2019年プレスリリース

GRスープラ記者発表会
GAZOO Racing Company プレジデント 友山茂樹
スピーチ要約

2019年5月17日(金)-14:00配信

皆さん、こんにちは。
トヨタ自動車GAZOO Racing Companyの友山です。
GRスープラ、もうお馴染みとなりましたが、改めてご覧になっていかがでしょうか。
かっこ悪いと思う方も、かっこいいと思う方も、だんだん、目が慣れてきたと言う方も、
これからは、ぜひ、街で走るGRスープラをご覧になって、その躍動感を間近に感じて頂きたいと思います。
きっと、皆様の心の中で、今まで忘れかけていた何かが蘇ってくるはずです。
大変お待たせしました。デトロイトモーターショーでワールドプレミアとなりました、
GRスープラが、いよいよ、この日本でも販売開始となります。
3月から開始した注文予約では、3.0Lターボのご予約数が、我々の予想をはるかに上回りまして、
先日リリースした通り、これ以上受け付けできない状況となりました。
大変申し訳ございませんでした…と過去形でお詫びしたのには訳があります。
スープラを少しでも早く手に入れたい…というお客様の声に答えるべく、本日より、受注を再開できることになりました。
受注生産で、納車までお待ち頂くこともありますが、一人でも多くのお客様に、GRスープラを所有する喜び、そして、「Fun to Drive」の真髄をご堪能頂ければと思います。

■Supra is back

(GRスープラ フルスロットル インプレッション映像を流し)世界で活躍するTOYOTA GAZOO Racingのドライバー達が、帰ってきたGRスープラを迎える…、
Supra is back…Supra is back!歓喜の声が聞こえて来そうです。
生産終了から実に17年間、スープラは、世界中で愛され続けて来ました。
TOYOTA GAZOO Racingが、この世に再度、送り出すことができたのは、本日、ご来場の歴代スープラオーナーの皆様初め、世界中のスープラファンの熱い想いが、この17年間、脈々と生き続けてきたからであります。
この場をお借りして、心より御礼申し上げたいと思います。

■モリゾウとスープラ

この「Supra is back」の裏には、今は亡きトヨタのマスタードライバー成瀬と、その全てを引き継いだ、現在のマスタードライバー、モリゾウこと社長の豊田の熱きストーリーがありました。
「ドイツメーカーを見てみろ、開発中の新型車でニュルを走っている、それに比べて、トヨタが、ここで勝負できるクルマは、中古のスープラしかない」
不幸にも、トヨタのマスタードライバーであり、モリゾウの師匠でもあった成瀬は、試作車のテスト中、事故で亡くなりましたが、その言葉が忘れられなかったモリゾウは、いつかスープラを復活させることを決意したのです。
成瀬の死から9年目の昨年10月、ニュルで、自ら、新型スープラの最終テストを行なったモリゾウは、心の中でこうつぶやきました。
「成瀬さん、遂に、新型スープラでニュルに来ました…」
このニュルでのテスト走行を始まりに、レースフィールドへのSupra is backが本格的に始動しました。
既に、ナスカーでは第2戦でベルが初優勝を飾ると、第3戦ではカイル・ブッシュが地元ラスベガスで連続優勝を飾り、参戦早々、その存在感を示しました。
国内では、来年からSUPER GTに、スープラが戻ってきます。さらにトヨタは、バーチャルの世界のモータースポーツ,eモータースポーツ選手権「FIA GTチャンピオンシップ」のオフィシャルパートナーとなり、「GR Supra GT Cup」」を立ち上げました。リアルからバーチャルまで、戦うスープラの新たな姿を、是非お楽しみ頂きたいと思います。

■GRの原点、ニュル24時間耐久レース参戦

来月、いよいよ、TOYOTA GAZOO Racingの原点、世界最大の草レース、ニュルブルクリンク24時間耐久レースにGRスープラで参戦します。
今から、12年前、モータースポーツを、人を鍛え、クルマを鍛える、もっといいクルマづくりの基盤にしようと、現在の社長の豊田と、有志の社員達が、中古のアルテッツァで、ニュル24に参戦しました。
会社の反対を押し切って始めた活動でしたので、チーム名に「トヨタ」と付けられず、GAZOOと名乗りました。
それが、TOYOTA GAZOO Racingの出発点であり、トヨタが作ったトヨタの壁をぶち壊す、という我々の戦いの始まりでした。
今回のGRスープラのニュルへの参戦は、GRの新たな戦いの狼煙が上がることを意味しています。
TOYOTA GAZOO Racingは、単なるマニュファクチャラーではなく、レーシングカンパニーである、
世界中のレースで、その存在感を示すことがGRブランドの根底にある、という宿命を、GRスープラは背負うことになるわけです。

■マットカラーのGRスープラ抽選開始

ところで、この“マット・ストームグレーメタリック”のGRスープラ、いかがですか。
このトヨタブランド初のマットカラーを、今回のニュル24時間耐久レース参戦記念として、24台限定販売したいと思います。
大変申し訳ありませんが、複雑な塗装工程が必要で、数が限られておりますので抽選となります。
本日から約1ヶ月間、専用Webページにて申込みを受付し、レースの決勝が行われる6月22日(土)、23日(日)のレース期間中に、24台の当選者を決定したいと思います。
レースの模様は、TOYOTA GAZOO Racingのウェブサイトでご覧いただけます。
抽選の模様も、レース中継の中で行いますので、是非ご注目頂きたいと思います。

■GRヘリテージパーツ プロジェクト

ここで、もう一つ、重要なお知らせがあります。
TOYOTA GAZOO Racingは、「GRヘリテージパーツ プロジェクト」を立ち上げ、まずは、70/80スープラのパーツ復刻活動を開始します。
今回は、具体的な部品名までをお答えすることはできませんが、少しでも、オーナー様のご期待に応えられるよう努力させて頂きます。

■最後に

自動車産業は100年に一度と言う大変革期を迎えており、将来、クルマは、情報家電のようにコモディティ化する、という説もあります。
そんな中、『スポーツカーは儲からない、スポーツカーは売れない、「Fun to Drive」なんて言う時代じゃない…』と冷ややかに見る方がいることも事実です。しかし、儲からないからと、どんどん止めていったら、その先には、いったい何が残るのでしょうか。
皆さん、考えて見てください。かつての移動手段であった馬は全てクルマに置き換わった、と言いますが、競走馬は残っています。馬をこよなく愛する人も世界中にいます。
自分の意志どおりに、自由に、速く、美しく移動したい、という人間の欲求は普遍的なものであり、それを実現してくれるものに対する人々の感情は、何か、熱く、心ときめくものがあります。
儲からなければ、儲かるようになるまで、売れなければ、買ってもらえるようになるまで、歯を食いしばって、改善を積み重ねる…、それが、トヨタ本来の姿ではないでしょうか。
先日のトヨタ自動車の入社式で、社長の豊田が、
「社長の話なんて、すぐ忘れてしまうんだから、この音と匂いを覚えておいて」と言うのにあわせて、私は、壇上にあったGRスープラのエンジンを思いっきり吹かしました。
クルマは五感で感じるものだ!というDNAを、我々は次の世代へ継承していかなければなりません。
次の100年も、クルマを徹底的に面白くする、TOYOTA GAZOO Racingの挑戦は、
まだ、道半ばですが、お客様の笑顔のために、自動車産業の未来のために、心ときめくクルマづくりに拘り続けて行きたいと思います。
これからも皆様のご支援をよろしくお願い致します。