名勝負!サクセスウェイトを背負って優勝争い!39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra!〜SUPER GT 第6戦スポーツランドSUGO〜
モタスポコラム その100 2025.10.03
大クラッシュが発生してしまった今大会。一時はどうなることかと思ったレースは、最後に大団円という結末を迎えました。無事を祈ったり、チェッカーまでの間にいろいろ考えたりしましたね。TGR陣営には、勝利はもたらさなかったけれど、堂々とサクセスウェイト58kgで戦いきったこと、誇りに思いますし名勝負でしたよ。
久しぶりに仙台まで自走で伺いました。運転をしたかったという理由。残暑の中、太陽が真上にあった時に出発したと思うのですが、大渋滞の都内をすり抜け東北自動車道を運転していたら、すぐ夕方になってしまい仙台までの往路を急ぎたい気持ちになっていました。大雨の予報を覚悟して出ましたが、大きな雨雲は私の頭上には来ず助かりました。高速で遭遇するレーシングチームのトランポを何台かエールを送りながらオーバーテイク、途中休憩を取り曇り空の仙台に着いたときは、午後8時に届くのんびり移動でした。ちょっと疲れたかな。振り返ります。
いつも通りと言えばいつも通りですが、前日から入るチームが増えていますね。そして余裕のあるチームは、タイヤ交換の練習をサブメンバーがやっていましたね。実車で練習するのが一番経験にもなりますしね。普段、工場ではマシンはバラバラです。いつもの練習でもじっくり見ますが、いつもと違うとさらに見ちゃいます。どうも私の「圧」で失敗というか、ちょっと緊張させてしまうみたいでね。テレビカメラよりも圧力があると言われる昨今です…。
クルマの下の撮影はもちろんしませんが、なんかクルマの前でクルマ座とダジャレを言いながらパチリとした私です。かわいい♩
朝から湿気もなく晴れ渡る菅生の空は本当に気持ちが良く、ひっきりなしにトランポが出入りし搬入も進んでいました。写真たちは、落ち着いた午後の時間です。
前回、残念ながらポディウムから失格となってしまった60号車Syntium LMcorsa LC500 GT、リベンジに頑張ります。
夕方は少しだけ冷えて来ましたので、早めに退散。どなただったかな、メディアの方について行き、メディア用の駐車場へ。付いてって良い?って聞いたら、なんで?って顔してましたね。今回は1人移動でしたので毎日帰り道、しかも駐車場までの短い距離であるというのに怖がりなので(笑)毎日どうやってそこまで行こうかと心配をしていました。残り2戦は、駐車場がなかなかの場所なのにどうするんでしょうね私は…。考えただけでもぞっとします。いや、仕事頑張れです、はい。
20度まで最高気温が下がるとの予報だったこの日は、39号車を使用しての救出訓練からスタート。作業がやりやすいようにクルマを斜めに入れていたというのが、ベテランメカニックらしい気遣い。さすがです。たしかにこの方がやりやすいのと、朝は雨でしたから、ピット内での練習これで捗ったと思います。気温は、予報までさがらなかった1日でした。結局半袖。
そして、公式練習から調子のよかった39号車。前戦の鈴鹿では、予選最下位から6位フィニッシュを遂げました。近藤尚史監督に伺ったら、予選で最下位になったことがクルマを見直すきっかけとなったとのことでした。それが功を奏し決勝でごぼう抜きの6位だったと。今回も鈴鹿からの好調さを維持しているとのことでした。こうなると、午後の予選に期待しちゃいますよね。今回は、39号車がずっと調子良かったんです。
TGR勢は、シーズン前半好調だったので、最大のサクセスウェイトの第6戦は我慢の大会となりますね。
ポールポジションは、前大会から連続で16号車 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16!
GT500クラスは、39号車が2番手につけました。アタックしたサッシャ・フェネストラズ選手は、満足なアタックではなかったようです。決勝は、ピットストップが鍵ということで優勝を狙うと話していました。ここは、サーキットが短いのとコース幅も狭いですし、とても難しいコース。私は魔物という言葉が好きではないので使いませんが.…。レースで何かが起こることも多いです。それはやっぱりコース特性なのか。何も起らないよう祈ってしまいますね。今年もそう思っていましたが、決勝で起きてしまいました…。
そして、ここでGT300クラスを書かせてください! 小林利徠斗選手がポールポジション!ザック・オサリバン選手とコンビを組んでいますが、TGR-DCのドライバーです。今、話題の彼ですよ!前戦は、無線がずっと聞こえないまま走って優勝した彼! 7号車CARGUY FERRARI 296 GT3小林利徠斗選手!
今回は、 GT300クラス、ポールポジション獲得です! ご本人まるで他人事のようにコメントしていましたが、とても健気。クルマの調子も良かったのと、チームに恵まれてこの結果を得たと。前回よりも言葉数がとても多かったように思います。記者会見やインタビューに慣れるのはとても良いこと。どんどん表に出ましょう!
