• モタスポコラム その4 - スーパーGT第4戦
(写真 トヨタ自動車)

スーパーGT第4戦

モタスポコラム その4 2020.9.25

38号車今季初表彰台!そして、ランキングに変動が…。

スーパーGT第4戦ツインリンクもてぎへ行って参りました!先般のスーパーフォーミュラでこちらを訪れてから、まだ日も浅かったですが、このサーキットまでの道のりがわたくし大好きでしてね。水戸にいつも宿泊するのですが、サーキットまで片道約40キロ、毎日の往復が何かこう旅ムード。自走の往復は長いけど景色に助けられます。

サーキットにはゲートが南北2つあるのですが、若干距離の遠い北ゲートへのルートをわざわざ選択して向かいます。牧歌的で日本を感じる光景があって、欲を言えば秋に訪れるのが好き。あと一回、11月の初旬、例年ですとスーパーGT最終戦の晩秋の時期となりますが、また行きますので晴れてくれればファインダー越しにいつもの忙しなさ(せわしなさ)を忘れる光景が撮れるかなと思っております…。クルマ降りて写真撮りたいな…。

さてシリーズの方は、中盤に入りウェイトハンデもきつくなって来ますので、軽いクルマには好機が訪れます。そんな事からランキングの上位に変動も出ておもしろくなるあたりということで、今回は得意の富士で不振の続いた38号車ZENT GR Supra、ハンデの軽い19号車WedsSport ADVAN GR Supraが来るかなというイメージを持ってサーキットに入りました。

搬入日は、土砂降りに見舞われたもののすぐ晴れるだろう、そして虹が出るだろう…予想通りの不安定プラス“映え”な天候。チーム関係者の忙しい設営の光景を応援するかたわら、コンパクトなパドックゆえにひとりピットウォークの取材は距離的に若干楽させていただき捗りました。

関係者との話題は今後の事。ありがたいことに次のレースまでにPCR検査を受ける機会を得、健康なままで仕事したいという願望と検査の不安とレースの行方などなどの会話を繰り返ししていましたね。ちなみに、後日受けたPCR検査、私は陰性でした。取材は続きますし、これで安堵という訳でもないですけどね。

〇予選トピック

予選日は、公式練習が始まる目前にウエット宣言が出て、雨の中でスリックタイヤの皮むきをしていたものの(さすがGTドライバー)、雨量が増したかと思うとレインタイヤではどうなの?という翻弄される雨量。走り出しはレースウィークあるあるでした。こういうのは気の毒だけど、こういう時こそドライバーやエンジニアなどみんなの腕の見せどころなのかなと思ってみたり…。19号車がトップタイムで一日がスタートしました。この日は、国本雄資選手のお誕生日でしたので、良い日になれ!と思いを込めましたね。

予選が始まりQ1も19号車宮田莉朋選手がトップで通過。ポールへの期待が高まりました。そして、38号車石浦宏明選手がQ1落ち。セッション中、コースオフになった車両がありダブルイエローが提示され、その黄旗がしっかり見えていたとのことで石浦選手は大幅に減速。アタックの機会を失い今回はついてなかった…で終わってしまうのかと思った矢先、その黄旗区間をそのまま通過した3台のタイムが抹消となり、繰り上げでQ2へと進出することになりました。10番手からのまさかの敗者復活でしたね。

(スマホ写真…)

Q2は全車スリックでコースインをしたものの、雨が強まり続々とピットへ戻りレインタイヤを装着。ピットの位置も先頭で最初に出ていって、すでに最終コーナーに差し掛かっていて一台だけ戻れなかった38号車。翌周ピットインしレインタイヤで出て行った立川選手は、終了間際にまたもや“まさか”のトップタイム。テレビの前のみなさんも驚いたと思います。24回目のポールポジション獲得は、どうも降り始めたばかりの雨も大きく味方してくれたようですね。ドライバーはもちろんのこと、タイヤメーカーさんが持って来たレインタイヤが素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれたと立川選手。石浦くんのブログにもそのような内容が書かれていました。ピットではブリヂストンタイヤさんが雄たけびをあげ、こちらも驚きました。男の仕事…と感じましたね。かっこいい!

(恐縮ですがまたスマホ…です)

やっとたくさんの笑顔が見られました。卜部 治久チーム総代表と14号車のかつての相棒高木虎之介監督もこの笑顔。メカニックたちも安堵の表情でした。あえて触れておくと、立川選手は19号車の国本選手とセッション中に接触するシーンがありまして、裁定が待たれましたがレーシングアクシデント…。立川選手は申し訳なかったと発言していましたが、そのセーフのポーズと共にポールポジションでした。国本選手にとってはちょっとだけ残念なお誕生日でしたね。

石浦選手の立川選手を待つ表情、いつも思いますが、先輩へのリスペクトがハンパなく、とても好感が持てます。ベテラン同士でもあるけれど、先輩立川様の下では、いつでも新人気分?的確な表現が見つからない…。とにかく態度に尊敬の念が出てしまいますね。素敵な関係ですハイ。

