スーパーフォーミュラ 2016年 第4戦 もてぎ

予選

初ポールポジション獲得を喜ぶITOCHU ENEX TEAM IMPULの関口雄飛と星野一義監督

デビュー4戦目にして関口雄飛が初のポールポジション獲得!
石浦宏明が2番手につけトヨタエンジンが最前列独占

 8月20日(土)スーパーフォーミュラ第4戦の予選がツインリンクもてぎで行われ、今季よりシリーズに参戦している関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が参戦4戦目にして初のポールポジションを獲得。昨年ポール・トゥ・ウィンを飾っている石浦 宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が2番手で続き、トヨタエンジンが最前列グリッドを獲得した。

 前夜からの断続的な雨により、朝のフリー走行はウェットコンディションで行われたが、その後雨は止み、天候も回復。スーパーフォーミュラの予選が行われる午後2時には、路面は完全に乾き、ドライコンディションで熱いアタック合戦が繰り広げられた。

 午後2時10分、20分間のQ1が開始。セッションスタート前から多くの車両がピットロードに並んで待機し、全車ミディアムタイヤでコースイン。気温33度、路面温度38度、日差しの下でまずは関口がトップタイムをマークした。
 セッション前半のアタックを終えると、ピットへ戻ってタイヤを交換。ほとんどの車両が今大会新たに採用されたソフトタイヤを装着し、残り7分を切ったあたりからコースイン。しかし、ここで関口とジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)の2台のみが新品のミディアムタイヤで後半アタックに入った。

 アタックのタイミングを計るために、非常に混み合うこととなったコース上で、アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)が最終コーナーで他車と接触。フロントウィングを破損し、後半のアタックを諦めることとなってしまった。
 各車タイムを更新していくも、ソフトタイヤ勢のタイムが思ったよりも伸びず、ミディアムタイヤでアタックした関口とオリベイラが1-2という予想外の展開に。
 後半アタック出来なかったロッテラーも、セッション前半にマークしたタイムが11番手となり、Q2進出。
 このセッションではナレイン・カーティケヤン(SUNOCO TEAM LEMANS)が16番手、中山 雄一(KCMG)が17番手でQ1敗退となった。

 午後2時40分からのQ2(7分間)は、全車が新品のソフトタイヤを装着し、石浦、国本 雄資(P.MU/CERUMO・INGING)、中嶋 一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)らがスタート前からピットロードに並んで待機、セッション序盤から積極的にアタックしていった。
 Q1で接触を喫したロッテラーの車両は、サスペンションにまでダメージが及んでおり、メカニックが懸命の作業を続けた結果、セッション残り半分となる、3分半を切ったところでコースへ復帰。一発アタックに賭けることに。
 このセッションでも関口が速さを見せトップタイム。国本が2番手に。アウトラップの翌周のみのアタックとなったロッテラーが5番手に滑りこんだ一方で、トップ11台がコンマ5秒内に入るという相変わらずの僅差の予選で、アタック中にミスを喫したオリベイラと、コース上の混雑に阻まれた中嶋一貴が、8番手からコンマ1秒以下の差ながらまさかの10,11番手タイム。優勝候補の一角であったオリベイラと中嶋一貴がQ3進出を逃すこととなってしまった。
 また、ウィリアム・ブラー(KONDO RACING)と小林 可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS)も13、14番手でQ2敗退となった。

発ポールポジションを獲得した関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

2戦連続でフロントローを獲得した石浦 宏明(P.MU/CERUMO・INGING)

VANTELIN TEAM TOM'Sのアンドレ・ロッテラーと東條力エンジニア

 午後2時57分からのQ3(7分間)はタイヤ選択が分かれた。ソフトタイヤは2セットしか使えないため、Q1で使用しなかった関口以外は新品が無く、国本、ロシター、はミディアムの新品を選択。関口のみが新品ソフト、石浦とロッテラーが中古ソフトを選択。注目のセッションとなった。
 唯一新品ソフトを履く関口は3周目、全セクターでトップタイムを塗り替え、ライバルを大きく引き離すトップタイムをマーク。
 中古ソフトの石浦が2番手タイムをマークしたが、関口には届かず。今季よりスーパーフォーミュラに参戦した関口が、0.4秒もの大差でデビュー4戦目にして初のポールポジションを獲得した。
 トヨタエンジンは最前列グリッドを独占。ロッテラーは4番手、国本が5番手、ジェームス・ロシター(KONDO RACING)が7番手から決勝に臨むこととなった。

