2019年プレスリリース

TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジプログラム

勝田貴元、結果は伴わずもタイムで成長を証明

2019年06月03日(月)

TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムに参加中の勝田貴元が、5月30日(木)から6月2日(日)にかけてポルトガルで開催された、FIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリー・ポルトガルのWRC 2に、コ・ドライバーのダニエル・バリットと共に初参戦。序盤優勝争いに加わるも、ホイール破損等のトラブルで大きく遅れ、13位でラリーを終えました。

勝田・バリット組
勝田・バリット組

ラリー・ポルトガルは、ヨーロッパで開催される今シーズン最初のグラベル(未舗装路)ラリーでした。ステージは全体的にスピード域が高く、なおかつテクニカルなセクションも多く含まれるため、多面的なドライビングテクニックが求められます。路面は砂のような目の細かいグラベルが多く、多くのラリーカーが走行すると掘れて地中から石がかき出されパンクの危険性が高くなります。特に、今年は気温が高く完全なドライコンディションだったため、路面は例年以上に荒れていました。

前戦ラリー・チリでWRC 2今季初優勝を飾った勝田は、その翌々週に開催されたフィンランド・ラリー選手権「リーヒマキ・ラリー」に、WRカーのヤリスWRCで参戦。ヤリスWRCでのグラベルラリー出場は初めてでしたが、勝田はやはりWRカーで出場した地元のライバルを抑え、優勝を飾りました。そして、リーヒマキ・ラリーの翌週スタートを迎えたラリー・ポルトガルには、これまでWRC 2でドライブしてきたフォード・フィエスタ R5で出場。ハンドリングを改善するため、駆動系を始めとするセッティングを今までと大きく変えてラリー本番に臨みました。

勝田にとっては今回が3度目のラリー・ポルトガル出場となるため、目標を優勝に定めてラリーをスタート。SS3でベストタイムを刻み、首位と0.6秒差の2位に順位を上げました。その後も勝田は十分優勝を狙える位置につけていましたが、SS6でタイヤの空気が抜けてしまい、30秒以上タイムロス。5位に順位を落としました。それでも諦めず、デイ2で上位のタイムを刻み、ライバルの脱落もあって2位まで順位を回復しました。優勝を争うチャンスを再び手にした勝田ですが、SS12で突然ホイールのリムが破損して走行不能となり、デイリタイアを余儀なくされました。多くのペナルティタイムを課せられ、勝田はWRC 2 14位で最終日のデイ3に再出走しましたが、5本のステージのうち4本でベストタイムを、1本でセカンドベストタイムを刻むなど、圧巻の走りを披露。最終ステージでは、全R5ドライバーの中で最速となる総合8番手タイムを記録し、ポジティブな形でラリーを締めくくりました。

勝田貴元: 今週末の自分のスピードには満足しています。昨年このラリーに出場した時と比べると、かなり成長できたのではないかと思います。必要以上に激しく攻めることはせず、とにかくミスをしないようにクリーンな走りを心がけました。大きな石を絶対に踏まないように、細心の注意を払って走り続けたので、ホイールが破損した時は本当にショックでしたし、なぜそうなってしまったのか正直分かりません。とはいえ、ポジティブに思えることも多くありました。最終日は良いリズムを保って走れ、好タイムを並べることができたので、それに関しては満足しています。引き続き、自分の運転を進化させようと努力していますので、将来的にはさらに速く走れるようになると確信しています。

ヤルッコ・ミエッティネン(インストラクター): タカとダンは、この週末を力強く戦ったと思います。彼らにはラリー開始直後から競争力があり、週末を通してミスもしませんでした。今回の我々の目標は優勝でしたが、ホイールのリムが破損してリタイアするまで、そのチャンスは十分あったはずです。今や、タカのドライビングとWRCイベントに臨む姿勢は、かなり高いレベルにあります。今年の春、我々はドライビングテクニックに関して細かな改善作業を行なったのですが、その成果が現れたのか、今回のタカのドライビングはとても良かったと思います。

■ラリー・ポルトガルWRC 2の結果(h:時間、m:分、s:秒)

  1. 1 Pierre-Louis Loubet/Vincent Landais (Skoda Fabia R5)

    3h33m09.1s

  2. 2 Emil Bergkvist/Patrik Barth (Ford Fiesta R5)

    +1m42.1s

  3. 3 Henning Solberg/Ilkor Minor (Skoda Fabia R5)

    +2m08.2s

  4. 4 Eerik Pietarinen/Juhana Raitanen (Skoda Fabia R5)

    +2m23.5s

  5. 5 Nikolay Gryazin/Yaroslav Fedorov (Skoda Fabia R5)

    +2m24.3s

  6. 13 Takamoto Katsuta/Daniel Barritt (Ford Fiesta R5)

    +14m18.5s

■次回のイベント情報

勝田の次戦は、6月13日(木)から16日(日)にかけて開催される、WRC第8戦ラリー・イタリア サルディニアです。サルディニア島北部を舞台とするこのグラベルイベントに、勝田は今回と同じくフィエスタR5でWRC 2カテゴリーに挑みます。サルディニアは中高速のステージが多く、木々や大きな岩がすぐ脇に迫る難しい未舗装路が続きます。道の表面には砂のように目の細かいグラベルが広がっていますが、その下側には硬い路面が隠れており、何台かのラリーカーが通過すると路面のコンディションは大きく変わります。また、天気次第では気温がかなり上昇し、クルマとタイヤに大きな負担がかかります。

TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジプログラムはパートナー企業の皆さまによって支えられています。

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