モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ 2017年 第22戦 ワトキンス・グレン
伝統のロードコースでトヨタ カムリトップ4独占!
トヨタ カムリは週末の2カテゴリーを両制覇
2017.08.08(火)- 15:00配信
伝統のワトキンス・グレンで今季2度目のロードコース戦が行われ、"トヨタ カムリ"はマーティン・トゥルーエクス・Jr.が今季4勝目を挙げると共に、トップ4を独占。エクスフィニティ・シリーズもカイル・ブッシュが勝利を挙げ、トヨタは週末の両シリーズを制した。
Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第22戦 I LOVE NEW YORK 355 at The Glen
伝統のロードコースで"トヨタ カムリ"トップ4独占!
マーティン・トゥルーエクス・Jr.が今季4勝目
今季4勝目を挙げたマーティン・トゥルーエクス・Jr.
8月6日(日)、米国東部ニューヨーク州ワトキンス・グレンのロードコース、ワトキンス・グレン・インターナショナルでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第22戦「I LOVE NEW YORK 355 at The Glen」が開催された。
ほとんどのレースがオーバルコースで戦われているNASCARだが、カップ・シリーズでは年に2戦のみ、ロードコースでのレースが行われている。今大会は、6月のソノマ戦に続く、今季2度目のロードコース戦。ワトキンス・グレンはニューヨーク郊外の丘陵地帯に位置する高低差の大きな高速コース。60年以上の歴史を持ち、過去にはF1も行われたことのある伝統のコースである。トヨタ勢ではロードコースも得意としているカイル・ブッシュが過去2勝。昨年はデニー・ハムリンが制している。
6日(日)、正午過ぎからの予選を経て、午後3時23分、2.45マイルロードコースを20周、20周、50周の3ステージ合計90周(220.5マイル:約355km)して競われる決勝レースがスタート。
今季6度目、3戦連続のポールポジションからスタートを切ったカイル・ブッシュが首位を守るとぐんぐん後続を引き離し独走。3番手スタートのマーティン・トゥルーエクス・Jr.がすぐに2位へとポジションを上げこれを追った。
ルーキーのエリック・ジョーンズが5位、同じくルーキーのダニエル・スアレツもチームメイトのマット・ケンゼスと共にトップ10圏内をキープ。そして、レース前に規定外の調整をしたとして後方グリッドからのスタートを余儀なくされたハムリンも17位前後までポジションアップ。
ステージ1はイエローコーションが出ず、無給油で最後まで走り切れる周回数だが、ステージ2以降を見据えた戦略で、エリック・ジョーンズ、スアレツ、ケンゼス、ハムリンらが17周目にグリーンフラッグ下でピットイン。ピットに入らなかったカイル・ブッシュとトゥルーエクス・Jr.は1-2でステージ1を終えた。カイル・ブッシュは今季9度目のステージウィン。
ステージ1と2の間のコーションラップで、カイル・ブッシュとトゥルーエクス・Jr.らはピットへ。タイヤ交換と給油を行ったが、カイル・ブッシュはホイールの緩みに見舞われ、再度ピットイン。ステージ2はスアレツ4位、ケンゼス6位、エリック・ジョーンズ7位、ハムリン12位、トゥルーエクス・Jr.13位、カイル・ブッシュは32位から再スタート。
スアレツが素晴らしい走りで2位へとポジションアップ。32周目には首位走行中の車両がグリーンフラッグ中のピット作戦に出たため、スアレツが首位に浮上、ケンゼス、トゥルーエクス・Jr.がこれに続き"トヨタ カムリ"の1-2-3体勢に。
エリック・ジョーンズが5位、後方スタートのハムリンもトップ10圏内へ。そして、ステージ2を30位以下からスタートしたカイル・ブッシュも猛烈な追い上げを見せ、ステージ2の残り2周ででトップ10圏内へと復帰して見せた。
ステージ2終盤にはトゥルーエクス・Jr.がケンゼスをかわし、更にスアレツに迫ったが、スアレツが逃げ切り、初のステージウィン。トゥルーエクス・Jr.が2位、ケンゼス3位、エリック・ジョーンス5位、ハムリン6位、カイル・ブッシュが9位と、"トヨタ カムリ"はステージ2で6台がトップ10フィニッシュとなった。
ステージ3は50周と、無給油では走りきれない周回数なため、トヨタ勢を含む上位は、このステージ間にはピットインせず。そのままの順位で再スタート。すぐにトゥルーエクス・Jr.がスアレツをかわして首位に立った。
その後方では、9位での再スタートから8位を争っていたカイル・ブッシュがバスストップ・シケインでライバル車と接触。2台はスピンを喫したが、幸いにもそれ以上の接触は無く、カイル・ブッシュはピットへ。イエローコーションが出なかったため、カイル・ブッシュは周回遅れにこそならなかったものの首位から50秒以上遅れの34位へと順位を落としてしまった。
カイル・ブッシュは50周目にも最後まで走り切るための燃料とタイヤのためにグリーンフラッグ下でピットイン。その翌周にタイヤバースト車両によりイエローコーションが発生し、多くの車両が一斉にピットへ向かった。
