モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第25戦ダーリントン
エリック・ジョーンズが今季初勝利!
カイル・ブッシュがレギュラーシーズンタイトルを確定
2019.09.03(火)- 14:45配信
降雨により4時間近く遅れて行われたダーリントンで、エリック・ジョーンズが今季初勝利。トヨタ勢4人目の“プレーオフ”進出を決めました。また、3位に入ったカイル・ブッシュが1戦を残してレギュラーシーズンのタイトルを獲得しました。エクスフィニティ・シリーズではスポット参戦のデニー・ハムリンがトップでチェッカーを受けましたが、レース後の車検で失格となったため、クリストファー・ベルがトヨタ勢最上位の4位フィニッシュとなりました。
Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第25戦 Bojangles' Southern 500
エリック・ジョーンズが今季初勝利!
カイル・ブッシュがレギュラーシーズンタイトルを確定
今季初勝利を挙げたエリック・ジョーンズ(#20)と3位に入ったカイル・ブッシュ(#18)
9月1日(日)、米国南東部サウスカロライナ州ダーリントンのダーリントン・レースウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第25戦「Bojangles' Southern 500」が開催されました。
年間36戦で争われるシリーズ、終盤の10戦は選抜された上位ドライバーによってタイトルを争う“プレーオフ”として行われます。プレーオフ前のレギュラーシーズンは今大会を含めて残り2戦。トヨタ勢では、カイル・ブッシュ、マーティン・トゥルーエクス・Jr.、デニー・ハムリンの3名がそれぞれ4勝を挙げ、“プレーオフ”入りを決めています。フル参戦3年目で今大会が記念すべきカップ・シリーズ出走100戦目となる23歳のエリック・ジョーンズは、未勝利ながらポイントランキングで“プレーオフ”圏内につけています。
ダーリントンはNASCAR初開催が1950年と非常に歴史の長いコースで、「サザン500」はシリーズ中の大イベントのひとつ。今大会は70周年という記念すべき大会となりました。第1,2ターンと第3,4ターンの曲率が異なる「エッグシェイプ」な難コース、ダーリントンでは、トヨタ勢は過去6勝。うちハムリンが2勝、トゥルーエクス・Jr.とカイル・ブッシュが1勝ずつを挙げています。
今大会は、翌日2日(月)がレイバー・デイ(労働者の日)で米国の祝日であり、日曜日としては珍しくナイトレースとしての開催。この大会は例年、出場車両が過去の懐かしい車両をイメージしたカラーリングで出場します。“トヨタ カムリ”も各車過去の名カラーリングをまといましたが、中でもマット・ディベネデットの95号車は、80年代から90年代にかけてトヨタ・セリカが米国IMSAシリーズなどで活躍した時のカラーリングをまとい、注目を浴びました。
1日(日)午後6時過ぎにスタートが予定されていましたが、降雨のためにスタートはディレイ。ようやく雨が去り、ジェットドライヤーカーで路面を乾かしてスタートが切られたのは、当初の予定より4時間近く遅れた、午後10時7分でした。
レースは1周1.366マイルオーバルを100周、100周、167周の3ステージ合計367周(501.3マイル:約800km)で競われました。
ハムリンが9番手、エリック・ジョーンズが15番手、トゥルーエクス・Jr.が22番手からスタートを切る一方、カイル・ブッシュは予選後にエンジン交換を行ったため最後尾に後退しての追い上げを強いられました。
しかし、エリック・ジョーンズやトゥルーエクス・Jr.がハンドリングで苦しむ中、カイル・ブッシュはみるみる順位を上げていき、26周目にはトップ15圏内に入ると、その後のピット作業でもポジションを上げ、ステージ1はカイル・ブッシュがトヨタ勢最上位の4位。ハムリンが5位、トゥルーエクス・Jr.が9位、エリック・ジョーンズが10位でポイント獲得を果たしました。
ステージ2でも更に順位を上げていったカイル・ブッシュは160周目についに首位浮上。そのままポジションを守り今季10度目のステージウィンを飾りました。ステージ2はハムリンが3位、エリック・ジョーンズが4位、トゥルーエクス・Jr.はタイヤホイールの緩みに見舞われ大きくポジションダウン。
ステージ3はスタートしてすぐに首位のカイル・ブッシュにエリック・ジョーンズとハムリンが続き、“トヨタ カムリ”の1-2-3体制となりました。
