2019年プレスリリース
全日本ラリー選手権第5戦 MONTRE 2019
今シーズン初となる未舗装路ラリー
難コンディションのなか5連勝決める
2019.06.10(月)-17:00配信
6月6日(木)~9日(日)にかけて、2019年シーズン全日本ラリー選手権(JRC)第5戦「MONTRE 2019」が、群馬県嬬恋村を拠点にして行われ、TOYOTA GAZOO Racingの眞貝知志/安藤裕一組(TGR Vitz GRMN Rally)が、JN2クラス優勝を果たしました。
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悪条件の重なるコースで力強い走りを見せるTGR Vitz GRMN Rally
モータースポーツの厳しい環境の下で「人を鍛え、クルマを鍛える」ことを目的として、2015年から全日本ラリー選手権に参戦するTOYOTA GAZOO Racing。ここまでスノー、ターマック(舗装路)と続いてきた全日本ラリー選手権は、第5戦MONTRE 2019で初のグラベル(未舗装路)ラリーが舞台となります。この後、第8戦ラリー北海道までグラベルラリーが続くため、初めて実戦を走行する未舗装路用KYB製サスペンションを含め、今後に向けたデータの蓄積が重要な課題となります。チーフメカニックの宮本昌司も「昨年はグラベルラリーでいくつか課題がありました。今回は今後に向けたデータを得るためにも、きちんと完走して、距離を稼ぎたいと考えています」と、目標を語りました。
MONTRE 2019は、今回初めてFIA地域選手権のひとつであるアジア・パシフィックラリー選手権の一戦となったほか、新たなSS(スペシャルステージ:競技区間)として「MATSUSHIRO」が加わりました。ドライバーの眞貝知志選手はこのSSについて、「非常に路面が荒れていてパンクの危険性が高いSSです。TGR Vitz GRMN Rallyを壊さず、適切なペースで走らせることが非常に難しい」と、警戒します。
金曜日から降った雨が残り、霧が立ち込める難しいコンディションとなったラリー初日。眞貝選手はSS4の「MATSUSHIRO」でパンクを喫し、クラス3番手に順位を落としてしまいます。しかし続くSS5では今回初のSSベストタイムをマークして、一気にクラス首位に浮上。その後も2度のSSベストタイムを刻み、2番手に55.0秒の大差をつけて、初日を首位で終えることに成功しました。安定しない天候の2日目もパンクに見舞われましたが、5つのSSを制する強さを見せて首位をキープ。荒れたラリーを最後まで走り切り、開幕からの連勝記録を5に伸ばしました。
■豊岡悟志(チーム監督)
「安定した速さを発揮でき、3度のパンクを喫しながらも優勝できたことをうれしく思います。シーズン最初のグラベルラリーということで事前テストも行ないましたが、特にサスペンションについては、ドライバーが運転しやすいように実戦でも細かく調整しながら走行を重ねました。ラリーを戦うことでさらに理解が深まったのではないかと思います。チームについては、メカニックに新しいメンバーもいましたが、違和感なく作業もできましたし、全員が率先して物事にあたる意識で戦えたという点は良かったと思います」
■佐々木良典(GRプロジェクト推進部)
「これだけ条件の悪いコンディションのなか、冷静に判断して1位でフィニッシュまでクルマを運んでくれたクルーのふたりには感謝しています。車両としては、パンク以外は極めて順調に走ることができた点は大きな収穫だと思います。グラベル用ダンパーは調整しながら走っている最中ですが、動きとしては少しずつ良くなってきています。ドライバー側からの要望もまだまだありますが、伸び代もあるということで、今後も色々と挑戦していきたいと思います」
■眞貝知志(ドライバー)
「路面の悪いSSでは、自分のミスも含め3度のパンクでタイムロスをしてしまったのですが、諦めることなく、冷静にラリーを進められたのが良かったのではと考えます。ライバルに差をつけることのできるSSを見極め、うまくラリー全体をマネージメントできました。サスペンションは、ほぼぶっつけ本番に近いような状態でも素性の良さを感じました。こちらのリクエストにも的確に応えてもらえています。今後ラウンドを重ねるごとに、ダンパーの性能が試されるラリーになっていきますので、非常に楽しみです」
■安藤裕一(コ・ドライバー)
「クルマにもクルーにもすごくタフなラリーでした。このラリーはターマックセクションもあるので、SSに合わせてタイヤを交換する予定でいましたが、パンクによる予定外のタイヤ交換に対しても問題なく時間管理をしつつ進めることができ、ホッとしています。岩がごろごろしているSSもあり、タイヤ以外の部分にいつダメージを受けてもおかしくない状況でしたが、堅牢なクルマだった点も良かったと思います。次戦はライバルの選手たちもペースアップしてくると思いますので、胸を借りるつもりでラリーを進めていきたいと思っています」
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サスペンションエンジニアたちとディスカッションを重ねる眞貝知志選手
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サインの要望に笑顔で応える眞貝知志選手(左)と安藤裕一選手
■MONTRE 2019 JN2クラス最終結果
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1 眞貝 知志/安藤 裕一(TGR Vitz GRMN Rally)
1:38:15.3
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2 上原 淳/漆戸 あゆみ(ホンダ・シビック・タイプR)
+27.4
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3 竹岡 圭/佐竹 尚子(フォルクスワーゲン・ポロGTI)
+14:31.0
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4 中村 英一/大矢 啓太 (トヨタ・ヴィッツGRMN)
+53:11.8
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※参戦5台、出走5台、完走4台
■次戦の情報
次戦は7月5日(金)~7日(日)、北海道のニセコ町、倶知安町、蘭越町を中心に開催される全日本ラリー選手権(JRC)第6戦2019 Sammy ARK ラリー・カムイに出場予定です。
TOYOTA GAZOO Racingは、「もっといいクルマづくり」のために「人を鍛え、クルマを鍛える」活動の一環としてTGR Vitz GRMN Rallyを投入し、将来的に投入する車両の開発に活かしていきます。