2018年プレスリリース

TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジプログラム

WRCラリー・フィンランドは成長を示すも厳しい結果に
新井 WRC2クラス7位、足立14位、勝田は完走ならず

2018年07月30日(月)

TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムに参加中の勝田貴元、新井大輝およびコ・ドライバーの足立さやかが、7月26-29日に開催されたFIA世界ラリー選手権(WRC)第8戦ラリー・フィンランドに参戦。新井・レーティネン組がWRC2クラス7位、ニカラ・足立組がクラス14位で完走、勝田・サルミネン組は、安定した速さで成長を見せるもリタイアとなりました。

新井・レーティネン組
新井・レーティネン組

WRC全戦の中で非常に平均速度が高いラリー・フィンランドは、森林の間を通るスムーズなグラベル(未舗装路)と数多くのジャンプとクレスト(丘)で知られています。勝田、新井にとっては昨年、一昨年に続き3度目の参戦でしたが、今年のSS(スペシャルステージ)は2017年に使われた道の約65%が変更されました。より道幅が狭く、テクニックを要求される道が増え、新たな挑戦となりました。また、足立にとっては初参戦であり、今年2月のラリー・スウェーデンに続き2つ目のWRCイベントへの挑戦となりました。

新井・レーティネン組はイベントを通し、多くのトラブルを抱えました。デイ2の朝のステージでは走行ラインがイン側に寄り過ぎ、車を横転させてしまいました。その後も走行は継続しましたが、午後のステージで2度のパンクを喫し、スペアタイヤが足りずSS10を前にデイリタイアとなりました。ラリー2規定により再出走したデイ3はいくつかメカニカルトラブルがあったものの粘り強く走行を続け、デイ4まで徐々にペースを上げ、最終的にWRC2クラス7位でラリーを終えました。

ニカラ・足立組はデイ2のSS2でコースオフしデイリタイアとなりました。再出走した翌日以降は競争力あるスピードを見せ、3つのステージでWRC2クラスのセカンドベストタイムを記録しました。パワーステアリングやポップオフバルブのトラブルの発生もありましたが、デイ3、デイ4と走りきり経験を積みました。

一方、勝田・サルミネン組はデイ2始めから安定した走りと競争力あるスピードでクラス5位につけていましたがSS8でトラブルが発生。ジャンプからの着地の際にパワーステアリングの誤作動が起き、操作不能となりコースオフ。車両のダメージが激しく修復不能のためリタイアとなりました。

■選手コメント

勝田貴元: SS8で左コーナーの前のジャンプからの着地時に急にステアリングが違う方向にロックされ、右に行ってしまい、車をコースに留めることができませんでした。一瞬のことだったのでどうすることもできませんでした。それまではだんだん調子が上がっていただけに残念です。朝はあまりリズムに乗れていなかったので午後はドライビングスタイルを変え、フィーリングもより自然になって徐々に良くなってきていたところでした。とても早くラリーが終わってしまいましたが、1年前と比べて成長は見せられたと思いますし、安定性も向上したと思います。

新井大輝: たくさんの問題を抱え、難しいラリーでした。最終日にはやっとクリーンな走りをすることができてよかったです。最終日は2本のスペアタイヤを積んでいたので車が重かったことを考えると比較的良いタイムを出すことができたと思います。この部分はポジティブな要素と考え、次回のフィンランドラリー選手権で戦うことを楽しみにしたいと思います。

足立さやか: 長くて厳しいラリーでした。SS2でコースオフしてしまったときは信じられない気持ちでしたが、チームが素晴らしい仕事をして車を直してくれました。翌日からはとにかく距離を重ねて経験を積むことに集中しました。ペースノートのリーディングはまだ少し遅れる部分もありましたが、フィンランドの道でのヤルッコの豊富な経験がカバーしてくれました。コ・ドライバーとしてとても成長したと感じています。

ヤルッコ・ニカラ: SS2でのコースオフはとても残念でした。コーナーでスピードを出し過ぎ、膨らんでしまいました。翌日からは再びリズムを取り戻し、いくつか車両トラブルがあったにも関わらず、良いタイムを出すことができました。サヤカとのコミュニケーションも概ねうまくいきました。ラリー・フィンランドのような高速スピードにおいてはペースノートの適切なリズムを掴むのが大変でした。残りの二日間を二人で乗り切り、経験を積むことができてうれしく思います。

■講師コメント

ヨウニ・アンプヤ(チーフインストラクター): 金曜日は3台とも最後まで走りきれず、チームにとってはとても厳しい一日となりました。新井とニカラは小さなミスが原因でデイリタイアとなり、勝田はメカニカルトラブルによるアクシデントで翌日以降も走ることができませんでした。彼らのスピードからはポジティブな面も見ることができましたが、期待していた結果は得ることができませんでした。ですが、下を向くことなく、起こったことをきちんと分析し、次のイベントではより良い結果を出したいと思います。

■WRC2クラス結果(h:時間、m:分、s:秒)

  1. 1 Eerik Pietarinen/Juhanna Raitanen (Skoda Fabia R5)

    2h45m18.4s

  2. 2 Jari Huttunen/Antti Linnaketo (Hyundai i20 R5)

    +1m06.8s

  3. 3 Gus Greensmith/Craig Parry (Ford Fiesta R5)

    +2m34.9s

  4. 4 Kalle Rovanperä/Jonne Halttunen (Skoda Fabia R5)

    +2m36.8s

  5. 5 Pierre-Louis Loubet/Vincent Landais (Hyundai i20 R5)

    +4m05.0s

  6. - - - - - - - - - -

  7. 7 Hiroki Arai/Jarmo Lehtinen (Ford Fiesta R5)

    +21m25.3s

  8. 14 Jarkko Nikara/Sayaka Adachi (Ford Fiesta R5)

    +1h10m05.8s

  9. Retired Takamoto Katsuta/Marko Salminen (Ford Fiesta R5)

  • 勝田・サルミネン組
    勝田・サルミネン組
  • ニカラ・足立組
    ニカラ・足立組

■次戦

勝田、新井、足立の3名ともに、8月31日-9月1日に開催されるフィンランドラリー選手権第6戦Enset Oy SM Ralliに参戦します。勝田・サルミネン組、新井・レーティネン組は、フォード・フィエスタR5で、ニカラ・足立組はR4車両をベースとするスバル・インプレッサWRX STIでの参戦となります。