• モタスポコラム その44-最年少コンビ初優勝と3度目のポールポジション! ~SUPER GT第4戦富士~
    (写真 トヨタ自動車株式会社)

最年少コンビ初優勝と3度目のポールポジション! ~SUPER GT第4戦富士~

モタスポコラム その44 2022.8.18

二か月ぶりのSUPER GT。夏の暑さと情熱の熱さ、やっぱりこのモータースポーツ熱は心地よい!そんな富士のレースで、GR勢は頑張りました!勝ちも負けも、全部ひっくるめてまた心を揺さぶられながら帰還しました。では、振り返ります。

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    (写真 トヨタ自動車株式会社)
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    (金曜日の朝9時前。すでにゲートオープンを待つクルマがたくさん…)
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    (金曜朝の搬入。パドックにトランポが続々と。ねえさん誘導して~と、トランポ運転手のおぎちゃんに言われたけど、大きいからいざ近寄ると怖いのよね)

〇最年少優勝、最年少エンジニア

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    (山田淳監督と大立健太エンジニア)
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今季、トラックエンジニアに昇格した大立健太エンジニア。それまでの小枝正樹エンジニアが、トムスの2台を統括する立場になりました。搬入日からサインガードで、山田淳監督、小枝エンジニア、大立エンジニアと4人で、コンクリ―トの段に腰かけながらひさしぶりに雑談をしましたね。良い時間でしたよ。

何かね、特に淳さん(山田監督)は、御殿場のファクトリーを統括するようになってからとても激務でね。ゆっくり話をしたのは、今年の開幕の岡山以来かな。突然階段上がって来てオイ!って声かけてくれて。もう20年くらい、奥様も含め友人と言ったら失礼かな。とてもお仕事大変そうでね。ただ、雑談はレース以外の話(笑)。鎌倉ご出身だし、カメラも趣味だからそんな話をしたの。

淳さんは、若い頃から全日本F3選手権、今のスーパーフォーミュラ・ライツも長くやられていて、若者を育てるプロ。英語も堪能なので外国人ドライバーを含め、世にトムス出身のドライバーをたくさん送り込んでいます。

ちなみに、速さをあちこちで発揮している宮田莉朋選手ですが、前にコラムに書いたと思うのですが、世界一怖いのが、全日本F3選手権・スーパーフォーミュラライツで4年間お世話になったその山田淳さん、と(笑)。今、SUPER GTでも37号車の監督とドライバーとして仕事をするようになり、勝ってハイタッチをする姿を見て莉朋もきっとうれしかったに違いない。2スティント連続の激走、やっぱり莉朋はスゴイな。もちろんサッシャくんも速いのですがね。ちなみに、36号車は、坪井翔選手が2スティント連続という同じ作戦。二人への信頼度の高さがよくわかります。

設営日から大立エンジニアは、何かご機嫌でした。このレースへ向けていろいろ考えてきたようです。小枝チーフエンジニアと話しているところへ、小走りでやって来ました。優勝したことだし、次のスーパーフォーミュラまでは、ご飯を食べられないのも解消ですね。しっかり食べて休んでくださいよ。

長いレースは、昔から得意なチームです。ポールトゥウインの派手さはなく、決勝でしっかり結果を残す劇場型(昔からこう言ってる)のトムス。予選3番手につけたことも大きかったですね。この37の若いコンビは、速い二人を組ませたことで、優勝はかなり近いうちに達成するだろうとは予想しておりましたが、早かったですね。シーズン後半がおもしろそうです。伸びしろがたくさんあるのでね。

サッシャくんもようやく全開のシーズン。スーパーフォーミュラも6月に初優勝を遂げていますし、良い具合に暴れまくってますね。チェッカー後は、たくさんのスタッフを抱っこして持ち上げ、うれしさを表現していました。かわいいんですよねホントに。おめでとうございました。

ちょっと仕事の手を止めて、夜ピットへ行ったら、もう誰も居なかった…。遅すぎました…。おめでとうございました!

〇3度目のポールポジション、まさか本当にポールを獲るとは!

