LEXUS CUSTOMER RACING マンスリーレポート No.8LEXUS RC F GT3が母国凱旋レースでポイント獲得

2025.09.30(火)- 16:55配信

 そろそろ暑さも和らぎ始めたか、という季節ですが、まだまだモータースポーツは熱い戦いが繰り広げられています。今月のLEXUS CUSTOMER RACING マンスリーレポートは、米国WTSCと世界耐久選手権(WEC)、国内SUPER GTとSROジャパンカップの模様をお送りします。

LEXUS RC F GT3が母国凱旋レースでポイント獲得

WeatherTech SportsCar Championship第10戦 インディアナポリス
TireRack.com Battle on the Bricks

 9月19日(金)から21日(日)にかけて、米国インディアナ州インディアナポリスのインディアナポリス・モーター・スピードウェイで2025年WeatherTech SportsCar Championshipシリーズの第10戦が6時間耐久レースとして行われました。
 今季の同シリーズには、バッサー・サリバンからGTDプロクラスに1台、GTDクラスに1台と計2台のLEXUS RC F GT3が参戦しています。
 ベン・バーニコートとアーロン・テリッツの2名で6時間レースに挑む、GTDプロクラスの14号車は予選で11番手。ジャック・ホークスワース、パーカー・トンプソン、フランキー・モンテカルボの3人体制となるGTDクラスの12号車は予選10番手となりました。
 決勝では、他車の降格により10番手からスタートを切ったGTDプロクラスの14号車が、テリッツとバーニコートの2人体制ながら長い6時間レースを巧みな戦いを繰り広げました。燃料を節約しながら着実に順位を上げていき、14号車にとって今季最高位となる5位でフィニッシュ。今季苦しいシーズンを戦っている14号車にとって、最終戦となる次戦「プチ・ル・マン」へ向け勢いをつけるという意味でもポジティブなレースとなりました。
 GTDクラスの12号車は、スタートを担当したモンテカルボが序盤から積極的に順位を上げてトップ5圏内へ。その後、トンプソン、ホークスワースへとバトンを繋ぎ、レースの大半をトップ5圏内で戦い続けましたが、残り30分を切ったところで痛恨のパンクに見舞われて緊急ピットイン。9位でチェッカーを受けました。

リザルト

クラス順位グリッドNo.ドライバーチーム周回トップとの差
GTDプロ5位11番手14ベン・バーニコート
アーロン・テリッツ
バッサー・サリバン2313.274
GTD9位10番手12ジャック・ホークスワース
パーカー・トンプソン
フランキー・モンテカルボ
バッサー・サリバン23011.141
バッサー・サリバン 14号車
バッサー・サリバン 12号車

世界耐久選手権(WEC)第6戦 サーキット・オブ・ジ・アメリカズ
ローンスター・ル・マン

 FIA世界耐久選手権(WEC)第6戦「ローンスター・ル・マン」が9月5日(金)から7日(日)にかけて、米国テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカ(COTA)で開催されました。
 今季の同シリーズには、アコーディスASPチームで2台のLEXUS RC F GT3がLMGT3クラスにフル参戦しています。
 今季序盤に負傷した78号車のベン・バーニコートが今大会より復帰。また、87号車はハイパーカークラスTOYOTA GAZOO Racing 7号車のマイク・コンウェイが負傷したことにより、ホセ・マリア・ロペスが代役となったため、ジャック・ホークスワースがドライブすることとなりました。
 5日(金)の練習走行は好天の空の下、暑いコンディションで実施され、公式練習1回目は78号車が6番手、87号車も10番手。2回目も78号車が5番手、87号車10番手と順調なスタートを切りましたが、翌6日(土)は一転雨模様に。小雨の中で実施された予選では、87号車のラズヴァン・ウンブラレスクが2番手となるタイムをマークするも、2回チェッカーを通過してしまうミスがありタイム抹消に。最後尾グリッドとなってしまいました。
 一方78号のアーノルド・ロビンは、チェッカー直前に、前方車両が急ブレーキをかけたことでスピンを喫しますが、その後巻き返して5番手でハイパーポールへと進出。フィン・ゲルシッツがアタックしたハイパーポールでは,7番手グリッドを獲得しました。
 8日(日)の決勝も雨模様となり、セーフティカー先導でスタートが切られました。
 他車の降格により6番手からスタートを切った78号車は、ロビンがポジションをキープ。一方、最後尾からスタートした87号車は、ヘビーウェットコンディションによりヘッドライトのトラブルに見舞われて緊急ピットイン。フロント周りの修復のために長いピット作業を強いられ、コースには復帰したものの5周遅れとなってしまいました。
 レースはセーフティカー走行が続いた後、赤旗で中断。レース再開後には雨脚が再び強まり、アクシデントの多発する荒れたレースとなりました。
 そんな中でも2台のLEXUS RC F GT3は好ペースで周回。しかし、5周遅れとなりながらも懸命な走行を続けていた87号車は、残り2時間を切ったところでヘビーウェット路面に足をすくわれコントロールを失ってクラッシュ。無念のリタイアとなりました。
 78号車はトップ10圏内での走行を続けていましたが、ピットロードでの速度違反ペナルティを取られポジションダウン。
 終盤天候は回復していき、残り1時間20分を切る頃には雨は完全に止みました。ペナルティで順位を落とした78号車は、バーニコートへと交代して驚異的なペースでの追い上げを見せましたが、ポイント圏内への浮上は叶わず。14位でチェッカーを受けました。

