モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ 2018年 第21戦 ポコノ
トヨタは週末の3カテゴリー完全制覇
カイル・ブッシュはカップで今季6勝目
2018.07.31(火)- 11:30配信
カップ・シリーズとトラック・シリーズがポコノ、エクスフィニティ・シリーズがアイオワで行われた週末。カップ・シリーズでは"トヨタ カムリ"勢が上位を争う中、後方スタートのカイル・ブッシュが見事な追い上げを見せ今季6勝目。カイル・ブッシュはトラック・シリーズでも勝利し、トラック・シリーズでの通算最多勝利タイ記録を達成しました。エクスフィニティ・シリーズではルーキーのクリストファー・ベルが制し3連勝。今季4勝目を挙げ、ランキングトップに躍り出ました。
Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第21戦 Gander Outdoors 400
カイル・ブッシュが今季6勝目!
ダニエル・スアレツがキャリア最高位の2位
後方スタートから今季6勝目を飾ったカイル・ブッシュ
7月29日(日)、米国東部ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第21戦「Gander Outdoors 400」が開催されました。
今季2度目の開催となる「トリッキー・トライアングル」ポコノ。3本のストレートを3つの曲率が異なるコーナーで結んだ、3角形の独特なオーバルで、1周2.5マイルと長いので、グリーンフラッグ下でピットストップしても周回遅れになりにくく、様々な戦略が採られます。
このコースでは、トヨタ移籍以前も加えるとデニー・ハムリンが最多の通算4勝。昨年は7月の大会でカイル・ブッシュが初勝利。今年6月のレースはマーティン・トゥルーエクス・Jr.が制しています。
決勝前日の28日(土)、トラック・シリーズ決勝の後に行われた予選では、カイル・ブッシュが2番手タイムをマークしましたが、予選後の車検で失格に。この予選後車検では、計13台が失格となり、3番手タイムをマークしていたダニエル・スアレツがポールポジションを獲得。参戦2年目にして初めてのポールスタートとなりました。
29日(日)午後2時50分、2.5マイルオーバルを50周、50周、60周の3ステージ合計160周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。
初ポールのスアレツの横には、予選2番手のハムリンが並び、3番手にもエリック・ジョーンズと"トヨタ カムリ"がトップ3を占めてスタートを切り。序盤、トヨタ勢が首位を争いました。その後方では、28番手スタートのカイル・ブッシュが猛烈な追い上げを見せ、20周目にはトップ10圏内へ浮上。
ステージ1中盤には3位ハムリン、4位エリック・ジョーンズ、5位スアレツ、6位トゥルーエクス・Jr.、7位カイル・ブッシュと連なって上位を伺うことに。ステージ1終盤には、エリック・ジョーンズとトゥルーエクス・Jr.がグリーンフラッグ下でピットへ向かい、ステージ2でのスタート順位を上げる作戦に出ました。
ステージ1はハムリンが3位、カイル・ブッシュが4位、スアレツが5位でポイントを獲得。
ステージ2は作戦が奏功しエリック・ジョーンズがトップ、トゥルーエクス・Jr.が2位で再スタート。しかし、トゥルーエクス・Jr.はハンドリングに苦しみ後退。
トヨタ勢はトップ10圏内での周回を続けましたが、ステージ2終了直前の97周目に、5台揃ってピットへ。ステージ2の順位は後方に沈みましたが、ステージ3スタート前にライバル勢がピットに向かったため、ステージ3は、カイル・ブッシュが2位、スアレツ3位、エリック・ジョーンズが4位、ハムリンが5位、トゥルーエクス・Jr.が7位で再スタート。112周目にカイル・ブッシュが首位に立ちました。
後半戦は、このカイル・ブッシュをチームメイトのスアレツが追う展開に。一時は2秒以上開いた差を、終盤、スアレツがじりじりと詰めていきましたが、残り7周というところでクラッシュ車両によりイエローコーション。赤旗中断の後、残り3周で再スタートが切られましたが、またもクラッシュが発生し、レースは延長されて最後の2周決戦「オーバータイム」に。
