• モタスポコラム その14-スーパーフォーミュラ開幕目前公式テスト 鈴鹿

スーパーフォーミュラ開幕目前公式テスト 鈴鹿

モタスポコラム その14 2021.3.23

みなさんこんにちは!スーパーフォーミュラも2021年シーズンまであと約1週間となりました。トヨタくま吉は、相変わらず魔法がかかって小さくなったまま。早く元気な姿がみたいな…。鈴鹿サーキットのテストに行って参りましたが、このレポートがアップされる頃には、開幕直前2回目のテスト、富士公式テストも富士スピードウェイで始まっておりますよ。遅くなってごめんなさい…。

あらためてご紹介!今季、TOYOTA GAZOO Racingからデビューを果たすのは二人をご紹介!宮田莉朋選手(21歳)と阪口晴南(21歳)選手です!若いっ!今回はこちらの我々の大切なルーキーの二人と、2チームに絞ってレポートしますね。

〇昨年掴んだチャンス
(昨年のコラム その6 - スーパーフォーミュラ第2戦&第3戦 | レポーター(お)ねーさんのモタスポコラム | TOYOTA GAZOO Racing)
昨年WEC(世界耐久選手権)に参戦するお兄さんたち、小林可夢偉選手、中嶋一貴選手、山下健太選手のスケジュールの都合で残念ながら欠場となった際に、代わりにスポット参戦をしたのが彼らでした。阪口選手は、このカテゴリーはスポット参戦2度目となりますが、スーパーフォーミュラ参戦経験のある中山雄一選手も代役参戦をしました。
このような機会をモノにすることは、特に若者にとってアピールになりますし、そこで良い結果を残せば将来が開けて来ますよね。まだ二十歳の二人を昨年眺めていてとても頼もしかったですが、宮田選手は予選のセッションでトップタイムをマークするなど、最大限のアピールを魅せました。阪口選手は、チーム(コンド―レーシング)にとても馴染んでいたのが記憶にあります。決勝では残念ながらしっかりレースが出来なかったのですが、大舞台にデビューをしています。

ドライバーの育成の順番、例えばTGR-DCで上のカテゴリーに必ずしもステップアップが出来るとは限らない様子。過去にもそうですが、戦績により途中で育成ルートから外れてしまうドライバーさんもいました。しっかり戦績を残してからステップアップというのが近年の流れ。3年かかってトップカテゴリーに羽ばたいていますね。先輩たちの穴埋めをしたことは、きっとアピールになっていますね。充分走れると判断したからこそ、先輩の代役を務めたと思うのですが、昨年はこの代役…というところにチャンスが潜んでいました。

  • 〇入門カテゴリーからの道筋

    モタスポコラム その13-スーパーフォーミュラ開幕目前公式テスト 鈴鹿
    (2016年 FIA-F4 宮田莉朋選手 写真:トヨタ自動車)

このお二人が過去に参戦していたカテゴリーに、少し触れましょう。FIA-F4というフォーミュラのレースがあります。若手の入門カテゴリーでもあるのですが、カートから上がって来た精鋭が集うカテゴリーで優等生ばかり。10代半ばにしてこんなにマシンを乗りこなすのかといつも感心して見ています。このカテゴリーはチャンスの多いカテゴリー。ココ以外にも頑張ればスカウトのチャンスはあると思いますが、メーカー育成の扉を開けることも多く、一番のチャンスではないかと思っています。

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    (2016年 3位表彰台にいるのが阪口晴南選手 優勝のじゃなくてごめん 写真:トヨタ自動車)

若いドライバーがメーカー育成の門戸を叩く人数自体は、少子化で以前に比べ減っていると育成担当の方に訊いたことがありますが、勝ち上がって来るドライバーさんたちのレベルが高いこと高いこと。ここから、このスーパーフォーミュラのひとつ下のカテゴリーの全日本F3選手権(2019年まで)、昨年より名前が変わりスーパーフォーミュラライツへ上がると、タイトルを獲得する者、ランキング上位は当たり前になって来てますね。プロカテゴリーの一端を担うとも私は思っているのですが、若年層の活躍は世界に繋がって欲しいという夢も抱きます。

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    (2018年 2位にいるのが角田裕毅選手 優勝のじゃなくてごめんなさい この時の優勝は小高一斗選手 写真:トヨタ自動車)

F1が開幕目前ですが、話題中の話題!今季その世界最高峰のF1デビューを果たすホンダ角田裕毅選手(20歳)は、宮田選手と2017年にFIA-F4で戦いました。ちなみに、2016年、2017年は宮田選手がチャンピオン、メーカー育成ドライバー(TGR-DC)の切符を手にして道を歩み始めます。彼がF3へステップアップしていった年、2018年に角田選手がチャンピオンを獲得し、ヨーロッパへと旅立ちました。F1へは5年で辿りついてますね。
この才能も素晴らしいです。

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    (2015年 FIA-F4 坪井翔選手 たぶんチャンピオンになって泣いてるやつ ごめんなさい 写真:トヨタ自動車)

阪口晴南選手は彼らの前、このFIA-F4がスタートした2015年と2016年に参戦していて、2016年はシリーズ2位でした。ちなみに、2015年のチャンピオンは、坪井翔選手です。宮田、阪口の二人が21歳でスーパーフォーミュラにデビューすることも評価したいですし、日本の若いドライバーの層のレベルも海外に負けないくらい、捨てたものじゃないなと思う訳です。

