モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ 2017年 第11戦 カンザス
マーティン・トゥルーエクス・Jr.が今季2勝目!
トラックはカイル・ブッシュが制しトヨタがカンザス戦両制覇
2017.05.15(月)- 20:40配信
カップ・シリーズは今季シリーズ戦初となるナイトレースがカンザスで行われ、レースを通して速さを見せたマーティン・トゥルーエクス・Jr.が今季2勝目を挙げた。金曜日に1ヶ月半ぶりに行われたトラック・シリーズでは、カイル・ブッシュが今季初勝利を飾った。
Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第11戦 Go Bowling 400
マーティン・トゥルーエクス・Jr.が今季2勝目!
今季2勝目を挙げたマーティン・トゥルーエクス・Jr.
5月13日(土)、米国中西部カンザス州カンザスシティのカンザス・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第11戦「Go Bowling 400」が開催された。
カンザスは2001年開設と比較的新しい、NASCARでは標準とも言える長さの1.5マイル(約2.4km)オーバル。年2回開催で、シーズン終盤には"プレーオフ"の一戦も行われているという意味でも重要なコース。今大会は、シリーズ戦では今季初となる土曜のナイトレースとして行われた。
トヨタ勢はカンザスで過去3勝。デニー・ハムリン、マット・ケンゼス、カイル・ブッシュが勝利を挙げている。
13日(土)好天の下、まだ明るさの残る午後6時53分に1.5マイルオーバルを80周、80周、107周の3ステージ合計267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。
ステージ1は、3番手スタートのトゥルーエクス・Jr.が9周目に首位を奪うと、5番手スタートからポジションを上げてきたカイル・ブッシュがこれに続き、"トヨタ カムリ"の1-2体制に。その後、3度発生したイエローコーションで順位は入れ替わったが、63周目の再スタートでカイル・ブッシュが得意のダッシュを決め、ステージ1を制覇。カイル・ブッシュにとっては、開幕戦デイトナのステージ1以来となる、今季2度目のステージ制覇でボーナスポイントと"プレーオフ・ポイント"を獲得した。トゥルーエクス・Jr.が2位、ハムリンが8位に入った。
ステージ2もステージ間のピット作業によりトップで再スタートを切ったトゥルーエクス・Jr.をカイル・ブッシュが追う展開に。一方、32番手スタートから9位まで順位を上げていたエリック・ジョーンズが96周目にスピン。どこにもぶつからなかったが、大きく順位を落としてしまった。
このスピンにより出されたイエローコーションからの再スタートは、再びカイル・ブッシュが決め首位復帰。40周近くにわたって首位を快走した。しかし、ステージ後半に出されたイエローコーション時のピット作業で順位が入れ替わり、ステージ2はトゥルーエクス・Jr.が3位、カイル・ブッシュは5位、ハムリン6位、ケンゼス8位、そしてスピンから見事ポジションを取り戻したエリック・ジョーンズが9位に入った。
日も完全に落ち、カクテルライトにコースが照らされる中で開始されたステージ3も、20周ほどでトゥルーエクス・Jr.が首位へ。ハイペースで後続を引き離していった。
190周目には3台が絡み、炎も上がった激しい多重クラッシュが発生。30分ほどの赤旗中断となった。
レースが再開され、終盤に入ると、トゥルーエクス・Jr.とカイル・ブッシュ、ハムリンらが首位を追う展開に。この日圧倒的な速さを見せたトゥルーエクス・Jr.は残り19周で切られた再スタートを決め、首位を奪還。
カイル・ブッシュと共にトップ5圏内を争っていたハムリンは、残り5周というところで他車のクラッシュに巻き込まれ、惜しくも順位を落としてしまった。
トゥルーエクス・Jr.は残り2周での再スタートも決め、最後は2位に1.1秒もの大差をつけてトップチェッカー。今大会最多の104周にわたってレースをリードしたトゥルーエクス・Jr.が、第3戦ラスベガスに続き、今季2勝目を挙げた。既に8名のウィナーが出るなど混戦となっている今季、3人目の複数勝利ドライバーとなった。
カイル・ブッシュは5位でチェッカーを受け、今季4度目のトップ5フィニッシュ。ルーキーのダニエル・スアレツが7位に入り、今季3度目のトップ10フィニッシュを果たした。
来週は20日(土)にオールスターレースが米国東南部ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイで行われ、次戦第12戦は5月28日(日)、シャーロットでの開催となる。
ドライバー マーティン・トゥルーエクス・Jr.:
「最高の1日、最高の週末だ。今日の我々の"トヨタ カムリ"は本当に速かった。もし再スタートで首位に立てなくても、20周もあればライバルをかわして首位に立つことが出来た。首位に立ってしまえば空力などの面で大きなアドバンテージが得られるので、それだけに再スタートはとても重要だと分かっていたし、幸運にも終盤の再スタートは上手く行った。チームも本当によくやってくれた」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | 78 | マーティン・トゥルーエクス・Jr. | トヨタ カムリ | 267 |
2 | 17 | 2 | ブラッド・ケゼロウスキー | フォード | 267 |
3 | 8 | 4 | ケヴィン・ハーヴィック | フォード | 267 |
5 | 5 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 267 |
7 | 15 | 19 | ダニエル・スアレツ | トヨタ カムリ | 267 |
12 | 14 | 20 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 267 |
22 | 32 | 77 | エリック・ジョーンズ | トヨタ カムリ | 267 |
23 | 7 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 267 |
27 | 38 | 83 | コリー・ラジョイ | トヨタ カムリ | 265 |
34 | 25 | 23 | グレイ・ゴールディング | トヨタ カムリ | 231 |
39 | 28 | 55 | デリック・コープ | トヨタ カムリ | 179 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | カイル・ラーソン | シボレー | 475 |
2 | マーティン・トゥルーエクス・Jr. | トヨタ | 431 |
3 | ブラッド・ケゼロウスキー | フォード | 408 |
7 | カイル・ブッシュ | トヨタ | 325 |
12 | デニー・ハムリン | トヨタ | 289 |
18 | マット・ケンゼス | トヨタ | 233 |
19 | ダニエル・スアレツ | トヨタ | 217 |
20 | エリック・ジョーンズ | トヨタ | 217 |
34 | コリー・ラジョイ | トヨタ | 77 |
36 | グレイ・ゴールディング | トヨタ | 51 |
38 | マイケル・ウォルトリップ | トヨタ | 29 |
40 | D.J.ケンニントン | トヨタ | 1 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | フォード | 400 |
2 | シボレー | 395 |
3 | トヨタ | 375 |
NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第4戦 Toyota Tundra 250
カイル・ブッシュが全ステージ制覇で今季初勝利
20歳ベン・ローズが首位走行も終盤痛恨のエンジンブロー
今季初勝利を挙げたカイル・ブッシュ
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第4戦「Toyota Tundra 250」が5月12日(金)にカンザス・スピードウェイで開催された。
トラック・シリーズ戦は前戦第3戦からおよそ一ヶ月半ぶりの開催。ここカンザスでは2013年以来トヨタ勢が4連勝中。
12日(金)決勝前に行われた予選では、今季第2戦で勝利を挙げているシリーズフル参戦2年目、22歳のクリストファー・ベルが第2戦に続き今季2度目となるポールポジションを獲得。2度のシリーズチャンピオン経験者であり、ここカンザスで過去2勝を挙げているベテラン、マット・クラフトンが2番手。ノア・グラッグソンが4番手、カップ・シリーズを戦っているマーティン・トゥルーエクス・Jr.の実弟であるライアン・トゥルーエクスが5番手、ブレット・モフィットが7番手、ベン・ローズが8番手、ティモシー・ピーターズ9番手、2014年にカンザスのトラック戦でで勝利を挙げているカイル・ブッシュが10番手で続き、トップ10グリッドのうち8台を"トヨタ タンドラ"が占めて決勝へ臨んだ。
予選の後、好天の空にはまだ明るさが残るものの、カクテルライトがコースを照らし始めた午後7時49分、1.5マイルオーバルを40周、40周、87周の3ステージ合計167周(250.5マイル:約400km)して競われる決勝レースがスタート。
ステージ1は数周毎にクラッシュによるイエローコーションが多発する荒れた展開となったが、そんな中で得意の再スタートを決め10番手から順位を上げていったカイル・ブッシュが23周目に首位に立つと、その後はチームメイトのベルと首位争いを展開。これを制してステージ1をトップフィニッシュ。ベルが2位、クラフトン5位、ライアン・トゥルーエクス6位、ローズ7位、グラント・エンフィンジャー9位、モフィット10位と、"トヨタ タンドラ"勢が上位を占めた。