再スタートは首位のカイル・ブッシュにスアレツが続き、エリック・ジョーンズも並びかけての3ワイドバトルとなりましたが、これを抜け出したカイル・ブッシュは一気に1秒ほどの差を付けてファイナルラップに。そのまま逃げ切り、今季6勝目を挙げました。カイル・ブッシュはこれでカップ・シリーズ通算49勝目となり、NASCAR史上で13位タイの勝利数となりました。
最後までカイル・ブッシュを追い詰めた、フル参戦2年目のメキシコ人ドライバー、スアレツは自身キャリア最高位となる2位でフィニッシュ。エリック・ジョーンズが5位、ハムリンが10位でチェッカーを受けました。
次戦第22戦は8月5日(日)、米国東部ニューヨーク州ワトキンス・グレンのロードコース、ワトキンス・グレン・インターナショナルで行われます。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「すごいレースでした。チームメイトとして、スアレツの走りには言うことがありません。彼は恐らく今日、3番目の速さだったと思います。(ケヴィン)ハーヴィック(フォード)が最速、そして我々が2番目でした。昨日と今日とでトラックとカップの両レースを制することが出来、最高の週末になりました。カップ通算49勝目を挙げ、最高のドライバーのひとりであり、若い頃からのファン、そして最高の友人であるトニー・スチュワートに並ぶことが出来たのは光栄です」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 28 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 164 |
2 | 1 | 19 | ダニエル・スアレツ | トヨタ カムリ | 164 |
3 | 10 | 88 | アレックス・ボウマン | シボレー | 164 |
5 | 3 | 20 | エリック・ジョーンズ | トヨタ カムリ | 164 |
10 | 2 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 164 |
15 | 8 | 78 | マーティン・トゥルーエクス・Jr. | トヨタ カムリ | 164 |
28 | 20 | 23 | J.J.イェリー | トヨタ カムリ | 164 |
29 | 19 | 96 | ジェフリー・アーンハート | トヨタ カムリ | 163 |
36 | 27 | 66 | ティミー・ヒル | トヨタ カムリ | 142 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | カイル・ブッシュ | トヨタ | 891 |
2 | ケヴィン・ハーヴィック | フォード | 843 |
3 | マーティン・トゥルーエクス・Jr. | トヨタ | 762 |
9 | デニー・ハムリン | トヨタ | 618 |
14 | エリック・ジョーンズ | トヨタ | 533 |
20 | ダニエル・スアレツ | トヨタ | 400 |
46 | ブレイク・ジョーンズ | トヨタ | 4 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | トヨタ | 775 |
2 | フォード | 752 |
3 | シボレー | 675 |
NASCAR XFINITY SERIES
第19戦 U.S. Cellular 250
クリストファー・ベルが3連勝でランキング首位に浮上
3連勝を飾り、ランキング首位に浮上したクリストファー・ベル
7月28日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第19戦「U.S. Cellular 250」が米国中部アイオワ州ニュートンのアイオワ・スピードウェイで開催されました。
この週末、カップ・シリーズとトラック・シリーズはポコノで開催されたため、エクスフィニティのレースは、シリーズレギュラーと、他カテゴリーとの掛け持ちのないドライバーで争われました。
28日(土)午後4時36分、0.875マイルショートオーバルを60周、60周、130周の3ステージ合計250周(218.75マイル:約350km)して競われる決勝レースがスタート。
今季初のシリーズフル参戦ながら、現在2連勝中の23歳ルーキー、クリストファー・ベルが3番手、今季2度目のスポット参戦となる20歳のカイル・ベンジャミンが4番手で2列目に並んでスタート。ステージ1はこの2台が3位争いを繰り広げ、ベルが3位、ベンジャミンが5位。9番手スタートの21歳、ブランドン・ジョーンズが7位でステージを終えました。
