2016年プレスリリース

2016年全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦鈴鹿 JAFグランプリ
国本雄資が逆転で悲願のドライバーズチャンピオン!
国本/石浦のP.MU/CERUMO・INGINGが初のチームタイトル獲得

2016.10.30(日)- 20:00配信

スーパーフォーミュラの最終戦が鈴鹿サーキットで2レース制として行われた。ランキング2位として今大会に臨んだ国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)がレース1で今季2勝目を挙げてランキング首位に浮上。国本は波乱のレース2で冷静に6位入賞を果たしてその座を守り、トップフォーミュラ参戦6年目にして悲願のシリーズチャンピオンを獲得した。

 10月29日(土)と30日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦「第15回JAF鈴鹿グランプリ」が開催された。
 全7戦で戦われているスーパーフォーミュラもいよいよ最終戦。ここまで6大会7レースを終えた時点で、複数回勝利を挙げているのは現在ランキングトップに付ける関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)のみ。前戦までレース毎に異なる勝者が誕生し、ランキング上位6名が9ポイント差にひしめいての最終戦を迎えた。
 シーズン最終戦となる今大会は2レース制で行われ、各レース毎に与えられるポイントは通常の半分となるが、特別ボーナスとして、各レースの勝者には通常ポイントに加え3ポイントが与えられる。ポールポジションの1ポイントを加えれば、今大会は最大18ポイントを獲得可能。計算上、最大の18ポイントを獲得することでタイトルの可能性を残すのは12名となっているが、事実上は自力でのタイトル獲得が可能な上位6名の争いとなった。
 ルーキーイヤーながらそれを感じさせない存在感を示し、前戦SUGOで圧倒的な強さを見せて今季2勝目、ランキング首位で最終戦に臨む関口。これを4.5ポイント差で追うのが、第5戦第2レースで悲願のシリーズ戦初勝利を挙げた国本。そして、今季序盤苦しみ、未だ勝利がないものの着実にポイントを稼ぎ、ランキング3,4位につけるのがアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)と中嶋 一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)のトムス元チャンピオンコンビ。そしてディフェンディングチャンピオンの石浦 宏明(P.MU/CERUMO・INGING)もタイトル獲得の可能性を残し僅差で追う最終戦となった。

レース1で勝利、レース2は6位に入り悲願のドライバーズチャンピオンを獲得した国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING) レース1で勝利、レース2は6位に入り悲願のドライバーズチャンピオンを獲得した国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)

予選

 29日(土)予定より5分遅れとなる午後2時20分より予選が行われた。今大会は2レース制で実施されるため、Q1の結果でレース1のスターティンググリッド、通常通りノックアウト方式のQ2、Q3でレース2のグリッドが決定された。
 レース1のグリッドを決定するため、通常よりも重要度の高いQ1は、予選開始時間のかなり前から多くの車両がピットロードで待機。セッション前半に全車1度アタックを終えたところでピットへと戻り、残り7分ほどで再アタックに入った。
 ここで石浦がコンマ3秒以上ライバルを引き離すトップタイムをマーク。チームメイトの国本が2番手で続き、タイトルを争うP.MU/CERUMO・INGINGの2台がレース1のフロントローを占めることとなった。
 ロッテラーが最後にマークしたタイムで4番手。中嶋一貴が6番手と、タイトルを争うドライバーが着実に好位置につける一方で、関口はタイムが伸びず苦戦。13番手と後方グリッドに沈んでしまった。
 10分間のインターバルの後に開始されたQ2(7分間)は、石浦がマークしたタイムを国本が上回ってトップに。Q1に続き好調なP.MU/CERUMO・INGING勢が1-2につけた。中嶋一貴が7番手、再び最後にアタックタイムを刻んだロッテラーが8番手でQ3へと進出。関口はここでも13番手に終わり、レース2も13番手と後方からの追い上げを余儀なくされることとなった。
 Q3(7分間)も国本と石浦がセクター毎のトップタイムを塗り替え合う接戦となったが、ここにストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が割って入る僅差の争いに。しかし、石浦が0.005秒差でこの争いを制し、レース1に続きレース2でもポールポジションを獲得。貴重なボーナスポイント2点を獲得することとなった。
 ロッテラーはこのQ3で5番手、中嶋一貴が6番手となり、レース2ではVANTELIN TEAM TOM'Sの2台が3列目に並ぶこととなった。

