2018年プレスリリース

全日本ラリー選手権第3戦 NISSIN Rally丹後2018 Supported by Sammy
デビュー戦のTGR Vitz GRMN Rallyは
ノートラブルで2位表彰台

2018.05.01(火)-10:00配信

4月27日(金)〜29日(日)、2018年シーズン全日本ラリー選手権(JRC)第3戦「NISSIN Rally丹後2018 Supported by Sammy」が、京都府京丹後市を拠点に行われ、TOYOTA GAZOO Racingの眞貝知志/安藤裕一組(TGR Vitz GRMN Rally)が、2位表彰台を獲得しました。

名所・天橋立を見下ろす絶景の林道を駆け抜けるTGR Vitz GRMN Rally
名所・天橋立を見下ろす絶景の林道を駆け抜けるTGR Vitz GRMN Rally

モータースポーツの厳しい環境の下で「人を鍛え、クルマを鍛える」ことを目的として、2018年の全日本ラリー選手権に参戦するTOYOTA GAZOO Racing。今回の第3戦Rally丹後から、Vitz GRMNをベースとした新型車両「TGR Vitz GRMN Rally」を、JN5クラスに投入しました。

TGR Vitz GRMN RallyのベースとなるVitz GRMNはスーパーチャージャー搭載の150台限定モデル。2016年シーズンまで全日本ラリーに投入したVitz GRMN Turboでの経験を活かし、オイルクーラー、インタークーラー、ラジエーターを大容量化することで冷却性能を大幅に高めています。また、フランスで製造された3ドアボディの採用、タワーバー(フロント)やブレースの追加によりシャシー剛性もアップしました。

4年ぶりに京丹後地域の舗装路を舞台とする今回のラリー。チーフメカニックの宮本昌司は、「デビュー戦のため新型車両ゆえのトラブルが出る可能性はありますが、まずはしっかりと舗装路のSS(スペシャルステージ:競技区間)を走りきりたいです」と、ラリーを走りきることを目標に設定。ドライバーの眞貝選手も「まだ未知数の部分が多いですが、新たな挑戦にワクワクしています」と語り、ラリーをスタートしました。

ラリー初日、眞貝選手は順調なペースを刻み、TGR Vitz GRMN RallyもトラブルなくすべてのSSで2番手タイムを記録する好走。クラス2番手という上々の滑り出しとなりました。ラリー2日目も次の舗装ラリーに向けて様々なサスペンションセッティングを試しながら、さらにペースアップをはかり、デビュー戦を無事に走りきり、JN5クラス2位という結果を得ています。

■豊岡悟志(チーム監督)

「本当に上々なデビュー戦になりました。特にトラブルもなく、記録タイムからもこのクルマには大きなポテンシャルがあることを確認できました。ドライバーからも走りの改善に関する積極的なフィードバックがありましたし、『もっと良くなる』と、やる気を見せてくれていますので、共に改善してゆく事が楽しみです。今回のエントリーに関して、主催者ならびに関係者の皆様、参加全チームの皆様に温かいご理解を頂いた事と、クルマファンの皆様に注目して頂けた事に、心から感謝申し上げます」

■宮本昌司(チーフメカニック)

「マイナートラブルすら発生せず、あらためてベースモデルの性能の高さを確認できました。しかし、たくさんの課題も見えたラリーでした。ターマック(舗装路)において、これから改善すべき点がいくつか見つかりました。ドライバーからも課題をたくさん頂きましたし、それが今後の成長につながるはずです。この車両は今までのVitzと比べて重量バランスが異なる分、車両特性が変化していますのでセッティングを見直す必要があります。今後のグラベル(未舗装路)ラリーを含め、しっかりとベストなセッティングを見つけていきたいと思います」

■佐々木良典(GR開発統括部)

「本当に驚くほど順調にデビュー戦を走ってくれました。エンジンのレスポンスの良さや、冷却の改善など、狙ったとおりの性能を発揮してくれています。特に冷却に関しては、以前のVitz GRMN Turboでは厳しい経験もしてきましたので、今回のような環境でも成果が出たことがうれしいです。自分たちが開発を手がけたクルマがラリーを走るということは実はドキドキでした。でも走っている姿は感動がありました。ベースとなった『Vitz GRMN』をお乗りになる方にも、ぜひラリーの場で勇姿を見ていただきたいですね」

■眞貝知志(ドライバー)

「デビュー戦で完走でき、本当に良かったと思います。エンジンやトランスミッションなど、重要な部分にはまったく不具合がなく、きっちりと走りきれたのは素晴らしいことです。準備を重ねても、実戦を走るまでは未知数の部分がいくつもありました。あらためて丈夫で頼りになる“相棒”を手に入れられたと実感しています。ベースモデルの設計の堅実さ、そして凄腕メカニックの皆さんがしっかりと作業してくれたお陰です。次のグラベルラリーは、今回と比べてさらに過酷なステージになります。予想もしないトラブルが起こる可能性もあると思いますが、これまで以上にチームと一丸となって臨みたいです」

  • TGR Vitz GRMN Rallyのベース車両を開発した佐々木も自ら車両をチェック
    TGR Vitz GRMN Rallyのベース車両を開発した佐々木も自ら車両をチェック
  • デビュー戦となるTGR Vitz GRMN Rallyを的確な作業で支えた凄腕技能養成部メカニック
    デビュー戦となるTGR Vitz GRMN Rallyを的確な作業で支えた凄腕技能養成部メカニック

■NISSIN Rally丹後2018 JN5クラス最終結果

  1. 1 小濱 勇希/草加 浩平(シトロエンDS3 R3-MAX)

    1:02:10.8

  2. 2 眞貝 知志/安藤 裕一(TGR Vitz GRMN Rally)

    +1:07.3

  3. 3 横嶋 良/木村 祐介(プジョー 208 R2)

    +3:09.5

■次戦の情報

次戦は5月18日(金)~20日(日)、愛媛県上浮穴郡久万高原町を中心に開催される全日本ラリー選手権(JRC)第4戦Sammy久万高原ラリーに出場予定です。

TOYOTA GAZOO Racingは、「もっといいクルマづくり」のために「人を鍛え、クルマを鍛える」活動の一環としてTGR Vitz GRMN Rallyを投入し、将来のさまざまなGRスポーツ車両の開発に活かしていきます。