サーキットも違うし、サクセスウェイトも天候も違う。そんな中で果たして3回連続なんてできるのか? やってのけましたね。2回もびっくりだったけど、3回はさらに驚き。ご自身たちも驚愕な記録を作りました。

ブリヂストン勢も速かったので、さて予選中、私はどこのピットに走ろうかと悩み…。富士は広いので、ピットがくっついていても距離は離れていますので、その瞬間を見逃したくないのでね。わたしもモニターとにらめっこ。

19号車のピットにいたのですが、なかなかタイムがあがって来ない。じっくり温めてんのかタイヤを…。でもあれ?と迷い。Q1はセルモに移動したらトップタイムでした。

Q2は、再び19号車のピットで固唾を呑んで見守る私。その時は来ましたね。マサ(坂東正敬)監督がサインガードのテーブルをガンガン叩き、来た来たとピットで小さな声。でもって、はい!3度目の一番時計!そう言えば、この一番の光景…、見慣れて来た感じは確かにある。でも見慣れるなんてありえない光景なのですがね…。

翌朝、朝礼はしっかり。決勝は、9位フィニッシュ。ミスがあったようですが、それはわからなかったけれど、序盤から辛い展開でじわじわ落ちてしまいましたね。ドライバーたちは、課題がとツイートしていました。しかし、ここまでの伸びしろは素晴らしいのひとこと。同じヨコハマタイヤを履く24号車の日産Zが3位表彰台となりましたから、そこは悔しいと思います。2台だけですから、お互い負けたくないでしょう。でも、この勢いを止めずに、ますます前へ!頑張ってください!

〇僕らはチャレンジャー

マサ監督と、決勝前に話しました。普段は気さくに話してくれますが、録音を始めるとちゃんと真摯に向き合ってくれます。気さくなままでも良いのですが、思考が監督になるのでそういうことになるのでしょう。常にまっすぐ。ヨコハマタイヤさんと共に歩むSUPER GT。GRスープラ勢では唯一のタイヤブランド。GT500クラスだと、コンド―レーシングの日産Zが履いていて2台。そりゃー、同車種に仲間がいないんだもん大変な訳です。

ブリヂストン勢は、GRスープラでGT500クラスは5台。ブリヂストンに変えたらいいじゃん!そう言っていた人がいたけれど、そういう話じゃないのよ。それもあるのかもだけど、このヨコハマタイヤを使う理由が彼らにはあって、そこにスポンサーさんの支援もあり共に歩み覚悟を持って戦っているのです。

今回、3回目のポールポジションを獲得することができたこと。この事実を受け止めつつ決勝は、奮わなかったことも事実。繊細な環境の中で戦うSUPER GTで、勝つ事に必要な要素が全て揃うことは至難の業。本命と言われても簡単に勝てないのがSUPER GT。そんな思いを抱えて、坂東正敬監督のコメントを読むことで、ますます応援したくなる気持ちがわいてきますね。彼は孤高に見えるかもしれないけれど、信じたことに立ち向かう、それが強みであると思います。わたしは一人が好きなので、いろんなことに没頭できる…。群れることで揺らぐ自分が嫌いなので…って同じに考えたら申し訳ないけど(笑)。では、前置きがかなり長くなりましたが、3度目のポールをマサ監督の言葉でお伝えします…。

「僕らは、優勝を一回しかしたことがない。ヨコハマタイヤはシリーズチャンピオンを獲得したことがない。僕らは常にチャレンジャーであって、戦っている姿、タイヤ開発をしている姿、モノづくりも人づくりもそうだけど、それらをモータースポーツを通して頑張っています。

ひとつひとつの日々の積み重ねで結果が出ます。レースは、正直、天候や運にも左右されますし、いろんな要素のピースが揃わないと勝てない。ライバルが強いというのもある。昨日の予選に関しては、みんな同じ条件、あの瞬間でヨコハマタイヤが開発して来たものが、あの時間、あのタイミングで一番速いタイヤを作れたということは答えなので、もちろん予選だけ早けりゃ良い訳ではないけれど、ヨコハマタイヤとやって来たことがカタチになったということは素晴らしいことだと思います。いつかチャンピンを獲得するということに、少しずつ近づいているんだと思います。
5月の富士ラウンドでもポールポジションを獲得しましたが、事前にテストも実施し違うタイヤで今回挑み結果が出ました。結果が出ているからこそ露出も増えますので、スポンサーさんにこれまでの恩返しをしていきたいと思っています」

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    (ネット越しに、グリッドから。ファンのみなさまも応援ありがとうございます!)

結果もひとつずつ認め進んでいくことが大事です。さあ、次は4度目のポールだよ!決勝も行ってちょうだい!

〇200戦参戦のお祝い

立川祐路選手の200戦参戦のお祝いをチームでやっていましたよ。100戦参戦というのは、そのお祝いは見たことがあるのですが、200戦は初めてみました!スゴイ。厳密にいうと前戦が200戦目で今回が201戦目とのことです。チームを移籍することなく、ひたすらセルモで戦ってきたお姿。そして、まったく変わらないイケメンの容姿。ずーっと王子なんですよね。これは本当に素晴らしいこと。おめでとうございます!

ちなみに石浦宏明選手が教えてくださったのですが、石浦くんが200戦を達成するのは、50歳くらいまで参戦しないと達成しないそうです。これはぜひ先輩のあとを追って絶対達成していただきたく。頑張ってくださいよ!

