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ラリーチャレンジ2016年 第1戦 千歳

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ラリーチャレンジ2016年 第1戦 千歳 レポート

ついに開幕したラリーチャレンジ2016!初戦は雪も溶かす熱い戦い!

2月21日(日)、ラリーチャレンジの2016年シーズンが幕を開けた。TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジと名称を変更して初の開催となる本シリーズは、日本各地で計16戦が開催されることとなる。

初戦の舞台となるのは北海道千歳市。新千歳国際空港すぐそばにある地元のモータースポーツ好き、走り好きが集って腕を磨いている場である「新千歳モーターランド」のダートコースでのスノーステージとなった。普段はダートコースとして利用されているコースだが、冬季期間はスノーラリーの名所として人気の高いコースとなる。

北海道ラリー地区戦との併催として開催された本戦には、ラリーチャレンジクラスにエントリーした12台と合わせ、42台ものラリーカーが集結した。数日前の雨が路面に水たまりを残す中、当日未明に降った大雪で難しいコースコンディションとなることが予想されたが、参加者達は暴れるマシンを巧みにコントロールし、スノーラリーを楽しんでいた。

千歳ラウンドは6つのSS(スペシャルステージ)で構成。すべて千歳モーターランド内での観戦が可能なSSとなるため、ラリーカーの迫力の走りを間近で一目見ようと朝から多くの観客が訪れた。

セクション1は千歳モーターランドの2つのコースを長い直線で結んだ2.5kmほどの二本のSS。未明に積もった雪と路面に残った雨が混ざりシャーベット状態となったコースは、多くのマシンの挙動を奪っていく。スタックしてオフィシャルに救助された車両にはSSタイムとして10分が与えられるため、いかにコース内にマシンを留めるかがポイントとなる。

セクション2はセクション1と同じSSを二本走行することとなるが、ラリーが進むにつれてシャーベット状態だった箇所の雪が溶けコースが徐々に走りやすくなっていく。

今回、最もエントリーが多かった86エキスパートクラス(E-2)には5台がエントリー(うち1台は不出走)。スノーステージでは不利なハイパワーFRマシンだが、果敢にアタックしギャラリーを沸かせた。しかしスタックする車両が続出し、セクション2までで4台中3台に10分タイムが記録されてしまう。唯一ペナルティを課されていない伊豆野・東山組はSSタイムでもクラストップタイムを連発し、独走体制でセクション3を迎えることとなった。

E-2クラスの伊豆野・東山組

後輪駆動の86にとっては難しい路面状態となったが、E-2クラスの伊豆野・東山組は暴れるマシンを巧みに操り勝利を手にした。

地元からC-2クラスに参戦した西野・吉野組のタイムアタック

大勢のギャラリーが見守る中でのSSアタック。地元からC-2クラスに参戦した西野・吉野組にも多くの応援の声が飛んだ。

セリカでE-3クラスに参戦した地元ラリーストの米屋・山崎組

セリカでE-3クラスに参戦した米屋・山崎組。最終SSで無念のコースオフとなったが、地元ラリーストならではの迫力の走りを見せた。

荒れたコンディションとなる中、軽量FFの特性を活かしたヴィッツ・アクア勢が好走を見せる。なかでも、2015年E-1クラスチャンピオンの行徳・吉澤組ヴィッツと地元から参戦の西野・吉野組ヴィッツが好走を見せた。ヴィッツエキスパートクラス(E-1)に参戦の行徳・吉澤組は序盤から総合トップタイムを連発し他車を寄せ付けない。ヴィッツチャレンジクラス(C-2)に参戦する西野・吉野組も、そのタイムに数秒差で追いすがるが、SS4でコースオフしてしまいタイム加算で順位を落としてしまった。

他車がタイム加算で次々と脱落していくなか、今年から新設されたアクアクラス(C-0)に参戦する笠原・竹下組が徐々に順位を上げていくこととなる。

雪が溶け路面が露出することによって、走りやすくなってきた路面コンディションで各車好走を見せることとなる。クラストップタイムで最終SSを迎えたE-2クラス伊豆野・東山組は、無理をしない丁寧な走りで完走し見事クラス優勝を飾った。

SS4で涙を呑んだC-2西野・吉野組だったが、地元の意地を見せSS5における総合トップタイムを記録する。首位の行徳・吉澤組もそれに次ぐ好タイムでフィニッシュし、見事総合優勝を飾った。