ステージ2を4位で再スタートしたベルは、数台での激しい首位争いを繰り広げ、116周目に首位に浮上。そのままステージ2を制しました。ブランドン・ジョーンズが4位、カイル・ベンジャミンが7位。
ステージ3のスタートでは、ピットで2位に後退したベルでしたが、再スタート後30周ほどのバトルの末に首位を奪還。その後、グリーンフラッグ下でのピットストップを経て、ベルは2位に大差をつけての首位独走となりました。
2位との差が4秒以上に広がった残り14周、周回遅れをかわそうとしたベルの目の前でスピンが発生しイエローコーション。ベルは僅かに接触した形となりましたが、ダメージはなく、そのまま首位でレースを続行。
再スタート後は、すぐにイエローコーションが再発し、赤旗中断に。レースは最後、延長されての2周決戦「オーバータイム」で決されることとなりました。
直前の再スタートで首位の座を奪われていたベルでしたが、「オーバータイム」の再スタートで逆転。見事トップでチェッカーを受け、3連勝で今季4勝目を挙げました。この勝利により、ベルはドライバーズランキングでも首位に浮上。エクスフィニティ・シリーズでレギュラードライバーが3連勝を飾るのは、1999年以来となります。
終盤、ベルと首位争いを繰り広げたベンジャミンが3位。今季2度目の出場で、トップ5フィニッシュを果たしました。ブランドン・ジョーンズは終盤までトップ5圏内を争っていましたが、ファイナルラップのアクシデントの影響でポジションを落とし、12位に終わりました。
次戦第20戦は8月4日(土)、ワトキンス・グレン・インターナショナルで行われます。
ドライバー クリストファー・ベル:
「最高です。言葉がありません。とても勝つのが難しいレースでした。私が育ってきたスプリントカーやミジェットカーのレースでは、こんなに長いレースは無く、順応するのが大変でした。ただ、クルーチーフを含め多くの支えてくれた人たちのおかげで、今日の長いレースも戦い抜くことが出来ました。今日の"トヨタ カムリ"は本当に速かったです」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | 20 | クリストファー・ベル | トヨタ カムリ | 257 |
2 | 7 | 7 | ジャスティン・アルゲイヤー | シボレー | 257 |
3 | 4 | 18 | カイル・ベンジャミン | トヨタ カムリ | 257 |
12 | 9 | 19 | ブランドン・ジョーンズ | トヨタ カムリ | 257 |
31 | 36 | 55 | ピーター・シェパード | トヨタ カムリ | 242 |
37 | 29 | 40 | チャド・フィンチャム | トヨタ カムリ | 56 |
40 | 38 | 45 | ジョシュ・ビリッキ | トヨタ カムリ | 2 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | クリストファー・ベル | トヨタ | 702 |
2 | エリオット・サドラー | シボレー | 686 |
3 | コール・カスター | フォード | 684 |
6 | ブランドン・ジョーンズ | トヨタ | 579 |
28 | ライアン・プリース | トヨタ | 168 |
32 | チャド・フィンチャム | トヨタ | 111 |
33 | ジョシュ・ビリッキ | トヨタ | 105 |
37 | カイル・ベンジャミン | トヨタ | 78 |
41 | ステファン・リート | トヨタ | 62 |
44 | シーザー・バカレラ | トヨタ | 28 |
52 | ライアン・エリス | トヨタ | 7 |
54 | ピーター・シェパード | トヨタ | 6 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | シボレー | 691 |
2 | トヨタ | 655 |
3 | フォード | 649 |
4 | ダッジ | 39 |
NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第14戦 Gander Outdoors 150
カイル・ブッシュがシリーズ最多タイの通算51勝目!
