2020年プレスリリース

全日本ラリー選手権第5戦 NISSINラリー丹後2020
約4カ月ぶりの全日本ラリー選手権開催
感染対策を徹底して挑み、クラス3位を獲得

2020.08.03(月)-17:00配信

7月31日(金)〜8月2日(日)にかけて、京都府京丹後市を拠点に2020年の全日本ラリー選手権(JRC)第5戦「NISSINラリー丹後2020」が行われ、TOYOTA GAZOO Racingの眞貝知志/安藤裕一組(TGR Vitz GRMN Rally)が、JN2クラス3位を獲得しました。

トラブルを乗り越え3位を獲得したTGR Vitz GRMN Rally
トラブルを乗り越え3位を獲得したTGR Vitz GRMN Rally

モータースポーツの厳しい環境の下で「人を鍛え、クルマを鍛える」ことを目的として、2015年から全日本ラリー選手権に参戦するTOYOTA GAZOO Racing。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受けて、全日本ラリー選手権の開催中止や延期が相次ぐなか、チームにとっては3月の新城ラリー以来の実戦です。今回、ラリー主催者は無観客での開催に加え、医師によるメディカルチェックや、サービスにおけるソーシャルディスタンスの確保など、様々な感染対策を導入。チームとしても選手、サービススタッフのマスク着用、手指のアルコール消毒を常時行うなど感染予防を徹底したうえでの出走となりました。

2年ぶりの全日本選手権開催となるラリー丹後に向けて、TGR Vitz GRMN Rallyは新城ラリーの仕様を踏襲。ドライバーの眞貝知志選手は「ここは2年前にTGR Vitz GRMN Rallyがデビューしたラリー。このクルマがどれくらい乗りやすくなったのか、比較するのが楽しみです」と、意気込みを語ります。

梅雨明けが重なり、非常に高い気温のなかで行われた初日。眞貝選手はSS2でスピンを喫し、リヤサスペンションにダメージを負いながらも、クラス3番手につけました。足まわりを修理して挑んだ最終日は順位をキープし、3位でフィニッシュ。また眞貝選手と安藤選手は最終日、SS9に向かう移動区間で路上に倒れた歩行者を発見。他の選手とも協力して救助活動を行いました。

■豊岡悟志(チーム監督)

「今回、優勝はできませんでしたが、クルマを準備して、実際に走らせて、修理に取り組んで……と、とても意義のあるラリーになりました。2日間戦い切って、あらためてラリーの楽しさ、難しさを思い出した一戦になった印象です。次の車両の準備も進めていますが、育成の場としてラリーは素晴らしい環境だと実感しています。主催者の皆さんには、大変な努力のうえで開催して頂きましたし、本当に感謝しています。依然として厳しい状況が続きますが、感染対策にしっかり取り組みながら、我々もラリーを盛り上げていきたいと思っています」

■宮本昌司(チーフメカニック)

「新城ラリー以来、期間が空いてしまったこともあり、どのラリーを目標にメンテナンスをすべきか予定が立てにくい状況でした。それもありマイナートラブルが出て、クルーにも少し迷惑をかけてしまいました。そんな状況でしたが、ライバル選手と接戦を繰り広げるなかで、モータースポーツの醍醐味を再認識でき、競技開催を実現していただいたことをありがたく思います。今回、チームはきちんと感染対策をし、最小限の人数でラリーに臨みました。モータースポーツの盛り上げや、こういう場でクルマを鍛えさせていただくことを継続していくためにも、チームとして取り組み方を工夫していかなければならないと感じています」

■土井崇司(エンジニア)

「久々の全日本ラリー選手権ということもあり、まずはしっかり走り抜くということを目標に挑みました。丹後はスピード域の高いラリーですので、ちょっとした入力でも大きな影響を足まわりに及ぼします。今回起こったことを持ち帰り、調査・分析して、しっかりフィードバックしていきたいと思っています。この活動を通してTGR Vitz GRMN Rallyを改善することはもちろんですが、現在開発中の車両や、将来のクルマづくりにも活かしていくことが重要です。開発中の車両に関しては、しかるべきタイミングで投入すべく準備を進めています」

■眞貝知志(ドライバー)

「今回のラリーはライバルがとても速く、現在のスピードでは余裕を持って戦うことが難しかったです。そのうえ、いくつかミスをしてしまったこともあり3位という結果になりました。チームにはサービスでしっかり直してもらい走れましたが、スピードという課題が残ってしまいました。舗装路でのTGR Vitz GRMN Rallyは曲がりやすくなって 良く仕上がっていますし、気持ちよく走れていますが、もうひと伸びが必要かもしれません。新城ラリーに続いて今回も無観客開催となってしまいましたが、こうした状況の中でも競技ができるということを、大会主催者と我々選手が協力してひとつひとつ証明していくことが、今後につながるのだと思います」

  • 凄腕技能養成部メカニックもマスクを着用し感染拡大防止に務めながら作業を行った
    凄腕技能養成部メカニックもマスクを着用し感染拡大防止に務めながら作業を行った
  • マスク着用で打合せするチーフメカニック(左)と眞貝選手
    マスク着用で打合せするチーフメカニック(左)と眞貝選手

■NISSINラリー丹後2020 JN2クラス最終結果

  1. 1 上原 淳/漆戸 あゆみ(ホンダ・シビック・タイプR)

    1:32:59.3

  2. 2 石井 宏尚/寺田 昌弘(レクサスRC F)

    +1.1

  3. 3 眞貝 知志/安藤 裕一(TGR Vitz GRMN Rally)

    +42.3

  4. 4 中平 勝也/行徳 聡(トヨタGT86 CS-R3)

    +2:31.9

  5. 5 中村 英一/大矢 啓太(トヨタ・ヴィッツGRMN)

    +4:34.1

  6. 6 山村 孝之/杉本 直美(シトロエンDS3 R3-MAX)

    +4:38.1

  7. 参戦6台、完走6台

TOYOTA GAZOO Racingは、「もっといいクルマづくり」のために「人を鍛え、クルマを鍛える」活動の一環としてTGR Vitz GRMN Rallyを投入し、将来的に投入する車両の開発に活かしていきます。

TOYOTA GAZOO Racingの全日本ラリー選手権(JRC)における活動は、パートナー企業の皆さまによって支えられています。