2019年プレスリリース

モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ2019年 第36戦ホームステッド
カイル・ブッシュが2度目のシリーズチャンピオン!
トヨタはマニュファクチャラーズタイトルも獲得

2019.11.18(月)- 19:30配信

カップシリーズの最終戦は、チャンピオン獲得の権利を持つトップ4人による争いを粘り強く走り切ったカイル・ブッシュが制し、自身2度目のドライバーズチャンピオンを獲得。トヨタはマニュファクチャラーズ部門でもタイトルを獲得しました。エクスフィニティ・シリーズではクリストファー・ベルが5位でフィニッシュしランキングは3位。トラック・シリーズではオースティン・ヒルが今季4勝目。トヨタはトラック・シリーズのマニュファクチャラーズ部門とオーナー部門、ルーキー部門でタイトル獲得となりました。

Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第36戦 Ford EcoBoost 400

開催日:11月17日

カイル・ブッシュが2度目のシリーズチャンピオン!
トヨタはマニュファクチャラーズタイトルも獲得

トヨタとともに自身2度目のドライバーズチャンピオンを獲得したカイル・ブッシュ(#18)
トヨタとともに自身2度目のドライバーズチャンピオンを獲得したカイル・ブッシュ(#18)

 11月17日(日)、米国南東部フロリダ州ホームステッドのホームステッド・マイアミ・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第36戦「Ford EcoBoost 400」が開催されました。
 全36戦、40週間にわたる長いシーズンも最終戦を迎えました。シーズン終盤、上位ドライバーの数を絞って年間チャンピオンを争う"プレーオフ"も最後に残った4人による"チャンピオンシップ4"となりました。この4人のうち、今大会最上位でチェッカーを受けたドライバーがシリーズチャンピオンを獲得します。
 今大会の"チャンピオンシップ4"を争う4人は、今季最多の7勝を挙げ、2017年のシリーズチャンピオンであるマーティン・トゥルーエクス・Jr.、今季6勝を挙げているデニー・ハムリン、今季4勝を挙げ、2015年チャンピオン獲得以来5年連続でこの"チャンピオンシップ4"進出を果たしているカイル・ブッシュ、そして同じく4勝の2014年チャンピオン、ケヴィン・ハーヴィック(フォード)と、誰が勝ってもおかしくない顔ぶれとなりました。
 この中で、ハムリンだけがタイトル未経験(最上位は2010年ランキング2位)ですが、このホームステッドでは唯一過去2勝を挙げており、初チャンピオンへの期待は高まりました。

