2016年全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦 富士
J.P.デ・オリベイラが終盤の逆転で今季初勝利!
中嶋一貴が悔しい2位。関口雄飛が3位で初表彰台獲得
2016.07.17(日)- 20:00配信
7月17日(日)富士スピードウェイで全日本スーパーフォーミュラ選手権の第3戦が行われ、終盤の逆転で首位に立ったジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が今季初勝利。オリベイラにかわされるまで首位を快走した中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)が惜しくも2位。素晴らしいファイトで観客を沸かせた関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が3位に入り、デビュー3戦目にして初表彰台を獲得した。迫力のバトルが数多く繰り広げられたレースで、トヨタエンジンはトップ7を独占した。
7月16日(土)〜17日(日)の両日、静岡県駿東郡小山町に位置する富士スピードウェイで「2016 全日本スーパーフォーミュラ選手権 第3戦」が開催された。
前戦岡山から約1ヶ月半。舞台は長いストレートを誇るトヨタのホームコース、富士へと移った。開幕戦での雪辱を果たすべく臨んだ前戦岡山では、ディフェンディングチャンピオンの石浦 宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が貫禄のポールポジションを獲得。決勝は悪天候によりセーフティカー走行のまま短縮終了となったものの、石浦が優勝を果たした。トヨタ勢は「ホーム」富士での連勝を目指し臨んだ。
今大会の開催に先立ち、熊本地震の影響により中止が発表されていた今季第5戦オートポリスは、岡山国際サーキットで代替レースが行われることが発表された。9月10日(土)、11日(日)の両日に予選、決勝を行う2レース制で開催される。
今季初勝利を挙げたジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL:中央)と2位の中嶋 一貴(VANTELIN TEAM TOM'S:左)、初表彰台を獲得した関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL:右)
予選
16日(土)は未明からの雨と、断続的な霧雨により朝のフリー走行はウェットコンディション。昼前には一時雨が止み、部分的に路面が乾くこともあったが、その後再び降り始めた雨により、予選はウェットコンディションでスタートすることとなった。
ほぼ雨は止んだ状態の午後2時45分にQ1(20分間)が開始され、全車コースイン。厳しいコンディションの中、各車は徐々にタイムを削っていった。トヨタ勢は全体的に上位を争う中、中嶋 一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)が苦戦。脱落ライン上での争いとなり、ファイナルラップで何とか13番手のタイムをマーク。Q2進出を決めた。これに押し出される形で中山 雄一(KCMG)が僅か0.003秒差の15番手でノックアウト。ウィリアム・ブラー(KONDO RACING)が16番手グリッドとなり、トヨタ勢は残る9台がQ2進出を決めた。
10分間のインターバルの後にQ2(7分間)がスタート。徐々に路面状況が好転していく中、石浦がトップタイムをマーク。中嶋一貴もファイナルラップで一気にタイムを詰め、4番手。チームメイトのアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)は、終盤前走車に詰まりながらもなんとか8番手でQ3進出を果たしたが、小林 可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS)がロッテラーに0.05秒差の9番手でQ2進出ならず。ジェームス・ロシター(KONDO RACING)が11番手、ナレイン・カーティケヤン(SUNOCO TEAM LEMANS)が12番手、国本 雄資(P.MU/CERUMO・INGING)が13番手でQ2敗退となった。
最後の7分間、8台で競われるQ3は、石浦を先頭にコースイン。路面が乾いて行くことでタイムは周回毎に向上、僅差でタイムを塗り替えあう展開となった。
セッション終了ぎりぎりでファイナルラップに突入した石浦は、渾身のアタックを見せたが、僅かに及ばず2番手。ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL) が5番手、中嶋一貴6番手。チェッカーを受けた時点でトップにつけていたロッテラーは、最終周で次々にタイムを塗り替えられ、結局7番手で予選を終えた。Q3の8台は全車がほぼ0.5秒以内、中でも4番手から8番手までの5台は0.08秒差と、今大会も僅差の予選となった。
決勝
17日(日)は、朝方は路面が濡れていたものの、雨は降らず、昼には路面は完全ドライに。決勝レース直前のウォームアップ走行で、この週末初めて完全なドライでの走行を試すこととなった。
