2019年プレスリリース

全日本ラリー選手権第4戦 Sammy久万高原ラリー
厳しいラリーをミスなく走り切り
TGR Vitz GRMN Rallyはシーズン4連勝を達成

2019.05.07(火)-17:00配信

5月3日(金)~5日(日)にかけて、2019年シーズンの全日本ラリー選手権(JRC)第4戦「Sammy久万高原ラリー」が、愛媛県久万高原町を拠点として行われました。TOYOTA GAZOO Racingの眞貝知志/安藤裕一組(TGR Vitz GRMN Rally)はJN2クラス優勝を達成、今シーズン4連勝を挙げています。

標高1500m近くまで登る尾根のSSを駆け抜けるTGR Vitz GRMN Rally
標高1500m近くまで登る尾根のSSを駆け抜けるTGR Vitz GRMN Rally

モータースポーツの厳しい環境の下で「人を鍛え、クルマを鍛える」ことを目的として、2015年から全日本ラリー選手権に参戦するTOYOTA GAZOO Racing。昨年はグラベル(未舗装)ラリーとして行われていた久万高原ラリーですが、今年は2年ぶりにターマック(舗装)ラリーとしての開催です。ひとつのSS(スペシャルステージ:競技区間)距離が約14kmと長いうえにアップダウンも多く、タイヤやブレーキに厳しいラリーとして知られています。チーフメカニックの宮本昌司も「走りごたえがあって、クルマが試されるラリーです」と、その厳しさを説明しました。

チームは今回のラリーに向けて、新たに発売されたこれまでより幅の広いタイヤで臨みました。ドライバーの眞貝知志選手は「まずは新しいタイヤの特性をしっかりと感じ取ったうえで走りたいと思います」と、抱負を語ります。さらに「このラリーは雨が降ると、路面が滑りやすくなり、かなり危険です。週末は晴れの予報ですが、雨が降った場合も想定して準備したいと思います」と、付け加えました。

金曜日の夜半に降った雨により、SS1では滑りやすい路面状況となったものの、眞貝選手はベストタイムを刻みます。続くSS2以降も連続ベストタイムを記録し、JN2クラス2番手の選手に1分以上の大差をつけるJN2クラス首位で初日を終えました。眞貝選手は2日目もミスすることなく、すべてのSSを走り切って優勝。開幕戦から4連勝と好調を維持しています。

■豊岡悟志(チーム監督)

「眞貝選手がターマックを得意としていることもあり、久万高原でも速さを見せてくれました。眞貝選手はクルマと対話しながら、足まわりのセッティングに関する貴重なフィードバックをチームにもたらしてくれています。コツコツとした地道な作業ですが、こういった活動がいいクルマづくりには絶対に欠かせません。次戦はグラベルで状況が一変しますし、しっかり準備して、学びを続けていきたいと思っています」

■宮本昌司(チーフメカニック)

「クラス優勝することができましたが、他のクラスの2輪駆動車とは少しタイム差があります。現在の結果に満足せず、さらに向上していかなければならないと思っています。眞貝選手からも前向きな要望が多く出ていますし、このまま進化を続けていきたいです。次のモントレーは今シーズン初のグラベルラリーですし、KYBさんの足まわりで初めて未舗装路を走ることになります。昨年までと比べどのような違いがあるのかを把握すべく、実戦までにテストも計画しています」

■佐々木良典(GRプロジェクト推進部)

「久万高原はSS距離も長く、アップダウンが繰り返される難しいラリーです。セッティングがうまくいっているのか、そうでないのか、とても判断しにくい性格を持っています。前回のラリーから間隔が短く修正し切れていなかった部分を、ラリー中に変更しました。次戦のモントレーはシーズン初のグラベルですし、KYBさんの新しいサスペンションがどのような効果をもたらすのか楽しみです。ターマックラリーはひと段落となりますが、今後に向けて、まだやるべきことがあると感じています。我々にとっての正解探しは、終わりがありません」

■眞貝知志(ドライバー)

「ミスなくクラス4連勝できたことに安心しています。素晴らしい天候の中、気持ちよく走れました。 また、今回から投入されたタイヤも抜群に良かったです。大きな荷重をかけてもこちらの意図にしっかりと応えてくれますし、磨耗も偏ることがありませんでした。一方、全体として走行ペースはシーズン当初に目標としていたレベルに届いていません。今一度、課題と改善するべき点を洗い出して、シーズン後半のターマックに備えていかなければなりません。次戦モントレーからはグラベルラリーが続きますが、強力なライバルも増えると思いますので、今からとてもワクワクしています。これまでの良い流れを続けられるように、気を引き締めて臨みます」

  • 眞貝知志選手とチームはセクションごとにディスカッションを重ね、研鑽を積む
    眞貝知志選手とチームはセクションごとにディスカッションを重ね、研鑽を積む
  • 眞貝知志選手(左)と安藤裕一選手は盤石の強さでJN2クラス4連勝を達成
    眞貝知志選手(左)と安藤裕一選手は盤石の強さでJN2クラス4連勝を達成

■Sammy久万高原ラリー JN2クラス最終結果

  1. 1 眞貝 知志/安藤 裕一(TGR Vitz GRMN Rally)

    1:33:41.2

  2. 2 石井 宏尚/寺田 昌弘(LEXUS RC F)

    +2:12.2

  3. 3 山村 孝之/マクリン 大地 (シトロエンDS3 R3-MAX)

    +5:13.5

  4. 4 中村 英一/大矢 啓太 (トヨタ・ヴィッツGRMN)

    +6:53.2

  5. ※参戦5台、出走4台、完走4台

■次戦の情報

次戦は6月6日(木)~9日(日)、群馬県嬬恋村を中心に開催される全日本ラリー選手権(JRC)第5戦MONTRE 2019に出場予定です。

TOYOTA GAZOO Racingは、「もっといいクルマづくり」のために「人を鍛え、クルマを鍛える」活動の一環としてTGR Vitz GRMN Rallyを投入し、将来的に投入する車両の開発に活かしていきます。