ニューヨーク近郊の伝統のロードコース"ザ・グレン"でカップ・シリーズとエクスフィニティ・シリーズが開催され、カップ戦でトヨタ勢は首位を争いましたが2-3-4位フィニッシュ。エクスフィニティでは序盤リードしたカイル・ブッシュがトラブルでリタイアし、クリストファー・ベルが2位でチェッカーを受けました。木曜夜にシリーズ唯一のダート戦として行われたトラック・シリーズでは、スポット参戦のスペシャリストと共に、若手の3人がトップ10フィニッシュを果たしました。
Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第22戦 Go Bowling at The Glen
"トヨタ カムリ"がロードコースで2-3-4位フィニッシュ
2位、3位でフィニッシュしたマーティン・トゥルーエクス・Jr.(#19)とデニー・ハムリン(#11)
8月4日(日)、米国東部ニューヨーク州ワトキンス・グレンのロードコース、ワトキンス・グレン・インターナショナルでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第22戦「Go Bowling at The Glen」が開催されました。
ニューヨーク近郊のワトキンス・グレンは60,70年代にはF1グランプリも行われた伝統のコースです。オーバルでの戦いを主とするNASCARカップ・シリーズにおいて、年に3戦のみ行われるロードコース戦(そのうちの1戦はシャーロットのオーバルと組み合わせた"ローバル")の1戦となります。
ここワトキンス・グレンではトヨタは過去4勝。そのうちカイル・ブッシュが2勝、デニー・ハムリンとマーティン・トゥルーエクス・Jr.が1勝ずつを挙げています。
4日(日)午後3時22分、1周2.45マイルのロードコースを20周、20種、50周の3ステージ合計90周(220.5マイル:約350km)して競われる決勝レースがスタート。トヨタ勢最上位の3番手からスタートしたカイル・ブッシュは、2周目に接触でスピンを喫しますがすぐに復帰。4番手、6番手からスタートしたハムリンとトゥルーエクス・Jr.が2位、3位へ。14番手スタートのエリック・ジョーンズもトップ10圏内へと浮上し、ステージ1はハムリンが2位、トゥルーエクス・Jr.が3位、カイル・ブッシュが4位、エリック・ジョーンズが8位となりました。
ワトキンス・グレンは1周のラップタイムが長く、ピットインしても周回遅れになりにくいため様々なピット戦略がとられます。トヨタ勢はステージ1と2の間のイエローコーション(何らかの障害による全車スロー走行指示)でピットイン。ピットタイミングをずらしたライバル勢が先行したため、トヨタ勢は一旦トップ10外へと後退しますが、再スタート後は順調にポジションを回復していきました。
ステージ2はトゥルーエクス・Jr.が2位、ハムリン5位、エリック・ジョーンズ8位。ステージ2スタート前のピットでスピード違反ペナルティを取られ、ほぼ最後尾まで後退したカイル・ブッシュは、17位までポジションを取り戻してステージ2を終えました。
ステージ3では、2017年のウィナーであるトゥルーエクス・Jr.が首位争いを展開。3位以下を大きく引き離し、2位のトゥルーエクス・Jr.がコンマ5秒ほどの差を保ったまま首位にプレッシャーをかけ続けました。
時にサイド・バイ・サイドで接触しながらの首位争いを展開したトゥルーエクス・Jr.でしたが、僅かに届かず2位でフィニッシュ。ハムリンが3位、エリック・ジョーンズが4位で続きました。エリック・ジョーンズは4戦連続のトップ4フィニッシュ。マット・ディベネデットが6位に入り、今季4度目のトップ10フィニッシュとなりました。カイル・ブッシュはステージ3の中盤にも他車との接触でほぼ最後尾までポジションを落としましたが、終盤猛烈な追い上げを見せ、11位でチェッカーを受けました。
次戦第23戦は8月11日(日)、米国北東部ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイで行われます。
ドライバー マーティン・トゥルーエクス・Jr:
「出来る限りのことをして首位にプレッシャーをかけ続けましたが、チェイス(エリオット:シボレー)は素晴らしい走りでミスをしませんでした。ブレーキングのたびにかなり接近し、ミスを誘いましたが、追い抜くことは出来ませんでした。我々の"トヨタ カムリ"は本当に速く、多くの車両をパスすることが出来ましたが、最後の1台が叶いませんでした」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 9 | チェイス・エリオット | シボレー | 90 |
