• モタスポコラム その99-14号車NEOS X PRIME GR Supra快挙の2位表彰台& 39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraテールto 6位!!  〜SUPER GT 第5戦〜鈴鹿サーキット

14号車NEOS X PRIME GR Supra快挙の2位表彰台& 39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraテールto 6位!!  〜SUPER GT 第5戦〜鈴鹿サーキット

モタスポコラム その99 2025.09.05

8月、2戦目となりますSUPER GT第5戦鈴鹿大会! 昨年の記憶を…と思いましたが、昨年は台風で12月に延期となりましたよね。一生懸命思い出そうとしていました。花火ってどんなだったかなって。

まだまだ夏で容赦なく暑かったけど、レースはとっても盛り上がりました。では、振り返ります!

○搬入日

サクセスウェイトの負荷のかかる通常のレギュレーションに再び戻りまして、シーズン前半好調だったTGR勢にとっては苦しいラウンドを迎えました。レギュレーション上、当然と言えば当然の流れです。チャンピオンの1号車au TOM’S GR Supraは、100kgのサクセスウェイト。50kgと燃料リストリクター3段階まで絞られた戦いとなります。

毎度書いておりますが、某ファストフードのシェークを飲む感じで、思いっきり吸ってもなかなか飲めないと、スピードも失うというそれがサクセスウェイト、SUPER GTです。

シーズン中盤は、サクセスウェイトの軽いクルマが台頭して来るラウンドとなりますね。ここで上位に食い込み大量ポイントを狙います。もちろんライバルたちも同様の考え。GRスープラが前半戦を牽引して来たので、ここはライバル勢が手強いでしょう。

この大会直前に、Honda伊沢拓也選手のGT500クラスからの卒業が発表されました。驚きしかなかったです。2008年、GT 500のフル参戦デビューとなるのですが、一緒になるのがわれわれの石浦宏明選手! 結局お二人ともに今季を最後に去ってしまうという。この寂しすぎるアナウンスに凹みました。現場では、インタビューラッシュだったようで、いつもサーキットで、特にこの搬入日におしゃべりに付き合ってくださる伊沢選手なのですが、今回はナシ。残念でした。そのうちに…。

石浦くんとは、今回はちょっと話せました。最終戦まで、石浦くんも伊沢くんも2人を見届けないといけませんがほんと寂しくて…。いつかはその日が来るのはわかっていますがね。わたしの方が先に去ると思っていたので…。まあ、そんな寂しい発表が今回もありました。もう今季はこれ以上ナシでお願いします。相棒のHonda大草りき選手と話しましたが、同様に寂しがっていました。年齢差もあるけれど、とっても仲良しだったしね。そんなレースウィークのスタートです。

搬入日は、ピット作業の練習ばかり追いかけて終わりました。セルモのピット前では新人くんたちが汗を流していました。練習も初めてだったのかな?インパクトレンチのボタンを見てと、使い方から教えていて、そんな姿を見つつ、きっと数年後には目を見張るような活躍をするんだろうなと母さんは眺めてました。じっくり見られて良かったです。ただのマニアかもしれませんが…。

うろこ雲とか秋じゃん?とふと思いにふけりそうになりましたが、暑さは盛夏。お客様、サーキットに来てくれるかな〜?来ていただきたいけど、暑さで大変な状況。夏の観戦は何が得策なんだろう?と自分なりに考えながら帰路につきました。季節の移ろいが10年前とはズレて来ていますし、気温の高さも違う。もはや亜熱帯地方。自分なりの答えはレース開催の時期をずらす…でしょうか。それしか思いつきませんでしたね。F1みたいにサマーブレイクを思いきって導入してずらしてしまうとか良いと思います。あくまで個人的な意見ね。

○予選日

おはよ〜!メディアセンターに向かうピットビルの2階から。だいたいパドックにあまり人がいない時間に出勤しているので、こんな感じ。今回は、鈴鹿サーキットさんは、写真のトランポのあっち側、手前ではなくね、そちらに警備員をたくさん配置していました。人がたくさん集まる場所ですし、過去に盗難事件も鈴鹿に限らずサーキットではあるのでその配慮と思いました。朝から本当にお疲れ様です。

