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車両の運動性能を飛躍的に向上。エアロダイナミクスラリーシーンでのダウンフォースの獲得を狙い、リヤスポイラーへと効果的に風が当たるよう、ルーフ後端を下げたアッパーボディを専用開発。さらに、フロントのロアスポイラーやカナード機能を持つコーナー部、ルーフとクォーターピラーまわりを絞り込んだリヤの造形により、ダウンフォースを増大。車速を増すほどにボディが路面に押し付けられ、コーナリングスピードが高められる特性を実現しています。また、WRCマシンと同様の手法でホイールハウスからボディに沿って空気を抜くことで、空力性能を向上。さらに、ボディ下面の広範囲をアンダーカバーで覆うことにより、空気抵抗をいっそう低減しています。こうしたエアロダイナミクスの開発は、TOYOTA GAZOO RacingのWRCチームの施設で繰り返し行われた風洞実験の結果と、彼らとの妥協のないコミュニケーションの積み重ねにより造り上げられています。
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異素材を組み合わせ軽さを追求。軽量化ボディフロントフードや左右ドア、バックドアにアルミ素材を使用して軽量化を図っています。またルーフには新工法のC-SMC*1を採用。炭素繊維に樹脂を含浸させたシート状の材料を用いることで、複雑な成形が可能となり、軽快なスポーツ走行に直結する大幅な軽量化と低重心化を実現しています。こだわりの重量バランス補機バッテリーをラゲージスペース床下に配置。59:41の前後重量配分を実現しています。■GR-DAT搭載車両は60:40 となります。
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スポーツカーに求められる強靭さを装備。高剛性ボディ従来モデルよりもホイールハウスやピラー、バックドア開口部まわりに専用の骨格構造を与えることで結合剛性を高め、優れたねじり剛性を確保。さらにボディ全体に使用する特殊な構造用接着剤の使用箇所を約24%拡大。スポット溶接も溶接打点の距離を短くし、約13%の打点増し打ちを行い部品同士の結合剛性を大幅に高めることで、ドライバー操作に対する高い応答性、高G旋回・高速走行での優れた操縦安定性を確保しています。
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俊敏さと力強さを両立。スポーツ4WDのためのプラットフォームGRヤリスでは、軽量・高剛性が特長のプラットフォームをフロントに、リヤにはスポーツ4WDに求められるサイズや形、剛性、取付位置を確保するために、ひと回り大きなプラットフォームを組み合わせています。これにより、ハイパワー4WDの駆動力やハイグリップタイヤの入力を受け止め、さまざまな走行条件においても安定性、コントロール性に優れた足まわりを実現しています。
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タイヤの性能を引き出し、
路面を捉え続ける。サスペンション(ストラット式フロントサスペンション / ダブルウィッシュボーン式リヤサスペンション)フロントは軽量高剛性なストラット式、リヤには高い応答性とグリップ力を確保するダブルウィッシュボーン式を採用しています。サスペンションジオメトリを専用に設定し、リヤは高剛性なピロボールジョイントの採用などによってブッシュ特性、部品剛性を最適化することで、タイヤのグリップを引き出し、さまざまな路面状況での高いコントロール性を実現。さらにボディとフロントのショックアブソーバー締結ボルトの本数を1本から3本に変更し、操舵に対する車両挙動の応答性を高め、優れた操縦安定性に貢献しています。
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プロドライバーとともに徹底的に探求。グレード専用のサスペンションチューニングスーパー耐久シリーズや全日本ラリー選手権などに参戦するプロドライバーとともに徹底的に磨き込まれたGRヤリスの足まわり。サスペンションの“味つけ”には、プロドライバーとマスタードライバーの息吹が吹き込まれ、グレードごとに異なる特性が与えられています。RZ“High performance”用は、サーキットを攻め込むことを念頭に、限界域での速さとコントロール性を追求。RZ用は、ワインディングからサーキットまで、幅広いシーンで極めて俊敏なGRヤリスのハンドリングパフォーマンスを引き出します。
RZ“High performance” | RZ | ||
