「世界最速のハーフマイル」ブリストルで夏のナイトレース3連戦が行われました。カップ・シリーズでは初優勝目前のマット・ディベネデットをかわしたデニー・ハムリンが今季4勝目。"トヨタ カムリ"は1-2フィニッシュを果たしました。エクスフィニティ・シリーズではトヨタ勢が次々にアクシデントに見舞われ、ティミー・ヒルが自身キャリア最高位フィニッシュとなる7位。トラック・シリーズではデビュー3戦目の17歳チャンドラー・スミスが2位フィニッシュを果たしました。
Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第24戦 Bass Pro Shops NRA Night Race
デニー・ハムリンが今季4勝目!
"トヨタ カムリ"1-2フィニッシュ
今季4勝目を挙げたデニー・ハムリン(#11)
8月17日(土)、米国南部テネシー州ブリストルのブリストル・モーター・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第24戦「Bass Pro Shops NRA Night Race」が開催されました。
NASCARトップ3カテゴリー全てが開催されるコースでは最短の1周0.533マイル(約860m)のブリストルは、傾斜角のきついバンクとコースを覆う大きなスタンドにより、「世界最速のハーフマイル」「最後の偉大なコロシアム」などの愛称を持ちます。カップ・シリーズ戦は年2回開催。トヨタは過去に11勝を挙げており、そのうち7勝をカイル・ブッシュ、デニー・ハムリンが1勝を挙げています。今年の春大会もカイル・ブッシュが制しています。この週末はカップ・シリーズも土曜日の夜開催で、トップ3カテゴリー全てが3日間にわたってナイトレースとして行われました。
17日(土)午後7時50分、0.533マイルショートオーバルを125周、125周、250周の3ステージ合計500周(266.5マイル:約430km)して競われる決勝レースがスタート。今季初となるポールポジションを獲得したハムリンが序盤から抜きつ抜かれつの激しい首位争いを展開しましたが、ステージ中盤、周回遅れをかわそうとした際に接触を喫し、修復のために順位を落とすこととなってしまいました。
ステージ1は3番手スタートのマーティン・トゥルーエクス・Jr.が3位、マット・ディベネデットが予選7番手から好走を見せて5位。エリック・ジョーンズが7位。カイル・ブッシュはハンドリングに苦しみ1周遅れでステージ1を終えました。
ステージ2では、ハムリンが一旦ポジションを取り戻しトップ10圏内へと浮上しましたが、タイヤホイールの緩みに見舞われ緊急ピットイン。2周遅れとなってしまいました。
しかし、調整が功を奏し調子を取り戻したカイル・ブッシュとハムリンは、ステージ2で複数回発生したイエローコーション(何らかの障害による全車スロー走行指示)時にそれぞれ"ラッキー・ドッグ"(イエローコーション発生時に周回遅れ最上位車両が1周取り戻せる救済措置)を得て首位と同一周回に復帰。ステージ2終盤はピット戦略の違いで順位が入れ替わり、ステージ2はカイル・ブッシュが4位、エリック・ジョーンズが7位、トゥルーエクス・Jr.が10位となりました。
ステージ3では、ハムリンとディベネデットもトップ10圏内へ浮上。カイル・ブッシュが首位争いを繰り広げている中へエリック・ジョーンズも加わり、"トヨタ カムリ"の1-2体制となりました。
ステージ3は後半、多重クラッシュが連発し順位が入れ替わる中、エリック・ジョーンズは壁にヒットし大きくポジションダウン。代わって上位に浮上したのがディベネデット。ディベネデットは396周目に首位に浮上。"プレーオフ(シリーズチャンピオン決定戦)"圏外のディベネデットが自身にとっても初となる勝利を挙げると、残り3戦で激しさを増している"プレーオフ"争いにも大きな影響があり、観客は固唾を呑んでディベネデットの快走を見守りました。
しかし、そこに後方からじりじりと詰め寄ってきたのがハムリンでした。残り50周で2位に浮上したハムリンは、周回遅れの処理に手間取るディベネデットとの差をみるみる詰めていくと、残り15周で2台はサイド・バイ・サイドのバトルに。そして、接触しながらの激しいバトルの末に、残り11周でハムリンが首位を奪還。その後は逃げ切りハムリンがカイル・ブッシュと並び今季最多タイとなる4勝目を挙げました。
キャリア初勝利のチャンスだったディベネデットは惜しくも2位に終わるも、自身キャリア最高位フィニッシュ。"トヨタ カムリ"は1-2フィニッシュとなりました。序盤苦戦したカイル・ブッシュも周回遅れからの追い上げで4位フィニッシュを果たし、レギュラーシーズンタイトル争いで、ライバルとの差を広げることとなりました。
