が集まり、普段のサーキットとは異なる様相のフォーマルな姿のドライバーたちにより、華やかな雰囲気の中でシリーズ表彰式はスタートした。まずは主催者の挨拶としてトヨタ自動車株式会社GR車両開発部 渡辺正人が登壇し「GR86/BRZ Cupは今年も多くの方に参戦していただき、毎戦熱い戦いでレースを盛り上げてくれたことに感謝しています。既存のレースファンの方に喜んでいただくだけでなく、各サーキットで地元の販売店の方による観戦ツアーを開催していただき、特にレースを初めて見に来たという方を多く連れてきてくれたことで、このレースの特徴でもあるチームやマシンを間近で見られる環境や、熱いレースを見て新たなレースファンを獲得してくれました。また車の開発におきましても、普段から社内で行なうテスト基準に従った評価では発見できないような弱点を、皆さまが追い込んで走っていただくことで見つけることができました。それが次の改善に繋がり、より楽しく信頼性のある車作りに役立たせていただいております。こうした良いサイクルが回っていけるのもこのレースがあってこそだと思いますので、また多くの方に参加していただき、楽しんでレースを盛り上げていっていただきたいと思います。来年以降もこの大会をより一層盛り上げていくよう頑張ってまいります」と挨拶を締めくくった。

トヨタ自動車株式会社GR車両開発部 渡辺正人
トヨタ自動車株式会社GR車両開発部 渡辺正人

続いて2025年のGR86/BRZ Cupに協賛していただいたパートナー企業が紹介された。同レースは多くの企業がパートナーとして参画することで成り立っていて、その企業を代表し、株式会社SUBARU CTO室モータースポーツ技術プロジェクト主査の嶋村誠氏が続いて挨拶を行なった。
「本日は入賞されたドライバーとチームの皆さま、おめでとうございます。またT.R.A.はじめとした関係者の皆さま、1年間お疲れ様でした。私どもSUBARUは、競技車両のベースとなる車を向上で生産しております。先ほど渡辺氏の挨拶にもありましたように、さまざまな不具合が出てきていまして、随時それを改善していくということをやっております。年々環境対応が厳しくなってきてはいますが、可能な限りこのレースのためにGR86とBRZを作り続けていきたいと思っていますので、今後もよろしくお願いいたします」と、レースでのフィードバックとその価値を語った。

クラブマンシリーズ

左から 箕輪選手 ナキブ選手 竹村選手 ハリス選手
左から 箕輪選手 ナキブ選手 竹村選手 ハリス選手

2名の代表者による挨拶が終わると、いよいよクラブマンシリーズの表彰がスタートした。クラブマンシリーズの表彰に先立って、同シリーズにワンメイクでタイヤを供給している株式会社ダンロップタイヤ 代表取締役副社長の冨田正也氏が登壇し「本日ご参加の皆さま、1年間大変お疲れ様でございました。私どもダンロップタイヤは昨年大きな発表をしまして、過去に各国に切り売りしたブランドを、住友ゴムが買い戻して、ダンロップというブランドをしっかり育てていくことになりました。その中でも、このGR86/BRZ Cupというレースは、ダンロップブランドをしっかりPRさせていただく場所として、今後とも頑張っていきたいと思っていますので、皆さま引き続きよろしくお願いいたします」と語った。

クラブマンシリーズのシリーズチャンピオンに輝いたナキブ選手は「この賞をいただけて大変光栄に思います。WING HIN MOTORSPORTSやMOTY'S、ハルスプリングやグローデザイン、そして特別指導をしてくださった佐々木雅弘さんに心から感謝申し上げます。皆さまのご協力なしにはこの偉業は成し遂げられませんでした。両親、家族、友人、そして今年だけでなく最初から私の旅を支えてくれたすべての方々に感謝申し上げます。またドライバーとして、チームとして私たちを温かく迎え入れ、敬意を持ってフェアなレースを共に戦ってくれたライバルたちにも感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。来年については未定ですが、また日本でレースができるよう心から願っています」とチャンピオン獲得を支えてくれた方々への感謝を語った。

クラブマンシリーズシリーズチャンピオンに輝いたナキブ選手
クラブマンシリーズシリーズチャンピオンに輝いたナキブ選手

GR86/BRZ Cupは前身のレースから今季100目を迎え唯一、開幕から連続参戦している井上選手が表彰された

クラブマンシリーズの表彰が終わると、2013年の第1戦 富士スピードウェイから2025年の第5戦 富士スピードウェイまでの全100戦を戦い抜いた #5 井上尚志選手が「100戦皆勤賞」として表彰された。
「このレースが2013年7月に始まり、今年の100戦目まで色んなハードルがありました。中でもSUGOで廃車になるほどの大クラッシュをして、次戦の参加が不可能な状況になったことがありましたが、奇跡的に新車を提供してくれる方がいて、次のオートポリス戦にはほぼ万全の状態で参戦できたということがありました。本当に多くの方々のサポートがあって100戦途切れることなく参戦することができました。特にマシンのトランクに貼ってある、地元の岐阜県にある協力してくださる企業様があって活動できています。レースなので、次は成績でこのような場に来られるように、今後もチャレンジしていきたいと思います」と、連続して参戦してこられたことの御礼や来季への抱負を語っていた。