ステージ2は一転、コーションの少ない展開となったが、ステージ間のピット戦略で7番手からスタートを切ったカイル・ブッシュが再びポジションを上げ、ベルとの首位争いを展開。70周目に首位を奪うと、ステージ1に続き連続ステージウィンを飾った。ベルは連続2位。ローズが速さを見せ、3位へとポジションを上げた。
ステージ3もカイル・ブッシュとベル、ローズの3台が序盤首位を争ったが、ローズが速さを見せて抜けだし首位に浮上。カイル・ブッシュがこれを追う展開となった。
ステージ3も折り返しを過ぎ、終盤に入った134周目、4位を争っていたクラフトンが単独スピン。どこにもぶつからなかったものの、ピットインを強いられ、周回遅れとなってしまった。
レースは残り29周で再スタート。再スタート直後はカイル・ブッシュが先行したものの、数周にわたるサイド・バイ・サイドのバトルの末に、ローズが首位を奪還。残り10周の時点で、2位カイル・ブッシュに1秒以上の大差をつけ、シリーズフル参戦2年目の20歳が、自身のキャリア初優勝へ向け快走を続けた。
しかし、残り8周というところで、ローズは突然スローダウン。コース上に落ちていた破片がフロントグリルに当たって破損。エンジンブローという無念のアクシデントにより、ローズはここでレースを終えることとなってしまった。
その後は首位に立ったカイル・ブッシュが危なげなくトップフィニッシュ。今季トラック・シリーズでの初勝利、自身シリーズ通算47勝目を挙げた。チェッカー後、カイル・ブッシュはローズに敬意を表し、恒例となっているホームストレートでのバーンナウトを行わずにヴィクトリーレーンへと向かった。
ベルは4位。ランキングでは2位で変わらないものの、ステージでのボーナスポイントを加え、ランキング首位との差を2ポイントへと詰めた。ライアン・トゥルーエクスが6位、モフィットが7位でトップ10フィニッシュを果たした。
次戦第5戦は6月2日(金)に米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイで開催される。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「我々にとって最高の勝利となったが、ベン・ローズのアクシデントは残念だった。トラブルが無ければ彼が勝っていただろう。何とかして彼を捕らえようとしたが、なかなか上手く行かなかった。彼の"トヨタ タンドラ"の車体も我々のチームで作ったものだし、彼は今日、レースを通してずっと最速の一人だった。彼とのバトルはクリーンで楽しかったし、見事な走りだった。彼のような若手ドライバーがチャンスをつかみ、速くなっていくのを見るのは素晴らしい」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 10 | 51 | カイル・ブッシュ | トヨタ タンドラ | 167 |
2 | 3 | 21 | ジョニー・ソーター | シボレー | 167 |
3 | 14 | 8 | ジョン・ハンター・ネメチェク | シボレー | 167 |
4 | 1 | 4 | クリストファー・ベル | トヨタ タンドラ | 167 |
6 | 5 | 16 | ライアン・トゥルーエクス | トヨタ タンドラ | 167 |
7 | 7 | 7 | ブレット・モフィット | トヨタ タンドラ | 167 |
11 | 15 | 98 | グラント・エンフィンジャー | トヨタ タンドラ | 167 |
13 | 9 | 17 | ティモシー・ピーターズ | トヨタ タンドラ | 167 |
16 | 2 | 88 | マット・クラフトン | トヨタ タンドラ | 166 |
23 | 8 | 27 | ベン・ローズ | トヨタ タンドラ | 160 |
26 | 13 | 13 | コディ・コーリン | トヨタ タンドラ | 84 |
28 | 4 | 18 | ノア・グラッグソン | トヨタ タンドラ | 68 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | ジョニー・ソーター | シボレー | 189 |
2 | クリストファー・ベル | トヨタ | 187 |
3 | マット・クラフトン | トヨタ | 145 |
5 | ティモシー・ピーターズ | トヨタ | 134 |
7 | ベン・ローズ | トヨタ | 129 |
8 | グラント・エンフィンジャー | トヨタ | 117 |
9 | ブレット・モフィット | トヨタ | 107 |
12 | ライアン・トゥルーエクス | トヨタ | 98 |
13 | ノア・グラッグソン | トヨタ | 79 |
14 | コディ・コーリン | トヨタ | 76 |
23 | コービン・フォリスター | トヨタ | 36 |
27 | マイアット・スナイダー | トヨタ | 30 |
28 | ハリソン・バートン | トヨタ | 28 |
45 | パーカー・クリガーマン | トヨタ | 6 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | トヨタ | 149 |
1 | シボレー | 149 |
3 | フォード | 117 |