彼は、山形県出身。地元の応援団のみなさんが駆けつけていました。菅生は宮城県ですのでお隣ですね。これだけ彼は話題になっていますので、地元の新聞社なども来られていたようでした。地元で戦績を出すことはとても大事。話題をさらっています、彼のキャラクターが。
スーパーフォーミュラもてぎ大会でチームインパルからスポット参戦した際にも、レースで存在感をアピールしましたよね? 覚えてないかな。来季は、ぜひレギュラーシートを掴んで欲しいんですけどね。SUPER GTの彼のチーム関係者のSNSを拝見したら、ドライバー交代まで寝ていたらしいです。まさに大物とのことでした。こちらのチームの芳賀美里監督は、岩手県出身ですし東北つながりでとても身近な存在ではないでしょうか。FIA-F4のチャンピオンですし、速いし「大物」であって当たり前と言いたいドライバーさん。ぜひ、覚えていただきたいですね。「小林利徠斗(こばやしりくと)」選手!
もちろん!相棒のザック・オサリバン選手は、スーパーフォーミュラでは、KONDO RACING所属です!こちらもよろしくお願いします!
天候にも恵まれ、やっぱり暑い。サーキットには朝からたくさんの方がいらしていました。サーキット周辺が混む前に現場入りしましたが。金曜、土曜、往復のルートが同じはずがどうもナビの言うことを私が聞かないので、違う道を毎日通勤していました。道を覚えるからいっか!誰かと一緒だと全く覚えないので私は…。
そうそうメディアセンターで、「女房元気で留守がいい」という新しい言葉を拝受しました。ありがとうございます。というのも、このSUPER GTに来る前に、チームの女性マネージャーさんたちと旅行に行ったんです、4人で。菅生では、サーキットでその話題でメカさんたちとも話すことが多くてびっくりです。私のInstagramは関係者しか見てないんかい!とツッコミました。業界の方とサーキットでは話す時間もなかなかないから、旅に出てのんびりはちょうど良かったです。そして楽しかったんですよね。そんなレースウィークを過ごしていよいよ決勝!
雨は降るのかと気にしつつも、また雨雲は避けてくれた模様。ビミョーに暑かったです。スーパーフォーミュラよりも参加台数が多いので、ダミーグリッドのポールポジションの位置は1コーナーよりの前まで来ていて、クレヨンで書いてあるのがデフォルト。不思議ですが、ちゃんとみんなここに停めています。メカもついてますしね。
グリッド入場は、今回から、メディアはチームスタッフが入場してから入ることに。これずっと気になってたんです。メディアが先に入ってもしょうがないんですよ。チームのみなさんが準備するのを待ってから撮影してますしね。そもそも準備する前に居たら邪魔になるし。改善されましたね。
コンパクトなサーキットだからか?時間もあってGT300クラスのグリッドにも少し行けました。グリッドでは最後の調整をしていて、作業をしていたのでマシンはあまり撮れなかったかもね。
スタートしてからは、予選上位のクルマが、路面の変化からなのか後退していく感じで、上位争いが激化して行きました。レース中盤で、マルチクラッシュ発生。見た目にもとても辛いマシンが大破してしまうクラッシュで、最終コーナーからホームストレートにかけて発生しました。その前で起きたマシンの接触を発端に、タイヤが外れて…からスタートして大クラッシュに至った模様。これで1時間近くレースが中断しました。
クラッシュに見舞われたドライバーさんたちは無事でほっとしたのですが、マシンから降りてしまったドライバーさんも居て、きっと恐怖からそうしてしまったのかなと、これはあくまでも想像ですが。とにかくショックでした。モノコックが守ってくれたにしても、衝撃は大きかったはずです。
時間が経過するにつれ、最大延長時間、午後4時半に向け時計の針が進んでいきます。そして、フルポイントでレースを終えるには、レースの75パーセントを消化しないといけないと。その話も出始めました。そうこうしているうちに、「午後4時レース再開」のアナウンスがありました。その5分前に赤旗で停車しているホームストレート上の隊列を整えるため、マシンを動かし始めました。最大延長時間までのタイムレースに変更です。
1周の距離が短いので、何もまた起きなければ30分もあれば84周の75パーセントの63周は走破するということも想像できました。何も起きなければですけどね。これもまたドキドキです。リスタートで少しトラブルもありましたが、終盤に差し掛かりトップを走行中の39号車のピットへと向かいました。
しばらくそこでスタッフさんたちと見ていました。トップを走っていたところへ、24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zが追いついていました。抜きつ抜かれつを繰り返しながらチェッカーが迫って来ます。
最初のスティントを走った関口雄飛選手は、モニターを見ながら黙っては居られない状態。そのうち一旦ピットを出ていきましたが、すぐに戻り、またモニターに釘付けになります。レースアンバサダー、その他のスタッフもピットに詰めます。