エリック・ジョーンズが続き"トヨタ タンドラ"1-2
シリーズ通算勝利数で最多タイとなる51勝目を挙げたカイル・ブッシュ
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第14戦「Gander Outdoors 150」が7月28日(土)にポコノ・レースウェイで開催されました。
現在シリーズランキング2位の20歳、ノア・グラッグソンは、27日(金)の練習走行でトップタイムをマークするなど速さを見せていましたが、28日(土)午前中の予選を前に体調不良に見舞われ、決勝の出走も断念することに。このため、彼がドライブするはずだった"トヨタ タンドラ"18号車は急遽、2015年のトラック・シリーズチャンピオンであり、現在はカップ・シリーズにフル参戦しているエリック・ジョーンズが代わってドライブすることとなりました。
28日(土)午後1時22分、好天の下で2.5マイルトライアングルオーバルを15周、15周、30周の3ステージ合計60周(150マイル:約240km)して競われる決勝レースがスタートしました。
ポールポジションは今季5戦目のトラック・シリーズ出場となるカイル・ブッシュ。チームメイトの18歳、トッド・ギリランドが2番手で最前列に並んで1-2体制で序盤戦へ。
後方では、ドライバー交代により最後列スタートとなったエリック・ジョーンズと、練習走行後のエンジン交換により、同じく最後列スタートのブレット・モフィットが猛烈な追い上げ。
現在ドライバーズランキング3位で、「プレーオフ」出場権も獲得しているモフィットは、スタートして5周でトップ10圏内まで順位を取り戻して見せましたが、エンジントラブルに見舞われピットイン。修復しコースには復帰しましたが、7周遅れと、上位争いからは脱落してしまいました。
ステージ1終盤の12周目、カイル・ブッシュはグリーンフラッグ下で予定していたピットイン。ピットに入らなかったギリランドが首位に立ち、ステージ1を制することとなりました。ギリランドにとって初のステージウィン。エリック・ジョーンズも追い上げステージ1を5位で終えました。
ステージ2スタート前のコーションで、カイル・ブッシュはピットに入らず首位浮上。ピットインしたギリランドが4位、エリック・ジョーンズは6位で再スタートを切りましたが、すぐにギリランドとエリック・ジョーンズは順位を上げ、"トヨタ タンドラ"が1-2-3体制となりました。
エリック・ジョーンズの勢いは止まらず、26周目にはギリランド、カイル・ブッシュもかわして首位に浮上。しかし、上位の"トヨタ タンドラ"3台が揃ってステージ2終盤にグリーンフラッグ下でピットへ。ステージポイントよりも、ステージ3スタート時のポジションを重視する作戦を採りました。
ステージ3を3位で再スタートしたカイル・ブッシュはすぐに首位に復帰。その後は追い上げるエリック・ジョーンズとのサイド・バイ・サイドでの首位争いも繰り広げましたが、首位の座は守りきり、最後は2位のエリック・ジョーンズに1.5秒差を付けてトップチェッカー。カイル・ブッシュが今季2勝目を挙げました。カイル・ブッシュはこの勝利で、トラック・シリーズでの通算勝利数をシリーズ最多タイとなる51へと伸ばしました。
2016年以来2年ぶりのトラック・シリーズ出場となったエリック・ジョーンズが2位。ギリランドはステージ3の再スタートでやや順位を落としましたが、その後じりじりと追い上げ、7位でチェッカーを受けました。
次戦第15戦は8月11日(土)に米国北東部ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイで開催されます。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「本当にレースを楽しめましたし、それはチームの献身のおかげです。トヨタやTRD-USAの皆にも感謝します。51号車で(記録となる)51勝目を挙げることが出来たのは面白い偶然ですが、また勝てたことは本当に嬉しいです。来年以降も更に記録を伸ばしていきたいと思っています」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 51 | カイル・ブッシュ | トヨタ タンドラ | 60 |
2 | 31 | 18 | エリック・ジョーンズ | トヨタ タンドラ | 60 |
3 | 4 | 25 | ダルトン・サージェント | シボレー | 60 |
7 | 2 | 4 | トッド・ギリランド | トヨタ タンドラ | 60 |
20 | 15 | 54 | ボー・リマスタス | トヨタ タンドラ | 59 |
26 | 32 | 16 | ブレット・モフィット | トヨタ タンドラ | 53 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | ジョニー・ソーター | シボレー | 587 |
2 | ノア・グラッグソン | トヨタ | 522 |
3 | グラント・エンフィンジャー | フォード | 504 |
5 | ブレット・モフィット | トヨタ | 485 |
12 | トッド・ギリランド | トヨタ | 328 |
23 | スペンサー・デイヴィス | トヨタ | 126 |
24 | コービン・フォリスター | トヨタ | 119 |
25 | ハリソン・バートン | トヨタ | 113 |
26 | ボー・リマスタス | トヨタ | 113 |
27 | デイビッド・ギリランド | トヨタ | 107 |
32 | クリス・イグルストン | トヨタ | 73 |
34 | クリスチャン・イクス | トヨタ | 53 |
35 | ローガン・シーヴェイ | トヨタ | 46 |
40 | クリス・ウィンダム | トヨタ | 36 |
43 | ゼイン・スミス | トヨタ | 32 |
47 | タイラー・ディッペル | トヨタ | 30 |
49 | ライリー・ハーブスト | トヨタ | 29 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | シボレー | 512 |
2 | トヨタ | 504 |
3 | フォード | 471 |