2018年プレスリリース

全日本ラリー選手権第8戦RALLY HOKKAIDO
国内で最も過酷でタフな高速ラリー
TGR Vitz GRMN Rallyはコースアウトでリタイア

2018.09.18(火)-10:00配信

9月14(金)〜16日(日)、2018年シーズン全日本ラリー選手権(JRC)第8戦「RALLY HOKKAIDO」が、北海道帯広市を起点として行われ、TOYOTA GAZOO Racingの眞貝知志/箕作裕子組(TGR Vitz GRMN Rally)はSS4でコースアウト、リタイアを喫することとなりました。

難コースの多いラリー北海道に、改良を施し臨んだTGR Vitz GRMN Rally
難コースの多いラリー北海道に、改良を施し臨んだTGR Vitz GRMN Rally

モータースポーツの厳しい環境の下で「人を鍛え、クルマを鍛える」ことを目的に、2018年の全日本ラリー選手権に参戦するTOYOTA GAZOO Racing。第7戦「MSCCラリー in いわき」ではコンスタントに好タイムを記録し、今シーズン初勝利を達成しました。チームは走行距離が長く、速度域の高いラリー北海道のSS(スペシャルステージ:競技区間)に向け、ギヤ比を変更するなど車両に改良を施して挑みました。

アジア・パシフィックラリー選手権(APRC)が併催されるラリー北海道は開催規模も大きく、車両やドライバーへの負荷も非常に高いラリーです。チーフメカニックの宮本昌司は「前戦勝利しましたが、チームが浮き足立っていることはありません。クルマを鍛えるという意味で、ラリー北海道はとてもいい機会ですし、胸を借りるつもりで頑張ります」と、意気込みを語りました。

ラリー初日に行われた札内川河川敷での短いSSに続き、2日目から本格的なラリーがスタート。眞貝選手は慎重な滑り出しで、JN5クラスの4番手を走行します。ところが、今大会の最長距離(28.75km)を誇るSS4、スタートから2km地点の左コーナー手前で予想外にクルマが跳ね、そのままコントロールを失い横転。車両へのダメージが大きく、チームはラリーからのリタイアを決断せざるを得ませんでした。

■豊岡悟志(チーム監督)

「本当にラリーは厳しい戦いだと実感しています。前回優勝したことで、チーム全体がいい流れでラリーに挑めていたので、とても残念です。ラリー北海道はスピード域が他の大会とはまったく違います。ちょっとした事態が、トラブルやアクシデントにつながります。幸い、ドライバーとコ・ドライバーにはケガがなく、安堵しています。どのラリーでもそうですが、必ず課題や学びが見つかります。同じ状況は二度とありません。ですから、そのなかで起きる事態にどう対処すべきなのかがラリーの醍醐味だと思います。これはラリーの現場でしか得られない貴重な機会です。今回得た課題を経験とし、次戦につなげていきたいと思っています」

■佐々木良典(GR開発統括部)

「ハイスピードのラリー北海道を走ることを受けて、ギヤ比を見直すなどクルマを改良して挑みました。今回のリタイアに『思わぬところに落とし穴があるのだ』と、痛感しています。厳しいラリーだと理解していましたが、想定や想像を超えた事態がラリーでは起こります。まだまだ我々の知らない世界があるということです。グラベル(未舗装)ラリーで熟成を続けてきた結果、低速域の操作性も良い評価を得ています。しかし次戦からの舗装路ではまだ良い結果を残せていません。高速域でのハンドリングをさらに伸ばしていきたいですね」

■眞貝知志(ドライバー)

「とても残念な結果となってしまいました。今回はタイムを追求するのではなく、必ずフィニッシュまでクルマを運ぶことを目標にラリーを進めようと考えていました。SS3まではコ・ドライバーとのコンビネーションを考えながら、堅実な走りができていました。SS4は距離も長くハイスピードなコースですし、危ない箇所には注意を入れていましたが、コースアウトしたコーナーには注意を入れていませんでした。レッキの段階から、もっと気をつけて危ない箇所にチェックを入れる必要があったのだと思います。次戦は久々のターマック(舗装路)ラリーです。グラベルラリーが続く間、TGR Vitz GRMN Rallyは熟成がかなり進んでいます。いい戦いができると思っていますし、久々の舗装ラリーを走るのが楽しみです」

  • セレモニアルスタートで多くの観客から声援を受けスタートするTGR Vitz GRMN Rally
    セレモニアルスタートで多くの観客から声援を受けスタートするTGR Vitz GRMN Rally
  •  ラリー2日目、スタート前の早朝に整備作業を行う凄腕技能養成部メカニックたち
    ラリー2日目、スタート前の早朝に整備作業を行う凄腕技能養成部メカニックたち

■RALLY HOKKAIDO JN5クラス最終結果

  1. 1 川名 賢/キャシー・デュロッソウ(シトロエンDS3 R3-MAX)

    2:01:11.1

  2. 2 小濱 勇希/馬場 雄一(シトロエンDS3 R3-MAX)

    +4:12.3

  3. リタイア 眞貝 知志/箕作 裕子(TGR Vitz GRMN Rally)

  4. ※出走5台、完走2台

TOYOTA GAZOO Racingは、「もっといいクルマづくり」のために「人を鍛え、クルマを鍛える」活動の一環としてTGR Vitz GRMN Rallyを投入し、将来のさまざまなGRスポーツ車両の開発に活かしていきます。