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GR Supra GTCUP GRAN TURISMO SPORT Drivers Experiencing Real GR Supra 山中智瑛選手 菅原達也選手 宮園拓真選手

2019年8月某日、3人のグランツーリスモドライバーがスポーツランドSUGOに集い、GR Supra開発責任者と“リアル” GR Supraを語り合った。

GRブランド初のオリジナルモデルとして、GR Supraが日本を含む世界中で発売開始され、デリバリーも進んでいます。このGR Supraで「グランツーリスモSPORT」のオンラインワンメイクレース「GR Supra GT Cup」が開催されているのを知っていますか。9月7日(土)にはオンラインの最終予選を迎えます。そのワンメイクレースで常にトップ争いをしているグランツーリスモ(以降、「GT」)ドライバー3人に、スポーツランドSUGOにお集まりいただき、GAZOO Racing Company GR開発統括部 チーフエンジニアの多田哲哉のもと、GR Supraの実車でサーキットドライブを体験していただきました。

GR Supraに乗る 菅原達也選手、山中智瑛選手、宮園拓真選手

Q:「グランツーリスモSPORT」内GR Supraをドライブしていていいなと思ったところを教えてください。

ホイールベースが短いことによって自分が行きたい方向にクイックに向いてくれるところですね。もう一つ、先ほど実車を試乗したのですが、エンジンサウンドが「グランツーリスモSPORT」とまったく一緒だったところです。

加減速するときのサウンド、特にアクセルオフ時の破裂音が一緒でしたね。てっきり大げさにやっているのかなと思ったら、試乗した時に同じように聞こえてびっくりしました。

先の2人と同じく音が素晴らしいですね。それにアクセルを駆使して車の姿勢を自由自在に変えられて運転がとても楽しいです。

「グランツーリスモSPORT」の制作チームがGR Supraのサウンドや走りを取材し、正確に再現してくれてます。そのため、GTドライバーの答えは、リアルスープラを乗ってい頂いたコメントと「まさに、同じ!」と思いました。

走行する GR Supraの前後

Q:『グランツーリスモSPORT』内GR Supraで特に気になったところはありますか?

実車で走り込んでいるわけでないのでリアルでも同じ傾向があるのかわからないですが、攻め込みすぎると突然リアが抜けるところが気になりましたね。

そうですね。山中選手と同じですね。自分はブレーキングを突っ込みすぎるクセがあるので GR Supraに乗ることで修正できるいい面とも思っています(笑)。

ブレーキングが他のクルマと比べてややシビアなので、早め早めの操作を心がけないとうまく乗りこなせないかなと思いました。

会話をする 多田、山中智瑛選手、菅原達也選手、宮園拓真選手

Q:「グランツーリスモSPORT」内で、好きな車両、またはGR Supraにフィーリングが近いと思うクルマはありますか?

GR Supraの軽快な動きから、ライトウェイトな車種が近いと思っていて、例えばアルピーヌA110(新型)とか、マツダRX-7、ホンダNSXに通ずるものがあると思いますね。

好みとしてはトヨタ86ですね。普段86/BRZ Raceの再現したリバリーを使ってオンラインレースをやっているのですが、レーシングカーではなかなかできない10台が1秒内にひしめき合う接戦や、バトルしているときに少し無理な操作をしてもマシンが応えてくれるところが好きですね。

山中選手と同じくアルピーヌA110やポルシェ911GT3(997型)がリアの挙動がGR Supraと似ていているし、僕が好きなフィーリングですね。

なるほど、どれも興味深い意見ですね。開発時に様々なクルマをドライビングしましたが、ベンチマークした車両の一つにポルシェがあります。FR(フロントエンジン・リアドライブ)レイアウトでいかにポルシェ以上のクイック感を出すか。この課題を解決するためにホイールベースを短くしたり、重心高を下げたり、前後重量配分をバランスさせたり、様々なチャレンジをしました。
そのおかげで今までのFRスポーツカーにはないテイストを実現できたんじゃないかと思っています。

サーキットを走る GR Supra

Q:実車のGR Supraでサーキットドライブ。第一印象は?