予選日、ピット周りは明かりが消えるのが早かったよ…。

〇ルーティンワーク

(普段なかなか見られないヘルメットの下に隠れた表情 練習中に見られました)

(35号車arto RC F GT3は集合写真撮影をしていました。タイからの入国が難しい為、今回までドライバーは、佐々木雅弘選手と堤優威選手がお手伝いです)

私のルーティン…。決勝日は朝から見事な秋晴れ(早い?)でした。今年最後のGT焼けかなと思うほど。お日様に導かれ朝からピットウォークをしているのは私ひとり(笑)。現場に来るとメディアセンターで座っているのがもったいなくてね。予選日と決勝日、チームのみなさんも出勤して来たあたりでピットの様子を拝見しに行きます。

こちらもルーティンの一部、救出訓練の様子です。今年は、コロナ禍で生身の人間を使っての訓練の実施が出来ません。マネキンですが随所が手作り。重みもありますね。これまでだとメカニックがドライバーの代わりに乗り込み、救出後に感想を述べ訓練の参考にされていましたが、華やかな現場には、こうしてしっかりとした安全に対する基盤もあって(こちらはほんの一部ですが)沢山の方が大舞台の準備をしていますね。安全第一です。

そんな最強の裏方のみなさんとお話しするのも私は大好きですね。現場のオンナは、少しでも現場密着型で居たいのですよ。現場でしか話せない方が沢山で、奥が深く全く追いつかないですけどね。耳だけでも経験値を増やす、無駄になることはけっしてないと信じています。取材というだけではなく、自分にとってこの時間は貴重な時間、大切なルーティンワークなのです。

〇レース界の重鎮のお祝い

(バタバタの中の一枚でごめんなさい)

レース界の重鎮、ホンダ陣営さんのお話ですが、元F1ドライバーの鈴木亜久里ARTA総監督の還暦のお祝いに遭遇しました。トムスの舘信秀会長が、「亜久里は昔うちでトイレ掃除してたんだよ」なんて、以前、昔話を聞かせてくださったのを思い出しましたが、その後ももろもろを経てF1へ行かれてと世界的に見てもレース界の重鎮ですね。とっても仲良しなお二人ですが、ARTAのピットでは、予選日にホンダ陣営のドライバーさんたちが集まり、また決勝日にはスポンサーのみなさまがお祝いをしていました。還暦には到底見えない若々しい鈴木亜久里総監督。まだまだ長く現場にいて欲しいです。そのおつもりだと思っておりますがね。

〇決勝

(ポールポジションのクルマたち グリッドに最後に並びますね。オフィシャルのIさんが間合いを取っています。送り出すシーンが大好きです)

今回は、300㎞63周のレースでした。いつも最終戦が開催されるツインリンクもてぎのレース距離は、250㎞。少し長いというのがいつもと違うプチ情報からの決勝スタート。ポールからスタートの38号車はどうにも辛そう。勢いがある17号車KEIHIN NSX-GTに序盤でトップを譲ると、防戦一方でしたね。

そして、19号車のもらい事故。これはとてもとても気の毒過ぎてね。クラッシュした車両がコースを横切って来て真横から激突しマシン大破。これは避けようがなかったです。たぶん、その瞬間本人は何が起きたかわからなかったのではと思います。30歳の誕生日国本選手へのプレゼント、予選も含め多すぎましたね…。カラダは無事で安心しましたが。言ってなかったけど、ゆーじお誕生日おめでとう!(ビックリマークたぶん要らない…)。チームもクルマの修理費用がかさみますが頑張って!(ここはビックリマークよりも現金欲しいはずよね…)。3月の岡山テストでも派手に壊れちゃって出費だったと思うので言葉がないです、ハイ。

(朝のドライバー交代の様子です…。背中が平峰選手、向かって右が佐々木大樹選手)

レース序盤、目を見張ったのは、12号車カルソニック IMPUL GT-R!でした。前半のスティント担当の平峰一貴選手気持ち良かったです。後半はタイヤのピックアップに悩まされていたとのことでずいぶん後退しちゃいました。青い新幹線(12号車)は、ガンガン行くのがやっぱり似合うね。

(36号車、37号車の前日の公式練習のピットの様子)

レースが折り返すとランキング1-2、ウェイトハンデで辛いはずのトムスの2台が上がって来て混戦。予選は、燃料リストリクターも絞られていて下位に沈み…。でもね、やっぱり速いのよねこの2台、36号車au TOM’S GR Supraと37号車KeePer TOM’S GR Supra。6位?え?でしたねえ。燃料リストリクターとは、素人の私に合わせた簡単な言葉で説明すると、ガソリンの流量を絞られている状態で、ストローでジュースを飲む時、めちゃくちゃ細いストローを渡され頬を凹ませ一生懸命飲んでいる感じです。エンジンの出力が抑えられてしまうというハンデの一種ですね。簡単過ぎますか説明…。



