RACING CAR
全日本F3 2017年 レース車両解説
Dallara F317シャシー
車両名称
Dallara F317
全長/全幅
4351mm/1845mm
ホイールベース
2800mm
トレッド
前:1595mm 後:1540mm
トランスミッション
6速シーケンシャル
ブレーキ
ベンチレーテッドディスク
車両重量
580kg(ドライバー含)
エンジン
エンジン型式
TAZ31
排気量
1,998cc
ボア×ストローク
φ86x86
気筒数
直列4気筒直噴
重量
87kg(吸気系含まず)
出力
200馬力以上
吸気リストリクター径
φ28mm
新規定のエンジンを世界に先駆けて導入
シャシーは実質的にダラーラ社製のワンメイク
F3のレース車両は、世界中のモータースポーツを統括するFIAが定めたテクニカルレギュレーション(車両規則)に則って開発/製作されている。これまで、いくつかのコンストラクター(シャシー製造会社)がF3用シャシーを製造してきたが、近年ではイタリアのダラーラ社製のシャシーが主流で、各シリーズは実質的なワンメイクとなっている。
全日本F3選手権ではダラーラ社のシャシーが使用され、最新のF317に始まり、様々な車種が使用される。
モノコックはF1などトップカテゴリーでも使用されるカーボンコンポジット(炭素繊維による複合素材)を採用し、性能面に加え安全面でもレベルの高いものとなっている。ただし空力面ではトップカテゴリーほどには突き詰めたものでなく、足回りに関してもコンベンショナルな基本設計がなされている。
エンジンは排気量が2000cc以下の直列4気筒、と定められている。従来は年間2500台以上生産された、市販車に搭載されたエンジンの主要コンポーネントを使用することが義務付けられていたが、2013年からは市販のベースエンジンを持たない、いわゆる純レーシングエンジンも認められるようになった。この規定変更に関しては、ヨーロッパの自動車メーカーは対応が遅れて2014年から新規定に移行することになったが、日本国内では世界に先駆ける格好で、当初の予定通り2013年から新規定に移行。現在は3メーカーのエンジンが使用されている。
トムスチームは自社でF3用エンジンTAZ31を開発し、2013年シーズンから実戦に投入してきた。このエンジンは、ノアやヴォクシーに搭載されている1AZ-FSEを大幅に改造して製作された。デビューシーズンとなった2013年にはドライバー/チーム/エンジンチューナーの3冠に輝き、2014年もチーム/エンジンチューナーの2タイトルを連覇。2015年シーズンもドライバー/チーム/エンジンチューナーの3冠に輝き、大激戦となった昨シーズンも山下健太がドライバーズタイトルを手に入れている。
全日本F3選手権では、旧型のシャシー(ダラーラF308、F306)にトムスが供給する3S-GEエンジンを搭載した車両で争うNクラスも存在する。現行F3車両と混走するが、クラス独自のチャンピオンシップにもなっている。Nクラスは参戦費用が抑えられているため、予算が少ない参戦者に加えて、ハイレベルのレースを求めるアマチュアドライバーも参戦している。