• モタスポコラム その24-まだタイトル争いは終わってないのです
    (写真:トヨタ自動車株式会社)

まだタイトル争いは終わってないのです

モタスポコラム その24 2021.10.25

みなさん、こんにちは!前回の現場から、しっかり充電。気持ちも新たにスーパーフォーミュラ第6戦ツインリンクもてぎへ行って来ました!

緊急事態宣言が解除され、取材の環境の規制はまだありますが、若干気持ちが楽になりました。そんな気持ちとは裏腹に今回は天候に翻弄されすぎまして、もう「雨」ってやつは!で、取材する側も何が起こったのか展開を追いかけるのが大変でした。

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    (バイザーからしたたる雨… Kuo VANTELIN TEAM TOM'S宮田莉朋選手)
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    (WET宣言、雨降るよ~上がるよ~のタイミングが難しい…)

雨は、エキサイティングな舞台をさらにドラマチックに演出…、いやいや現実。コンディションの変化から瞬時の判断が求められ、それによりその判断が明暗を分けますよね。ほんとね…。写真が撮れないせつないシーンが多かったです…。

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    (グリッドにて、TEAM MUGEN野尻智紀選手と医療従事者に敬意を表したカラーリングの16号車)

ドライバーズランキングは、野尻智紀選手がぶっちぎりでトップ、シリーズチャンピオンを獲得しました。おめでとうございます。最終戦を前にタイトルが決まったことは、どれだけシーズンをリードしていたかおわかりになると思います。頑張ったトヨタ勢でしたが、まずは来週に迫った最終戦を各陣営、悔いなきよう挑んで欲しいと思っています。頑張って行きましょう。では、振り返ります!

〇おかえりなさい!

まずは、こちらの3人のドライバーですね。今季初めての出走となるKCMG小林可夢偉選手、今季2回目開幕戦から約半年ぶりのKuo VANTELIN TEAM TOM'S中嶋一貴選手、また、コロナ禍の入国制限で日本に戻って来られずレースが全く出来ていなかったKONDO RACINGサッシャ・フェネストラズ選手の3人が晴れてカムバックです。特に、コラムに今季初登場のフェネストラズ選手は、昨年の最終戦からお顔を拝見しておりませんでしたのでうれしいですね。村野マネージャーによると、日本語を忘れているのかと思ったら全然以前と同じでしたと。相変わらず日本語が上手で、その愛されるキャラクターはどこにいても目を引き、タイムラグを感じさせませんでした。走りもブランクなく、要所要所でトップタイムを叩き出すなど目立つ活躍を見せ、先輩たちに負けない存在感を出していました。

〇ニューヘルメットとプレッシャー

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    (ちょうど新しいヘルメットで、無線がちゃんと聞こえるかテストをしていました)

Kuo VANTELIN TEAM TOM'S中嶋一貴選手のヘルメットは、お父様で元F1ドライバーの中嶋悟さんのヘルメットをモチーフにしたものであるのは、ご存じの方が多いと思います。名字のNAKAJIMAの文字が後ろに描かれたもので、彼もずっとデザインを変えておりません。今回、デザインは変わらないのですが、若干赴きの変わったヘルメットが用意されていました。きらきらかな。

そして、中嶋選手を担当する大立健太エンジニアは、インターネットでのル・マン24時間凱旋レースという言葉にプレッシャーを感じているとコソっと教えてくださいました。ですので、これはカタチにしなくては!と彼を追い込んでおきました。一緒に戦えることにとても喜びを持ってお仕事されていました。今季は最終戦もまたWECとバッティング。可夢偉選手と共に欠場になってしまいますので、国内最後のレースだったのですよね~今回が。決勝は7位と予選から5つポジションを上げてフィニッシュ。ポイント獲得でレースを終えました。姿をしばし見られないのは寂しいですが、まずは安堵です。

〇壮大でリアルなタラレバ

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    (予選後、ニコニコしながら話す田中エンジニアと阪口晴南選手)

予選後、P.MU/CERUMO・INGING 39号車の田中耕太郎エンジニアが笑顔で、言うこと聞かないドライバーがここにいるよ~と話かけて来ました。どしたどした?満面の笑みで話すのですよ。どういうこと?という訳で究極のタラレバのお話をします。

雨が降り出し難しいコンディションの予選でしたが、セオリー通りレインタイヤに換えたり、スリックタイヤで様子見てから…、でも時間がないというQ2。スリックで出て行った阪口選手は、雨の中頑張ってそのままQ3へ進出しました。Red Bull MUGEN Team Go 15号車の大津弘樹選手と39号車の阪口選手の2人がスリック。褒めていましたね田中エンジニア、よく残ったなと。

そしてQ3は、8台が出走しますが、大津選手のみがQ2で使用した予熱を残したスリックを履きポールポジションを獲得しました。アドバンテージがあったんですね。ただQ3で、雨がもっと降って来ていたら当然レインタイヤに分があるのですがここでタラレバ。阪口選手がもし同じく予熱のあるスリックを履いていたら、大津選手と2台のみですからフロントローだったかも?というお話をしていたのが上の笑顔の写真です。

テレビで解説をされていた土屋武士さんも、この予選中に僕なら予熱のあるスリックも選択肢という主旨の発言をしていました。エンジニアはそう提案しましたが、阪口選手は、レインタイヤもタイムを出していて速かったのでレイン2発にかけようと思ったそうです。彼も正しいですし、ドライバーファーストで新人とは言え阪口選手の思うように予選を戦わせたエンジニアも素晴らしいと思いました。予選後、立川祐路監督が、“コースインするまでは何が正解かわからない予選でした”と、まさしくですね。この数分間で決断をしないといけないから、大変ですよね…。