レース1決勝

 30日(日)、好天に恵まれるも気温17度、路面温度19度とやや肌寒いコンディションの中、午前9時45分にレース1(19周:ピット義務無し)のスタートが切られた。
 最前列2番手の国本が抜群のスタートを切りトップに浮上。4番手グリッドのロッテラーも見事なダッシュで2位へジャンプアップを果たす一方、ポールポジションの石浦はこの2台に続く3位へと後退してしまった。
 首位に立った国本は好ペースで逃げるが、2位のロッテラーもファステストラップをマークしながら追走。序盤から首位を争う2台が3位以下を大きく引き離して行く展開となった。
 後方では、6番手グリッドからひとつポジションを上げた中嶋一貴が前車をプッシュ。また、ランキング首位で13番手からスタートを切った関口は、1周目で10位までポジションアップ。更にチームメイトのオリベイラをかわすと、ポイント獲得を目指し、前を行く8位のバンドーンに激しくアタック。
 巧妙なブロックに阻まれながら、再三に渡ってテール・トゥ・ノーズで攻め続けた関口だったが、15周目のシケイン2つめで追突。バンドーンはスピンを喫し、関口は8位へとポジションを上げた。
 首位を逃げる国本は、レースを通して2位ロッテラーに1秒以上の差を保ったまま走行を続け、トップでチェッカー。今季2勝目を挙げ、ランキング首位に躍り出た。ロッテラーが2位、石浦が3位、中嶋一貴は5位フィニッシュ。関口は8位でチェッカーを受けたが、レース後、接触による30秒加算のペナルティを科され、ポイント圏外の18位という最終結果に。
 この結果、タイトル争いは国本、関口、ロッテラー、石浦の4名のみに絞られ、レース2を迎えることとなった。

レース2決勝

 午後2時45分、気温22度、路面温度28度というコンディションの中、35周(タイヤ交換義務あり)の決勝レースがスタート。
 スタートではポールポジションの石浦がかわされ、2位に後退、3列目5番手、6番手のロッテラーと中嶋一貴が3位、4位に浮上、3番手グリッドだった国本はスタートを失敗。6位に順位を落としてしまった。
 1周目終了時点で中嶋一貴ら数台、翌周には関口や小林、3周目終了時にオリベイラと序盤から次々に後方勢はピットへ。
 一方で、タイトル獲得には優勝しかない石浦は首位バンドーンを1秒ほどの差で追走。12周を終えたところで、3位のロッテラー、16周目を終えたところで、首位のバンドーンと石浦が同時にピットへ。この3台は順位を変えることなく、先にピットインしていた中では先頭のオリベイラの前に復帰した。
 これで、ピットに入らず残ったのは国本と18番手スタートのロシターの2台。国本は徐々にペースを上げ、いつピットに入るかと思われた24周目、スプーンコーナー立ち上がりでクラッシュが発生し、セーフティカーが導入。このタイミングで国本とロシターがピットへ向かった。
 最後に作業を終えた国本とロシターは、7位、8位でコースへ復帰。このままの順位で終われば国本のチャンピオンが決まるが、逆転タイトルのための優勝を目指し、マージンの詰まった2位石浦と3位ロッテラーが猛追を開始した。
 27周目、残り9周で再スタートが切られたが、最終コーナー付近でまたもクラッシュが発生し、再度セーフティカーが導入。レースは残り4周の超スプリントで再開されることとなった。
 再スタートで好ダッシュを見せたロッテラーはストレートで前を行く石浦に並び、1コーナーでパス。首位バンドーンとの差をじりじりと詰めていった。
 一方、7位につけていた国本は、再スタートでロシターにかわされたが、そのロシターがS字コーナー付近で他車とのバトルの末に接触。直後にいた国本はこれを間一髪でかわし、6位へとポジションを上げた。
 ロッテラーはファイナルラップには首位との差を1秒以内まで詰めたが、逆転には至らず2位フィニッシュ。石浦が3位。そして国本は6位でチェッカーを受け、トップフォーミュラ参戦6年目にして、悲願のドライバーズタイトル獲得を決めた。国本はこの日最多ポイント獲得ドライバーに与えられるJAFグランプリも獲得。
 また、今大会の結果、国本と石浦の所属するチーム、P.MU/CERUMO・INGINGが初のチームタイトルも獲得することとなった。