〇SCとラストバトル
36号車と37号車の同チームのバトル。昨年のタイラウンドのデジャブかな。2台ともハンデがあるとは言え勢いが止まりません。ハンドルを握ると性格が?いやいやプロですからね、2回コースからゴングが聞こえて来ました。2台は残念ながら1度目のバトルで接触、手負いのクルマで走行を続けます。

36号車はその1度目のバトルで右リアのカウルが脱落してしまい、それを回収する為、セーフティーカーが導入されました。なんと残念な事でしょう。最終的に11位チェッカーでノーポイント、本当に残念なレーシングアクシデントでしたね。

(写真はグリッドにて)

37号車は、6位でチェッカー。ニック・キャシディ選手が後半のスティントを担当していましたが、もうね速いのは止められない。ランキング3位でトップと5ポイント差と彼らにとっては最良なリザルトとなり、チームの明暗を分けました。

レースが終わってからのチームの首脳陣の表情。空気を読んで近づかず、いや少し話しましたが、元気良すぎたね!ほんとに!以上です。これ以上聞いたところでレースは終わりましたので。速い2台という贅沢な悩みが今回は少しだけシビアなものになってしまいました。

同士射ちという言葉がネットを賑わせていましたが、こればかりは何が正解かわかりません。レースだから戦いだ!というのが私の持論(笑)。ただ言えることは、チームが正解を決めれば良いし、シーズンの終わりにそれがわかるという事でしょうかね?レースあるある。レース直後はドライバーの残念そうな表情が印象的でしたが、そこは百戦錬磨のチームですので立て直してくるでしょう。

今季初表彰台獲得の38号車おめでとうございます!きっと納得の行くものではなかったかもしれませんが、ひとまず安堵です。GRスープラ勢は、優勝を逃したので元気のないピットでした。

17号車、優勝によりランキング首位に立ちました。レースはパーフェクトでしたね。おめでとうございます!そして、3位の16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT表彰台獲得おめでとうございます。ドライバーのルーキー笹原右京選手と以前話していたのですが、レッドブルという話題だけが先行するのが気になっていたご様子。結果が出てこちらも安堵でした。気持ちわかります、レッドブルドライバーではないけどね。ほっ。



〇最後に
ランキングトップは、2度の優勝をシーズン序盤で遂げたホンダの17号車。文句なしに速かったです、45キロのウェイトハンデを全く感じさせなかったね。セーフティーカーが入っていなかったら、どれだけひとり旅をしたことでしょう。そして、それに続くGRスープラの2台。われわれ見る側はこの混戦を楽しめば良い。ご贔屓のチームを精いっぱい応援すれば良し!です。

そして、次戦の第5戦富士ラウンドは、いよいよお客様が観戦できることに!お待たせいたしました!と私が言うのもなんですがめでたい!コロナ禍で、観戦のルールも多少変化がありますが、やる側も取材する側も大きな変化ありで頑張っていますので、お互いそれぞれの環境で最善の事をしましょう。よろしく!まずはどこにいてもスーパーGTを楽しんでください!またね!

大谷幸子の近況

コラムの入稿を遅らせていました。ル・マン24時間の結果を見てから手から離したかったので。

(2013年のル・マン24時間の現地写真を引っ張り出しました)

今年は無観客という異例の開催で無事に終了。TOYOTA GAZOO Racing 3連覇で終えました。おめでとうございます!中嶋一貴選手とセパンチャン・ブエミ選手も3連覇。お見事でした。やっぱり強かったです。そして、ポールポジションを獲得した小林可夢偉選手が、ル・マンウィナーになれず…でした。脇阪寿一TGRアンバサダーのル・マンに強い中嶋一貴、ル・マンで速い小林可夢偉という言葉、これしっくり来ましたね。でもますます、可夢偉くんをル・マンウィナーにしたい気持ちも高まりました。

表彰式では、お顔知るスタッフの方が中継でアップになり、思わずおめでとうと言ってしまいました。TS050も今季で最後。WEC富士があれば、また雄姿が見られたのにね。日本でこのレースが観られるのも貴重でもっともっと広まって欲しいですよホントに。

無観客のル・マン24時間。30万人もの人が訪れるサルテサーキットはテレビで見る限り寂しかったです。一度だけ仕事で行ったことがありますが、仕事ではなく野宿でもしながら観戦してみたいです。酔っ払いだらけだったなあ。日本から来たんかい?って話しかけられましたフランス語で(多分そう言ってたw)。2013年の事、当時はトヨタはブルーに白、赤も混じったブルゾンでしたので、トリコロールで親近感あったのかな。やたら話しかけられましたね。トヨタは頑張っていつかアウディに勝てよ!って外国人の方に言われましたよ。

懐かしいな。お客さんで良いので、野宿(この言い方で正しい?)しながら、ル・マン24時間堪能したいですね。たぶん、それが一番ル・マン24時間の良さがわかるんだと思います。近況も長い…。ごめんなさい、また!