関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

今大会はソフトとミディアムという2種類のタイヤを2セットずつ使えるということで、予選に向けて、戦略やアイデアを色々盛り込むことになったが、自分にとってはそれが良い方向に働いた。Q1をミディアムタイヤで突破出来たのが全てだ。それによって、Q3では自分ひとりだけがソフトの新品という、一番良い状況でアタック出来た。最初はQ1の後半はソフトで行く予定だったが、急にチームからミディアムで行くと言われて驚いた。ドライバー自身に判断を託されたら安全にソフトを選んでしまうと思うので、そういう判断をしてくれたチームのおかげでの結果だと思っている。初めてのポールポジション獲得だが、皆と同じ条件ではなく、自分ひとりが有利な状況でのポールなので、喜びは半分というところだ。しかし、もてぎは下位フォーミュラで走っていた経験からも、抜くのが非常に難しいサーキットなので、明日は重要なスタートと1周目に集中していきたい。

ポールポジション獲得を喜ぶ関口雄飛

石浦 宏明(P.MU/CERUMO・INGING)

昨日の専有走行でのインパル勢とのタイム差にショックを受け、今朝のウェットの走行でも負けているという認識があったので、予選までには今までとは全く違うセッティングへ変えて臨んだ。しかし、Q1の結果でもまた衝撃を受け、インパル勢に次ぐ3番手を狙う形に切り替えた。今持っている限りの全てを尽くしてアタックしたが、まだまだ差は大きく、結果的にフロントローではあるが、非常に悔しい予選となってしまった。明日は状況を見ながら臨機応変に戦っていくつもりだ。

RESULT
スーパーフォーミュラ 2016年 第4戦 もてぎ 予選結果

順位No.ドライバー車両名/エンジンQ1Q2Q3
120関口 雄飛ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14
TOYOTA RI4A
1'33.468
m
1'33.214
s
1'33.002
s
21石浦 宏明P.MU/CERUMO · INGING SF14
TOYOTA RI4A
1'33.522
s
1'33.490
s
1'33.417
s
340野尻 智紀DOCOMO DANDELION M40Y SF14
Honda HR-414E
1'33.851
s
1'33.380
s
1'33.677
m
436アンドレ・ロッテラーVANTELIN KOWA TOM'S SF14
TOYOTA RI4A
1'34.223
s
1'33.463
s
1'33.719
s
52国本 雄資P.MU/CERUMO · INGING SF14
TOYOTA RI4A
1'33.825
s
1'33.365
s
1'33.758
m
664中嶋 大祐GREEN TEC/NAKAJIMA SF14
Honda HR-414E
1'34.325
s
1'33.648
s
1'33.877
s
73ジェームス・ロシターフジ・コーポレーション KONDO SF14
TOYOTA RI4A
1'33.702
s
1'33.513
s
1'33.908
m
816山本 尚貴TEAM 無限 SF14
Honda HR-414E
1'33.785
s
1'33.426
s
1'33.988
s
941ストフェル・バンドーンDOCOMO DANDELION M41S SF14
Honda HR-414E
1'33.557
s
1'33.667
s
1019ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14
TOYOTA RI4A
1'33.440
m
1'33.692
s
1137中嶋 一貴VANTELIN KOWA TOM'S SF14
TOYOTA RI4A
1'33.699
s
1'33.714
s
1210塚越 広大REAL SF14
Honda HR-414E
1'34.568
s
1'34.021
s
134ウィリアム・ブラーフジ・コーポレーション KONDO SF14
TOYOTA RI4A
1'34.290
s
1'34.548
s
148小林 可夢偉SUNOCO TEAM LEMANS SF14
TOYOTA RI4A
1'33.795
s
1'34.664
s
1565ベルトラン・バゲットGREEN TEC/NAKAJIMA SF14
Honda HR-414E
1'34.625
s
167ナレイン・カーティケヤンSUNOCO TEAM LEMANS SF14
TOYOTA RI4A
1'34.678
s
1718中山 雄一KCMG Elyse SF14
TOYOTA RI4A
1'34.741
s
1811伊沢 拓也REAL SF14
Honda HR-414E
1'34.760
s
1934小暮 卓史DRAGO CORSE SF14
Honda HR-414E
1'34.853
s