FIA-F4の第6大会(第11戦、第12戦)が鈴鹿サーキットで行われ、ディフェンディングチャンピオンである18歳の宮田莉朋(TOM'S SPIRIT)が第11戦で2位、第12戦ではファイナルラップの逆転で今季3勝目を挙げ、最終大会での自力逆転タイトルへ望みを繋いだ。
8月26日(土)27日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットでFIA-F4選手権の第6大会(第11戦、第12戦)が開催された。
カートレースなどからステップアップする、フォーミュラカーの入門カテゴリーとして人気を集めるFIA-F4。トヨタは今季、18歳の宮田を支援。宮田は昨年、フル参戦初年度ながらシリーズチャンピオンを獲得。今季はディフェンディングチャンピオンとして、全日本F3との掛け持ち参戦で2年連続のチャンピオン獲得を狙う。
全7大会14レースで戦われている今季のFIA-F4。残すは2大会4レースとなったが、宮田は首位に26ポイント差の2位。逆転タイトル獲得へ向け鈴鹿大会に臨んだ。
26日(土)朝方は雨で路面が濡れていたものの、その後天候は回復し、午前11時45分からの予選開始時には路面は完全にドライに。30分間のセッションでのベストタイムが第11戦、セカンドベストタイムが第12戦のグリッドが決定された。
宮田は3周目にその時点での2番手タイムをマーク。ライバルも本格アタックに入り始めたセッション10分過ぎにクラッシュ車両が発生し、セッションは赤旗中断となってしまった。
残り11分でセッションが再開され、各車再びアタックに入ったが、宮田は既にタイヤグリップのピークは過ぎており、セカンドベストタイムを更新するに留まった。終盤、好タイムを出した車両が2番手に飛びこんだため、宮田は第11戦は3番手、第12戦は4番手グリッドからスタートを切ることとなった。
SUPER GTの予選を経て、まだ暑さの残る午後4時30分から第11戦の決勝レース(10周)がスタート。2列目3番手グリッドの宮田は好ダッシュを見せ2位へと浮上。首位とはコンマ5秒ほどの差を保ったまま追走を続けた。
セクター1でやや離されるも、後半のセクター3,4で差を詰める、という展開が続いたが、最終ラップ、宮田はストレートで首位車両のスリップストリームに入り、1コーナーでの逆転を狙ったが惜しくも届かず、2位でフィニッシュ。ランキング首位のドライバーが4位に終わったため、差を6ポイント詰めることに成功した。
27日(日)は朝から快晴。朝早い午前8時5分から第12戦の決勝レース(10周)が開始された。2列目4番手グリッドの宮田は、ポジションを守って1コーナーへと進入したが、前の3台が激しい首位争いを繰り広げる隙を突き、ダンロップコーナーで1台をパス、3位へ浮上。
その後も2位の車両を激しく攻めた宮田は、5周目のシケインで真後ろにつくと、スリップストリームから1コーナー進入で前車をパスし、2位へとポジションアップ。この時点で首位の車両とは1秒ほど差があったが、宮田はファステストラップを更新しながら追い上げ、残り2周でその差を約0.4秒まで詰めることに。
ファイナルラップに入る直前の最終シケインでぴたりと前車の後につけた宮田は、1コーナー進入で並びかけると、続くコーナーでの激しい攻防を制し、首位に浮上。ファイナルラップに見事首位奪取を果たした宮田は、その後の猛追を凌ぎ、トップでチェッカー。今季3勝目を挙げた。宮田にとっては鈴鹿でのF4初勝利。
この第12戦での勝利により、宮田はドライバーズランキングで首位との差を13点差まで詰め、自力逆転タイトルの可能性を残して最終大会もてぎに臨むこととなった。