米国・IMSAシリーズ第12戦がロードアトランタで行われ、シリーズに参戦しているLEXUS RC F GT3は首位を争う速さを見せたが、不運なアクシデントなどもあり、15号車が8位完走。14号車は終盤クラッシュし10位でレースを終えた。
10月7日(土)、ジョージア州ブラセルトンのロードアトランタで米国IMSA WeatherTech SportsCar Championshipシリーズの今季最終戦となる第12戦が10時間レースとして行われた。このロードアトランタ戦は伝統的に「プチ・ル・マン」という呼称で開催されている。このIMSAシリーズのGTDクラスには、今季より新型の「LEXUS RC F GT3」が3GT Racingからフル参戦している。
今大会は、10時間レースということもありLEXUS RC F GT3 14号車はレギュラーのセージ・カラムとロバート・アロンにイアン・ジェームスの3人体制。15号車はジャック・ホークスワースとスコット・プルエットにオースティン・シンドリックを加えたドライバーラインナップで臨んだ。
午前11時5分、1周2.54マイル(4.1km)のコースで10時間に渡って争われる決勝レースがスタート。予選3番手の15号車はスタート直後にペナルティを受け15位に後退。9番手スタートの14号車は7位へとポジションを上げた。
序盤、2台のLEXUS RC F GT3は混戦の中で着実にポジションを上げていき、47周目に14号車が首位浮上。フルコースイエローが出されたタイミングでピットへ向かい順位は入れ替わったものの、56周目には15号車が2位、14号車が3位へ。15号車は1秒以内の僅差で首位を追走した。
10時間と長い耐久戦の中、14,15号車共にレース終盤まで首位と同一周回でのバトルを続け、ピットタイミングで何度も首位に浮上する戦いを繰り広げた。
残り2時間を切ったところで、アロンの駆る14号車が突然コントロールを失い、最終コーナーでクラッシュ。アロンは無事だったが、車両のダメージは大きく、14号車のレースはここで終えることとなってしまった。
それから間もなく、イエロー下での追い越しをしたとしてペナルティを受けたホークスワースの15号車がコースへ復帰したが、他クラスの車両と接触。車両前部にダメージを負い、ピットへ戻った15号車を、クルーは全力で修復し、コースへ復帰。15号車は8位完走を果たした。
ジャック・ホークスワース(LEXUS RC F GT3 15号車)
「不運にもスタート直後にペナルティを受け、順位を落とすことになってしまいましたが、そこからの追い上げでは速いラップを刻むことも出来、楽しめました。10時間の長いレースへ向け全てが順調に思えましたが、午後になると若干のエンジントラブルもあってパワーが落ち、オースティン(シンドリック)とスコット(プルエット)はやや苦戦しました。私が最後に再びドライブした時、馬力はいつもよりも落ちていましたが、LEXUS RC F GT3の素晴らしいシャシー性能と、特にナイトセッションで気温が下がったあとのハンドリングに助けられ、ラップタイムも非常に競争力が高いものでした。 こんなに早くトラブルに見舞われるとは予想もしていなかったのでショックでした。セルスターターのトラブルに加え、コース上でのアクシデントにも巻き込まれ、車両にダメージも負ってしまいました。チームクルーは素晴らしい仕事で、決して諦めることなく車をコースに戻してくれました。今日のトップ10完走という結果は、どんな逆境にも負けずに戦い続けた証です。」
スコット・プルエット(LEXUS RC F GT3 15号車)
「14号車、15号車共に充分な速さがあり、表彰台フィニッシュを望んでいました。しかし、我々はトラブルやアクシデントに見舞われてしまいました。まず、クラッシュしたロバート(アロン)が無事だったことを喜んでいます。残念ながら望んでいた結果でシーズンを締めくくることは出来ませんでしたが、1年目から多くを学び、成長できたシーズンでした。この勢いを維持したまま来シーズンに臨みたいと思っています。」
セージ・カラム (LEXUS RC F GT3 14号車)
「今日LEXUS RC F GT3をドライブするのは非常に楽しい経験でした。途中で首位も走行出来ましたし、何度もフェアで、ハードなバトルが出来ました。本当にすごい接近戦でした。間違いなく、私がLEXUS RC F GT3をドライブしてきて以来、最も楽しかったレースのひとつに挙げられるでしょう。競争力の高いレースカーで表彰台や勝利を争えるというのはいつだって最高の瞬間です。 私の最初のスティントは、9番手からスタートして2位まで上がってドライバー交代しましたが、ロブ(アロン)とイアン(ジェームス)も今日一日ずっと良いレースをしてくれました。彼らに感謝します。私が再びコクピットに戻ってから、一旦はレースをリードしてトップで何周かできたのは本当に最高でしたし、そのままの勢いで戦い続ければ表彰台フィニッシュも夢ではなかったはずです。しかし、不運にもレースでは良く起こりうるアクシデントに見舞われてしまい、その夢は叶いませんでした。更に強くなって戻って、次こそ果たせなかった好結果を目指します。」
ロバート・アロン(LEXUS RC F GT3 14号車)
「私の最初のスティントではややオーバーステア気味だったのですが、最初のピットストップでセッティング変更を行ったところ、素晴らしいペースで走れるようになりました。我々は上位を争う数台を捕らえることが出来、全てが順調に見えましたし、好ペースでレースを戦えました。セージ(カラム)も上位を走行しましたが、私が2度目のドライブをしたときにタイヤのパンクに見舞われてしまいました。原因はよく分かりませんが、コース上の何かを踏んでしまったのかも知れません。その後、他の何かが壊れ、最終コーナーで壁にクラッシュしてしまいました。激しいクラッシュでしたが、私は大丈夫です。」
GTDクラスリザルト
順位 | No. | ドライバー | チーム | 車種 | 周回 | 所要時間/差 | ベストラップ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 29 | C. De Phillippi S. van der Linde C. Mies | Montaplast by Land-Motorsport | Audi R8 LMS GT3 | 382 | 10:01:24.903 | 1:21.148 |
2 | 28 | D. Morad M. Christensen M. de Quesada | Alegra Motorsports | Porsche 911 GT3 R | 382 | 15.518 | 1:21.689 |
3 | 73 | P. Lindsey J. Bergmeister M. McMurry | Park Place Motorsports | Porsche 911 GT3 R | 382 | 16.506 | 1:21.478 |
4 | 33 | B. Keating J. Bleekemolen M. Farnbacher | Riley Motorsports - Team AMG | Mercedes-AMG GT3 | 381 | 1 Laps | 1:21.530 |
5 | 54 | J. Bennett C. Braun N. Jonsson | CORE autosport | Porsche 911 GT3 R | 380 | 2 Laps | 1:21.888 |
8 | 15 | J. Hawksworth S. Pruett A. Cindric | 3GT Racing | Lexus RCF GT3 | 364 | 18 Laps | 1:21.616 |
10 | 14 | S. Karam R. Alon I. James | 3GT Racing | Lexus RCF GT3 | 308 | 74 Laps | 1:21.895 |