MORIZO Challenge Cup 第2戦 ツール・ド・九州2024 in 唐津 難易度の高い唐津の舗装路
山田がシーズン2連勝を達成

2024.04.16(火曜日)- 17:00配信

4月12日(金)〜14日(日)にかけて、佐賀県・唐津市を拠点に2024年シーズンの全日本ラリー選手権(JRC)第2戦「ツール・ド・九州2024 in 唐津」が開催され、今季から導入された若手育成カテゴリー「MORIZO Challenge Cup」において、FIT-EASY Racingの山田啓介/藤井俊樹組が優勝を飾りました。

MCC表彰式後の無事完走を果たした全ドライバー
MCC表彰式後の無事完走を果たした全ドライバー

MORIZO Challenge Cup(MCC)は、若手ドライバー育成を目的に導入された全日本ラリー選手権JN-2クラスのサブカテゴリー。JN-2クラス車両規定をベースとしたトヨタGRヤリスで争われます。全日本ラリー選手権全8戦で開催され、25歳以下(一部条件付きで29歳以下)のドライバーが対象となります。1位~3位までの上位入賞者にMCC独自のポイントが与えられ、シリーズ年間成績優秀者には、フィンランドのTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamにおいて、ラリー講習への参加権利が与えられます。

開幕戦から1カ月半のインターバルを経て迎えた第2戦。開幕戦を走った貝原聖也選手、星涼樹選手、山田啓介選手、最上佳樹選手、中溝悠太選手、KANTA選手、大竹直生選手に加えて、今大会からAhead Japan Racing Teamの稲葉摩人選手が登場。スムーズでありながらも難易度の高いターマック(舗装)を舞台とする、12のスペシャルステージ(SS・タイムアタック区間であり、タイムが計測されるコース)でスピードを競います。

ラリー初日はサービスパークが置かれたボートレースからつをスタートし、唐津神社でのセレモニーを実施。SS1でトップに立ったのは、自身初のベストタイムをマークしたKANTA選手。SS2では開幕戦を制した山田選手がベストタイムを刻み、KANTA選手をかわしてトップに浮上します。山田選手はSS3、SS4、SS6でもベストタイムをマークし、2番手のKANTA選手との差を18.3秒に広げ、初日をトップで折り返しました。27.7秒差の3番手には優勝候補の一角に数えられていた大竹選手。開幕戦で2位に入った貝原選手は42.1秒差の4番手につけています。

ラリー最終日、首位の山田選手はSS7でベストタイムをマークするなど、順調なペースで走行。SS8、SS9を連続で制した大竹選手が、2番手を走行するKANTA選手との差を一気に1秒差にまで縮める力走をみせます。サービスを挟んだ午後のセクション、山田選手は後続との差をコントロールするクレバーな走りに徹し、2連勝を飾りました。SS10ではベストタイムをたたき出した大竹選手がKANTA選手を抜いて、最終的に2位表彰台を獲得。大竹選手の先行を許したKANTA選手でしたが、最終のSS12で2度目のベストタイムをマークし、3位に入っています。なお、最多SSトップタイム賞は、5回ずつで山田選手と大竹選手が獲得しました。

■山田啓介(MCC1位/最多SSトップタイム賞/JN-2クラス2位)
全体的にペースが上がるなかで勝ち切れたことや、レベルが高いなかで2連勝できたことで、開幕戦三河湾よりもうれしさが増しています。最終日は2位とのタイム差を見つつ、路面的にも少し危ないところがあったので、マージンを少しずつ使いながら安全に、なおかつタイムを落としすぎないように、ラリーを組み立てました。次戦の久万高原ラリーでも、優勝を目指して頑張ります。

■大竹直生(MCC2位/最多SSトップタイム賞/JN-2クラス3位)
ラリー全体を考えると、初日に苦戦してしまったので、あまり納得できる走りではありませんでした。初日は慎重にいきすぎて、ペースを上げることにも苦しみました。この点が今回感じた課題になります。ただ、最終日はペースも良くなってきたので、次戦に向けて、いい流れになっていると感じています。