しかし、274周目に多重クラッシュが発生。目の前でスピンされたハムリンは避けきれず追突し、車両にダメージを負ってしまいました。
これにより発生したイエローコーション(何らかの障害による全車スロー走行指示)時のピットでエリック・ジョーンズが先行。エリック・ジョーンズとカイル・ブッシュともう1台の3台による激しい首位争いが最後まで続きました。
終盤、2位のカイル・ブッシュが首位のエリック・ジョーンズとの差をじりじりと詰めていきましたが、カイル・ブッシュはターン2で壁に接触。そのまま走り続けましたがポジションを落とすことに。
逃げ切ったエリック・ジョーンズが、自身にとって記念すべきシリーズ100戦目で、キャリア2勝目、今季初勝利を飾りました。この勝利でエリック・ジョーンズは“プレーオフ”入りを確定しました。
カイル・ブッシュは3位でチェッカー。ドライバーズランキングで2位との差を64点とし、1戦を残して(1戦での最大獲得ポイントが60点のため)、レギュラーシリーズのチャンピオンを獲得しました。レギュラーシリーズチャンピオンは、ポイントがリセットされる“プレーオフ”に、プレーオフポイント(持ち越せるボーナスポイント)に加え、15点のボーナスポイントを得て臨むこととなります。
懐かしのトヨタカラーをまとったディベネデットは8位でチェッカーを受け、今季6度目のトップ10フィニッシュを果たしました。
レギュラーシーズン最終戦となる次戦第26戦は9月8日(日)、米国中部インディアナ州インディアナポリスのインディアナポリス・モーター・スピードウェイで行われます。
ドライバー エリック・ジョーンズ:
「プレッシャーは大変なものでした。カイル(ブッシュ)は偉大なドライバーです。彼を抑えて勝てたなんて信じられません。思い返せば、彼こそが私にトラック・シリーズで走るチャンスを与えてくれた存在です。そしてこんなビッグレースで彼と戦って勝つことが出来るなんて本当に最高です。一生忘れられない夜になるでしょう」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 15 | 20 | エリック・ジョーンズ | トヨタ カムリ | 367 |
2 | 3 | 42 | カイル・ラーソン | シボレー | 367 |
3 | 33 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 367 |
8 | 19 | 95 | マット・ディベネデット | トヨタ カムリ | 367 |
15 | 22 | 19 | マーティン・トゥルーエクス・Jr. | トヨタ カムリ | 366 |
29 | 9 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 356 |
34 | 39 | 66 | ジョーイ・ゲイス | トヨタ カムリ | 349 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | カイル・ブッシュ | トヨタ | 983 |
2 | ジョーイ・ロガーノ | フォード | 919 |
3 | デニー・ハムリン | トヨタ | 877 |
5 | マーティン・トゥルーエクス・Jr. | トヨタ | 862 |
12 | エリック・ジョーンズ | トヨタ | 694 |
22 | マット・ディベネデット | トヨタ | 467 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | トヨタ | 917 |
2 | フォード | 883 |
3 | シボレー | 849 |
NASCAR XFINITY SERIES
第24戦 Sport Clips Haircuts VFW 200
トップチェッカーのハムリンがレース後失格に
“トヨタ スープラ”は2台がトップ10フィニッシュ
4位でフィニッシュしたクリストファー・ベル(#20)
8月31日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第24戦「Sport Clips Haircuts VFW 200」がダーリント・ンレースウェイで開催されました。
31日(土)午後4時2分、1.366マイルオーバルを45周、45周、57周の3ステージ合計147周(200.8マイル:約320km)して競われる決勝レースのスタートが切られました。
