LEXUS CUSTOMER RACING マンスリーレポート No.5米国WTSCでLEXUS RC F GT3が初のタイトル獲得

2020.12.01(火)- 14:00配信

 開幕が遅れ、過密スケジュールで進められてきた2020年のモータースポーツシーンも11月に入り、終盤戦となりました。今月のLEXUS CUSTOMER RACING マンスリーレポートは、シーズン終幕を迎えた米国WeatherTech SportsCar Championshipシリーズと欧州GT World Challenge Europe、国内SUPER GT(GT300クラス)と、まだまだシーズンの続くスーパー耐久の模様をお送りします。

エイム・バッサー・サリバン 12号車、14号車

WeatherTech SportsCar Championship第10戦ラグナセカ
HYUNDAI MONTEREY SPORTS CAR CHAMPIONSHIP

 10月31日(土)と11月1日(日)の両日、米国カリフォルニア州モントレーのウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカで、2020年WeatherTech SportsCar Championshipシリーズの第10戦がスプリントカップの最終戦として行われました。
 今季の同シリーズには、エイム・バッサー・サリバンから2台のLEXUS RC F GT3がGTDクラスに参戦しており、今大会には、12号車がタウンゼン・ベルとフランキー・モンテカルヴォ、14号車がジャック・ホークスワースとアーロン・テリッツというドライバーラインナップで臨みました。
 予選では、12号車が5番手グリッドを獲得。14号車は右リアタイヤのパンクに見舞われ、11番手と後方スタートを強いられることとなりました。
 決勝レースでは、2台共にペースが上がらず苦戦。12号車は7位前後での周回を続けましたが、終盤に接触を喫し8位フィニッシュ。14号車は11位となりました。
 しかし、2台のLEXUS RC F GT3は今季、スプリントカップの7戦中4勝を含む6回の表彰台と好成績を収め、LEXUSにとって初となるGTDクラススプリントカップでのマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得。14号車のホークスワース/テリッツ組もスプリントカップのドライバーズチャンピオンに輝きました。

リザルト(GTDクラス)

順位 グリッド No. ドライバー チーム 周回 トップとの差
8位 5番手 12 タウンゼン・ベル
フランキー・モンテカルヴォ
エイム・バッサー・サリバン 107 1 Lap/td>
11位 11番手 14 ジャック・ホークスワース
アーロン・テリッツ
エイム・バッサー・サリバン 107 1 Lap/td>
エイム・バッサー・サリバン 12号車
エイム・バッサー・サリバン 14号車

WeatherTech SportsCar Championship第11戦セブリング12時間
MOBIL 1 TWELVE HOURS OF SEBRING

 11月11日(水)から14日(土)にかけて、米国フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで2020年WeatherTech SportsCar Championshipシリーズの最終戦となる第11戦が12時間の耐久レースとして行われました。
 このレースにはエイム・バッサー・サリバンから2台のLEXUS RC F GT3がGTDクラスに出場。12号車がタウンゼン・ベル/フランキー・モンテカルヴォ/マイケル・デ・ケサダ組、14号車がジャック・ホークスワース/アーロン・テリッツ/カイル・カークウッド組というラインナップで12時間レースに挑みました。
 予選では14号車が2列目3番手、12号車が3列目6番手と好位置につけました。
 決勝では、2台のLEXUS RC F GT3が揃って好ペースで順位を上げていき、2度目のフルコースイエロー時には1-2体制に。12号車が首位、すぐ後に14号車が2位で続いての再スタートが切られましたが、その翌周に、別クラスの車両によりコース上に撒かれたオイルに2台揃って足を取られ、タイヤバリアにクラッシュ。1時間以上にわたる修復を余儀なくされ、12号車が9位、14号車は12位でレースを終えました。
 これでWTSCシリーズの2020年シーズンも終了。エイム・バッサー・サリバンの2台のLEXUS RC F GT3は、11戦中4勝を含む7回の表彰台、5回のポールポジションを獲得し、スプリントと耐久の総合マニュファクチャラーズランキングでは惜しくも9ポイント差での3位でシーズンを終えることとなりました。

リザルト(GTDクラス)

順位 グリッド No. ドライバー チーム 周回 トップとの差
9位 6番手 12 タウンゼン・ベル
フランキー・モンテカルヴォ
マイケル・デ・ケサダ
エイム・バッサー・サリバン 266 53 Laps
12位 3番手 14 ジャック・ホークスワース
アーロン・テリッツ
カイル・カークウッド
エイム・バッサー・サリバン 70 249 Laps
エイム・バッサー・サリバン 12号車
エイム・バッサー・サリバン 14号車