 金曜日に予定されていた2回の練習走行が共に降雨で実施されなかったため、土曜日に予定されていた予選はキャンセルされ、練習走行の時間に充てられました。決勝レースのスターティンググリッドは規定によりオーナーポイント(ドライバーが変わったとしても車両毎に獲得されたポイント)で決され、ハムリンがポールポジション、トゥルーエクス・Jr.が3番手、カイル・ブッシュが4番手と、"プレーオフ"を争う4人が2列目までを占めてスタートすることとなりました。
 17日(日)青空の下、午後3時31分に1.5マイルオーバルを80周、80周、107周の3ステージ合計267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。スタート直後の3ワイド(コース幅をフルに使っての3台横並び走行)でのバトルはハーヴィックが制しましたが、トヨタ勢も離されることなく、21周目にトゥルーエクス・Jr.が首位を奪取。首位に立ったトゥルーエクス・Jr.は後続を大きく引き離し、ステージ1を制しました。カイル・ブッシュは3位、ハムリンが5位。
 ステージ2はピットで2位に上がったカイル・ブッシュがトゥルーエクス・Jr.を一旦かわしますが、すぐに抜き返したトゥルーエクス・Jr.が再び独走態勢へ。カイル・ブッシュはその後方でハーヴィックとのサイド・バイ・サイドのバトルを繰り広げました。
 118周目あたりから各車ピットへ向かい、給油とタイヤ交換。ここで、トゥルーエクス・Jr.はピットクルーが前タイヤを左右逆に着けてしまうという信じられないミスを犯し再ピットイン。周回遅れとなってしまいました。
 しかし、幸運なことにすぐにスピン車両によるイエローコーション(何らかの障害による全車スロー走行指示)が発生。13位のトゥルーエクス・Jr.は、"ラッキー・ドッグ"(イエローコーション発生時に周回遅れ最上位車両が1周取り戻せる救済措置)を獲得し、首位と同一周回に復帰しました。 再スタート後はカイル・ブッシュとハーヴィックの首位争いとなり、これを制したカイル・ブッシュがステージ2をトップチェッカー。トゥルーエクス・Jr.は猛烈な追い上げで、ペースの上がらないハムリンをかわして4位。ハムリンは5位となりました。
 ステージ間のピット作業では鼻の差でカイル・ブッシュが首位をキープ。最前列アウト側を選択したカイル・ブッシュの後には4位のハムリン、イン側に2位のハーヴィック、3位のトゥルーエクス・Jr.と4人が2列目までを占めてステージ3の再スタートが切られると、イン側のハーヴィックがホイールスピンで出遅れ、カイル・ブッシュとハムリンが首位争いを展開。一旦は前に出たハムリンでしたが、ペースに勝るカイル・ブッシュの先行を許すと、その後は追い上げてきたトゥルーエクス・Jr.、ハーヴィックとの三つ巴バトルとなりました。
 一方首位を行くカイル・ブッシュは、日が落ち、コンディションが変わっていく中で後続を引き離し独走態勢。
 給油すれば最後まで走り切れる残り60周を切ったところで、ハムリンがピットイン。カイル・ブッシュが翌周ピットへ向かいました。しかし、ハムリンは冷却温度調整のためにグリルに貼ったテープが、予定以上に開口部を塞いでしまい、オーバーヒート症状に見舞われ再ピットイン。19位へと大きく順位を落としてしまいました。
 また、ハーヴィックもペースが上がらず、ピットインを遅らせる作戦に出ましたがイエローコーションは出ず、大きくポジションダウン。チャンピオン争いは首位を逃げるカイル・ブッシュと、それを追い上げるトゥルーエクス・Jr.に絞られました。
 ピットアウト後は10秒近くあった2台の差は、トゥルーエクス・Jr.がじりじりと詰めて行き終盤には5秒以内となりましたが、カイル・ブッシュは粘り強く周回を続け、トップでチェッカー。第14戦以来勝利のなかったカイル・ブッシュが今季5勝目を挙げて、自身4年ぶり2回目となるシリーズチャンピオンを獲得しました。
 トヨタはこれで参戦13年目にして3度目のドライバーズチャンピオン獲得。また、今季は36戦中19勝を挙げて、マニュファクチャラー部門でも、3度目のタイトル獲得を果たしました。
 レースはトゥルーエクス・Jr.が2位、エリック・ジョーンズが3位に入り、"トヨタ カムリ"は今季最終戦を1-2-3フィニッシュで締めくくりました。

 これで今季のNASCARシーズンは終了。来季は2月16日に行われる伝統の「デイトナ500」で幕を開けます。

ドライバー カイル・ブッシュ:

「チームの誰もが決して諦めず、毎週全力で戦い続けました。最高の結果にならなかった時もあれば、時にはポジションに恵まれなかったこともありました。今日は本当に素晴らしい"トヨタ カムリ"と共に、最後まで全力で戦うことができました。本当に楽しい、最高の1年でした」

リザルト

決勝結果

順位予選No.ドライバー名車種周回
1418カイル・ブッシュトヨタ カムリ267
2319マーティン・トゥルーエクス・Jr.トヨタ カムリ267
31620エリック・ジョーンズトヨタ カムリ267
10111デニー・ハムリントヨタ カムリ267
202195マット・ディベネデットトヨタ カムリ265
293796ドリュー・ヘリングトヨタ カムリ262
334066ティミー・ヒルトヨタ カムリ248

ドライバーズポイント

順位ドライバー名メーカーポイント
1カイル・ブッシュトヨタ5040
2マーティン・トゥルーエクス・Jr.トヨタ5035
3ケヴィン・ハーヴィックフォード5033
4デニー・ハムリントヨタ5027
16エリック・ジョーンズトヨタ2194
22マット・ディベネデットトヨタ699
37ドリュー・ヘリングトヨタ8

マニュファクチャラーズポイント

順位メーカーポイント
1トヨタ1318
2フォード1268
3シボレー1222

NASCAR XFINITY SERIES
第33戦 Ford EcoBoost 300

開催日:11月16日

クリストファー・ベルは5位フィニッシュ
タイトル獲得ならずランキングは3位でシーズン終了

今季
今季"トヨタ スープラ"で8勝を挙げランキング3位となったクリストファー・ベル(#20)とランキング10位となったブランドン・ジョーンズ(#19)