シリーズレギュラードライバーのクリストファー・ベルが2番手、ブランドン・ジョーンズが5番手からスタート。今大会スポット参戦のデニー・ハムリンは、練習走行でクラッシュしバックアップカーに乗り換えたため、最後尾から追い上げることとなりました。
ここダーリントンの同シリーズ戦で過去5勝を挙げているハムリンはみるみる順位を上げていき、ステージ1終了時には13位へ浮上。ステージ1はベルが3位、ブランドン・ジョーンズが8位で終えました。
ステージ2でもハムリンは順調にポジションアップ。一方で前戦ロードアメリカで今季6勝目を挙げたベルは、ハンドリング不調に見舞われ苦戦。ステージ2はハムリンが5位、ベルが6位、ブランドン・ジョーンズが9位でポイントを獲得しました。
ステージ3は5位でスタートを切ったハムリンが、僅か20周ほどで首位を奪取。その後はライバルの追撃を凌ぎ切りトップでチェッカーを受けました。
しかし、レース後の車検でハムリンの車両が違反により失格という判定。最終順位は2位以下が繰り上がり、ベルが4位、ブランドン・ジョーンズが7位フィニッシュとなりました。
次戦第25戦は9月7日(土)、インディアナポリス・モーター・スピードウェイで行われます。
ドライバー クリストファー・ベル:
「レースを通して作業を続けてくれたチームに本当に感謝しています。ステージ1はアンダーステア症状が強かったもののなんとか走れたので、少しずつ調整していったのですが、その後急に酷いオーバーステア症状となってしまい、そのまま残りのレースを戦わざるを得ませんでした。思い通りのレースとはいきませんでしたが、このチームのために戦えたことに満足しています」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | 00 | コール・カスター | フォード | 147 |
2 | 6 | 2 | タイラー・レディック | シボレー | 147 |
3 | 1 | 12 | ライアン・ブレイニー | フォード | 147 |
4 | 2 | 20 | クリストファー・ベル | トヨタ スープラ | 147 |
7 | 7 | 19 | ブランドン・ジョーンズ | トヨタ スープラ | 147 |
22 | 21 | 99 | ステファン・パーソンズ | トヨタ スープラ | 146 |
23 | 27 | 66 | ティミー・ヒル | トヨタ カムリ | 146 |
25 | 26 | 35 | ジョーイ・ゲイス | トヨタ カムリ | 144 |
30 | 31 | 61 | チャド・フィンチャム | トヨタ スープラ | 133 |
35 | 32 | 13 | トミー・ジョー・マーティンズ | トヨタ カムリ | 61 |
38 | 37 | 18 | デニー・ハムリン | トヨタ スープラ | 147 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | タイラー・レディック | シボレー | 1062 |
2 | クリストファー・ベル | トヨタ | 1011 |
3 | コール・カスター | フォード | 926 |
11 | ブランドン・ジョーンズ | トヨタ | 669 |
24 | ジョーイ・ゲイス | トヨタ | 225 |
26 | ティミー・ヒル | トヨタ | 208 |
27 | ジェフリー・アーンハート | トヨタ | 187 |
28 | チャド・フィンチャム | トヨタ | 185 |
29 | トミー・ジョー・マーティンズ | トヨタ | 159 |
30 | シェイン・リー | トヨタ | 133 |
41 | ステファン・パーソンズ | トヨタ | 56 |
48 | スコット・ヘッカート | トヨタ | 34 |
50 | ジャック・ホークスワース | トヨタ | 32 |
53 | ライアン・エリス | トヨタ | 30 |
57 | ジョン・ジャクソン | トヨタ | 27 |
58 | スタン・マリス | トヨタ | 26 |
70 | コリン・ギャレッット | トヨタ | 11 |
74 | ディック・カース | トヨタ | 7 |
78 | カール・ロング | トヨタ | 1 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | トヨタ | 858 |
2 | シボレー | 858 |
3 | フォード | 856 |