2 | 4 | 19 | マーティン・トゥルーエクス・Jr. | トヨタ カムリ | 90 |
3 | 6 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 90 |
4 | 14 | 20 | エリック・ジョーンズ | トヨタ カムリ | 90 |
6 | 20 | 95 | マット・ディベネデット | トヨタ カムリ | 90 |
11 | 3 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 90 |
26 | 24 | 96 | パーカー・クリガーマン | トヨタ カムリ | 90 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | カイル・ブッシュ | トヨタ | 851 |
2 | ジョーイ・ロガーノ | フォード | 838 |
3 | ケヴィン・ハーヴィック | フォード | 777 |
4 | デニー・ハムリン | トヨタ | 771 |
5 | マーティン・トゥルーエクス・Jr. | トヨタ | 753 |
13 | エリック・ジョーンズ | トヨタ | 598 |
23 | マット・ディベネデット | トヨタ | 380 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | トヨタ | 802 |
2 | フォード | 776 |
3 | シボレー | 748 |
NASCAR XFINITY SERIES
第20戦 Zippo 200 at The Glen
クリストファー・ベルが2戦連続の2位フィニッシュ
2位フィニッシュを果たしたクリストファー・ベル(#20)の"トヨタ スープラ"
8月3日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第20戦「Zippo 200 at The Glen」がワトキンス・グレン・インターナショナルで開催されました。
3日(土)午後3時29分、2.45マイルロードコースを20周、20周、42周の3ステージ合計82周(約320km)して競われる決勝レースがスタート。今季5度目の同シリーズスポット参戦となったカイル・ブッシュがポールポジションから首位を独走。ステージ1はカイル・ブッシュが制し、シリーズレギュラードライバーのクリストファー・ベルが2位となりました。
ステージ2はピット戦略の違いにより、ピットインしなかったベルが首位、ピットインしたカイル・ブッシュは15位で再スタート。カイル・ブッシュはみるみるうちに順位を取り戻して行き、ステージ2の終盤には首位を奪い返しましたが、その直後にサスペンショントラブルに見舞われ、無念のリタイアとなってしまいました。
ステージ中盤に予定のピットを行ったベルはステージ2を9位で終えると、ステージ3では序盤から上位争いに復帰。2位での走行を続けていましたが、終盤、残り7周で再スタートが切られた直後、バトルの中で接触され、バランスを崩してハーフスピン。見事な操作で立て直しましたが3位へ後退。そのまま3位でチェッカーを受けました。レース後の車検で2位フィニッシュの車両が失格となったため、ベルは2位でこのレースで2位の結果を得ることとなりました。ベルはこれで5戦連続のトップ3フィニッシュを続けています。
次戦第21戦は8月10日(土)、米国北部オハイオ州レキシントンのロードコース、ミッドオハイオ・スポーツカー・コースで行われます。
ドライバー クリストファー・ベル:
「思っていた以上に良い結果です。まだまだ私はロードコースで多くのことを学ぶ必要があります。カイル(ブッシュ)は今日、私と全く同じ車で、私よりもはるかに速かったです。まだまだ私は成長している最中ですし、そんな私に素晴らしく速い車両を与えてくれたチームに感謝します」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 22 | オースティン・シンドリック | フォード | 82 |
2 | 4 | 20 | クリストファー・ベル | トヨタ スープラ | 82 |
3 | 9 | 7 | ジャスティン・アルゲイヤー | シボレー | 82 |
13 | 23 | 5 | スコット・ヘッカート | トヨタ スープラ | 82 |
17 | 10 | 19 | ブランドン・ジョーンズ | トヨタ スープラ | 82 |