ファイナルラップ、競り合う2台を見つめるみんな。そのうち応援の声も大きくなりますが、残念ながら悲鳴に変わりました。24号車がチェッカーまで残り20秒というときトップに立ちました。サッシャくんが後退…。そのまま24号車が逃げ切り大逆転勝利を遂げました。
力を落とす面々ですが、べテランスタッフは、サクセスウェイトが24号車は1kg、39号車は58kgで、あっちの方が軽いんだよなあとリードを保っていた時も冷静におっしゃっていたんですよね。この差は大きいので、どこかで軽さを活かして来るのは想定内でもありました。序盤からオーバーテイクショーでしたからね。それでもめちゃくちゃ頑張っていたので、逃げ切るかなとも思っていました。
ですので、2位でも十分なポジションではあるわけです。いや満足ですわたしは!それを示すかのように、表彰台ではドライバー2人とも笑顔でした。優勝したドライバーで、201戦目を迎えた松田次生選手と雄飛がセレモニーが始まる前、話している姿が見えました。2人は、スーパーフォーミュラでは、Kids com Team KCMGに帯同して一緒に戦っています。ですので、よく知る仲でもありますね。お互いファーストスティントを走りました。
チェッカーを受けてからの悔しい雄飛の表情は忘れません。そして、その時は悔しくてお怒りモードだったと思うのです。ピットを出て行く時に、私と肩が触れました。めちゃくちゃドーンと当たってきました(笑)。狭いピットの入り口に立っていた私も悪いのですが、その前のときは避けて出て行ったんですが、負けが決まったときは正面からぶつかって出ていきました。あの勢い(痛さ)が悔しさということで、その悔しさ、私の強靭なボディが体感しました。そのあと切り替えて表彰式で笑顔だったのは、さすがプロですね。
新体制でポディウムは良い兆し!おめでとうございました!
脇阪監督、ここまで苦労して来ましたが阿部エンジニアと共に戦える体制を構築、右肩上がりでますます頑張ってくださいな。やっぱりチーム作りは時間がかかるというのを見ていて思いました。これからもずっと見守りますからね!ガンバ!
そして、最後にチャンピオンカーの1号車 au TOM'S GR Supra。最大のサクセスウェイトで、なんと9位!2ポイントを獲得しました!チェッカーと同時にホスピからは、拍手が聞こえ???と思ったらポイントゲットですよ。これは脅威。だって全戦ポイントゲットです! そして、ランキング2位の14号車 ENEOS X PRIME GR Supraが7位に入り、ランキングトップの1号車とドライバーランキングで8ポイント差に迫りました。身内同士バチバチで最後までもつれ込みそうですね。楽しみです!
前戦のリベンジ大成功!前回は、800g車重が足らず失格でしたが、今回は優勝!
おめでとうございました!GT500クラスの攻防がモニターにずっと映っていて、それからあちこち走り回っていたので、ピットの前を通り過ぎたときに、ピットの様子でわかった感じでした。ほんと良かったね!おめでとうございます!
いよいよ終盤、残り2レース!
次戦は、10月18日(土)、19日(日)九州オートポリスで開催です。サクセスウェイトが半減します。九州のみなさま、ぜひサーキットへお越しください!
大谷幸子の近況
(コースサイドでカメラおばさんしてました)
WEC富士が今年も終わりました。年イチのお楽しみは、BoPに苦しむ辛いものでしたが、さらにレース展開にも恵まれずちょっと悲しかった…。レース後、囲み取材で強いクルマを来年は作ると明言した小林可夢偉代表の言葉に期待し、平川亮選手の待っていてください!も信じようと思います。WECのカテゴリーが復活してから、WEC富士は皆勤賞。今回は初めてグリッドの位置が後方だったり、ファンのみなさんまで BoPに苦しむ経験をしました。それでもファンの方はあたたかいですね。苦しくたって、全力で応援する姿がありました。
過去にこのレースに関わっていた方など、現在頑張っている方などたくさんの方に富士でお目にかかりました。ル・マン24時間に伺った際にお世話になった方もまだたくさんいらして、以前、現地のTMG(当時の名称)のトランポで仕事をさせていただいたことを思い出しました。前に書いたかな。引き続き頑張ってください!いつかまたてっぺんに日の丸を掲げてください!
富士のレースウィークで吉報が飛び込みました。TGR-DCの中村仁選手が来季の欧州のF3に参戦することが発表されました。20年の時を経て、再び育成ドライバーたちの海外修業が盛んになってうれしいです。また取材に行きたいものです。FIA Formula 3ということは、マカオグランプリも来年は欧州から参戦するのかしらね。マカオは結構いきましたね。小林可夢偉選手や中嶋一貴TGR-E副会長の若い頃の参戦も、現地で拝見しました。欧州からの参戦でマカオグランプリに参戦したけど、ご飯は当時の育成の校長先生の関谷正徳さんと一緒に私もいました(笑)。来月マカオグランプリですね。11月のスケジュールが今年は毎週毎週レースで混み合っておりますが、いつかまた若人の勇姿をみたいですね。
シーズン終盤へ突入!来月のファイナルに向かって、もう少し頑張らないと!と、自分に喝を入れ乗り切りたいと思います! では、また!
(写真 トヨタ自動車 GTアソシエイション 大谷幸子、テキスト 大谷幸子 )