GT World Challenge Europe 第8戦ポールリカール

 11月13日(金)から15日(日)にかけて、フランスのポールリカール・サーキットで、GT World Challenge Europeの2020年シーズン最終戦となる第8戦が行われました。様々なメーカーのGT3車両が参加する同シリーズには、Tech 1 Racingより1台のLEXUS RC F GT3が参戦しています。
 本イベントは耐久カップの今季最終大会として、1000kmレースとして開催。トーマス・ノイバウアーとオーレリアン・パニス、ティモシー・ビュレの3名がLEXUS RC F GT3 15号車でシルバーカップクラスに出場しました。
 3回に分けたセッションでそれぞれ別のドライバーがアタックし、平均タイムでグリッドを決定する予選では、2回目を担当したビュレが軽いダメージを負い、パフォーマンス低下が心配されたものの、3回目のパニスも好タイムをマークし、シルバーカップ2列目4番手グリッドを獲得しました。
 40台の車両が競い合う最終戦決勝レースでは、クラスでは4番手ながら総合では中団グループ22番手からのスタートとなった15号車がスタート直後から着実にポジションを上げ、シルバーカップのトップへ浮上。
 しかし、その後はドライブスルーペナルティに加え、セーフティカー走行からの再スタート時に前車に追突し、ボンネットが開いたままの走行を強いられるなどのアクシデントにより、クラス6位まで一時はポジションを落としてしまいました。
 そこから追い上げを開始した15号車は、好ペースでの周回を重ね、ピット戦略も上手くいき着実にポジションアップ。シルバーカップ2位でチェッカーを受け、シーズン最終戦を表彰台フィニッシュで締めくくりました。

リザルト(シルバーカップクラス)

順位 グリッド No. ドライバー チーム 周回 トップとの差
2位 4番手 15 トーマス・ノイバウアー
オーレリアン・パニス
ティモシー・ビュレ
Tech 1 Racing 178 1:05.910
Tech 1 Racing 15号車
GT World Challenge Europe 第8戦ポールリカールで2位表彰台を獲得したTech 1 Racing 15号車(トーマス・ノイバウアー/オーレリアン・パニス/ティモシー・ビュレ)

SUPER GTシリーズ第7戦 ツインリンクもてぎ
FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACE

 SUPER GT第7戦「FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACE」が11月7日(土)、8日(日)の両日、栃木県のツインリンクもてぎで開催されました。
 7日(土)午前中は秋晴れの好天。午後になるとやや雲が出てきたものの、気温19度、路面温度24度という11月としてはまずまずなコンディションで、午後1時半からノックアウト方式の予選が開始されました。
 Q1は、2グループに分けて実施され、それぞれ上位8台がQ2へ進出します。A組では前戦ポールポジション獲得のK-tunes RC F GT3 96号車が阪口晴南のドライブで3番手につけQ2進出を決めました。SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 60号車が14番手となりQ1敗退となりました。
 B組では、前戦練習走行でのクラッシュで決勝に出走できなかったたかのこの湯 RC F GT3 244号車も三宅淳詞のアタックで7番手につけQ2進出。一方、前戦よりarto RC F GT3 35号車はWEC等で活躍するマティアス・ベッシェのアタックで注目を集めましたが、10番手に留まり、Q2進出はなりませんでした。
 Q2では244号車の久保凜太郎が速さを見せ、チェッカー目前のアタックで2番手タイムをマークし、チーム初となる最前列グリッドを確保。新田守男の96号車が13番手グリッドに決定しました。
 8日(日)も好天に恵まれ、午前中から気温も上昇。気温22度、路面温度29度とこの時期としては高めのコンディションで、午後1時に63周で競われる決勝レースのスタートが切られました。
 久保がスタートを担当した244号車が、最前列スタートから1周目は2位のポジションを守りましたが、244号車は今回シャシーの交換を行っていたため、ペナルティのピットストップを余儀なくされ最後尾へと後退。
 13番手からスタートした96号車は、トップ10を伺える位置につけて、早めの21周目にピットイン。しかし、この直後に出されたセーフティカーのタイミングが悪く、大きく順位を落とすこととなってしまいました。
 96号車にとっては不運なタイミングでのセーフティカーとなってしまいましたが、逆に、ほぼ最後尾グリッドだったため、ピットスタートを選択した60号車は着実なポジションアップと、このセーフティカーのタイミングを活かしてのピット戦略で、16位でコースへ復帰。その後も好ペースで順位を上げていき、終盤にはポイント圏内となる10位まであと2.5秒というところまで迫りましたが、それ以上のポジションアップはならず、12位でチェッカー。244号車が15位、96号車は17位。35号車は23位でレースを終えました。