リザルト(LMGT3クラス)

順位グリッドNo.ドライバーチーム周回トップとの差
14位6番手78ベン・バーニコート
フィン・ゲルシッツ
アーノルド・ロビン
アコーディスASP1141 Lap
リタイア18番手87ジャック・ホークスワース
クレメンス・シュミット
ラズヴァン・ウンブラレスク
アコーディスASP7243 Laps
アコーディスASP
アコーディスASP

世界耐久選手権(WEC)第7戦 富士
富士6時間

 FIA世界耐久選手権(WEC)第7戦「富士6時間」が9月26日(金)から28日(日)にかけて、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。
 米国での前戦COTAから3週間のインターバルで開催となった今大会。LEXUS RC F GT3は、同シリーズ参戦2年目にして第5戦サンパウロ6時間で念願の初優勝を飾り、凱旋での母国レースとなります。
 ホームレースということもあり、多くのファンや関係者が応援に駆けつけ、比較的天候にも恵まれた富士スピードウェイには、3日間で66,400人もの観客が集結しました。
 26日(金)の練習走行からLEXUS RC F GT3は速さを示し、公式練習1回目はベン・バーニコートの78号車がクラストップ。2回目はクレメンス・シュミットが87号車でトップタイムをマークしました。
 しかし、翌27日(土)は気温が下がってコンディションが変化。予選ではアーノルド・ロビンの78号車が13番手、ラズヴァン・ウンブラレスクの87号車が15位に留まり、今季初めて2台共にハイパーポール進出を逃すこととなってしまいました。
 28日(日)、時折日差しが顔を出すも、曇り空で気温22度という涼しいコンディションの下、午前11時より6時間の決勝レースがスタートしました。スタート直後から激しい順位争いが繰り広げられ、78号車のロビンは他車と接触したことで、序盤からドライブスルーペナルティを科されることとなってしまいました。
 その後セーフティカーが導入されたことでマージンは帳消しとなり、87号車が12位、78号車は14位でレース再開。
 2時間を経過した頃、78号車がフルコースイエロー中、誤って速度制限を解除 してしまいドライブスルーペナルティ。15位へと後退 しました。
 一方、87号車のウンブラレスクは着実に好ペースで2スティントを走り抜き、6位まで順位を上げてホセ・マリア・ロペスへと交代しました。
 レース中盤の時点で87号車が11位、78号車は14位を走行。
 78号車はフィン・ゲルシッツが2スティントをこなした後、バーニコートへと後退。終盤まで大混戦が続く中、一時は3位まで順位を上げた78号車でしたが、最終的には9位でフィニッシュ。母国凱旋レースとなった富士で見事ポイントを獲得しました。87号車も15位で完走を果たしました。

リザルト(LMGT3クラス)

順位グリッドNo.ドライバーチーム周回トップとの差
9位13番手78ベン・バーニコート
フィン・ゲルシッツ
アーノルド・ロビン
アコーディスASP1841 Lap
15位15番手87ホセ・マリア・ロペス
クレメンス・シュミット
ラズヴァン・ウンブラレスク
アコーディスASP1841 Lap
アコーディスASP
アコーディスASP

