2019年プレスリリース
全日本ラリー選手権第6戦 2019 Sammy ARK ラリー・カムイ
新たなギヤボックスを投入
習熟のラリーに徹し3位入賞
2019.07.08(月)-17:00配信
7月5日(金)~7日(日)にかけて、北海道ニセコ町を拠点に2019年シーズン全日本ラリー選手権(JRC)第6戦「2019 Sammy ARK ラリー・カムイ」が行われ、TOYOTA GAZOO Racingの眞貝知志/安藤裕一組(TGR Vitz GRMN Rally)が、JN2クラス3位に入りました。
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砂利の浮いた滑りやすい路面で力走を見せるTGR Vitz GRMN Rally
モータースポーツの厳しい環境の下で「人を鍛え、クルマを鍛える」ことを目的として、2015年から全日本ラリー選手権に参戦するTOYOTA GAZOO Racing。第5戦モントレーから約1カ月のインターバルで開催されるラリー・カムイは、北海道らしい雄大なグラベル(未舗装)林道が舞台となります。20kmを超えるSS(スペシャルステージ:競技区間)や、様々な性格をもつSSが用意され、挑戦しがいのあるラリーとして知られています。
チームは今回のラリーに向けてTGR Vitz GRMN Rallyに新たなギヤボックスを投入し、ギヤ比に変更を施しました。ドライバーの眞貝知志は、「これまではコーナーによってギヤポジションとエンジン回転域が合わない状況もありましたが、ギヤ比を変更したことで今後は最適なエンジン回転域を使って走れるようになると思います。とにかくドライバーとしては習熟を進めていきたいです」と、スタート前に語っています。
ラリー初日、眞貝選手はスタート前に語っていたとおり、新たなギヤボックスの感触を確かめるように慎重な走行に徹します。車両セットアップの調整やドライビングの試行錯誤を続けながら、JN2クラス3番手で初日を終えると、2日目もトラブルやミスなく順位を守り、3位でフィニッシュ。2018年はリタイアに終わってしまったラリーでしっかりと完走を果たし、チームに貴重なデータを持ち帰っています。
■豊岡悟志(チーム監督)
「今回はギヤ比を変えたということもあり、ラリーを通して習熟を深めることになりました。加えて足まわりに関してなども、非常に有意義なやりとりができています。我々の活動にとっては、むしろ結果より中身が充実することの方が重要な場合もあります。とはいえライバルに負けてしまうのも面白くありませんし、次戦までには勝つことができるよう対策するつもりです。また今回、作業の主力を担っているスタッフのひとりが体調不良により不在という緊急事態もありましたが、残りのスタッフが作業範囲をカバーしあい、うまく対応できていたと思います。スタッフ全員が以前と比べて余裕が出てきたと実感しています」
■宮本昌司(チーフメカニック)
「新しいギヤボックスを投入しましたが、どのくらいの戦闘力と耐久性があるのかを知るためにも、まずはしっかりと走り切りたいという強い思いがありました。クルーのふたりは本当にきっちり仕事をしてくれました。今回はメカニックの人数が少ないうえ、ふたりが新人でしたので、いつもより細かく指示した部分がありました。それでも『考えて動かなければならない』ということを分かってもらえたと思います。先を読んだり、準備をしたり、段取りの大切さを実感したはずです。今後の課題は、これまでに積み上げたノウハウを次に引き継いでいくために、いかに標準化できるかだと考えています」
■土井崇司(GRプロジェクト推進部)
「2日間、まずは無事に走り切ることができて良かったです。今回はとても良いデータを持ち帰ることができました。新しいギヤボックスはクルーから高い評価をもらっているので、基本的にこの方向性で開発を進めていこうと思っています。私はいまGRカンパニーにおいて、将来的なクルマの開発を手がけています。トヨタはWRCをはじめ様々な競技に参加していますが、全日本ラリー選手権でもしっかり戦えるようなクルマを開発すべく、私もチームの一員として開発に携わっていきます。やはり現場で起きていることは、現場に来ないと分からないことが多いですし、ここで得た知見を今後に活かしたいと思っています」
■眞貝知志(ドライバー)
「昨年のラリーでは自分のミスでチームに迷惑をかけていたので、きちんと完走できて良かったです。そして、なんといってもTGR Vitz GRMN Rallyが大きな性能アップを果たしました。運転していてものすごく楽しく、気持ちの良いクルマに仕上がっています。前向きな気持ちで後半戦のスタートを切ることができました。クルマが熟成の域に達して、いよいよ準備が整いましたし、今後に向けて加速していきたいですね。今回は新人メカニックの方も整備を担当してくれたのですが、宮本チーフメカニックのサポートもあり整備についてはまったく心配なく、安全にも目を配れている印象でした。次に自分が何をすべきかを考えられているし、整理整頓もできている。見ていて新人らしからぬ安心感がありましたね」
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欠員が出る事態となっても連携して作業を進めた凄腕技能養成部メカニックたち
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TGR Vitz GRMN Rallyについて語る眞貝知志選手(右)と土井崇司エンジニア
■2019 Sammy ARKラリー・カムイ JN2クラス最終結果
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1 上原 淳/漆戸 あゆみ(ホンダ・シビック・タイプR)
1:34:31.6
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2 ヘイキ・コバライネン/北川 紗衣(トヨタGT86 CS-R3)
+48.6
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3 眞貝 知志/安藤 裕一(TGR Vitz GRMN Rally)
+1:27.5
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4 中村 英一/大矢 啓太(トヨタ・ヴィッツGRMN)
+5:46.4
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5 山村 孝之/マクリン 大地(シトロエンDS3 R3-MAX)
+8:14.7
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6 鷹野 健太郎/ウシニナ・ヤナ(トヨタGT86 CS-R3)
+11:03.2
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7 竹岡 圭/佐竹 尚子(フォルクスワーゲン・ポロGTI)
+15:27.3
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※出走7台、完走7台
■次戦の情報
次戦は7月26日(金)~28日(日)、秋田県横手市を中心に開催される全日本ラリー選手権(JRC)第7戦横手ラリー2019に出場予定です。
TOYOTA GAZOO Racingは、「もっといいクルマづくり」のために「人を鍛え、クルマを鍛える」活動の一環としてTGR Vitz GRMN Rallyを投入し、将来的に投入する車両の開発に活かしていきます。
TOYOTA GAZOO Racingの全日本ラリー選手権(JRC)における活動は、パートナー企業の皆さまによって支えられています。