ここでピットに入らなかった数台に続く5位で再スタートを切ったトゥルーエクス・Jr.はすぐにポジションアップし、63周目に首位を奪還。20位で再スタートを切ったカイル・ブッシュもトップ10に返り咲いた。
先のイエローコーションのタイミングは、最後まで無給油で走り切るにはかなりぎりぎりの厳しい周回。燃料をセーブして走るか、ペースを上げて再度ピットインするかの判断を迫られることとなった。首位を快走していたトゥルーエクス・Jr.は、追い上げてきたライバルが最後まで走り切れないと判断し、自身は無給油で最後まで走り切るためにペースダウン。一方、追い上げを見せたカイル・ブッシュは4位までポジションを上げ、残り5周でピットイン。
燃料セーブで一旦3位にポジションを落としたトゥルーエクス・Jr.だったが、残り3周で首位の車両がピットイン。代わって首位に立ったもう1台も、残り2周で燃料切れに見舞われスローダウン。これでトゥルーエクス・Jr.が首位に復帰した。
トゥルーエクス・Jr.は最後まで燃料をもたせて走り切り、今季4勝目。同じく燃料セーブで最後まで走り切ったケンゼスはファイナルラップ、勝負を賭けての追い上げを見せたがコンマ4秒及ばず2位。スアレツが3位、ハムリンが4位で続き、"トヨタ カムリ"はトップ4を独占。スアレツは自身最高位フィニッシュで初のトップ5。4戦連続のトップ10フィニッシュとなった。
カイル・ブッシュが7位、エリック・ジョーンズも10位でチェッカーを受け、"トヨタ カムリ"は6台がトップ10フィニッシュを果たした。
次戦第23戦は8月13日(日)、米国北東部ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイで行われる。
ドライバー マーティン・トゥルーエクス・Jr.:
「ちょっと今は言葉が出ない。ずっとここでの勝利を夢見てきた。何度か近いチャンスはあったのに、届かなかった。それだけにこの勝利には感激している。レース終盤は多くのライバルが迫ってきて、私に出来るのはクルーチーフからの指示を聞くことだけだった。幸運なことに、私には最高のチームがあり、彼らを信じたことで勝った。ここで勝てて、最高の気分だ。パワーだけでなく燃費でも素晴らしい"トヨタ カムリ"を作ってくれたTRD-USAとチームに感謝したい」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | 78 | マーティン・トゥルーエクス・Jr. | トヨタ カムリ | 90 |
2 | 15 | 20 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 90 |
3 | 5 | 19 | ダニエル・スアレツ | トヨタ カムリ | 90 |
4 | 11 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 90 |
7 | 1 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 90 |
10 | 6 | 77 | エリック・ジョーンズ | トヨタ カムリ | 90 |
32 | 33 | 83 | ブレット・モフィット | トヨタ カムリ | 89 |
33 | 36 | 23 | コリー・ラジョイ | トヨタ カムリ | 89 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | マーティン・トゥルーエクス・Jr. | トヨタ | 881 |
2 | カイル・ブッシュ | トヨタ | 765 |
3 | カイル・ラーソン | シボレー | 759 |
5 | デニー・ハムリン | トヨタ | 687 |
9 | マット・ケンゼス | トヨタ | 637 |
15 | ダニエル・スアレツ | トヨタ | 508 |
18 | エリック・ジョーンズ | トヨタ | 477 |
34 | コリー・ラジョイ | トヨタ | 147 |
38 | マイケル・ウォルトリップ | トヨタ | 29 |
43 | アーロン・デイ | トヨタ | 5 |
44 | ステファン・リート | トヨタ | 5 |
48 | D.J.ケンニントン | トヨタ | 2 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | フォード | 776 |
2 | シボレー | 774 |
3 | トヨタ | 764 |
NASCAR XFINITY SERIES
第20戦 Zippo 200 at The Glen
カイル・ブッシュが今季4勝目 シリーズ通算90勝目を挙げる
ワトキンス・グレンでの自身シリーズ初勝利を挙げ、今季4勝目、自身通算シリーズ90勝目を達成したカイル・ブッシュ(#18)
8月5日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第20戦「Zippo 200 at The Glen」がワトキンス・グレン・インターナショナルで開催された。
他のシリーズと離れたアイオワで行われた前週から一転、今大会はカップ・シリーズとの併催となり、ロードコース戦ということもあってカイル・ブッシュ、エリック・ジョーンズらカップ・ドライバーが多く参戦した。