 11月16日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第33戦「Ford EcoBoost 300」がホームステッド・マイアミ・スピードウェイで開催されました。
 同シリーズも"プレーオフ"最終戦の"チャンピオンシップ4"を迎えました。トヨタ勢では、 今季より"トヨタ スープラ"を駆るクリストファー・ベルが最多の8勝を挙げ、最終戦でチャンピオンを争う4人の中に残っています。フル参戦2年目のベルは来季カップ・シリーズへのステップアップが既に発表されており、エクスフィニティ・シリーズをチャンピオン獲得で卒業すべく、この最終戦に臨みました。

 16日(土)午後3時50分、1.5マイルオーバルを45周、45周、110周の3ステージ合計200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。序盤からイエローコーションが多発する展開となる中、ベルはペースが上がらず、ステージ1は12位に終わりました。
 ベルはステージ2で順位を取り戻し2位でステージを終えると、ステージ3をトップで再スタート。"プレーオフ"でタイトルを争うライバルとの三つ巴のバトルを繰り広げました。しかし、この日のベルはロングランでのペースに苦しみ、終盤イエローコーションが出ない展開の中でポジションダウン。また、無線での連絡ミスによりピットへ向かいかけながらも入らず、翌周ピットインするなどタイムロスも喫し、5位でフィニッシュ。この結果、ベルはドライバーズランキング3位でシーズンを終えることとなりました。
 タイトル獲得は叶いませんでしたが、今季よりエクスフィニティ・シリーズに参戦を開始した"トヨタ スープラ"は、デビューイヤーに、同シリーズに参戦している3メーカーで最多となる13勝を挙げる速さを見せました。

ドライバー クリストファー・ベル:

「スタート時からロングランで苦しむことは分かっていました。ピットストップで前に出ても、その後周回が重なるにつれて苦戦を強いられました。無線での連絡ミスで17秒を失いましたが、それは大きな問題ではありませんでした。タイトルは取れませんでしたが、今季は本当に楽しいシーズンでした。この素晴らしいチームで、"トヨタ スープラ"で戦えたことに感謝します。次のレベルに挑戦する準備はできています」

リザルト

決勝結果

順位予選No.ドライバー名車種周回
112タイラー・レディックシボレー200
220コール・カスターフォード200
3598チェイス・ブリスコーフォード200
5720クリストファー・ベルトヨタ スープラ200
8419ブランドン・ジョーンズトヨタ スープラ200
10918ハリソン・バートントヨタ スープラ199
211526コリン・ギャレットトヨタ スープラ198
273535ジョーイ・ゲイストヨタ スープラ193
342413ティミー・ヒルトヨタ スープラ57
352961チャド・フィンチャムトヨタ スープラ53

ドライバーズポイント

順位ドライバー名メーカーポイント
1タイラー・レディックシボレー4040
2コール・カスターフォード4035
3クリストファー・ベルトヨタ4032
10ブランドン・ジョーンズトヨタ2207
24ジョーイ・ゲイストヨタ339
26チャド・フィンチャムトヨタ250
27ティミー・ヒルトヨタ242
28トミー・ジョー・マーティンズトヨタ206
31ジェフリー・アーンハートトヨタ187
34シェイン・リートヨタ133
56スコット・ヘッカートトヨタ34
57ジャック・ホークスワーストヨタ32
59ライアン・エリストヨタ30
60スタン・マリストヨタ29
63コリン・ギャレッットトヨタ27
64ジョン・ジャクソントヨタ27
68ボビー・デール・アーンハートトヨタ16
74カール・ロングトヨタ10
77ディック・カーストヨタ7

マニュファクチャラーズポイント

順位メーカーポイント
1シボレー1191
2フォード1166
3トヨタ1154

NASCAR GANDER OUTDOORS TRUCK SERIES
第23戦 Ford EcoBoost 200

開催日:11月15日

オースティン・ヒルが今季4勝目
トヨタは11回目のマニュファクチャラーズタイトル獲得

今季4勝目を挙げたオースティン・ヒル(#16)と3位に入りオーナータイトル獲得に貢献したクリスチャン・イクス(#51)
今季4勝目を挙げたオースティン・ヒル(#16)と3位に入りオーナータイトル獲得に貢献したクリスチャン・イクス(#51)

 NASCARガンダー・アウトドアズ・トラック・シリーズのシーズン最終戦となる第23戦「Ford EcoBoost 200」が11月15日(金)にホームステッド・マイアミ・スピードウェイで開催されました。
 トヨタ勢はドライバーズ部門チャンピオン争いでの最後の4人"チャンピオンシップ4"に残ることは叶いませんでしたが、他の部門でのタイトル争いはまだ続いており、若手の多いこのシリーズで、来季へと繋げるための激戦が繰り広げられました。