■KANTA(MCC3位/JN-2クラス4位)
生き残って、気がついたら3位だった前回とはまったく内容が異なる3位になりました。達成感がありますし、やっとラリーができたという実感を持てました。戦い方、ペースノートをしっかり聞くこと、リズムを持って林道を走ることなど、得るものが多かったです。

■貝原聖也(MCC4位/JN-2クラス6位)
色々と課題を得た一戦になりました。良いペースも刻めましたが、ドライビングと道のリズムが少し噛み合わなかったことを感じています。コンディション自体は難しくはなく、比較的クリーンだったと思いますが、そういった場所でプッシュできなかったことで苦戦したと考えています。

■最上佳樹(MCC5位/JN-2クラス9位)
完走という目標は達成しました。初日をどうにか走りきれたことで、最終サービスで足まわりのセッティングを変更していただきました。最終日は、ドライビングやクルマの動きにも慣れたことで、以前よりも良いタイムを記録することができたと考えています。その点は本当に収穫になりました。

■稲葉摩人(MCC6位/JN-2クラス11位)
初めてのラリーを完走できました。終わってから『ここは行けたな……』と思うコーナーや、逆に行きすぎてしまった箇所もあるので、今後のペースノートに反映していきたいです。コ・ドライバーとしっかりコミュニケーションを取りながら、また新井大輝選手にも色々と教えて頂きながら、改善していきたいです。

■中溝悠太(MCC7位/JN-2クラス12位)
無事に完走することを目標にしていたので、最低限の目標はクリアできました。最終日は危険な路面状況も多かったのですが、プッシュできるところでは攻めることもでき、良い経験が積めたと考えています。今回、経験豊富なコ・ドライバーの草加浩平選手と組んだことで、安心してラリーを進めることもできました

■星 涼樹(MCC8位/JN-2クラス13位)
まずは最後まで走り切れて良かったです。最終日は調子良く走ることができましたが、いくつかペースノートの改善すべき点を感じました。次回はその部分をしっかり対応したいです。GRヤリスで2戦目でしたが、だいぶドライビングにも慣れてきましたし、前回の三河湾よりも乗れてきている実感があります。

MCC独自の表彰式でトロフィーを掲げる山田選手(左)と藤井選手
MCC独自の表彰式でトロフィーを掲げる山田選手(左)と藤井選手
唐津神社前のセレモニーでは多くのギャラリーから各選手に声援が送られた
唐津神社前のセレモニーでは多くのギャラリーから各選手に声援が送られた

全日本ラリー選手権第2戦 ツール・ド・九州2024 in 唐津
MORIZO Challenge Cup最終結果

  1. 1 山田 啓介/藤井 俊樹(FITEASYソミック石川GRYARIS)

    59:39.8

  2. 2 大竹 直生/藤田 めぐみ(GR YARIS GR4 Rally)

    +15.7

  3. 3 KANTA/保井 隆宏(TK motorsport GRYaris)

    +22.0

  4. 4 貝原 聖也/西﨑 佳代子(ADVICS多賀製作所Kone GRヤリス)

    +50.0

  5. 5 最上 佳樹/前川 富哉(FIT-EASY ZEALGRYARIS)

    +2:00.6

  6. 6 稲葉 摩人/立久井 大輝(Ahead GR Yaris)

    +4:03.9

  7. 7 中溝 悠太/草加 浩平(MATEX-AQTEC DL GRヤリス)

    +5:31.7

  8. 8 星 涼樹/梅本 まどか(CUSCO GRヤリス)

    +8:33.1

  9. 参戦8台、出走8台、完走8台

TOYOTA GAZOO Racing MORIZO Challenge Cupは、「若手ラリードライバーの発掘・育成」と「全日本ラリー選手権の発展」のため、活動します。サイドミラーとリアウィングにイメージカラーであるブルーをまとった参戦車両・若きドライバーに、ご声援をお願いします。