リザルト(GT300クラス)

順位 グリッド No. ドライバー 車両名 周回 トップとの差
12位 28番手 60 吉本 大樹/河野 駿佑 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 59 1 Lap
15位 2番手 244 久保 凜太郎/三宅 淳詞 たかのこの湯 RC F GT3 59 1 Lap
17位 13番手 96 新田 守男/阪口 晴南 K-tunes RC F GT3 59 1 Lap
23位 19番手 35 ショーン・ウォーキンショー/
マティアス・ベッシェ
arto RC F GT3 58 2 Laps
SUPER GTシリーズ第7戦 ツインリンクもてぎで12位フィニッシュとなったSYNTIUM LMcorsa RC F GT3 60号車
2番手グリッドからスタートたかのこの湯 RC F GT3 244号車は15位でチェッカーを受けた
SUPER GTシリーズ第7戦 たかのこの湯 RC F GT3 244号車にインコースからアタックをかけるK-tunes RC F GT3 96号車
SUPER GTシリーズ第7戦 ツインリンクもてぎで23位フィニッシュとなったarto RC F GT3 35号車

SUPER GTシリーズ第8戦 富士スピードウェイ
たかのこのホテル FUJI GT 300km RACE

 SUPER GT第8戦「たかのこのホテル FUJI GT300km RACE」が11月28日(土)、29日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。
 28日(土)やや雲は出てきたものの好天の下、午後1時15分、気温13度、路面温度17度というコンディションでノックアウト方式の予選が開始。2グループに分けて実施されたQ1のA組では、新田守男のK-tunes RC F GT3 96号車が3番手につけQ2進出を決めました。
 B組では三宅淳詞がアタックしたたかのこの湯 RC F GT3 244号車が6番手タイムをマークしQ2進出を決めましたが、吉本大樹のSYNTIUM LMcorsa RC F GT3 60号車はトップ8の進出ラインに0.086秒及ばず10番手。ショーン・ウォーキンショーのarto RC F GT3 35号車は13番手となりました。
 Q2はトップ6台がコースレコードを更新するという大幅なタイムアップのセッションとなりました。そんな中、阪口晴南がアタックした96号車は2列目4番手、今回堤優威がセカンドドライバーとなった244号車が9番手で決勝レースをスタートすることとなりました。
 29日(日)、決勝レースを前に、「"Thanks for ALL" Yoshi MUROYA × LEXUS Special Flight@ FUJI SPEEDWAY」として、エアロバティック・パイロットの室屋義秀選手がSUPER GTに参戦している自動車メーカーの車両と共に登場。この厳しい情勢下でSUPER GTが最終戦を迎えられたことを祝うと共に、2021年へ向けた希望を伝えるため、サーキットに集まったモータースポーツファンの皆様の前で素晴らしいパフォーマンスを披露し、観客を沸かせました。このパフォーマンスでは、トヨタ自動車社長兼レクサスチーフブランディングオフィサーの豊田章男も自らLC500コンバーチブルをドライブしました。
 午後1時、曇り空の下、気温は8度、路面温度13度というコンディションで決勝レースが開始。タイヤウォームアップのために通常より1周多い、2周のフォーメーションラップが予定されていましたが、隊列が整わなかったために1周追加され、決勝レースは予定よりも1周少ない65周としてスタートが切られました。
 19番手スタートの60号車は、中盤のピットで左側2本のみのタイヤ交換作戦を採るなど、着実な追い上げを見せ9位でフィニッシュしポイントを獲得。96号車は22位。244号車が24位、35号車は26位で最終戦を走り切りました。

リザルト(GT300クラス)

