GR FACTORY

WRCドライバーの精緻な感覚を、1台1台に息づかせるために。

極限の世界で求められるレーシングカーと遜色のない高精度・高バランスのクルマを造りたい。
それも、一般のユーザーが手にできる市販車として実現したい。
そのためにGRヤリスでは、WRCに参戦するラリードライバーも開発に加わり、理論やデータだけに終始することなく、プロドライバーである人間の優れた感覚を基本として改良と熟成を重ねてきました。
しかしWRCドライバーが求めた性能を何万台単位で、バラつきなく造ることは容易ではありません。
そこで一般的な生産ラインではなく、車両開発で狙った性能をそのまま実現できるGR専用ライン「GR Factory」を愛知県豊田市のトヨタ元町工場内に新設。
複数のセルとAGV(無人搬送車)によるコンベアレスの組立ラインで構成されたハイテクラインは、スポーツカーに不可欠なボディの高剛性化と高精度の組み付け作業を可能にしました。
さらに、この「GR Factory」は、トヨタ全社から熟練工が集結し、「匠」の技能伝承の場として活かされます。
大量生産ではなく、造り手の意志がこもった多品種少量生産へ。
GRヤリスは、新しいモノ造りのあり方にも果敢にチャレンジしています。

そこはトヨタの「匠」が集う場所。

より強く、より軽いボディを造り出す。

GRヤリスが理想とする高精度、高剛性ボディを実現するため、ボディ全体に使用する特殊な構造用接着剤の使用箇所を11m延長。
ウインドシールドガラスやリヤクォーターガラスを固定する接着剤に高剛性ウレタン接着剤を用いることで高いボディ剛性を実現しています。
また、溶接打点の距離を短くし、約200点ものスポット溶接の増し打ちを実施。
通常より数倍の時間をかけ、部品同士の結合剛性を大幅に向上させています。
軽量化については、ルーフに新工法のカーボンを、エンジンフードや左右ドア、バックドアにはアルミを採用。
加えて前後バンパーは薄肉にする新技術により、大幅な軽量化を実現しています。

最小かつ最軽量、ハイパワーのエンジンを生み出す。

GRヤリスの心臓であるエンジン。小型・軽量化を追求しながら、そのコンパクトなサイズからは想像できないハイパワーを実現するため、従来の鋳造と機械加工(切削)とは大きく異なる、中空組立カムシャフトを採用しています。
理想とするエンジン回転フィールを追求するため、ピストン、コンロッドを計測し、同等の質量のものを組み合わせることで、高回転まで一気に吹き上がる気持ちの良さまで追求。
製造時の異物管理も徹底して行い、レーシングエンジンを組むような高い精度で生産し、厳しい規格で特別な検査・調整を実施しています。GRヤリスのエンジンは一般的な市販車では考えられない厳しい条件下での使用を前提に、匠と呼ばれる職人が一点一点組み上げています。

精緻な組立と特別な検査で完成度を追求。

組立工程では操縦安定性に関係のある部品の3次元測定を実施。この結果をもとに、部品の寸法の差が最小限になる組み合わせと組み付け位置で足まわりを造り、そこにボディを組み付けることで、レーシングカーと遜色のない高い精度で組立てています。
さらに検査工程のアライメント調整ではタイヤにストレスを与えず計測できる設備で、「匠」と呼ばれる選り抜きの熟練工が厳しい規格で調整を実施。
最終工程では4輪のアライメントを乗員状態を模擬して測定するなど、車両の諸元を高精度に計測。
GRヤリスだけの特別な検査を行うことで、狙いどおりの完成度であるかを確認しています。

専任ドライバーが、専用コースで最終テストを実施。

ボディや足まわり、エンジンの組み立て工程とすべての検査を終えたあと、テストコースで最終走行試験を実施します。
専任ドライバーの身体に備わる研ぎ澄まされたセンサーで、クルマの仕上がりを確認。
データだけでは判断することが難しい、スポーツカーとしてあるべきフィーリングを人の感覚で見極めていきます。
GRヤリスは開発当初から妥協することなく、試行錯誤を繰り返して造り上げてきました。さらに生産の場でも通常の市販車製造では考えられない、徹底したこだわりを持ってクルマづくりに取り組んでいます。
こうして開発と生産が一心一体になり、一台一台同じクオリティでGRヤリスは造られています。