「100戦皆勤賞」として表彰された井上選手
「100戦皆勤賞」として表彰された井上選手

プロフェッショナルシリーズ

左から 菅波選手 井口選手 堤選手 岡本選手 蒲生選手
左から 菅波選手 井口選手 堤選手 岡本選手 蒲生選手

特別表彰の後に、プロフェッショナルシリーズの表彰に移った。パートナー企業を代表して、一般社団法人 日本自動車用部品・部品アフターマーケット振興会(NAPAC)の植草正拓氏が「チーム関係者の皆さま、そしてドライバーの皆さまおめでとうございます。そして1年間このレースに関わった皆さまに、この場を借りて感謝申し上げます。NAPACはアフターパーツと呼ばれるものを扱う会員企業が、現在163社加盟している日本で唯一の業界団体となります。その中で4年前に新しいGR86/BRZ Cupを立ち上げたときに指定認定部品ということで、色々なパーツの交換を可能にしましょうといった提案があり、協会の会員企業がそこに参戦することになりました。いまNAPACでは34社110品番が指定認定部品として登録していますので、色々な部品をチョイスしていただき、これからもNAPAC会員の商品を使っていただければと思います。今後のNAPACとしてGR86/BRZ Cupが末永く続き、会員企業の商品も相乗効果で商売の方に繋がっていっていただきたいと思っております」と挨拶を行なった。

植草氏の挨拶が終わると、プロフェッショナルシリーズのシリーズランキングの上位5名が登壇した。シリーズランキング3位となった #293 岡本大地選手は「このワンメイクレースは非常にコンペティションなレースで、年齢的にもキャリア的にも自分ぐらいの層には、プロのドライバーたちとガチンコでレースができる場所で、他にはこういったカテゴリーのレースがないと思います。大会としても、賞金額やファンサービスイベントなど年々アップグレードされていて、本当にいろんな方がこの大会を盛り上げるために動いていただけて、これからプロを目指していくドライバーにとってすごい価値が出てきて、挑戦しがいのあるカテゴリーになっていると思います。チームとしては悲しいことがあった中で勝つことができ、本当に1勝を挙ることが難しいレースだと思うので、チームで力を合わせてそれを達成できてうれしいです」とコメントしました。

シリーズランキング3位 岡本選手
シリーズランキング3位 岡本選手

続いて、シリーズランキング2位を獲得した #88 井口卓人選手は「今シーズンは優勝こそなかったですが、全レースを5位以上でチェッカーを受けられ、安定したレースをすることができました。それもチームのプロのメカニックや、各戦来てくれるディーラーメカニックの頑張りがこの結果に結びついたと思っております。GR86/BRZ Cupは自分自身も素晴らしいレースだと思います。ダンロップを引っ張る菅波選手がいて、ブリヂストンを引っ張る堤選手がいて、岡本選手が天才的な走りをして、GT300でチャンピオンを獲得した蒲生選手がいて、本当に素晴らしいドライバーたちが一生懸命に戦うレースです。その中で自分自身は来年もチーム代表として、そしてドライバーとして、もっともっとこのレースを盛り上げていけるように精一杯頑張りたいと思うので、引き続きよろしくお願いいたします」と今年を振り返るとともに、来年に向けた意気込みを語った。

シリーズランキング2位 井口選手
シリーズランキング2位 井口選手

最後にシリーズチャンピオンを獲得した堤選手は「プロフェッショナルシリーズに参戦した初年度から優勝を経験させていただき、次の年にはシリーズ3位となり順調にきていましたが、そこからチャンピオンを取るまでに8年もかかりました。このレースに出るきっかけになったのは、今のCABANA Racingの安藤社長が、自分が大学4年生の時に、卒業後に入社してレースを続ければというところから始まりました。その社長と共にこのレースに出ながら将来の夢について話し、徐々にその話の夢が実現していき、社長に対する恩返しとして残るはこのレースのシリーズチャンピオンを取ることだけでしたが、やっと今年チームやスポンサー様のおかげで達成できました。非常に長い間苦労をかけましたし、たくさん迷惑をおかけしたのでホッとしています」と、まずはチャンピオンの獲得に対しての御礼を述べた。さらに「来年以降も引き続き出場したいと思っていますし、このレースは本当に素晴らしいメンバーでレースしています。またこのレースで結果を出すことによって、若手にとっては自分や菅波選手のようにチャンスを掴むことができるカテゴリーなので、いまクラブマンシリーズに参戦している方や、どのレースに参戦するか迷っている方にはプロフェッショナルシリーズに参加してもらって、自分たちの後に続いていってもらいたいと思います」と、プロドライバーを目指していく若手ドライバーにエールを送った。

シリーズチャンピオン 堤選手
シリーズチャンピオン 堤選手

シリーズ表彰式の最後には、トヨタ自動車株式会社 GRモータースポーツ事業部の大橋貴志が「昨年の表彰式で気づきをいただき、今年からこのレースやドライバーの魅力を発信していけるように努めてきました。来年はさらに魅力を向上していこうと思っていますので、引き続きプロの方々含めてご協力いただきたいと思います。これからももっといい車作りにご協力いただきながら、さらなる魅力の発信などバックアップしてまいりたいと思います」と語り、2025年シーズンのシリーズ表彰式は終演となった。

トヨタ自動車株式会社 GRモータースポーツ事業部 大橋貴志
トヨタ自動車株式会社 GRモータースポーツ事業部 大橋貴志