空は雲が覆い、気温25度、路面温度27度というコンディションで午後2時に開始されたフォーメーションラップの後に、55周で行われる決勝レースのスタートが切られた。最前列2番手の石浦は好スタートを切ったが、TGRコーナー(第1コーナー)進入のブレーキングで速度を落としきれず、コーナー立ち上がりでオーバーラン。ポールポジションの車両もオーバーランしたことで、オリベイラが首位に浮上。3列目6番手から抜群のスタートを切った中嶋一貴が続いた。4周目の最終コーナーでオリベイラがミスした隙を突き、中嶋一貴が首位に立つと、この2台が周回毎に3位以下を引き離していった。
14周目、早めのピット作戦を採っていた国本がTGRコーナー立ち上がりでスピン。セーフティカーが導入された。ここで上位勢は一斉に給油のためにピットイン。上位勢には大きな順位変動は無く、再スタート後も中嶋一貴とオリベイラが再び後続を引き離していった。
上位2台が3位以下を引き離す一方で、早めのピットイン作戦を採り、再スタートで6位にポジションを上げていたロッテラーが猛追。前を行く関口を何度も攻めるが、関口は一歩も譲らず、激しいバトルを繰り広げた。
20周以上に渡って接近戦を繰り広げた2台は、徐々に前の車両との差も詰めていき、40周目には4台での3位争いに。46周目には、関口が前を行くストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)のインをついてパス。翌周のストレートではロッテラーも関口に続いた。更に続く激しいバトルの中、48周目にバンドーンがTGRコーナーの進入でスピンからコースアウトを喫すると、後方で順位を争いながら追い上げていたロシター、カーティケヤン、石浦の3台もポジションアップ。トヨタ勢がトップ7を独占する状況となった。
首位争いは2秒ほどの差で推移していたが、終盤オリベイラがペースアップ。TGRコーナーでスピン車両による黄旗が振られたこともあり、2台の差は一気に詰まり、テール・トゥ・ノーズのバトルに。オーバーテイクシステムを共に使い合いながらの激しい首位争いが展開されたが、51周目のTGRコーナー進入でついにオリベイラが中嶋一貴をパスして首位を奪取。
オリベイラはそのまま逃げ切ってトップチェッカーを受け今季初勝利。昨年の富士大会以来1年ぶり、2年連続となる勝利を挙げた。中嶋一貴は2位フィニッシュ。3位には、ロッテラーの猛追を凌ぎ切り、後半のバトルで観客を湧かせた関口が入り、トップフォーミュラデビュー3戦目で初の表彰台を獲得した。
ロッテラーが4位。ロシターが5位。6位争いは最後までカーティケヤンを追っていた石浦が、ファイナルラップの最終コーナー立ち上がりで勝負を懸け、2台はほぼ並んだままフィニッシュラインを通過。僅か0.007秒差で石浦がこの勝負を制し、6位フィニッシュ。カーティケヤンが7位に入り、トヨタエンジンは「ホーム」富士でトップ7を独占。国内トップフォーミュラにおける夏の富士大会で7年連続勝利を飾ることとなった。
ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 19号車 ドライバー ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ:
良いスタートが切れて、1コーナー進入はアウト側のポジションにつけ、イン側の2台が止まりきれずにコースアウトしたので、首位に立てた。(中嶋)一貴が追ってきたためプッシュしたが、最終コーナーでやってはいけないミスをして、抜かれてしまった。その後は、追い抜きは非常に難しいレースになると思い、タイヤを出来る限り温存してチャンスを待った。最後は黄旗で差を詰めて、そのチャンスを活かしてパスすることが出来て良かった。私自身にとってのトップフォーミュラ10勝目も嬉しいが、頑張ってくれたチームのためにも、(関口)雄飛と共に2台が表彰台に上れたことを喜んでいる。
VANTELIN TEAM TOM'S 37号車 ドライバー 中嶋一貴:
今朝の走行から好感触で、タイムも良かったのである程度いいレースが出来るとは思っていた。グリッドは6番手だったが、スタートで2位に上がることが出来、JP(デ・オリベイラ)のミスもあって首位に立てた。前半はペースが良く、引き離すことが出来たが、最後の20周くらいは彼の方がペースが良くなり、苦しいレースだった。残り周回も少なかったので、オーバーテイクシステムも駆使し、何とか首位を守ろうと頑張ったが、守り切れず、その点は残念ではある。ただ、今シーズンはまだまともなレースが出来ておらず、前2戦はレースペースも、予選も良くなかったので、今日は満足のいくレースとは言えないが、少なくとも復調へのきっかけにはなったと思う。選手権のポイントでは皆あまり離れていないので、これが開幕戦のつもりで、これからのシーズンを戦って行きたい。
ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 20号車 ドライバー 関口雄飛:
決勝直前のウォームアップで初めて完全なドライで走ったが、クルマはそんなに悪い感じはしなかったので、大きなセット変更無くレースに臨んだ。前半の燃料を積んだ状態ではトラクションが悪くてペースが上がらず、苦しかった。(アンドレ)ロッテラー選手が、ダウンフォースを失いつつも激しく攻めてきて、何度か危ない場面もあったが、ブレーキングでは、止まれなくてもいいから絶対に引かない、という意識で粘り続けた。あそこでポジションを守り切れたからこその3位だと思う。ここに来るまで、苦しい期間を過ごしてきたが、その間も支えてくれたスポンサーさんや、その後迎え入れてくれたトヨタやバンドウチーム、そして、精神的に厳しかった時に助けてくれた脇阪さんのおかげで、このチャンスをつかめた。ここまでの2戦、早く結果を出したかったが、色々不運などもあり、なかなか結果を出せない中、何とか3戦目で3位になれて良かった。バトルの時に、うちの監督がガンガン行け、と背中を押してくれたことも大きかった。本当に感謝している。