まず驚いたのはクルマの剛性感ですね。コーナリング時にボディが常に支えてくれるので乗っていて疲れないクルマという印象です。またリアルのサウンドもとても素晴らしいですね。

足まわり、ボディがすごいしっかりしていて、路面からのインフォーメーションが非常に多く伝わってあまり飛ばさなくても、クルマから「まだこれぐらいいけるよ~」と語りかけてくる感覚がなんとなくしますね。誰にでもスポーツ走行の楽しさを提供できるスポーツカーだと思います。

リアルでサーキット走行するのは今回が初めてなんですが、GR Supraはサーキット走行でもあまり恐怖感を感じずにドライブできました。「グランツーリスモSPORT」のサウンドと一緒で乗ってて走る楽しさをより大きくしてくれますね。

今の3人の答えは自動車ジャーナリストよりも的確ですね(笑)。彼らの運転に同乗させていただいたのですが、とてもスムーズでした。実は助手席に乗るのが苦手で気持ち悪くなってしまうこともあるんですよ(苦笑)。初めてのリアルGR Supraのドライビングで、なおかつサーキット走行なのに、そんな感じは全くなかったですね。「グランツーリスモSPORT」で既にGR Supraの特性を知り尽くした走り、感心しました。

菅原達也選手、山中智瑛選手、宮園拓真選手

Q:現在(2019年8月)、ユーザーの元に着々と GR SupraがデリバリーされているわけですがGR Supraのクルマづくりのエピソードなどあれば教えてください。

86では「タイヤの限界性能をあえて押さえて、スポーツ走行を楽しめるようなクルマづくりをしたのですが、GR Supraでは、その真逆で「タイヤ特性にもこだわり、ドライビングにシビアに反応する」クルマづくりをしました。GR Supraには、タイヤプレッシャーモニターが装備されていて、市販車両でもレースカーのように、空気圧や温度をリアルタイムで確認できます。感覚だけではなく、モニターでデータを確認しながらタイヤの状態に応じた、クルマの動きの変化や「タイヤマネジメント」を是非とも楽しんでもらいたいですね。
また、GTドライバーの皆さんが仰っていただいているように「サウンド」にもこだわりました。一番苦労した部分のひとつです。なぜかと言うと、世界中で騒音の規制がより厳しくなってきて、自分たちの思い描いたサウンドを出すのは非常に難しかった。そこを感じてもらえたのであればとてもうれしいことですね。

GR Supraの脇に腕組みで立つ  宮園拓真選手、菅原達也選手、山中智瑛選手

Q:他に実車のGR Supraに乗ってみてどんなことを感じましたか?

サーキットよりもストリートでドライビングしたほうが楽しいかも?

5月のお台場でちょっとだけ試乗した時にも感じたのですが、サーキットよりもストリートのドライビングのほうがより楽しいのではないかと感じました。

「頭文字D」に登場するようなワインディングロードをいかに気持ちよく走れるかが今のラインナップモデルの開発テーマです。サーキットに特化したモデル、エボリューションモデルというのも考えていますが、いきなりサーキット寄りのモデルを作ってもお客様がついてこないよね。

「乗り心地がいい」というのは偶然の産物?

乗り心地もスポーツカーにしてはすごく良くて、街乗りに重きを置いているクルマづくりをしているのかなと思いました。もちろんそういった部分は、ボディがしっかりしていて、サスペンションがアクティブに動いてくれているからだと思いますが…。

「スポーツカーなのに乗り心地がとても良い」と、今まで世界中で試乗してくれた人々がコメントしてくれました(笑)。ただ正直、その感想は狙って得たものでは無く、そもそも乗り心地を良くしようして開発を進めたことは一度もないんですよ。
荒れたワインディングロードでいかに路面を離さず走れるかという部分に注力して開発しました。その結果乗り心地も良いものになった、というのが真実ですね。
但し、足まわりだけでは路面を捉え切ることはできないので、ボディ剛性の向上にも注力しました。結果的に振り返ると、当初の目標以上のものが作れてしまった感じです。具体的に言うと、開発当初目標を、シミュレーションにより86の比較で約1.5倍に定めたのですが、試作を重ね、改善を重ねた結果2.5倍もの値に達成してしまったんですよね(笑)。

GR Supraを挟む 宮園拓真選手、菅原達也選手、山中智瑛選手と多田

GR Supraは高級車?

実車に乗ってまず、かなり高級車だと思いました(笑)。内装の質感もそうなんですが、踏まなければ物凄く静か。例えばドイツ車なんかは、スポーツモデルじゃなくても足まわりが硬めでブレーキもしっかり効く、総合的にそれに近いかなと。スポーツ寄りになっていくほど高級感というのは失われていくことが多いですが、GR Supraではそれを両立しているように思えました。
街中でのんびり走る時と、サーキットやワインディングで楽しむ時の二面性というのは意識したのですか?