 15日(金)午前中の練習走行は行われましたが、午後に入ると降雨に見舞われ、予選はキャンセルに。決勝スターティンググリッドは規定に則りオーナーポイント順で決定されました。また、決勝のスタート時間も悪天候によりディレイとなり、予定よりも約1時間半遅れの午後9時42分に1.5マイルオーバルを30周、30周、74周の3ステージ合計134周(201マイル:約320km)して競われる決勝レースのスタートが切られました。
 オーナータイトル(車両毎に獲得したポイントで争われる選手権。NASCARは必ずしもシーズンを通して1台を同じドライバーが運転するわけではないため、車両ゼッケンにもタイトルがかけられています)で"チャンピオンシップ4"に残り、タイトルを狙う51号車のクリスチャン・イクスが上位争いを繰り広げる一方、前戦惜しくもチャンピオン獲得権争いから脱落したオースティン・ヒルが速さを見せ、ステージ1,ステージ2共に終盤首位を奪ってトップチェッカー。
 イクスはステージ2の終盤ピットインし、ピットタイミングをずらしてステージ3を首位で再スタート。オーナータイトルを争う24号車(シボレー)、45号車(シボレー)の前のポジションを堅守しながらの周回を続けました。
 オースティン・ヒルは終盤再び首位を奪い返すと独走態勢に。"プレーオフ"を争っている4人を大きく引き無し、今季4勝目のトップチェッカーを受けました。この勝利により、トヨタは2004年の参戦以来16年目で11回目となるマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得。
 また、イクスは2台のライバルよりも前の3位でフィニッシュし、オーナーズチャンピオン(オーナーズポイントで競われるチャンピオンタイトル)を獲得しました。51号車のカイル・ブッシュ・モータースポーツにとっては、チーム創立10年目で7度目のオーナータイトル獲得となります。
 そして、18歳でフル参戦初年度ながら1勝を挙げてルーキー唯一の"プレーオフ"入りを果たしたタイラー・アンクラムが、今季のルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝きました。

ドライバー オースティン・ヒル:

「勝てて嬉しいですが、前戦でもう少し良い結果だったら、勝利とともにチャンピオンも祝えたと思うと複雑です。しかし、素晴らしいチームには感謝していますし、今季4勝目を挙げてシーズンを締めくくれたこと、そしてトヨタのマニュファクチャラーズタイトル獲得に貢献できたことは本当に嬉しいです。最高のシーズンエンドになったと思います」

リザルト

決勝結果

順位予選No.ドライバー名車種周回
1516オースティン・ヒルトヨタ タンドラ134
2988マット・クラフトンフォード134
3251クリスチャン・イクストヨタ タンドラ134
8114トッド・ギリランドトヨタ タンドラ134
131318ハリソン・バートントヨタ タンドラ134
16267ターナー・グレイトヨタ タンドラ133
202054ナタリー・デッカートヨタ タンドラ133
22817タイラー・アンクラムトヨタ タンドラ132
252230ダニー・ボーントヨタ タンドラ132
322415アンソニー・アルフレッドトヨタ タンドラ0

ドライバーズポイント

順位ドライバー名メーカーポイント
1マット・クラフトンフォード4035
2ロス・チャステインシボレー4033
3ブレット・モフィットシボレー4032
5オースティン・ヒルトヨタ2298
8タイラー・アンクラムトヨタ2182
11トッド・ギリランドトヨタ723
12ハリソン・バートントヨタ707
18ブレナン・プールトヨタ300
19ナタリー・デッカートヨタ281
20クリスチャン・イクストヨタ271
22アンソニー・アルフレッドトヨタ240
24チャンドラー・スミストヨタ171
32ラファエル・レサールトヨタ135
34コービン・フォリスタートヨタ107
43デレック・クラウストヨタ64
44ライリー・ハーブストトヨタ61
46ターナー・グレイトヨタ59
47デイビッド・ギリランドトヨタ56
53グレッグ・ビッフルトヨタ45
51ダニー・ボーントヨタ53
56アレックス・タグリアーニトヨタ38
59ライアン・リードトヨタ31
63カイル・ストリックラートヨタ27
75ティム・ワードトヨタ21
84カイル・プロットトヨタ12
86クリス・フォンテイントヨタ10
94カーソン・ウェアトヨタ7

マニュファクチャラーズポイント

順位メーカーポイント
1トヨタ860
2シボレー844
3フォード759