P.MU/CERUMO・INGINGが初のチームタイトルを獲得した
P.MU/CERUMO・INGINGが初のチームタイトルを獲得した
シリーズタイトルを獲得した国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING #2)
シリーズタイトルを獲得した国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING #2)

P.MU/CERUMO・INGING 2号車 ドライバー 国本雄資:

本当に長くて辛いシーズンだったが、こうしてチャンピオンを獲得することが出来てすごく嬉しいし、ほっとしている。昨シーズン、チームメイトの石浦さんがチャンピオンを取ったのに自分は及ばず苦しいシーズンだったので、今年こそはと思ってシーズンオフから色々なことにトライして、全てを変える意識で挑んだ。開幕戦で2位、岡山の2レース目で初優勝を果たせるなど、やってきたことが少しずつ結果に表れているという実感もあったし、自分の中でも少しずつ自信が付いて、最後のレースも絶対にチャンピオンを取ってやると言う強い気持ちで鈴鹿に入った。レース1では、最高のスタートを切ることが出来、キャリアベストと思えるほどのレースだった。レース2はちょっと上手く行かないところもあったが、周りの状況を冷静に見ながら、最後まで自分のレースをすることが出来た。去年悔しい思いをした分、このシリーズタイトルには重みがあるし、本当に嬉しい。この結果は応援し、支えてくれたチームやファンの皆様のおかげだと感謝している。

VANTELIN TEAM TOM'S 36号車 ドライバー アンドレ・ロッテラー:

今日は良いレースが出来たと思うが、あとひとつ上でフィニッシュ出来ればタイトルに手が届いたと思うと、複雑な気分だ。とはいえ、シーズンを通して振り返ると、やはり速さが足りなかったところもあり、最後まで諦めずに戦ったが僅かに及ばなかった。今年は最終戦まで多くのドライバーが僅差でタイトルを争う厳しいシーズンだった。私自身はこれまでにも何度も最終戦でタイトルを獲得し損ねてランキング2位になっており、このシリーズのポイントシステムでは往々にしてこういうことはある。今日はシーズン最後のレースで可能な限りハードにプッシュ出来たし満足している。

P.MU/CERUMO・INGING 1号車 ドライバー 石浦宏明:

レース2ではレース1よりも良いスタートが切れて、自分的には納得のいくものだったのでこれなら抜かれないかと思ったのだが、ストフェル(バンドーン)選手のスタートがそれ以上に、驚くほど速かった。スタート、そしてセーフティカーからのリスタートでもポジションを失うなど、あまり良いレースが出来たとは言えないが、かなり差のある状況で今大会に臨み、両レースでポールを取って、2戦とも表彰台に乗れたというのは悪くなかったと思うし、チーム全体で最後まで諦めずに戦い、僕も表彰台に乗ったことでチームチャンピオンにも貢献出来たのは良かった。去年僕がドライバーチャンピオンを取れたので、今年はチームチャンピオンも目指してチーム一丸でやってきた。本当はドライバーズタイトルも僕が取りたかったので悔しい気持ちもあるが、チームが目指していたものを全部取れたという意味では嬉しく思っている。