阪口選手はライバルメーカーの育成ドライバーでしたが、残念ながらそのルートからいったん外れました。若くして挫折を味わいます。しかし、ピンチはチャンスとはよく言ったもので新たなチャンスを掴むことに成功。途絶えたと思われたレーサーの道も、全日本F3選手権に参戦のサポートを今季彼がスーパーフォーミュラでデビューするチーム、セルモインギングがしてくれ繋がりました。これはうれしかったに違いないですよね。それゆえに大きく環境が変わったと思うのですが、チームと上手くやっている様子は、鈴鹿テストでも見て取れ、微笑ましく頑張れ!という思いも込めて見ていました。

簡単ですが、日本最高峰のフォーミュラのレース、スーパーフォーミュラに辿り着く彼らの最近の環境はそんな感じですね。さて、鈴鹿テストの現地での様子を少し…。

〇Kuo VANTELIN TEMA TOM’S

テストでは、まず中嶋一貴選手がスケジュールの都合により欠場。残念。宮田選手は先に現地入りし、設営日はスーパーフォーミュラライツのテストのお手伝いをしていました。ガンガン走っていましたよ。欠場の中嶋選手のクルマは、同チームのスーパーフォーミュラライツに今季初参戦するジュリアーノ・アレジ選手が代役を務めました。

宮田選手は、そのあと2日間このスーパーフォーミュラのテストに専念。ようやくその時が来た!という感じだったのではないでしょうか。チームの体制は、宮田選手の37号車は小枝正樹エンジニア以下メカニックの体制は変わらず。過去にタイトルも獲得したニック・キャシディ選手の体制で戦います。

中嶋選手の36号車は、昨年より大立健太エンジニアが担当。昨年宮田選手がスポット参戦した時は、大立エンジニアと仕事をしましたが、だいぶチームにも慣れた大型ルーキー、活躍が楽しみですね。

宮田選手は、「昨年、チームチャンピオンを獲得したこのチームから参戦できるのは、うれしいです。目標は、シリーズチャンピオンしかないです」とチカラ強くコメントをくれました。彼はいつもタフで、元気にコメントをくれるドライバー。今季もしっかり見届けたいと思っています。クルマのカラーリングは、サイドポンツーンの白が多めになってましたね。頑張ってください。

〇インギングモータースポーツ

まずサーキットに入り、マシンのカラーリングががらりと変わったことに驚きました。白ですね!そして、石浦宏明選手がこのカテゴリーから勇退。ピットにいらっしゃるけど、マシンに乗り込んでいないのが不思議な感じでした。立川祐路監督とは、ご存じのようにスーパーGTでコンビを組む中。阿吽の呼吸でチームをサポートしていくでしょうから、何も心配はナシですね。

阪口晴南選手のチームメイトは、坪井翔選手。昨年このカテゴリーで2勝を挙げました。今季3年目に入りますが、彼はチャンピオン候補にあげたい一人ですね。昨年のチャンピオン、ホンダのベテランドライバー山本尚貴選手に負けないくらい頑張って欲しいです。

阪口選手は、田中耕太郎エンジニアが担当します。心強いですね。坪井選手は、変わらず菅沼芳成エンジニア。写真失敗しちゃったので必ずリベンジします、コータローさんも。

阪口選手からは、「F3、スーパーフォーミュラライツのシーズンを4年経験し、間近でスーパーフォーミュラを見ていたので、乗りたいカテゴリーでもありました。まずは、参戦出来たことをうれしく思いますし、セルモインギングからエントリー出来たことをチームに感謝したいと思います。2018年に他メーカーからの育成から外れ2019年からセルモインギングのサポートもあって、スーパーフォーミュラライツで他チームですが走らせていただきました。レースキャリアが途切れてしまうと落胆していた時期もあったので、感謝しかありません」ととても感謝の気持ちが溢れるコメントをくれました。

2歳くらいからカートを始めたそうで、始めた当時は幼かったからなのか嫌々だったらしいのです。逆に遅く始めた石浦選手(アドバイザーと言えば良いのかな?)とは、キャリアを重ねて時期がかぶるらしく、キャリアの長さは変わらないんだと以前おっしゃっていました。昨年だったかな、そのやりとりも見ていて和むものでした。

とにかく若い彼らの本格的なデビューが目前で、若い日本人のドライバーたちの活躍をグローバルな視点も含めて楽しみな春を迎えております。

さあ、富士テストも頑張って行こう!

では、また!

大谷幸子の近況

今季は、少し人気で苦戦しているこのスーパーフォーミュラも盛り上がって欲しいと思っています。F1の角田裕毅選手がデビューすることも併せて、夢を抱いて欲しいのですよね。大人だってワクワクです。開幕前のバーレーンテストで上位に名前があるのを見た時の高揚感ったら…。もうね楽しみでしょうがないです。メーカーがどことかそんなの関係なくね。今さら、日本人だなと思ってしまう訳です、はい。

この10年、メーカーが世界の舞台に戻って来ました。WRC、WECのTOYOTA GAZOO Racingもそうですし、フォーミュラEに参戦する日産さん、F1ラストイヤーとはなりますがHondaさん、2輪もやられています。カテゴリーはそれぞれですが、「夢」を抱くスペースを残しておいて欲しいですね。子ども、大人、夢は無限大です。

いろんな事情で、メーカーのモータースポーツはどうしても撤退したりすることはありますが、この10年気づけば参加型レースも含め盛り上がっていますよね。
この変化は大きいです。カテゴリーが増えて取材する側は大変ですが(笑)、どうかこのまま、楽しむこともやめないで欲しいです。

コロナ過であるのでモータースポーツの行く末を諸々心配をしていましたが、関係各所のご尽力、お導きで今季も開幕の時を迎えられることがうれしいですね。楽しみでしょうがない。今季も盛り上がって参りましょう! GOGOGO!