また、トヨタ車クラス(E-3)にセリカで参戦し、セクション2終了時点で総合2位と健闘した地元の米屋・山崎組だったが、SS5で無念のコースオフを喫する。これにより、C-0クラスで好走した笠原・竹下組が総合2位に順位を上げ、ラリーを終えることとなった。今年で独立クラスが終了する初代ヴィッツクラス(C-1)では、2015チャンピオンの小林組がベテランならではの落ち着いた走りを見せ、E-2クラスに勝るタイムでフィニッシュした。

路面コンディションの変化

セクションが進むにつれ雪が解け、地面が露出していく。路面コンディションの変化にドライビングを順応させられるかが勝利の鍵を握る。

ヴィッツに引けをとらないタイムを刻むアクアの走り

今年から開設されたアクアクラス。ヴィッツに引けをとらないタイムを刻むアクアの走りは、モータースポーツの新しい風を感じさせる。

初代SCP10ヴィッツ限定となるC-1クラスのファイナルシリーズ

初代SCP10ヴィッツ限定となるC-1クラスのファイナルシリーズ。昨年クラスチャンピオンの小林組が好スタートを切った。

Rally DataTOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ in 千歳

  • 主催

    AG.メンバーズスポーツクラブ北海道
    新千歳モーターランド・ダートトライアルコース
    > Web Site

    北海道千歳市泉沢1719番地

  • 開催日

    2016年2月21日(日)

  • セレモニアルスタート会場

    新千歳モーターランド

  • サービスパーク

    新千歳モーターランド

  • ゴール会場

    新千歳モーターランド

  • セクション数/SS本数

    3/6本

  • SSトータル距離/総走行距離

    12.54km/15.05km

  • 参加台数

    12台
    C-0 1台/C-1 1台/C-2 3台/C-3 0台
    E-1 1台/E-2 5台/E-3 1台

  • 出走台数/完走台数

    11台/11台

PICKUP!アクアで好走!ラリー界の新星となるか!?

今回C-0クラスに参戦した学生の笠原選手は、なんと今回がドライバーデビューとなる。父親の影響で子供の頃からラリーに興味があり、昨年コ・ドライバーとして念願のラリーデビューを果たした。今回は、全日本選手権に数多く参戦する地元北海道出身の名コ・ドライバー竹下紀子選手をパートナーに迎えて、アクアでの参戦となった。

「まずコースに留まることが一番大事ということを頭において慎重にアタックした」という笠原選手だったが、竹下選手の的確な指示もあり序盤から好タイムを記録し、デビュー戦にも関わらず終わってみれば総合2位という素晴らしい結果で終えた。

ラリー終了後、結果を知り嬉しさで涙ぐむ場面もあった笠原選手。初々しいラリー界の新星の今後に期待したい。

また、アクアのラリーカーとしての素性の良さも垣間見ることとなり、今後のC-0クラスに注目が集まる。

アクアで好走!ラリー界の新星となるか!?

ベテラン竹下選手をコ・ドライバーに迎えて、ラリードライバー初挑戦となった笠原選手。慎重に、時に熱く攻め、ラリーを楽しんだ。

クラス別順位

E-2

順位 ドライバー / コ・ドライバー / 車名
1 伊豆 野康平 / 東山 徹大 / トヨタ 86
2 高桑 昌基 / 前鼻 一洋 / トヨタ 86
3 若松 仁 / 神谷 巌 / トヨタ 86

E-3

順位 ドライバー / コ・ドライバー / 車名
1 米屋 賢吾 / 山崎 和政 / トヨタ セリカ

E-1

順位 ドライバー / コ・ドライバー / 車名
1 行徳 聡 / 吉澤 慎司 / トヨタ ヴィッツ

C-2

順位 ドライバー / コ・ドライバー / 車名
1 白洲 剛 / 宮下 貴光 / トヨタ ヴィッツ
2 西野 義人 / 吉野 学典 / トヨタ ヴィッツ
3 大貫 由季 / 大貫 寿 / トヨタ ヴィッツ

C-1

順位 ドライバー / コ・ドライバー / 車名
1 小林 直広 / 小林 紀子 / トヨタ ヴィッツ

C-0

順位 ドライバー / コ・ドライバー / 車名
1 笠原 彰人 / 竹下 紀子 / トヨタ アクア