CAR
GT3車両について

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SIDE

GT3カーはあくまで市販車ベースのレーシングカーであり、市販車のモノコックを使用しなければならないほか、エンジン搭載レイアウトも変更できないため、市販車同様FRレイアウトが採用される。AピラーからCピラーまでが白いのは、市販車の部分をそのまま使用しているためだ。
その他はカーボンを使用し軽量化されており、空気力学を追究した前後フェンダーが目を引く。エンジンから伸びたエキゾーストは、市販車では車体後方に伸びるが、GT3カーではサイドに出される。

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FRONT

LEXUSのシンボルであるスピンドルグリルとRC Fのボディラインをそのままに、GT3カーらしく仕上げられたフロント。左右の湾曲したエアロパーツは『カナード』と呼ばれ、ダウンフォースを得るため車体後方への空気渦を生み出す役目がある。エンジンはドライサンプ化され、市販車よりも大幅に低い位置に搭載し、運動性能を高めている。ボンネット上の穴は、エンジンルーム内を抜けた空気を効率的に抜きだし、冷却効果を高めている。

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REAR

大きなダウンフォースを生み出すリアエンド。GT500の車両開発で培われたリアウイング、そして車体下面の空気を跳ね上げるディフューザーが特徴的。垂直方向のプレートは、スプリッターと呼ばれ下面の空気の効率的な排出に寄与している。リアフェンダーからバンパーに向けて続くラインも、空力を考えたものだ。フロントにも採用されるが、4カ所ある楕円状のボンネットピンでカウルをすぐに脱着でき、レース現場での作業性も考えられている。

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SUPER GTのGT500クラス車両はすべてカーボンモノコックだが、GT3カーは市販車のモノコックを使う。車体の白い部分がそれで、これまでのノウハウを活かした安全装備のロールケージ(白いパイプ状のもの)が高い安全性と剛性を実現する。それ以外はレース専用のもので、ドライバーを保護するシート、さまざまな調整を可能にするスイッチ類は、シートベルトをしたドライバーからすぐに手が届く位置に機能的に配置されている。バックミラーの位置もレースカーならではだ。

  • LEXUS RC F GT3
  • LEXUS RC F

GT3カーは規則の考え方から「市販車のRC Fの個性を活かし、いかにレーシングカーとしてのポテンシャルをもたせるか」が重要になっている。性能調整が加えられるとはいえ、基本性能が高ければ、レースでの余裕につながり、安定したレースを戦うことができる。ただし、市販車からかけ離れてもこのGT3規定の精神に反してしまう。LEXUS RC F GT3は、このパッケージの難しさを高度に実現したモデルと言えるだろう。

CHASSIS & BODY

  • ベース車両名称

    LEXUS RC F GT3

  • ボディサイズ

    4846×2030×1271mm(全長×全幅×全高)

  • 車両重量

    1300kg

  • ホイールベース

    2770mm

  • トランスミッション

    6速シーケンシャルトランスアクスル(パドルシフト)

  • 駆動形式

    2WD

  • 乗車定員

    1人

ENGINE

  • エンジン

    V型8気筒

  • 排気量

    5400cc

  • 最高出力

    500ps以上

2014年、レクサスはハイパフォーマンスクーペとして"RC F"を発売。このRC Fの開発と時期を同じくして、RC F GT3プロジェクトもスタート。折からラグジュアリーブランドを提供する各国のメーカーはGT3車両を供給しており、レクサスも"走り"を象徴するクルマを必要としていたのだ。そして2015年から2年に渡り、SUPER GTのGT300クラス及び欧州のGTレースにもテスト参戦した。

RC F GT3開発ドライバーとしてSUPER GTチャンピオンで、日本を代表するドライバーである飯田章選手と立川祐路選手が参加した。市販車の評論もする飯田選手は「アマチュアも乗るレースカー」を意識し、一方で現在もGT500のタイトルを争う立川選手は「扱いやすく、かつ速い」を重視し、開発車両を走らせていた。また開発を指揮するのは、SUPER GT(全日本GT選手権時代も含む)で、長年GT500車両開発に携わってきたTRDの湯浅和基氏。湯浅氏をはじめとするTRDの開発陣は市販車RC Fの扱いやすさやアイデンティティーを大事にしながらも、大胆な軽量化とポテンシャルアップを実現。先行するライバルGT3カーに匹敵しうる車両に仕上げた。

RC F GT3の開発ドライバーを務めた飯田章と立川祐路

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