次戦第25戦は9月1日(日)、米国南東部サウスカロライナ州ダーリントンのダーリントン・レースウェイで行われます。
ドライバー デニー・ハムリン:
「マット・ディベネデットと彼のクルーチーフ(ハムリンの元クルーチーフ)には申し訳なく思います。しかし、私も自分のチームのために110%で走りました。終盤、スポッターとクルーチーフは私に慌てないように伝えてきました。充分な残り周回があったので、パスすることが出来るとわかった時点で、無理をせずに彼の直後に続いて走り続け、最後にパスしました。素晴らしい"トヨタ カムリ"のおかげで、2周遅れから勝つことが出来ました」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 500 |
2 | 7 | 95 | マット・ディベネデット | トヨタ カムリ | 500 |
3 | 13 | 2 | ブラッド・ケゼロウスキー | フォード | 500 |
4 | 31 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 500 |
13 | 3 | 19 | マーティン・トゥルーエクス・Jr. | トヨタ カムリ | 498 |
22 | 9 | 20 | エリック・ジョーンズ | トヨタ カムリ | 495 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | カイル・ブッシュ | トヨタ | 932 |
2 | ジョーイ・ロガーノ | フォード | 893 |
3 | デニー・ハムリン | トヨタ | 855 |
4 | マーティン・トゥルーエクス・Jr. | トヨタ | 838 |
14 | エリック・ジョーンズ | トヨタ | 646 |
22 | マット・ディベネデット | トヨタ | 438 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | トヨタ | 877 |
2 | フォード | 850 |
3 | シボレー | 814 |
NASCAR XFINITY SERIES
第22戦 Food City 300
"トヨタ スープラ"のティミー・ヒルが7位
7位フィニッシュを果たしたティミー・ヒル(#61)の"トヨタ スープラ"
8月16日(金)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第22戦「Food City 300」がブリストル・モーター・スピードウェイで開催されました。
16日(金)午後7時44分、0.533マイルショートオーバルを85周、85周、130周の3ステージ合計300周(159.9マイル:約260km)して競われる決勝レースのスタートが切られました。
今大会にはカップ・シリーズのレギュラー、カイル・ブッシュとエリック・ジョーンズが"トヨタ スープラ"でスポット参戦。カイル・ブッシュはトヨタ勢最上位の最前列2番手からスタートを切ると、すぐに首位を奪い独走となりました。
エリック・ジョーンズも16番手スタートから着実に順位を上げていましたが、36周目に発生した多重クラッシュに巻き込まれリタイア。シリーズレギュラードライバーで、今季最多タイの5勝を挙げて"プレーオフ"入りを決めているクリストファー・ベルもこのクラッシュに巻き込まれ車両にダメージを負い、修復してコースに復帰したものの3周遅れとなってしまいました。
ステージ1終盤にはカイル・ブッシュがピットインし、代わって首位に立ったシリーズレギュラードライバーのブランドン・ジョーンズがステージ1を制覇。カイル・ブッシュは7位。
ピットタイミングをずらしたことでカイル・ブッシュはステージ2がスタートしてすぐに首位を奪還。一度もその座を譲ることなくステージ2も制しました。ブランドン・ジョーンズが6位。
ステージ2まで圧倒的な速さでレースをリードしていたカイル・ブッシュでしたが、ステージ2終盤にエンジン不調に見舞われており、ステージ2をトップで終えた直後にガレージへ向かい、レースを終えることとなってしまいました。
これで孤軍奮闘となったブランドン・ジョーンズは、ステージ3序盤3位を走行するなど健闘を見せていましたが、壁に接触しポジションダウン。
次々とアクシデントに見舞われたトヨタ勢の中で最上位フィニッシュを果たしたのはティミー・ヒル。自己キャリア最高位フィニッシュとなる7位でチェッカーを受けました。
次戦第23戦は8月24日(土)、米国北部ウィスコンシン州エルクハートレイクのロードコース、ロードアメリカで行われます。
ドライバー ティミー・ヒル:
「ブリストルはいつでも私にとって最高のコースなので、そこで好結果を残すことが出来て嬉しいです。チームが素晴らしいスープラを用意してくれて、本当にレースを楽しむことが出来ました。ここブリストルでは、接触しないことが最も重要ですが、今夜は無事にレースを戦うことが出来ました」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 38 | 2 | タイラー・レディック | シボレー | 300 |
2 | 6 | 98 | チェイス・ブリスコー | フォード | 300 |
3 | 9 | 23 | ジョン・ハンター・ネメチェク | シボレー | 300 |
7 | 21 | 61 | ティミー・ヒル | トヨタ スープラ | 299 |
11 | 12 | 19 | ブランドン・ジョーンズ | トヨタ スープラ | 298 |
13 | 22 | 28 | シェイン・リー | トヨタ スープラ | 297 |
14 | 8 | 20 | クリストファー・ベル | トヨタ スープラ | 297 |
20 | 32 | 35 | ジョーイ・ゲイス | トヨタ カムリ | 292 |
23 | 35 | 99 | C.J.マクラフリン | トヨタ スープラ | 275 |
29 | 2 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ スープラ | 171 |
31 | 25 | 13 | トミー・ジョー・マーティンズ | トヨタ カムリ | 131 |
37 | 16 | 81 | エリック・ジョーンズ | トヨタ スープラ | 36 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | タイラー・レディック | シボレー | 978 |
2 | クリストファー・ベル | トヨタ | 924 |
3 | コール・カスター | フォード | 839 |
11 | ブランドン・ジョーンズ | トヨタ | 609 |
25 | ジョーイ・ゲイス | トヨタ | 195 |
26 | ティミー・ヒル | トヨタ | 194 |
27 | ジェフリー・アーンハート | トヨタ | 187 |
28 | チャド・フィンチャム | トヨタ | 176 |
29 | トミー・ジョー・マーティンズ | トヨタ | 145 |
30 | シェイン・リー | トヨタ | 133 |
43 | ステファン・パーソンズ | トヨタ | 41 |
45 | スコット・ヘッカート | トヨタ | 34 |
47 | ジャック・ホークスワース | トヨタ | 32 |
52 | ジョン・ジャクソン | トヨタ | 27 |
54 | スタン・マリス | トヨタ | 26 |
61 | ライアン・エリス | トヨタ | 14 |
66 | コリン・ギャレッット | トヨタ | 11 |
70 | D.J.ケンニントン | トヨタ | 4 |
71 | カール・ロング | トヨタ | 1 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | シボレー | 789 |
2 | トヨタ | 785 |
3 | フォード | 781 |
NASCAR GANDER OUTDOORS TRUCK SERIES
第17戦 UNOH 200
17歳チャンドラー・スミスが2位フィニッシュ
2位フィニッシュを果たしたチャンドラー・スミス(#51)
NASCARガンダー・アウトドアズ・トラック・シリーズ第17戦「UNOH 200」が8月15日(木)にブリストル・モーター・スピードウェイで開催されました。
年間23戦で争われている同シリーズは、他の2シリーズよりも一足先に"プレーオフ(最後の7戦、選抜上位ドライバーで競われるシリーズチャンピオン決定戦)"に突入しました。今大会からの3戦で、当初の8人が6人へと絞られます。トヨタ勢では、2勝を挙げているオースティン・ヒルと、1勝を挙げた18歳のタイラー・アンクラムが"プレーオフ"ドライバーとしてタイトルを争います。
15日(木)午後8時40分、0.533マイルショートオーバルを55周、55周、90周の3ステージ合計200周(106.6マイル:約170km)して競われる決勝レースがスタートしました。
アンクラムは5番手、オースティン・ヒルは8番手からスタート。このレースがシリーズデビュー3戦目となる2002年生まれ17歳のチャンドラー・スミスが序盤から好走を見せ、7番手スタートからトップ5へ浮上し、ステージ1はスミスが5位。アンクラムは8位、オースティン・ヒルが10位。
ステージ2でもスミスの速さが光り、ステージ3位。アンクラムが6位、オースティン・ヒルは惜しくもステージポイント圏外となる11位で終えました。