リザルト
決勝
| 順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム | エンジン |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 19 | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL | 55 | 1:25'12.917 | 3 | 1'41.132 | TOYOTA RI4A |
| 2 | 37 | 中嶋 一貴 | VANTELIN TEAM TOM'S | 55 | 2.836 | 6 | 1'41.240 | TOYOTA RI4A |
| 3 | 20 | 関口 雄飛 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL | 55 | 28.542 | 5 | 1'41.238 | TOYOTA RI4A |
| 4 | 36 | アンドレ・ロッテラー | VANTELIN TEAM TOM'S | 55 | 31.889 | 7 | 1'41.268 | TOYOTA RI4A |
| 5 | 3 | ジェームス・ロシター | KONDO RACING | 55 | 38.349 | 11 | 1'44.144 | TOYOTA RI4A |
| 6 | 1 | 石浦 宏明 | P.MU/CERUMO・INGING | 55 | 43.344 | 2 | 1'41.050 | TOYOTA RI4A |
| 7 | 7 | ナレイン・カーティケヤン | SUNOCO TEAM LEMANS | 55 | 43.351 | 12 | 1'44.402 | TOYOTA RI4A |
| 8 | 10 | 塚越 広大 | REAL RACING | 55 | 50.014 | 10 | 1'43.812 | HONDA HR-414E |
| 9 | 18 | 中山 雄一 | KCMG | 55 | 59.488 | 15 | 1'45.147 | TOYOTA RI4A |
| 10 | 8 | 小林 可夢偉 | SUNOCO TEAM LEMANS | 55 | 1'17.804 | 9 | 1'43.519 | TOYOTA RI4A |
| 11 | 11 | 伊沢 拓也 | REAL RACING | 54 | 1Lap | 17 | 1'46.041 | HONDA HR-414E |
| 12 | 34 | 小暮 卓史 | DRAGO CORSE | 54 | 1Lap | 19 | 1'46.234 | HONDA HR-414E |
| 13 | 40 | 野尻 智紀 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 54 | 1Lap | 18 | 1'46.046 | HONDA HR-414E |
| 14 | 65 | ベルトラン・バゲット | NAKAJIMA RACING | 51 | 4Laps | 4 | 1'41.210 | HONDA HR-414E |
| 41 | ストフェル・バンドーン | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 47 | 8Laps | 1 | 1'40.778 | HONDA HR-414E | |
| 4 | ウィリアム・ブラー | KONDO RACING | 40 | 15Laps | 16 | 1'45.322 | TOYOTA RI4A | |
| 16 | 山本 尚貴 | TEAM 無限 | 40 | 15Laps | 14 | 1'45.239 | HONDA HR-414E | |
| 2 | 国本 雄資 | P.MU/CERUMO・INGING | 14 | 41Laps | 13 | 1'44.636 | TOYOTA RI4A | |
| 64 | 中嶋 大祐 | NAKAJIMA RACING | 8 | 1'41.289 | HONDA HR-414E |
ドライバーズポイント
| 順位 | ドライバー名 | エンジン | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | 山本 尚貴 | HONDA HR-414E | 13 |
| 2 | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | TOYOTA RI4A | 10 |
| 3 | 国本 雄資 | TOYOTA RI4A | 9.5 |
| 4 | 石浦 宏明 | TOYOTA RI4A | 9 |
| 6 | 中嶋 一貴 | TOYOTA RI4A | 8 |
| 7 | アンドレ・ロッテラー | TOYOTA RI4A | 7.5 |
| 9 | ジェームス・ロシター | TOYOTA RI4A | 7 |
| 10 | 関口 雄飛 | TOYOTA RI4A | 6 |
| 14 | ナレイン・カーティケヤン | TOYOTA RI4A | 2 |