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(写真:トヨタ自動車)
チームタイトル獲得!おもしろいぞ!スーパーフォーミュラ!
モタスポコラム その26 2021.11.8
ただいま!今季の最終戦は「スーパーフォーミュラは、なんておもしろいんだ!」というレースで締めくくり、とても充実した気分で鈴鹿より帰りました。
今季7戦のひとつひとつを思い浮かべると、ドライバー、チーム、TRD、ひときわ険しいみんなの表情の方が先に思い浮かぶ「負け」のシーズンでした。頑張っていない人などいない、そんな彼らの努力が何かカタチに残らないかなと思っておりましたが、最後の最後で手にしてくれました。良かった。
ドライバーのタイトル争いは既に前戦で決着がついていて、Honda野尻選手圧勝。鈴鹿サーキットのリーダータワーには、チャンピオンを称える掲示がしてありました。あらためておめでとうございます。
チームタイトル獲得に望みをかけ臨んだ最終戦、何よりレースに魅了されている自分がいました。今シーズン参戦した全チームに拍手です。そして、チームチャンピオンの結果は終盤のドライバーの戦績にかかっていたので、とてもスリリングなレースでした。
また、今回イベント広場では、コロナ禍でキャンセルされていた「モータースポーツジャパン」が開催されました。お客様のいらっしゃるグランドスタンド側へ行けないので写真がないのですが、関係者のご尽力のおかげでモータースポーツの楽しさを取り戻すべく併催されたのは、コロナ禍で失われた時が少しずつ戻りつつあると感じました。
そして、鈴鹿と言えば今年も中止となってしまったF1日本グランプリ。Hondaラストイヤーをこの目で見たかったですが、来年はその開催をめざすべく、ポディウムの看板が変えられていました。日本から全世界へモータースポーツを発信する機会が2年連続で失われてしまったのは残念。この看板を見て、モータースポーツの聖地、鈴鹿サーキットの来年への強い思いを感じました。
搬入の様子もテストまでないので少しパチリ。では、それでは振り返ります。
チームランキングトップで現地入りしたcarenex TEAM IMPUL。搬入日はチームの様子を見たいけれど、ピリピリしているに違いないので見ないようにしていました、いや少し見に行ったかな(笑)。古豪復活への想いが強すぎてシンプルに落ち着かなかったのでしょう。見守る体(てい)。ピット作業の練習も動画におさめ遠目で見る私。
予選後は、正直絶望的な気分でした(ごめんね90度頭下げてます)。関口雄飛選手14位、平川亮選手9位。嗚呼…、鈴鹿でこれはキツイなあ。トヨタ勢全般ドライで勝負できないのは本当にツライ。でも仕方ない、レースは最後まで何が起こるかわからないと何年自分に言い続けてるんだ…、力抜いて残りの一日は楽しく行こうと考えました、最後ですしね。トヨタ陣営予選Q3まで進んだのが2台だけ。今季の集大成のラウンドで置かれた現実にため息です。技術的なことは、わからないのでTRDさんにお任せ。
そうそう、見落としていたポイントがありました。タイヤ交換です。工場でたくさん練習して来たはずで、現場では鈴鹿のピットロードが下り坂だったりと状況が変わるので最後の調整をしていたと思うのですが、少しだけ見てあとはそっと通り過ぎました。
そして、本番でずいぶん速い。コンマ5から1秒くらい速い。特に引っ張る戦略を取って残り3周を残してピットへ向かった関口選手のピット作業は、7秒を切る速さでした。
コース復帰後のアウトラップ、コールドタイヤで、オーバーテイクシステム(OTS)を使う後続Honda大津選手を抑えきりました。関口選手が5位だったらタイトルを逃していましたね。関口選手はOTSを全て使い切っていましたので、パスされないようにその分のマージンも築いてからピットに呼び寄せたと思われますので戦略もパーフェクト。すべてタイトル獲得へと繋がりました。ピットアウト後の「抑えろ~」の星野一義監督の声。ホームストレートに関口選手が戻ってきた時は、ピット内は拍手でしたね。
タイヤ交換マニアな私、流行りの片手のタイヤ交換について、搬入日にあちこちでメカさんと話していました。確かに速い。Honda系チームでは以前からやってますね。トヨタ系チームでやっているチームはインパルだけ。若干リスクはありますが、SUPER GTのタイヤよりは径が小さいタイヤなので、軽い分やりやすいと聞きました。
今回は、片手交換も完成形に見えましたが、何よりチームの執念を感じ録画見て震えました。現場は現場で、このチームは、何事も出来て当たり前の男気チーム。ですので、私も真似してメカニックの完璧さをクールに見て過ごしました(笑)。星野監督も気が気じゃないのを言葉で隠している感じ。ご自身で「僕は怖がりだから」と常に言っていらっしゃるので落ち着かないのもとても伝わって来ましたね。立ったり座ったり…。
レースを簡単に振り返ると、平川選手は、9番グリッドから抜群のスタートを決め6位へ、3周目には4番手、5周目には3番手までポジションアップ。彼へ風が吹いていました。ピットのタイミングもみんなが飛び込む10周を避け14周。オーバーカットは成功したものの、コールドタイヤで裏のトップを走るクルマにはパスされました。これは仕方ないのですが、本人はレース後、関口選手のような引っ張る作戦が正解だったとコメントしています。これはもちろん結果論と。
何はともあれ9位から表彰台2位は素晴らしすぎ。やっぱいつもの“亮”でした。来週GTで!と声をかけると、あんなにしっかり返事もらったことあったかな?(失礼)というくらい元気な「はい!」という返事が返ってきました。ご本人にとっても良いレースだったのでしょう。自信に満ちていましたね。カッコ良かった。
関口選手は、スタートはポジション的に中団に埋もれていたのですが、ピットウィンドウの開く10周以降、みんながピット駆け込んだタイミングではステイアウト。前が開け猛プッシュ開始でした。インパルの2台は決勝に非常に自信があったと見受けられます。水を得た魚…、唖然としましたね。いつもですがクルマに魂が宿るというか(みんなそうか…)、闘志メラメラの走りは興奮させられました。
チェッカーを受け、安堵の星野監督はピットに一礼。そのあとスタンドにいらっしゃるファンへ大きく手を振りました。
2人とも予選が良かったらなあ…と欲張った考えとトヨタ勢の課題は来季にまわして、チーム全力で取りに行ったチームチャンピオンが、その戦いぶりがタイトルの名にふさわしい戴冠。最良の結果ですね、拍手です。トヨタ陣営に勇気ももたらしました。来季は、ピットが一番前。次はドライバーズタイトルを狙うしかないです! 11年ぶりの星野陣営の有終の美、この目でしっかり見届けました!おめでとうございました!