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    (ラガーマンたち わたしはラグビーが大好きで学生時代に秩父宮によく見に行ったのよね)

ルーキーレーシングのラガーマンたちに挨拶。ラグビーが高校時代から大好きでね。学生時代は秩父宮にも行きました。早明戦ですね!って言われたんだけど、私からすると「明早戦」です(笑)。スクラム組みたくなる雰囲気ですが、ぜひラグビーボールでパスがしたい!と常に思っております!ボールを横に投げてみたいです(笑)。いつかよろしくお願いします(本気)。

F4の走行が始まっていて、今年は欧州でレースをしている中山雄一選手がアドバイザーで来場していました。ニュルブルクリンク24時間レース以来、お目にかかれました。

朝のこういう時間って大事なのよね。セッション始まると、戦闘モードだしね。

いよいよ走行開始!鈴鹿のピットは縦長。どうにか邪魔にならないようにピットに滞在させていただき、いや邪魔になってるか(汗)? 撮影開始!動画の為だけど乗り込みを撮るのは結構ハードル高いんですよね。乗り込むだいぶ前からスタンバイしないといけないので。決め打ちでここ!ってなると他のピットには行けないし、耐火服とか来てる訳ではないので動きが制限される為、毎戦けっこう悩んでいるんですよ。

走行開始!スピンもあってバタバタなスタートでしたが、セッションが長いので修復する時間もあり助かります。

予選で、まさかの最下位となり心配しかなかった39号車。

午後の公式予選は、Honda16号車がポールポジション! 一昨年、この大会、このクルマ16号車でポールトゥウィンをしたのが、昨年移籍をしてきた福住仁嶺選手!

ポールポジション記者会見とキッズピットウォークが終わってから、福住仁嶺選手がチーム無限のピットにお祝いを言いに行ってましたね。ピットの前に居たら仁嶺くんが走って来たんです、チョコモナカジャンボを持参して。なんと微笑ましい。仁嶺くんのそういうとこが、お兄ちゃんだったり弟だったりのかわいいキャラでね。これまでTGR陣営には居なかった?キャラですね。業界にもなかなか居ないですかね、子猫キャラ? でもレースキャリアはめちゃくちゃあって速いドライバーなので、かわいいキャラ認定もできませんけどね。

それと日産陣営は大いに盛り上がったでしょう。2位から5位までズラリとNissan Z NISMO GT500が並びました。ライバルとは言え、戦績不審が心配ではありました。しかし、こんなに上位を占めるとは予想していませんでした。TGRのレポーターではありますが、日産陣営のスタッフさんとちょっと話したりしました。当然、勝つ気満々でした。日産ファンのみなさんもね。

TGR陣営は、7位の14号車が最高位でした。我慢の時…です(サクセスウェイトを考慮すると)。そんな予選でした。

○サードファンミーティング

予選日の夜、39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraの恒例のファンイベント「TGR TEAM SARD FAN MEETING 2025 in SUZUKA」にちょっとだけ顔を出して来ました。相変わらずたくさんのファンの方でいっぱいで、わたしの知っている長年のファンの方も多く参加されていました。きっと予選が最下位で、イベントどころではない状況になってしまったのではと思います。もちろん、自分たちの企画ですからちゃんとイベントもこなしていましたけどね。

「サード王」(サードについて一番詳しいファン)になる為のチームに関わるクイズは、こんなのわかるかい!という内容でしたが、あれがわかるからこそ真のサードのファンなのねと。脇阪寿一監督が所属した期間は、3年間という問題だけすぐわかりました。2年です!あの時期ならよくわかる、この時期限定だけどね(笑)。参加されたみなさまお疲れ様でした。