5日(土)午後2時18分、1周2.45マイルのロードコースを20周、20周、42周の3ステージ合計82周(200.9マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。最前列2番手からスタートを切ったカイル・ブッシュがすぐに首位に浮上。後続を引き離していった。
ステージ1,2はそれぞれ無給油で走り切れる周回のため、途中で出されたイエローコーションでも上位勢はピットインせず。終盤までカイル・ブッシュは首位を独走したが、17周目の1コーナーでスピン。幸いにもどこにも接触することはなかったが、3位へとポジションダウン。そのまま3位でステージ1を終えた。エリック・ジョーンズが4位で続いた。
ステージ2スタート前のコーションで、上位勢はピットへ向かったが、ここでカイル・ブッシュはピットクルーが規定よりも多く作業エリアに降りてしまったためペナルティ。ほぼ最後尾の35位へと後退。
24周目にステージ2の再スタートが切られると、カイル・ブッシュは後方から猛烈な追い上げを開始。33周目にはトップ10圏内へと復帰した。
34周目にエンジンブロー車両によるイエローコーションが出されると、ステージ2は残り2周で再スタート。8番手から再スタートを切ったカイル・ブッシュは3ワイドバトルをすり抜けトップ争いに復帰。ステージ2を4位で終えた。エリック・ジョーンズはこの再スタートでポジションを落とし、9位でステージ2フィニッシュ。
44周目にステージ3の再スタート。数周走ったところで給油すれば最後まで走れる周回となるため、各車次々にグリーンフラッグ下でピットへ向かった。ライバルよりやや遅らせて53周目にピットインしたカイル・ブッシュは全車がグリーンフラッグ下でのピットインを終えた時点で2位に1秒以上の差をつけて首位に立った。
カップ・シリーズのトップドライバーがカイル・ブッシュを追うが、ロードコースも得意とするカイル・ブッシュは快走。残り6周でイエローコーションが出され、残り3周での再スタートとなったが、カイル・ブッシュはこれも決め、危なげなくトップチェッカー。今季4勝目を挙げると共に、自身の持つシリーズ通算勝利記録はついに90勝目となった。カイル・ブッシュはワトキンス・グレンでカップ・シリーズでは2勝を挙げているが、エクスフィニティでは今回が初勝利。
エリック・ジョーンズが8位、今季よりシリーズにフル参戦し、初めてワトキンス・グレンでのレースを戦ったマット・ティフトは13位でレースを終えた。
次戦第21戦は8月12日(土)、米国北部オハイオ州レキシントンのロードコース、ミッドオハイオ・スポーツカー・コースで行われる。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「今日の"トヨタ カムリ"は本当に素晴らしかった、ついにエクスフィニティ・シリーズのワトキンス・グレン戦で勝てて最高の気分だ。何度も惜しいことはあった。2008年にはレーススポンサーと同じカラーリングでも走ったこともある。思い返せばいつも本当に速いクルマでレースを戦ってきたが、勝利には届かなかった。それだけにようやく勝てて本当に嬉しい」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 82 |
2 | 1 | 12 | ジョーイ・ロガーノ | フォード | 82 |
3 | 5 | 22 | ブラッド・ケゼロウスキー | フォード | 82 |
8 | 6 | 20 | エリック・ジョーンズ | トヨタ カムリ | 82 |
13 | 19 | 19 | マット・ティフト | トヨタ カムリ | 82 |
20 | 23 | 24 | ディラン・ラプトン | トヨタ カムリ | 81 |
21 | 26 | 28 | ダコダ・アームストロング | トヨタ カムリ | 81 |
31 | 35 | 40 | エンリク・ベイカ | トヨタ カムリ | 78 |
39 | 25 | 14 | J.J.イェリー | トヨタ カムリ | 16 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | エリオット・サドラー | シボレー | 732 |
2 | ウィリアム・バイロン | シボレー | 680 |
3 | ジャスティン・アルゲイヤー | シボレー | 608 |
7 | マット・ティフト | トヨタ | 460 |
9 | ダコダ・アームストロング | トヨタ | 404 |
14 | J.J.イェリー | トヨタ | 340 |
28 | ディラン・ラプトン | トヨタ | 126 |
31 | カイル・ベンジャミン | トヨタ | 115 |
32 | ライアン・プリース | トヨタ | 110 |
33 | ジェブ・バートン | トヨタ | 91 |
41 | ドリュー・ヘリング | トヨタ | 35 |
51 | マーク・トンプソン | トヨタ | 17 |
58 | ベニー・ゴードン | トヨタ | 10 |
61 | エンリク・ベイカ | トヨタ | 6 |
62 | ケール・コンリー | トヨタ | 5 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | シボレー | 722 |
2 | トヨタ | 683 |
3 | フォード | 680 |
4 | ダッジ | 125 |