そして、チームタイトル獲得の為に絶対抜かれない!と決勝アウトラップからチェッカーまで釘付けにさせてくれた関口選手ですが、トヨタ勢のトップ、ドライバーランキング3位でシーズンを終えました。また、平川選手は一戦欠場したにも関わらずランキング4位!もちろんタイトルを狙っていたけれど、絶対いつか2人とも取って欲しいですね!
今季初参戦のドライバーが元気でした。タイミングモニターの上位にドンと躍り出てワクワクさせてくれたり、表彰台にも乗ってくれたり。フル参戦したこちらの37号車の宮田莉朋選手と39号車の阪口晴南選手。阪口選手は、最終戦へランキングトップで臨みました。結果を言えば、Honda大津弘樹選手に逆転されてしまい残念ではあったけれども可能性しかないお二人に将来を託したいですね。少しだけお時間をいただき彼らにシーズンを振り返っていただきました。
「今シーズンは運が良かったと思います。流れが良い時と悪い時ももちろんありましたが、実力以上の戦績を出せたと思っています。2回表彰台に乗りましたが、どちらも雨がらみでした。しかし、逆に悪天候に強いという言い方も出来ると思うんです。ただ、この鈴鹿でドライ勝負したいという気持ちは、ドライバーならみんなあると思いますし、ドライできっちり結果を出してこそだと考えます。現状でおわかりになると思うのですが、チームとしてもドライで苦しみました。シーズンを通しては、点数的には50点の出来でした。ランキングは新人の中ではトップだったかもしれませんが、気づけばそうなっていたということで特に意識をしていませんでした。シーズンを通して接触などがなく、クルマを壊したり大きなミスがなかったことについては合格点だと思います。あとは、速さを出したい、そこですね。来季もチャンスをいただけるなら、また全力で頑張りたいと思います!応援ありがとうございました!」
「自分で頑張ったポイントは、予選Q3まで進むことと、全戦でポイントを獲得したことでした。6戦までそれが出来ていたのは自分だけだったんです。安定感と速さはあったはずなのにという思いもあります。前戦の2回目のもてぎから不調になり初めてQ3へ進めませんでした。いろいろ考えてみましたが、答えが見つからないので、苦手だからと割り切ることにして、鈴鹿に来ればきっと自信を取り戻すことができる!と信じてここに来ました。予選日、朝の練習走行の2番手は、想定外でもありつつ2台体制でも僕だけが速かったので、自分がこれまでやって来たこと(セットアップ等)は間違っていなかったんだと確認できました。僅差で戦っているこのカテゴリーは、微々たるセットアップの違いでトップ争いにからめる可能性が高いのではと感じます。
優勝をしたかったですね。昨年、スポットで代役参戦した時にフロントローだったので、そのことも考えるとやっぱり一勝したかったですね。
Q3進出とポイントを獲るということを目標にして来ましたが、そのまま頑張って5位に以内に入り続ければおのずとタイトル争いにからむことができたはず。また参戦出来た時には、タイトルを意識して絶対に獲りたいです!応援ありとうございました」
力強い二人のコメント。小さい頃からライバルだった2人は、お互いもよく知る存在。将来、チャンピオンを目指し頑張って欲しいです。
〇最後に
頑張るみなさんを全て取り上げられなくてごめんなさい。改めて振り返ると、シーズン一勝のみだったことは寂しいです。それは中嶋一貴選手の代役参戦のジュリアーノ・アレジ選手、スポット参戦の新人ドライバーが挙げました。レギュラードライバーの小林可夢偉選手、中嶋一選手、サッシャ・フェネストラズ選手のコロナ禍で全戦参戦は叶いませんでした。代役参戦のドライバーもスポットと言ってもシリーズの半分以上を頑張ってくれました。全て異例のシーズン。そんな中で速さと強さを求め続けましたが、来季に大きな目標は持ち越しとしましょう。
魔法がかかって小さくなったトヨタくま吉も、チームみなさま、関係者のみなさまもシーズンを通して取材へのご協力ありがとうございました。感謝いたします。まだSUPER GTが残っていますので全開のままですがお疲れさまでした!