全日本ラリー選手権第2戦 ツール・ド・九州2024 in 唐津 3連戦の初戦となる唐津
課題と成果をもたらす6位完走

2024.04.15(月曜日)- 17:00配信

4月12日(金)〜14日(日)にかけて、佐賀県・唐津市を拠点に2024年シーズンの全日本ラリー選手権(JRC)第2戦「ツール・ド・九州2024 in 唐津」が開催され、TOYOTA GAZOO Racing(TGR-WRJ)の眞貝知志/安藤裕一組(GR YARIS GR4 RALLY DAT)は6位で完走を果たしました。

観戦エリアを駆け抜ける眞貝選手/安藤選手のGR YARIS GR4 RALLY DAT
観戦エリアを駆け抜ける眞貝選手/安藤選手のGR YARIS GR4 RALLY DAT

「人材育成」と「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」の実践を目的に、全日本ラリー選手権に参戦するTGR。2024年シーズンは、2023年の知見をフィードバックし、進化を果たしたGR YARIS GR4 RALLY DATで、トップカテゴリーのJN-1クラスにエントリーします。今大会からは、4月8日に発売された「進化型GRヤリス」と同じ外装の車両で参戦しています。

開幕戦ラリー三河湾で得た様々な知見をベースに、チームは今後のターマック(舗装)ラリー連戦に向けた4日間のテストを実施。特にサスペンションを含めた足まわりのセッティングに改良を加えました。進化型GRヤリスの外装を導入したことを受けて、冷却系統の見直しも行っています。また、今回の第2戦唐津を皮切りに、第3戦久万高原、第4戦丹後が短期間で開催されることから、このラリーで良い流れを作ることも、非常に重要になってきます。

唐津のスペシャルステージ(SS・タイムアタック区間であり、タイムが計測されるコース)は比較的スムーズな路面が特徴となりますが、大きく回り込んだ見通しの悪いコーナーも多く、ドライバーの技量が試される一戦です。レッキ(事前試走)を終えた眞貝選手は「特に最終日は、路面を苔が覆っている場所もあり、ドライビングには注意が必要です」と、慎重にコメントしました。

ドライコンディションとなったラリー初日、曲がりくねったコーナーに苦しんだ眞貝選手は、思うようにペースを上げられず、首位から1分36秒1差の6番手につけます。それでも高速コーナー中心のSS2では、3番手タイムをマークするなど、新たなセッティングの有効性も証明しました。ラリー最終日、眞貝選手は大きなミスなく全SSを走り切り、6位で完走。短いインターバルで続く次戦の久万高原ラリーに向けて、有用なデータを収集することができました。

■豊岡悟志(TGR-WRJチーム監督)
初戦のラリー三河湾では2台ともリタイアになってしまいましたが、今回はチームのリズムを取り戻すためにしっかり準備をして、完走をターゲットに挑みました。その目標を達成できて良かったです。眞貝選手は事前テストもやりましたし、セッティングを含めて、クルマの理解を深めることができたと考えています。ドライバーがクルマと対話し、それを我々も共有して、開発へフィードバックし学び続けていくことが、この活動の意義です。今回はそれがしっかり達成できていると感じています。今回の結果を次に活かし、リズム良く連戦を戦いたいと思っています。

■眞貝知志(ドライバー)
前戦のラリー三河湾は残念な結果に終わりましたが、そこで得た気づきもありましたし、唐津の前にはしっかりとテストを行うこともできました。今回のラリーではクルマが絶好調だったこともあり、ラリー全体を通じて気持ちよく走ることもできました。また、テストで試したことが、状況によってはとても有効に働くことも分かった点は収穫です。今シーズンは唐津から短いインターバルで3つの舗装ラリーが続きます。2週間後の久万高原に向けて、前向きな気持ちで終えることができたと考えています。

■坂本祐樹(眞貝号エンジニア)
今シーズンは、我々エンジニアが想定している走り方を眞貝選手に実践してもらっています。トラクションを重視して、直線を大事にするような走りを意識していただき、実際に検証しているところです。思ったように走れない局面もあったと思いますが、そこを我慢してしっかり走り切っていただいたことに感謝しています。この3連戦をひとつのラリーと考えると、12のSSが終わったにすぎず、まだラリーの半分も終わっていない段階です。きっちり、3戦全部のデータを持ち帰ることを目標に取り組みたいと思っています。

■久米田英一(眞貝号メカニックリーダー)
今年はリーダーとして、クルマ全体を見つつ、自分も右前輪の作業を担当しています。今年は毎戦、眞貝選手に納得していただけるいいクルマを出そうとチームで心がけています。私以外は新規のメンバーなので初戦はバタバタしましたが、全員が落ち着いて作業できたことは良かったと思います。もう少し技量をつけて、より細かいところまで短時間で作業ができるようにしていきたいです。安全な作業を心がけ、眞貝選手と安藤選手に気持ち良く帰ってきてもらうことを徹底しています。

■早川正資(GR Garage 鳴海)
普段はGR Garageでマネージャーをしています。今回は大竹選手の右後輪を担当し、タイヤの脱着、増し締め、オイル漏れのチェック、ブレーキのチェックなどの作業を行いました。もともと、クルマをいじるのも走るのも大好きで、サーキットにも行っているので、全日本ラリー選手権を戦うチームに参加できて大変うれしく思いました。勉強になることばかりで、これをGR Garageにも持ち帰り、仕事にも活かしていきたいです。チームでは常に改善を重視していたことが印象的で、その点は職場のスタッフにも共有し、きちっと取り組んでいきたいと思います。

市内唐津神社でのセレモニーが久々に復活 大鳥居をくぐり、声援を受ける眞貝選手/安藤選手
市内唐津神社でのセレモニーが久々に復活
大鳥居をくぐり、声援を受ける眞貝選手/安藤選手
経験が浅いなか、奮闘するメカニックたち 大きなトラブルなく、眞貝選手の走りを支えた
経験が浅いなか、奮闘するメカニックたち
大きなトラブルなく、眞貝選手の走りを支えた

全日本ラリー選手権第2戦 ツール・ド・九州2024 in 唐津

JN-1クラス最終結果

  1. 1 新井大輝/松尾俊亮(シュコダ・ファビアR5)

    55:52.7

  2. 2 勝田範彦/木村裕介(GR YARIS RALLY2)

    +40.4

  3. 3 福永 修/齊田美早子(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)

    +1:06.4

  4. 4 新井敏弘/井上草汰(スバルWRX S4)

    +1:20.1

  5. 5 田口勝彦/北川紗衣(GR YARIS RALLY2)

    +1:24.0

  6. 6 眞貝知志/安藤裕一(GR YARIS GR4 RALLY DAT)

    +2:25.0

  7. 7 鎌田卓麻/松本優一(スバルWRX STI)

    +2:30.8

  8. 8 石黒一暢/穴井謙志郎(トヨタGRヤリス)

    +3:44.8

  9. 9 金岡義樹/マクリン大地(シュコダ・ファビアR5)

    +7:59.7

  10. 参戦10台、出走10台、完走9台

TOYOTA GAZOO Racingは、「もっといいクルマづくり」のために「人を鍛え、クルマを鍛える」活動の一環としてGRヤリスで全日本ラリー選手権に参戦し、将来の車両開発に活かします。