23 | 31 | 42 | スタントン・バレット | トヨタ カムリ | 82 |
28 | 22 | 66 | トミー・ジョー・マーティンズ | トヨタ スープラ | 65 |
31 | 1 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ スープラ | 35 |
32 | 35 | 13 | チャド・フィンチャム | トヨタ カムリ | 30 |
34 | 36 | 35 | ジョーイ・ゲイス | トヨタ カムリ | 9 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | タイラー・レディック | シボレー | 889 |
2 | クリストファー・ベル | トヨタ | 857 |
3 | コール・カスター | フォード | 790 |
12 | ブランドン・ジョーンズ | トヨタ | 534 |
25 | ジェフリー・アーンハート | トヨタ | 187 |
26 | ジョーイ・ゲイス | トヨタ | 177 |
27 | チャド・フィンチャム | トヨタ | 174 |
28 | ティミー・ヒル | トヨタ | 154 |
29 | トミー・ジョー・マーティンズ | トヨタ | 119 |
31 | シェイン・リー | トヨタ | 109 |
41 | ステファン・パーソンズ | トヨタ | 41 |
47 | ジョン・ジャクソン | トヨタ | 27 |
49 | マックス・タルマン | トヨタ | 26 |
50 | スタン・マリス | トヨタ | 26 |
52 | スコット・ヘッカート | トヨタ | 24 |
56 | ライアン・エリス | トヨタ | 14 |
59 | コリン・ギャレッット | トヨタ | 11 |
63 | D.J.ケンニントン | トヨタ | 4 |
65 | カール・ロング | トヨタ | 1 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | トヨタ | 720 |
2 | シボレー | 715 |
3 | フォード | 706 |
NASCAR GANDER OUTDOORS TRUCK SERIES
第15戦 Eldora Dirt Derby
シリーズ唯一のダート戦で
4台の"トヨタ タンドラ"がトップ10フィニッシュ
シリーズ唯一のダート戦で5位フィニッシュを果たしたトッド・ギリランド(#4)
NASCARガンダー・アウトドアズ・トラック・シリーズ第15戦「Eldora Dirt Derby」が8月1日(木)に米国北部オハイオ州ロスバーグのダートオーバル、エルドラ・スピードウェイで開催されました。
NASCARを頂点とするアメリカン・モータースポーツは現在舗装されたオーバルコースで戦われていますが、アメリカは各地に数多くのダート(未舗装)オーバルコースがあり、身近なモータースポーツとして楽しまれています。NASCARでも2013年にトラック・シリーズで43年ぶりにダート戦が開催。夏の一大イベントとして人気を呼び、定着しました。
舗装コースよりもはるかに滑りやすいダートでのレースでは、ダート出身のレギュラードライバーが活躍するだけでなく、普段ダートレースを戦っているドライバーのスポット参戦も多く、通常とは異なる顔ぶれ、フォーマットで激戦が展開されました。
まず、出場車両を5グループに分け、6,7台ずつ10周の予選レースを行い、各レースの上位5台が決勝へと進出。脱落した車両によるラストチャンスレースで上位2台が決勝に進みました。
1日(木)午後9時13分、恒例となった4列でのパレードラップを経て、0.5マイルのダートオーバルを40周、50周、60周の3ステージ合計150周(75マイル:約120km)して競われる決勝レースのスタートが切られました。
スピンが多発したステージ1では19歳のレギュラードライバー、トッド・ギリランドが2位。ステージ2では、64周目の再スタート直後にトップ10圏内につけていた18歳のクリスチャン・イクスがスピン。これに後続が次々に突っ込み、14台が絡む多重クラッシュとなりました。イクスの車両ダメージは軽微でしたが、巻き込まれた18歳のハリソン・バートンは車両に大きなダメージを負い、修復のため大きなタイムロスを余儀なくされてしまいました。
ステージ3もスピンが多発する展開となりましたが、トッド・ギリランドは上位をキープ。レースは残り8周というところで多重クラッシュが発生。残り2周での再スタートとなりました。