レースの方が前回、車両が燃えダメージがあって、今回はエンジンもろもろ交換で挑む為、ペナルティを決勝で受けることは事前に決まっておりましたが、フレッシュエンジンで調子が良い様子。かなり昔ですが、最下位から優勝したこともあるし。これはペナルティを受けても距離も長いし、挽回できそうと思っていたところ、終盤マシントラブルによりリタイアとなりました。

予選Q1なんて、トップタイムでしたらかね。36号車の坪井選手と同タイムでした。速い38が早く戻って来て欲しい!あまりの切ない終わり方に、メカニックとは目で挨拶だけをして、詳細を聞けませんでした。マシントラブルなのでクルマの中の話は書けないかなあ…。こちらは、諦めないで応援しますので。頑張ってください!

〇6位入賞!

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    (ん?どした?だった時、ピットウォーク終わりに右端の親友がマシントラブルと教えてくれました…涙)

いや~、土曜日は心配でしたね。クルマにトラブルが出て公式練習は満足に走れず。ん?どした?で15番手と最下位でした。予選は、どうにか12番手。それでもこれまでの決勝の勢いを感じるとなんとももったいない結果。このまま終わるのか?と思っていたら、やっぱり決勝では追い上げまして6位入賞です。すごいじゃない。引っ張る作戦と最後のスプラッシュ&GOでポジションを上げましたね。

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    (写真 トヨタ自動車株式会社)

予選が良ければって話で、この力があるだけに予選でのトラブルが悔やまれます…。この勢いだと今季優勝がありそうなんですよ。だからこそ、脇阪寿一監督は悔しいとコメントしていたのかな。
監督さんのSNSがおとなしいとファンの方が心配してました。関口雄飛選手のインスタもカラーがモノクロになってて、これは危機感の表現なんだろうかと。決勝はとっても頑張ったので、次こそ!かな?

〇4位フィニッシュ

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    (写真 トヨタ自動車株式会社)

頑張りました!予選Q1では、常に驚異的な速さを見せる坪井翔選手。Q1を今回もトップで…そして前述しましたが、38号車石浦選手と同タイムで通過しました。

決勝でもジュリアーノ・アレジ選手のオーバーテイクなどもあり、そのあと坪井選手2スティントを走って4位。おめでとうございました。強い36でなくちゃね!

〇燃リス入って苦しい展開

今回は、燃料リストリクター、サクセスウェイトが苦しいですね。こればかりは、しばらく我慢が続きます。チャンピオン獲得に向けて、今季もじっくり戦うシーズン。開幕戦に勝つと苦しいかもしれませんが、「勝ち」も時を選びません。取れる時に取っておかないとね。

チームオーナーのモリゾウさんをSUPER GTでは久しぶりにお見掛けしました。チームオーナーでもありますが、各チームに声をかけてまわられていましたよ。こちらの写真は、グリッドでメカニックをお話する様子とチェッカー後にサインガードにいらっしゃったスナップ。チームの一員ですね。お疲れさまです!

〇最後に

SUPER GTも一部、マスクオフの時間が設けられましたが、他のカテゴリーと違って、メディアの制限もあり出歩けないので、ピットビル側だけ。ここは変わりません。感染拡大に伴い、今回は、濃厚接触者となって来られない関係者も多くてね。みなさまご自愛くださいませ。パレードラップに、久しぶりにパトカーと白バイが登場。はたらくクルマは子どもたちの憧れですね。ここから少しSUPER GTも連戦です。こちらも取材を楽しみたいと思います!

大谷幸子の近況

行動制限のない夏がようやく来ました。帰省に旅行にと楽しまれている方も多いと思います。サーキットは過酷な場所となりますが、現地に来てくださってありがとうございました。数年ぶりに、少し離れた場所からでしたが、お話をさせていただいたファンの方もいらっしゃいました。幼稚園だったコが小学生に、小学生が中学?高校生に?親戚の子どもに会う心境でしたが久しぶりにこの感覚を味わいましたね、お声がけいただきありがとうございました!

以前は、そんなやりとりがフツーでした。キッズウォークでお話したりしてね。幼稚園の頃から見かけていたコがカートに進みレーサーを目指していたり、レース業界に入って来られた方もいます。それこそサーキット通いしていたお子様が大学生になり、就活の相談を受けたりね。もちろんサーキットで少しだけお話をする程度でしたが、業界に就職したり。

憧れと現実のギャップもあると思いますね。サーキットでお目にかかった方々が、自分が仕事をしている業界を目指して来るということが、とてもうれしいので中途半端なことはできないなあと思う訳です。久しぶりにしっかり自分の仕事を考えようという想いになりましたね。それでは、また!

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