順位 グリッド No. ドライバー 車両名 周回 トップとの差
9位 19番手 60 吉本 大樹/河野 駿佑 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 60 1 Lap
22位 4番手 96 新田 守男/阪口 晴南 K-tunes RC F GT3 58 3 Laps
24位 9番手 244 三宅 淳詞/堤 優威 たかのこの湯 RC F GT3 58 3 Laps
26位 25番手 35 ショーン・ウォーキンショー/
マティアス・ベッシェ
arto RC F GT3 57 4 Laps
SUPER GTシリーズ第8戦 富士スピードウェイで9位フィニッシュしたSYNTIUM LMcorsa RC F GT3 60号車
SUPER GTシリーズ第8戦 富士スピードウェイでピット作業に入るK-tunes RC F GT3 96号車
SUPER GTシリーズ第8戦 富士スピードウェイでたかのこの湯 RC F GT3 244号車
SUPER GTシリーズ第8戦 富士スピードウェイで26位フィニッシュとなったarto RC F GT3 35号車

ピレリスーパー耐久シリーズ2020 第3戦 岡山国際サーキット
スーパー耐久レースin岡山

 10月31日(土)と11月1日(日)の両日、岡山県の岡山国際サーキットで、ピレリスーパー耐久シリーズ2020の第3戦、「スーパー耐久レースin岡山」が開催されました。
 今季の同シリーズには、aprのDENSO LEXUS RC F GT3 31号車が総合優勝を争う最速のST-Xクラスに参戦。
 スーパー耐久は出場車両数が多いため、第2戦SUGOに続き今大会も2グループに分けてそれぞれ3時間の決勝レースを実施。31号車の含まれるST-Xクラスはグループ1として1日(日)に決勝レースが行われました。
 10月31日(土)朝9時20分から行われた予選は、Aドライバー、Bドライバーに分けてアタックし、その合計タイムでグリッドを決定。31号車は3番手グリッドを獲得しました。
 11月1日(日)、好天の下、午後1時半に3時間レースがスタート。3番手スタートの31号車は2周目に2位へと浮上。そこから間もない開始から僅か10分ほど経ったところで、3位走行中の車両がクラッシュし、セーフティカーが導入されました。
 このセーフティカーラン中に早めのピットイン、ドライバー交代を行った31号車は、再開後のライバルのピットインにより33周目に首位に浮上。しかし、その後は順位を落とすこととなり、終盤再び追い上げを見せましたが、4位でチェッカーを受けました。

リザルト(ST-Xクラス)

順位 グリッド No. ドライバー チーム 周回 トップとの差
4位 3番手 31 永井秀貴/嵯峨宏紀/小高一斗 apr 108 1 Lap
ピレリスーパー耐久シリーズ2020 第3戦 岡山国際サーキットで3番グリットからスタートするDENSO LEXUS RC F GT3 31号車
ピレリスーパー耐久シリーズ2020 第3戦を4位でフィニッシュしたDENSO LEXUS RC F GT3 31号車

ピレリスーパー耐久シリーズ2020 第4戦 ツインリンクもてぎ
もてぎスーパー耐久 5Hours Race

 11月21日(土)と22日(日)の両日、栃木県のツインリンクもてぎで、ピレリスーパー耐久シリーズ2020の第4戦、「もてぎスーパー耐久 5Hours Race」が開催されました。
 22日(日)は曇り空、11月末の寒い中で5時間レースがスタート。総合優勝を争う最速のST-Xクラスに参戦しているaprのDENSO LEXUS RC F GT3 31号車は、4番手からスタート。レース開始2周目に2位、3位の車両が接触し、2位へと浮上しました。
 しかし、1時間ほど経ったころからエンジンの不調に見舞われ、レース中盤ついにガレージへと車両を入れ、長時間にわたる修復作業を余儀なくされてしまいました。
 メカニックの懸命な作業により原因を突き止め、トップから約10周遅れでコースへと復帰。その後はノートラブルでレース後半戦を走り切り、クラス5位でフィニッシュ。貴重なポイント獲得を果たしました。

リザルト(ST-Xクラス)

順位 グリッド No. ドライバー チーム 周回 トップとの差
5位 4番手 31 永井秀貴/嵯峨宏紀/小高一斗/上村優太 apr 139 11 Laps
ピレリスーパー耐久シリーズ2020 第4戦 ツインリンクもてぎに挑んだDENSO LEXUS RC F GT3 31号車
ピレリスーパー耐久シリーズ2020 第4戦 ツインリンクもてぎを5位でフィニッシュしたDENSO LEXUS RC F GT3 31号車

次号のマンスリーレポートは12月22日頃の発行を予定しています。