この日レースの大半をトップ5圏内で戦ったトッド・ギリランドは4位で再スタートを切り、5位でフィニッシュ。トヨタ勢の最上位は、ダートトラックレースで長年活躍し、今大会NASCARにデビューすることとなった41歳のベテラン、マイク・マーラーの4位。イクスが6位、タイラー・アンクラムが9位に入り、"トヨタ タンドラ"は4台がトップ10フィニッシュを果たしました。
全23戦で争われているトラック・シリーズは、次戦のミシガンがレギュラーシーズンの最終戦となります。まず8人によって争われる"プレーオフ"には、トヨタ勢では開幕戦で勝利を挙げたオースティン・ヒルと、2001年生まれの18歳で、今季第13戦で初勝利を挙げたアンクラムの2名が進出確定。レギュラードライバーのハリソン・バートン、トッド・ギリランド、イクスらは現時点で進出圏外ですが、次戦ミシガンで勝利を挙げての"プレーオフ"進出を目指します。
次戦第16戦は8月10日(土)にミシガン・インターナショナル・スピードウェイで開催されます。
ドライバー トッド・ギリランド:
「まずまず堅実な結果とは言えますが、現時点では堅実なだけでは駄目です。今日の我々の"トヨタ タンドラ"は勝てる車両だと感じていました。ただ、それには正しいラインでレースを戦い続けることが必要でした。全ての細かな要素を積み重ねていけば、更に良い結果になったと思いますが、これも私が学んでいかなければならないことです。今日のレースは本当に楽しかったですが、レース中はもっと良い順位にいただけに、5位よりも上位でフィニッシュしたかったです」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | 52 | スチュワート・フリーゼン | シボレー | 150 |
2 | 10 | 2 | シェルドン・クリード | シボレー | 150 |
3 | 15 | 98 | グラント・エンフィンジャー | フォード | 150 |
4 | 23 | 33 | マイク・マーラー | トヨタ タンドラ | 150 |
5 | 8 | 4 | トッド・ギリランド | トヨタ タンドラ | 150 |
6 | 17 | 51 | クリスチャン・イクス | トヨタ タンドラ | 150 |
9 | 26 | 17 | タイラー・アンクラム | トヨタ タンドラ | 150 |
16 | 25 | 08 | ティム・ワード | トヨタ タンドラ | 150 |
18 | 5 | 54 | カイル・ストリックラー | トヨタ タンドラ | 149 |
31 | 11 | 18 | ハリソン・バートン | トヨタ タンドラ | 127 |
32 | 19 | 16 | オースティン・ヒル | トヨタ タンドラ | 79 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | グラント・エンフィンジャー | フォード | 622 |
2 | マット・クラフトン | フォード | 570 |
3 | スチュワート・フリーゼン | シボレー | 567 |
6 | ハリソン・バートン | トヨタ | 506 |
7 | トッド・ギリランド | トヨタ | 473 |
9 | オースティン・ヒル | トヨタ | 431 |
12 | タイラー・アンクラム | トヨタ | 322 |
18 | ブレナン・プール | トヨタ | 230 |
19 | ナタリー・デッカー | トヨタ | 179 |
21 | アンソニー・アルフレッド | トヨタ | 161 |
23 | クリスチャン・イクス | トヨタ | 127 |
31 | コービン・フォリスター | トヨタ | 83 |
32 | ラファエル・レサール | トヨタ | 80 |
35 | チャンドラー・スミス | トヨタ | 71 |
36 | ディラン・ラプトン | トヨタ | 69 |
38 | デイビッド・ギリランド | トヨタ | 56 |
43 | デレック・クラウス | トヨタ | 48 |
46 | グレッグ・ビッフル | トヨタ | 45 |
50 | ライアン・リード | トヨタ | 31 |
51 | カイル・ストリックラー | トヨタ | 27 |
57 | ライリー・ハーブスト | トヨタ | 22 |
62 | ティム・ワード | トヨタ | 21 |
72 | クリス・フォンテイン | トヨタ | 10 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | トヨタ | 560 |
2 | シボレー | 546 |
3 | フォード | 503 |