タイヤ | ミシュラン Pilot Sport 4S | ダンロップ SP SPORT MAXX 050 | |
ホイール | BBS製鍛造 | ENKEI製鋳造 | |
LSD(前後) | トルセン® | オープン | |
フロ ント | ばね定数 | 44N/mm | 36N/mm |
スタビライザー諸元 | Φ24.2 t5.0 | Φ23.2 t3.6 | |
アブソーバー減衰力 | 1,800N/1,030N | 1,390N/920N | |
リヤ | ばね定数 | 40N/mm | 36N/mm |
スタビライザー諸元 | Φ21.0中実 | ||
アブソーバー減衰力 | 1,480N/960N | 1,120N/870N | |
ロール剛性(前後合計) | 2,820Nm/deg | 2,390Nm/deg | |
ロール剛性フロント配分 | 66% | 62% | |
EPS定数 | RZ“High performance”用 | RZ用 |
- ■アブソーバー減衰力は、ピストン速度0.3m/sのときの値。
- ■“トルセン”は(株)JTEKTの登録商標です。
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スポーツ走行時の制動力を確保。ブレーキシステムRZ“High performance”とRZは、フロントアルミ対向4ポットキャリパー、リヤアルミ対向2ポットキャリパーに高μパッドを組み合わせ、高い剛性と耐フェード性を確保しました。ブレーキディスクはスリット入りの放熱性に優れた大径ベンチレーテッドディスクを前後に装着。さらにフロントは2ピース構造とし、内部構造に冷却性に優れたスパイラルフィンを採用することで、熱変形を抑えて安定した制動力を発揮させます。また、ドラム式を採用したパーキングブレーキを使うことで、巧みな車両コントロールが可能です。■写真はRZ”High performance”。カラードキャリパー(レッド/GRロゴ付〈フロント・リヤ〉)はRZ”High performance”に標準装備。
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3つのモードから状況に合わせた走りを選択。4WDモードセレクトスイッチ(NORMAL / GRAVEL / TRACK)電子制御多板クラッチを用いたアクティブトルクスプリット4WDシステムにより、前後輪のトルク配分を「NORMAL(前輪60:後輪40)」、「GRAVEL(前輪53:後輪47)」、「TRACK(前輪60~30:後輪40~70で連続可変)」の3つの制御モードから選択できます。
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走りのテイストを自由に選択。ドライブモードセレクトダイナミックな加速を楽しみたい時、穏やかに走りたい時、走行シーンやドライバーの気分に合わせて走りのテイストを選択できます。センターコンソール上に配置しているドライブモードセレクトスイッチで切替可能です。従来の4WDモードセレクトに加え、スポーツ走行と日常生活での使い勝手を両立するため、ドライブモードセレクトを新設定。CUSTOMモードではお客様のお好みや参戦するモータースポーツの特性に合わせ、電動パワーステアリング、パワートレーン、エアコンの設定ができます。
[ECO/NORMAL/SPORT/CUSTOMモードはRZ“High performance”、RZに標準装備。ECO/NORMAL/SPORTモードはRCに標準装備]
モード | SPORT | NORMAL | ECO | |
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共通 | 想定シーン | スポーツ走行 | 市街地〜ワインディング | 市街地 |
メーター | ||||
電動パワーステアリング | 手ごたえが重い | ノーマル | ||
エアコン | ノーマル | Eco | ||
MT | アクセルレスポンス | アジャイル | ノーマル | コンフォート |
GR-DAT | アクセルレスポンス | アジャイル | コンフォート | |
変換フィール | レスポンス重視 | ショックとレスポンスのバランス | ||
使用ギヤ段 | ローギヤ選択 | ノーマル | ハイギヤ選択 | |
Mモードの自動シフトアップ | ディレイ | 有効 | ||
Mモードのキックダウン | 無効 | 有効 |
- *1. C-SMC:Carbon fiber reinforced Sheet Molding Compound(炭素繊維強化シート成形複合材料)
- ■装備類の詳しい設定は、主要装備一覧表をご覧ください。