○決勝日

すこしスタートの遅い決勝日。珍しく2度寝をした私。午前3時に目が覚めたらそりゃー寝ますかね。8時前にはサーキットにおりましたけど、鈴鹿近辺の宿泊先、サーキットに近いのは本当に助かります。この2度寝が決勝日の夏バテを助けてくれて、無事に現場を務めることができました。グランプリスクウェアもとんでもない暑さ。でも明らかにお客さんが入っていて、うれしかったです。

場内はいつもDJがご機嫌なナンバー(昭和の伝え方)を流してくれていますが、セットリストを見たいくらい好みの曲ばかりでした。No music No life 、サーキットに音楽は必須です私の場合。海外のF1を見に行ったときはコンサートをやっていて、これ日本でもやって欲しいなあと思いました。昨年、2輪の世界戦moto GPをモビリティリゾートに観に行った時は、前夜祭がコンサート。もちろんノリノリで楽しみました。氣志團のコンサートってあんなにエンターテイメントなのね。J POPをあまり聞かないので新鮮でした。

少し遅めのピットウォーク。今年、三重県警に寄贈されたというNSXのパトカーをまじまじと拝見させていただきました。交通安全の啓発活動や取り締まりなど実際に活動をしているそうですが、ぴかぴかすぎて、ぐるりと見て周りました。NSXで思い出すのは、栃木県警。あちらも含めNSXのパトカーは2台目とのことです。あのパトカーもサーキットに来てくれるので見たことがありますが、願うことは「安全運転」。しっかりこころがけましょうね。このクルマからは逃げられないので、ちゃんと守ってくださいね、法規を。

いつもピットウォークの時にオフィシャルさんも参加して、記念撮影やフラッグを振らせてくれたりしているんですが、彼らは一番暑いコースサイドでお仕事されているので、大変なはず。休憩時間を割いて、来場される方を楽しませてくれています。他のサーキットでもね。

ホームストレートを1コーナー側まで歩いて振り返ると、この光景。F1も走るし、モータースポーツの聖地「鈴鹿サーキット」は、来たんだと実感が湧くので、毎戦ホームストレートに出て歩いています。鈴鹿行って来た!って言うのかっこ良いよね??

決勝直前のウォームアップ走行20分は、今さらながら時間がたくさんあると感じたこの日。レース直前のバタバタな雰囲気をどうぞ。諸々の最終確認をしていますね。終わるとグリッドへ向かいます。

セルモは昔からたくさんいるレースアンバサダーさんが、ベテランコントローラーさんのご指示でグリッドに移動するメカさんに傘をさしてくれます。チーフメカのみやっちが傘を差してもらっているのに当初気づいてなかったみたいでね。移動して来たから、そこにトムス岩森くんもいたので一緒にパチリ。今年は、傘のありがたみがよくわかりますよね。グリッド行くとメカさんたち忙しいですけどね。

いざグリッドウォークへ出発です!

写真左と見ると、グランドスタンドのお客様は、屋根がないのでちょっとかわいそうです。ここ1日中、太陽がふりそそぐシートでね。よく観えることは見えるんだけど、酷暑に見舞われた中での観戦、やっぱりね、心配になりましたよ。

わあ、お久しぶりです。TGRというよりもトヨタモータースポーツ時代のTRDの司令塔、車両開発の責任者だった松井龍一さんがお見えになってましたね。お元気でしたか? 強い時代を築き上げた方ですね。会社の名前は変われど、その教えは脈々と受け継がれているはずです。って技術的なことは詳しくはないけどね。

そして決勝!

脅威の2位表彰台の14号車! 2番なんて普段は喜ばないけど…と言いながら、メカさんたち上出来!と大喜びでした。わたしもびっくりしましたよ。取れるだけ、1ポイントでも多く取る。こういうのがシーズン終盤で効いて来るのはみなさまご存知ね。前回、リタイアとなった大嶋和也選手のお顔がね、良い顔していて安心しました。おめでとうございました。

そして、こちらもあれよあれよとオーバーテイクショー!テールトゥ 6位!