もちろんそこは考えて作っていて、GR Supraには「ノーマルモード」と「スポーツモード」の走行モードを切り替えることで大きく表情が変わるんです。いつもハイテンションで走っているわけではないじゃないですか。だから普段はジェントルに快適にドライブでき、ちょっと自分のテンションを上げたい時に「スポーツモード」にすることでガラッと性格が変わる。そういうクルマづくりをしてきたつもりなので菅原選手の感想はとてもありがたいですね(笑)。

両方使ってみた?

使ってみました! ピックアップが良くなったり、音が大きくなったり、ミッションのオートモードではきっちり上まで引っ張ってくれるようになりましたね。

70、80、そして90(GR Supra)へ、よりスポーツカーらしく

70、80のスープラもさきほど展示車両を見せていただきました。80スープラは子供の頃にJGTC(全日本GT選手権、SUPER GTの前身)のビデオで見てました。それを思い出して懐かしくなりましたね。

試乗の合間に70、80スープラに乗ったり、エンジンをかけたりしたんですが、70、80そして90とどんどんスポーツカーらしくなっていくと感じました。その上で、この3代続くスープラで変わらず残しているものはなんですか?

皆さんがご存じのように過去のスープラは、GT(グランドツアラー)カーとして誕生し、代を重ねるごとにスポーツカーへと成長したモデルです。今回の90、GR Supraは、企画当初からピュアスポーツカーを目指し開発しました。その中でスープラのヘリテージとして継承したアイコンが、直列6気筒エンジンとFRパッケージです。このパッケージが奏でるドライビングフィールは何にも変えがたいものです。
ただし、パッケージングを成立させることがとても難しい。単に前後重量配分をバランスさせるならMRを、軽量化ならFF採用するのが合理的です。エンジン回転上昇に応じて感じる加速感とサウンドの気持ちよさは、歴代のスープラのお客さんが愛してくれている部分なので、そこを継承するのが90、GR Supraなのです。

「グランツーリスモSPORT」では約54万人(2019年8月現在)がバーチャルのGR Supraを体験、ドライビングを楽しみ、「GR Supra GT Cup」をはじめ各種のサーキット走行でそのポテンシャルを示している。
一方、着々とすすむリアルGR Supraのデリバリー。リアル体験ならではのGR Supraの魅力が今まさに続々と発見されている。
リアルでは手が届かなった走行体験をバーチャルで、バーチャルにはない五感をフルに研ぎ澄ませたドライビングをリアルで。
GR Supraの走行をぜひご体験ください。


4月からスタートした「GR Supra GT Cup」も9月7日(土)Rd.13 ニュルブルクリンク 24hにおいて、最終のオンライン予選が行われます。その結果により10月26日(土)東京モーターショーと併催される「FIA GT チャンピオンシップ」にてGR Supra GT Cup決勝大会が行われます。
世界一のGR Supra乗りは誰なのか世界中から集まるトップドライバーの顔触れをみるのも楽しみです。

PROFILE

多田哲哉
トヨタ自動車株式会社GAZOO Racing Company GR統括部 主査。
TOYOTA 86、GRシリーズ、GRMNシリーズなど多くのスポーツカーを手がけ、GRスープラの開発責任者。
山中智瑛
栃木県在住、26 歳。FIA グランツーリスモ チャンピオンシップ 2019マニュファクチャラーシリーズワールドツアー@ニュルブルクリンクにてチームトヨタを優勝に導いた原動力。積極的なレース運びとアグレッシブなドライビングでe-Motorsports ファンを魅了。
全国都道府県対抗eスポーツ選手権2019 IBARAKI(いきいき茨城ゆめ国体)では栃木県一般の部代表に選出。
菅原達也
埼玉県在住、22歳。FIA グランツーリスモ チャンピオンシップ 2019ネイションズカップワールドツアー@ニュルブルクリンクに参戦。
高いレベルでの安定したレース運びで常に上位争いに絡んでいる。
全国都道府県対抗eスポーツ選手権2019 IBARAKI(いきいき茨城ゆめ国体)では埼玉県一般の部代表に選出。
宮園拓真
兵庫県在住、19歳。FIA グランツーリスモ チャンピオンシップ 2018マニュファクチャラーシリーズワールドファイナルにてチームスバルで参戦。
下位スタートでも最後まで諦めないガッツでレースを盛り上げている。
全国都道府県対抗eスポーツ選手権2019 IBARAKI(いきいき茨城ゆめ国体)では兵庫県一般の部代表に選出。