ステージ3はスピンや多重クラッシュが多発する大荒れの展開となりました。そんな中、トップ10圏内をキープしていたアンクラムは、残り32周でトラブルに見舞われピットロードでストップ。ピットへ押し戻されて修復し、コースへは復帰したものの、6周遅れとなってしまいました。
スミスは終盤2位へとポジションを上げると、残り3周で首位を猛追。僅かに届かなかったものの、シリーズデビュー3戦目にして自己最高位となる2位フィニッシュを果たしました。スミスはこのデビューからの3戦、全てでトップ10フィニッシュを続けています。
トッド・ギリランドが9位。オースティン・ヒルは苦しみながらも10位でトップ10フィニッシュ。"プレーオフ"ランキングでは7位につけ、次ラウンド進出ラインの6位とは3ポイント差となっています。アンクラムは6周遅れながら最後まで走り切り、20位でチェッカーを受けました。
次戦第18戦は8月25日(日)にカナダ・オンタリオ州ボウマンヴィルのカナディアン・タイヤ・モータースポーツ・パークで開催されます。
ドライバー チャンドラー・スミス:
「ブレット(モフィット:シボレー)は今日のレースを通して速かったです。我々はレース序盤追い上げ45号車(ロス・チャステイン:シボレー)とブレットに追いつきました。今、彼らと戦うにはもう少し速さが必要です。この素晴らしい機会を与えてくれたクルーチーフやチーム、スポンサー、トヨタに感謝します。今日は全力を尽くして戦いました」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 24 | ブレット・モフィット | シボレー | 200 |
2 | 7 | 51 | チャンドラー・スミス | トヨタ タンドラ | 200 |
3 | 2 | 45 | ロス・チャステイン | シボレー | 200 |
9 | 17 | 4 | トッド・ギリランド | トヨタ タンドラ | 200 |
10 | 8 | 16 | オースティン・ヒル | トヨタ タンドラ | 200 |
12 | 16 | 46 | ラファエル・レサール | トヨタ タンドラ | 200 |
19 | 9 | 30 | ブレナン・プール | トヨタ タンドラ | 199 |
20 | 5 | 17 | タイラー・アンクラム | トヨタ タンドラ | 194 |
23 | 10 | 18 | ハリソン・バートン | トヨタ タンドラ | 192 |
25 | 20 | 54 | ナタリー・デッカー | トヨタ タンドラ | 166 |
26 | 21 | 68 | クレイ・グリーンフィールド | トヨタ タンドラ | 145 |
27 | 15 | 15 | ディラン・ラプトン | トヨタ タンドラ | 136 |
31 | 29 | 34 | J.J.イェリー | トヨタ タンドラ | 12 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | ブレット・モフィット | シボレー | 2081 |
2 | ロス・チャステイン | シボレー | 2065 |
3 | スチュワート・フリーゼン | シボレー | 2057 |
7 | オースティン・ヒル | トヨタ | 2040 |
8 | タイラー・アンクラム | トヨタ | 2030 |
10 | ハリソン・バートン | トヨタ | 549 |
11 | トッド・ギリランド | トヨタ | 523 |
18 | ブレナン・プール | トヨタ | 248 |
20 | ナタリー・デッカー | トヨタ | 201 |
21 | アンソニー・アルフレッド | トヨタ | 172 |
23 | クリスチャン・イクス | トヨタ | 157 |
27 | チャンドラー・スミス | トヨタ | 120 |
29 | ラファエル・レサール | トヨタ | 108 |
34 | コービン・フォリスター | トヨタ | 83 |
36 | ディラン・ラプトン | トヨタ | 79 |
41 | デイビッド・ギリランド | トヨタ | 56 |
45 | デレック・クラウス | トヨタ | 48 |
47 | グレッグ・ビッフル | トヨタ | 45 |
54 | ライアン・リード | トヨタ | 31 |
56 | カイル・ストリックラー | トヨタ | 27 |
62 | ライリー・ハーブスト | トヨタ | 22 |
65 | ティム・ワード | トヨタ | 21 |
71 | クリス・フォンテイン | トヨタ | 10 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | トヨタ | 635 |
2 | シボレー | 621 |
3 | フォード | 565 |