AUTOBACS SUPER GTシリーズ第6戦 SUGO
SUGO GT 300km RACE

 AUTOBACS SUPER GT第6戦「SUGO GT 300km RACE」が9月20日(土)、21日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催されました。
 20日(土)、朝方は雨が残ったものの、昼過ぎにはほぼ路面は乾いた状態に。午後2時5分より、曇り空、気温20度、路面温度26度と涼しいコンディションの中でノックアウト方式の予選が行われました。
 GT300クラスは、2グループに分けてQ1を実施しそれぞれ上位9台がQ2へと進出。A組で出走したK-tunes RC F GT3 96号車の高木真一がアタックしましたが惜しくも10番手。B組で出走したANEST IWATA RC F GT3はイゴール・オオムラ・フラガがアタックするも、進出ラインに僅か0.005秒届かず10番手。決勝はそれぞれ20番手、19番手グリッドからスタートすることとなりました。
 21日(日)午後1時40分、空には雲がかかっているものの、気温24度、路面温度32度と過ごしやすい秋晴れの下で、84周で争われる決勝レースがスタートしました。
 19番手スタートの26号車は、フラガがスタートを担当し、1周目に15位へとジャンプアップ。一方、20番手スタートの96号は新田守男がスタート担当で、2周目の1コーナーで軽い接触を喫するもレースを続行。好ペースで追い上げを狙いました。
 しかし、96号車は7周目に前車をパスしようとした際、押し出されるような形となってコースアウト。この時にラジエータ及びアンダーフロアにダメージを追い、9周目にピットイン。レース中の修復は不可能だと判断され、リタイアを余儀なくされました。
 26号車は好調に順位を上げていき、20周目には11位へ。トップ10圏内を争い、レース中盤に他の車両がピットインしていく中、ピットを遅らせて39周目、3位でピットイン。
 しかし、ピットアウト直後、ピットロード出口付近でタイヤトラブルが発生しストップ。26号車もここでレースを終えることとなりました。

リザルト(GT300クラス)

順位グリッドNo.ドライバー車両名周回トップとの差
リタイア19番手26イゴール・オオムラ・フラガ/安田裕信ANEST IWATA RC F GT33928 Laps
リタイア20番手96新田 守男/高木 真一K-tunes RC F GT31057 Laps
ANEST IWATA RC F GT3 39号車
K-tunes RC F GT3 96号車

SRO Japan Cup 第4大会 鈴鹿

 SROジャパンカップの第4大会(第7戦、第8戦)が9月12日(金)から14日(日)にかけて、三重県の鈴鹿サーキットで開催されました。
 SROジャパンカップは、GT3やGT4車両で争われているGTワールドチャレンジ・アジアシリーズの、日本国内でのレースのみで独立したシリーズで、全4大会8レースで争われており、今大会がシーズン最終大会となります。
 今季、同シリーズのGT3プロアマクラスにLEXUS RC F GT3が、末長一範/福住仁嶺組 K-tunes RC F GT3 96号車として参戦しています。
 12日(金)の夜、サーキットの周辺は四日市市を中心とした集中豪雨に見舞われましたが、13日(土)には 雨は止み、午前中はまだ一部しけっているところはあったものの、ほぼドライコンディションで予選が行われました。
 レース1のスターティンググリッドを決定するQ1は末長一範のアタックで13番手。レース2のグリッドを決定するQ2は福住仁嶺がアタックし9番手となりました。
 予選を終え、昼を過ぎると再び雨模様となり、午後1時55分スタートのレース1(第7戦)は今季初のウェットコンディションで戦われることとなりました。
 セーフティカー先導でレースがスタート。スタートを担当した96号車の末長は順当なペースで走行。レース中盤にピットがオープンとなり、福住へとドライバー交代。この頃には雨は上がっており、タイヤの選択が悩ましい状況だったが、ウェットタイヤを装着してコースに復帰しました。
 その後、路面状況が改善していき、福住はチームと無線で連絡を取り合いながら、状況を鑑みて2度目のピットインを行い、スリックタイヤへ交換しました。
 スリックタイヤ交換後、福住は素晴らしいペースで追い上げていき、11位までポジションを上げてチェッカーを受けました。
 14日(日)は一転好天に恵まれてドライのレースとなりました。
 福住がスタートを担当する96号車は、フォーメーションラップからピットへ戻ったところでエンジン不調に見舞われ、ピットスタートを余儀なくされました。
 最後尾へと順位を落としてスタートを切った96号車の福住は、序盤から前を行く車両を次々にかわしていき、4周で19位からトップ10へと浮上。
 しかし6周目、ハンドリングの不調を感じてピットイン。状況を確認したところ、ステアリング系の破損が発見されたため、リタイアとなりました。

レース1リザルト

順位グリッドNo.ドライバーチーム周回トップとの差
11位13番手96末長一範/福住仁嶺K-tunes Racing251 Lap

レース2リザルト

順位グリッドNo.ドライバーチーム周回トップとの差
リタイア9番手96末長一範/福住仁嶺K-tunes Racing721 Laps
K-tunes Racing 96号車
K-tunes Racing 96号車

次号のマンスリーレポートは10月28日頃の発行を予定しています。