リザルト

レース1決勝

順位No.
ドライバー
チーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
12国本 雄資P.MU/CERUMO・INGING1931'58.80921'37.801TOYOTA RI4A
236アンドレ・ロッテラーVANTELIN TEAM TOM'S191.77241'37.884TOYOTA RI4A
31石浦 宏明P.MU/CERUMO・INGING1913.08711'37.453TOYOTA RI4A
440野尻 智紀DOCOMO TEAM DANDELION RACING1922.14031'37.833Honda HR-414E
537中嶋 一貴VANTELIN TEAM TOM'S1924.14361'38.048TOYOTA RI4A
665ベルトラン・バゲットNAKAJIMA RACING1924.95151'37.941Honda HR-414E
734小暮 卓史DRAGO CORSE1927.08781'38.239Honda HR-414E
819ジョアオ・パオロ・
デ・オリベイラ
ITOCHU ENEX TEAM IMPUL1936.271121'38.525TOYOTA RI4A
98小林 可夢偉SUNOCO TEAM LEMANS1936.539101'38.484TOYOTA RI4A
1064中嶋 大祐NAKAJIMA RACING1936.811111'38.491Honda HR-414E
1110塚越 広大REAL RACING1937.446141'38.761Honda HR-414E
123ジェームス・ロシターKONDO RACING1937.904181'39.076TOYOTA RI4A
134ウィリアム・ブラーKONDO RACING1942.761171'39.006TOYOTA RI4A
1418中山 雄一KCMG1943.071151'38.788TOYOTA RI4A
157ナレイン・カーティケヤンSUNOCO TEAM LEMANS1943.301161'38.916TOYOTA RI4A
1611伊沢 拓也REAL RACING1947.440191'39.469Honda HR-414E
1741ストフェル・バンドーンDOCOMO TEAM DANDELION RACING1948.28271'38.153Honda HR-414E
1820関口 雄飛ITOCHU ENEX TEAM IMPUL191'05.359131'38.592TOYOTA RI4A
1916山本 尚貴TEAM 無限181Lap91'38.288Honda HR-414E

レース2決勝

順位No.
ドライバー
チーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
141ストフェル・バンドーンDOCOMO TEAM DANDELION RACING351:08'32.42721'37.031Honda HR-414E
236アンドレ・ロッテラーVANTELIN TEAM TOM'S350.72651'37.537TOYOTA RI4A
31石浦 宏明P.MU/CERUMO・INGING353.98811'37.026TOYOTA RI4A
419ジョアオ・パオロ・
デ・オリベイラ
ITOCHU ENEX TEAM IMPUL356.471101'38.208TOYOTA RI4A
565ベルトラン・バゲットNAKAJIMA RACING358.50071'37.898Honda HR-414E
62国本 雄資P.MU/CERUMO・INGING3513.01231'37.224TOYOTA RI4A
78小林 可夢偉SUNOCO TEAM LEMANS3514.096141'38.484TOYOTA RI4A
820関口 雄飛ITOCHU ENEX TEAM IMPUL3515.356131'38.795TOYOTA RI4A
934小暮 卓史DRAGO CORSE3518.353121'38.546Honda HR-414E
1064中嶋 大祐NAKAJIMA RACING3519.18081'37.961Honda HR-414E
1118中山 雄一KCMG3520.644151'38.788TOYOTA RI4A
1210塚越 広大REAL RACING3524.42291'38.175Honda HR-414E
134ウィリアム・ブラーKONDO RACING3525.317171'39.006TOYOTA RI4A
147ナレイン・カーティケヤンSUNOCO TEAM LEMANS351'07.306161'38.916TOYOTA RI4A
153ジェームス・ロシターKONDO RACING351'19.114181'39.076TOYOTA RI4A
1637中嶋 一貴VANTELIN TEAM TOM'S351'28.42461'37.626TOYOTA RI4A
16山本 尚貴TEAM 無限287Laps111'38.212Honda HR-414E
11伊沢 拓也REAL RACING2213Laps191'39.469Honda HR-414E
40野尻 智紀DOCOMO TEAM DANDELION RACING1520Laps41'37.438Honda HR-414E

ドライバーズポイント

順位ドライバー名エンジンポイント
1国本 雄資TOYOTA RI4A33
2アンドレ・ロッテラーTOYOTA RI4A30
3関口 雄飛TOYOTA RI4A28.5
5石浦 宏明TOYOTA RI4A27
6中嶋 一貴TOYOTA RI4A22
8ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラTOYOTA RI4A15.5
10ジェームス・ロシターTOYOTA RI4A12
14ナレイン・カーティケヤンTOYOTA RI4A5
17小林 可夢偉TOYOTA RI4A1