KARTとは
カートの成り立ちと現在の位置付け
カート(Kart)は、モータースポーツの入門として、また子供から大人まで楽しく手軽に走り競えるカテゴリーです。一方で、カートとはどんな競技であり、その成り立ちなどは意外と知られていません。まずは、その歴史や現代のモータースポーツにおける位置付けをご紹介しましょう。
カートの歴史
モータースポーツの入門カテゴリーであるカート(Kart)は、1950年代にアメリカの子供たちの間で流行していた「ソープボックスレース」が起源とされています。当時はシンプルな箱にタイヤを付けたもので、原動力はなく、坂道を下るだけの遊びでしたが、1956年、自動車のエンジニアであるアート・インゲルスがはしご型のフレームに芝刈り機用のエンジンを搭載した四輪車を開発。これがカートの始まりとなり、“ゴーカート”という商品名で発売されました。
日本にカートが持ち込まれたのも1950年代の後半で、在日米軍の関係者が遊んでいたことで日本に広められました。1960年代に入ると日本でも競技団体が組織されるようになり、国内での普及とともにルールやクラス分けなど競技の基盤を整備。1972年には国際交流の一環として国際レース「日本カートプリ」が開催されており、1973年にはJAFが統括する全国規模のシリーズ戦「全日本カート選手権」がスタートしました。
レーシングカートは国内外のモータースポーツシーンにおいて、F1を頂点とするフォーミュラレースの登竜門としても定着し、アイルトン・セナ選手やミハエル・シューマッハ選手、ルイス・ハミルトン選手など数多くのF1チャンピオンたちもカート出身で、小林可夢偉選手や坪井翔選手、野尻智紀選手など現在、国内トップフォーミュラで活躍するドライバーたち、さらにはWRC世界ラリー選手権で活躍する勝田貴元選手といった日本人ドライバーの多くも、幼少期からカートに親しみながらドライビングの基礎を身につけました。
カートの概要
カートには様々な種類がありますが、いわゆる競技用のレーシングカートは、競技専用のフレームにレース用のエンジンを搭載。エンジンも数種類がラインナップされており、初級者から中級者用のモデルには空冷100cc、上級者モデルには水冷125ccの2ストロークエンジンが搭載されています。
タイヤもレーシングカート専用で、上位カテゴリーに使用されるハイグリップのスリックタイヤやウェットタイヤ、入門用のオールウェザータイヤまで様々な種類がラインナップされています。
現代モータースポーツでの位置付け
4輪レースのトップカテゴリーへの登竜門であるレーシングカートですが、その一方で、カート競技は運転免許証が不要であり、誰でも参加できることから、子供から大人まで、アマチュアからプロフェッショナルまで幅広い層に親しまれています。とくに入門クラスでは参戦コストもリーズナブルになっていることから、将来のステップアップを目指す若手ドライバーのほか、レジャーとしてレースを楽しむジェントルマンまで様々な人々が、eスポーツでは味わえないリアルなバトルを楽しんでします。
多種多様な種類があるカート
手軽に楽しめるカートですが、実にたくさんの種類がラインナップされ、タイプに応じてカートの楽しみ方が分類されています。
レーシングカート
競技用に開発されたレーシングカートには、専用のフレーム(車体)が使用されています。エンジンも様々なタイプがラインナップされています。
初心者/中級者用モデルとして一般的なエンジンが「ヤマハKT100SD/KT100SEC」に代表される空冷100ccの2ストロークエンジンで、上級者用のエンジンには「ロータックス125MAX」や「イアメX30」など海外製の水冷125ccの2ストロークエンジンが搭載されています。
フレーム、エンジンともに様々なメーカーのモデルがありますが、銘柄が自由な上級クラスもあれば、ワンメイク指定の入門クラスまで、シリーズやクラスでそれぞれに車両規定が設定されています。
レンタルカート
サーキットに常設されているレンタル専用のカートです。安全性/耐久性の高いフレームが使用され、200cc〜270ccの汎用4ストロークエンジンが搭載されています。通常営業のスポーツ走行のほか、レンタルカートを使用したレースなども開催されています。
スポーツカート
レンタルカートとレーシングカートの中間に位置するマシンです。パフォーマンスの高いレース専用フレームにレンタカルカートで使用されている汎用の4ストロークエンジンが搭載されています。レンタルカートよりもパフォーマンスが高く、セッティングの自由度も高いことから、多くの方が自己所有したマイ・カートで、スポーツ走行やレースを楽しんでいます。
キッズカート
3歳から小学校高学年までを対象にした子供用のレーシングカートで、通常サイズより小型の専用シャーシが使用されています。エンジンは30cc〜40ccの汎用4ストロークエンジンで、シャーシやエンジンは対象年齢や身長、レベルに応じていろんな種類がラインナップされています。全国各地でキッズカートを使用したスクールやレースが開催されています。
ミッションカート
変速機の付いたレーシングカートです。5〜6速のトランスミッションを装備し、シフトチェンジを行なうことで、エンジンの最適な回転域をコントロールすることが可能になっています。
スーパーカート
4輪サーキットの走行に特化したレーシングカートです。エンジンは2輪のロードレーサーやモトクロッサーのエンジンをカート用にモディファイしたもので、空力性能の高いフェアリングが装備されています。