諦めないって大事ね。追い上げお見事でした。予選最下位からチームのみんなでリカバリーできたこと、かなりの進歩じゃないかな。きっと最適解への時間が以前よりも短くなったのではないかしら? サッシャ・フェネストラズ選手、阿部エンジニアが加入し新体制となって、進化の過程がカタチとなって現れたのでしょう!今後がますます楽しみですね。歯車がしっかり噛み合っているのがわかったのでよかったです!

○GT300

7号車CARGUY Ferrari 296 GT3のザック・オサリバン選手、小林利徠斗選手が初優勝!もう勝ちましたね。GTデビューから良いとこ走ってるなあとは思ってましたが、おめでとうございます!

ピットウォークの際に、ザックに話しかけてみました。このコンビは、笑わないのがスタンダードなのかと(笑)。それまで笑顔ではなかったので。ザックはいつも笑顔で話してくれますが、利徠斗くんから笑顔を引き出すのがなかなか難しい。優勝してインタビューを受けても、ザックがもっと笑ってと最後に言ってましたけどね。緊張したりするのも仕方ないけどね。

ただわかる気もするんです。利徠斗くん、とてもクレバーなドライバーさんなのは素晴らしいのですが、年齢的に自分の想像以上の刺激を受けながらレースをしているようにも思えます。ザックは既にF1育成のカテゴリーで経験を積んでいますけどね。2人併せて40歳です、たった…。

利徠斗くんがスーパーフォーミュラを走ったときも、今回の優勝も貴重な経験をありがとうございます…と言っていました。ドライバーだから走るの当たり前じゃん!とも思いましたが、周囲に感謝を忘れない姿も良いですね。そしてスーパーフォーミュラでも今回でも見事なオーバーテイクしたり、また初優勝もしちゃいましたが、一気に経験することとなって刺激強すぎ〜なのかも?大活躍です。でもまだまだ驚いてばかりではいられません。ガンガン全開で行かなくてはね。とにかくおめでとうございました!

終わりに…。このラウンドは最初に書きましたが、TGR勢には我慢のラウンド。そんな中でも予想外と言ったら失礼だけど、それぞれの活躍が見られたこと、シーズン後半がさらに楽しみとなりました! 次戦は、9月20日(土)、21日(日)スポーツランドSUGOにて開催されます。こちらもサクセスウェイトが軽いチームにチャンスがあるので、おもしろい顔ぶれが見られるのかな? 楽しみにして待ちたいと思います!

大谷幸子の近況

しんどかった8月が終わりました。過去イチしんどい夏でした。遡るといつもイベントもあって取材に出ていたから、10年くらい前の方がもしかするともっと大変だったのかもしれません。

現場で暑さ対策を呼びかけながらも実際自分のことを問われると、水分をたくさん摂るくらいしかしてなかったなと。聞かれると思ってなかったので逆に良かったです、自分のこと忘れていたので。でもね、これがね…、業界の年寄りは元気なのよね(自分も含む)。自分もびっくりなんだけどね。ただ、この仕事への緊張感が途切れた時が体調を崩したりするので、まだまだ最後まで気が抜けません。10月の後半から11月のシーズンエンドまで気を張って行かなくてはと思っています。

今回のキッズピットウォークの際に話した親子がいました。まだ小学生のお子様が闘病を乗り越えてサーキットに久しぶりに来られたとのこと。そのお話に感激したレースアンバサダーの方が号泣されてましてね。最初なんだろう?と思って話を聞いたらそういうことでした。

「夢を売る仕事、モータースポーツ」というのを実感しました。それを伝える仕事、どこまでお力になれるかわかりませんが、自分もお手伝いをして、誰かのお力になれたらと思いました。ドライバーだけではなく、メカニックたちの頑張りも見ていて子どもたちの将来のヒントになると思いますしね。プロの黒子としてやることいっぱいあるなと思った鈴鹿でした!そうそう、その元気になったコは、僕がお姉さんを元気にしたと言ったそうで、これまた素敵な思い出となりました。来年、再会できるよう私も頑張ります!

またね!

(写真:トヨタ自動車株式会社、GTアソシエイション、大谷幸子|テキスト:大谷幸子)