話を戻しますが、幻のポール?(大津選手ごめんなさい)かあ、おもしろい話が聴けたと私が阪口選手につい言ってしまったら、阪口選手はおもしろくないですよ~と笑顔。では、今度このようなシチュエーションでエンジニアと意見が分かれたらどうする?と質問したら、笑顔で“言うこと聞きま~す”ですって。今回はエンジニアを立てる意味でそう彼は答えたのだと思います。

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    (こちらは、搬入日 このような感じで戦略を練るんです、どのチームでも)

今後いろんなシーンに巡り会うと思いますし、阪口選手の経験値もますます上がっていきます。百戦錬磨の大ベテランのエンジニアと新人ドライバーの二人三脚。良い関係だなとおもいました。どのチームのエンジニアもドライバーさんと、兄弟のように、友人のようにサーキットでは時間を過ごしています。苦労も喜びも共有していますね。

決勝で阪口選手は、予選5番手からトヨタ勢最上位、今季2度目の2位を獲得しました。
レース中の他車のスピンでセーフティーカーが入るのか?の状況の時に、チームの迅速な判断でピットイン、レインからスリックタイヤへの変更が功を奏しこの結果を出しました。ピット作業も完璧でチームに感謝していますとおっしゃっていました。

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    (レース後。トップ3記者会見からチームに戻って来たところ 立川監督と)

立川祐路監督、田中エンジニア、石浦宏明アドバイザーなどサインガードにいたメンバーは笑顔いっぱいでピットに戻って来ました。田中エンジニアは「ほらね言うことを聞くと…」と実にうれしそうで大団円となりました。

〇タイトル争いはまだ終わらない?

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    (決勝前、あとは関口選手にかけるしかないと言いつつも、大変でもありタイトル争いにからめるのは楽しいとおっしゃっていた星野監督)

今季はライバルHonda勢に水をあけられてしまい、最終戦を前にタイトルが決まってしまいました。少しでもあるタイトルの可能性に全霊をかけ挑んだ訳ですが、条件として優勝がマストという厳しい状況、でも諦めるわけがありません。タイトル獲得の可能性のあるcarenex TEAM IMPULの2台はもちろん奮起ました。

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    (搬入日の夕方、ドライバーさんは居ないと思って覗いたら平川選手がシートに…)

予選では、降り出した雨にどのチームも頭を悩ませたと思います。平川亮選手は、そのQ2で路面コンディションの変化に合わせレインに変える為ピットイン。コース復帰しアタックラップ突入まであと2秒というところでタイムオーバー。同時にタイトルの可能性が消えました。また決勝では無線が交信出来ないトラブルに見舞われ、大変だったようです。セーフティーカーが入った訳ですが、一回目、ウェットタイヤでコースにステイアウトしたのもその為で、決断に迫られたときにチームと繋がらないのは、とても心細かったでしょうね。最後クラッシュしてしまったので、見ていて辛かったですね。

チームメイトの関口雄飛選手は、決勝3位を走行中、終盤でバランスを崩し4位チェッカー。こちらもタイトルの可能性は消えてしまいました。ドライバーチャンピオンは、大差をつけられたのですが、チームタイトルは、総合ポイントで0.5ポイント、有効ポイントで2ポイント差でcarenex TEAM IMPULが現在1位です。最終戦は来週末。ゼッケン「1」を獲れなかったけれど、トヨタ勢としてはこのタイトル獲得に奮起してもらうしかないですね。来季のピット割りの順番がかかっていますからね。頑張ってください!

〇トラックウォークに行って見た

NTT Communications ROOKIE大嶋和也選手にお目にかかってないなあと、搬入日、ピットで待っていました。なかなか思うようにレースが出来ていないお話も伺いつつ、その後、片岡龍也監督、松田久トラックエンジニアなどでコースウォークに行かれるというので、三橋フォトグラファーと共に同行してみました。ほんとはショートカットして途中で帰ろうと思っていたので、それなら(それならの意味 笑)と参加です。たまにはムードの違う写真もコラムに入れたいですしねと思いつつも、戻る時間もなくスマートフォンのみでGO。

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    (今更ながらですが、ツインリンクもてぎの縁石はブルーです)
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いくつかチームがコース上にいましたが見渡す限りこのコースを知らないドライバーさんはおりません。歩きながらの4.801m(途中インベタ、コースアウト気味の若干ショートカットもあり)を約1時間、戦略を立てたりもちろんコースも確認する場、気分転換の場にもなるのかな。準備は既に出来ていて、最後みんなで一日の仕上げ的な意味もあるのかなとも思いました。みんなで走っているチームもありましたよ。

〇最後に

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    (ツインリンクもてぎ、晴れると素敵な夕焼けがいつも見られます)

シーズン終盤、ここに来て4連戦です。業界のみなさま、体調に気をつけて乗り切りましょう!では、また!

大谷幸子の近況

スーパーフォーミュラと同時開催されるスーパーフォーミュラライツ(以下、SFL)というカテゴリーのシーズンが今回のもてぎラウンドで終了しました。将来を担うドライバーの育成をしているカテゴリーでもあります。前身は全日本F3選手権。約20年くらい見て来ました(笑)。トヨタ自動車としてのドライバー育成プログラムは、始まった当時はTDP,現在はTGR-DCと名称が変わりましたが、初代、スカラシップを獲得したドライバーは、片岡龍也選手と平中克幸選手でした。


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    (写真:トヨタ自動車株式会社)

SFLのグリッドで、育成プログラムに今はかかわる片岡龍也監督を見て、適任だなあと思って見ていたら、そういや昔から雰囲気変わらないと思い写真を探してみました。私のデータは解像度が低すぎましたので、広報写真から彼らの若い頃を置いておきますね。