デビュー4戦目にして関口雄飛が初のポールポジション獲得!
石浦宏明が2番手につけトヨタエンジンが最前列独占
8月20日(土)スーパーフォーミュラ第4戦の予選がツインリンクもてぎで行われ、今季よりシリーズに参戦している関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が参戦4戦目にして初のポールポジションを獲得。昨年ポール・トゥ・ウィンを飾っている石浦 宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が2番手で続き、トヨタエンジンが最前列グリッドを獲得した。
前夜からの断続的な雨により、朝のフリー走行はウェットコンディションで行われたが、その後雨は止み、天候も回復。スーパーフォーミュラの予選が行われる午後2時には、路面は完全に乾き、ドライコンディションで熱いアタック合戦が繰り広げられた。
午後2時10分、20分間のQ1が開始。セッションスタート前から多くの車両がピットロードに並んで待機し、全車ミディアムタイヤでコースイン。気温33度、路面温度38度、日差しの下でまずは関口がトップタイムをマークした。
セッション前半のアタックを終えると、ピットへ戻ってタイヤを交換。ほとんどの車両が今大会新たに採用されたソフトタイヤを装着し、残り7分を切ったあたりからコースイン。しかし、ここで関口とジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)の2台のみが新品のミディアムタイヤで後半アタックに入った。
アタックのタイミングを計るために、非常に混み合うこととなったコース上で、アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)が最終コーナーで他車と接触。フロントウィングを破損し、後半のアタックを諦めることとなってしまった。
各車タイムを更新していくも、ソフトタイヤ勢のタイムが思ったよりも伸びず、ミディアムタイヤでアタックした関口とオリベイラが1-2という予想外の展開に。
後半アタック出来なかったロッテラーも、セッション前半にマークしたタイムが11番手となり、Q2進出。
このセッションではナレイン・カーティケヤン(SUNOCO TEAM LEMANS)が16番手、中山 雄一(KCMG)が17番手でQ1敗退となった。
午後2時40分からのQ2(7分間)は、全車が新品のソフトタイヤを装着し、石浦、国本 雄資(P.MU/CERUMO・INGING)、中嶋 一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)らがスタート前からピットロードに並んで待機、セッション序盤から積極的にアタックしていった。
Q1で接触を喫したロッテラーの車両は、サスペンションにまでダメージが及んでおり、メカニックが懸命の作業を続けた結果、セッション残り半分となる、3分半を切ったところでコースへ復帰。一発アタックに賭けることに。
このセッションでも関口が速さを見せトップタイム。国本が2番手に。アウトラップの翌周のみのアタックとなったロッテラーが5番手に滑りこんだ一方で、トップ11台がコンマ5秒内に入るという相変わらずの僅差の予選で、アタック中にミスを喫したオリベイラと、コース上の混雑に阻まれた中嶋一貴が、8番手からコンマ1秒以下の差ながらまさかの10,11番手タイム。優勝候補の一角であったオリベイラと中嶋一貴がQ3進出を逃すこととなってしまった。
また、ウィリアム・ブラー(KONDO RACING)と小林 可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS)も13、14番手でQ2敗退となった。
午後2時57分からのQ3(7分間)はタイヤ選択が分かれた。ソフトタイヤは2セットしか使えないため、Q1で使用しなかった関口以外は新品が無く、国本、ロシター、はミディアムの新品を選択。関口のみが新品ソフト、石浦とロッテラーが中古ソフトを選択。注目のセッションとなった。
唯一新品ソフトを履く関口は3周目、全セクターでトップタイムを塗り替え、ライバルを大きく引き離すトップタイムをマーク。
中古ソフトの石浦が2番手タイムをマークしたが、関口には届かず。今季よりスーパーフォーミュラに参戦した関口が、0.4秒もの大差でデビュー4戦目にして初のポールポジションを獲得した。
トヨタエンジンは最前列グリッドを独占。ロッテラーは4番手、国本が5番手、ジェームス・ロシター(KONDO RACING)が7番手から決勝に臨むこととなった。
関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
今大会はソフトとミディアムという2種類のタイヤを2セットずつ使えるということで、予選に向けて、戦略やアイデアを色々盛り込むことになったが、自分にとってはそれが良い方向に働いた。Q1をミディアムタイヤで突破出来たのが全てだ。それによって、Q3では自分ひとりだけがソフトの新品という、一番良い状況でアタック出来た。最初はQ1の後半はソフトで行く予定だったが、急にチームからミディアムで行くと言われて驚いた。ドライバー自身に判断を託されたら安全にソフトを選んでしまうと思うので、そういう判断をしてくれたチームのおかげでの結果だと思っている。初めてのポールポジション獲得だが、皆と同じ条件ではなく、自分ひとりが有利な状況でのポールなので、喜びは半分というところだ。しかし、もてぎは下位フォーミュラで走っていた経験からも、抜くのが非常に難しいサーキットなので、明日は重要なスタートと1周目に集中していきたい。
石浦 宏明(P.MU/CERUMO・INGING)
昨日の専有走行でのインパル勢とのタイム差にショックを受け、今朝のウェットの走行でも負けているという認識があったので、予選までには今までとは全く違うセッティングへ変えて臨んだ。しかし、Q1の結果でもまた衝撃を受け、インパル勢に次ぐ3番手を狙う形に切り替えた。今持っている限りの全てを尽くしてアタックしたが、まだまだ差は大きく、結果的にフロントローではあるが、非常に悔しい予選となってしまった。明日は状況を見ながら臨機応変に戦っていくつもりだ。
RESULT
スーパーフォーミュラ 2016年 第4戦 もてぎ 予選結果
順位 | No. | ドライバー | 車両名/エンジン | Q1 | Q2 | Q3 |
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1 | 20 | 関口 雄飛 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 1'33.468 m | 1'33.214 s | 1'33.002 s |
2 | 1 | 石浦 宏明 | P.MU/CERUMO · INGING SF14 TOYOTA RI4A | 1'33.522 s | 1'33.490 s | 1'33.417 s |
3 | 40 | 野尻 智紀 | DOCOMO DANDELION M40Y SF14 Honda HR-414E | 1'33.851 s | 1'33.380 s | 1'33.677 m |
4 | 36 | アンドレ・ロッテラー | VANTELIN KOWA TOM'S SF14 TOYOTA RI4A | 1'34.223 s | 1'33.463 s | 1'33.719 s |
5 | 2 | 国本 雄資 | P.MU/CERUMO · INGING SF14 TOYOTA RI4A | 1'33.825 s | 1'33.365 s | 1'33.758 m |
6 | 64 | 中嶋 大祐 | GREEN TEC/NAKAJIMA SF14 Honda HR-414E | 1'34.325 s | 1'33.648 s | 1'33.877 s |
7 | 3 | ジェームス・ロシター | フジ・コーポレーション KONDO SF14 TOYOTA RI4A | 1'33.702 s | 1'33.513 s | 1'33.908 m |
8 | 16 | 山本 尚貴 | TEAM 無限 SF14 Honda HR-414E | 1'33.785 s | 1'33.426 s | 1'33.988 s |
9 | 41 | ストフェル・バンドーン | DOCOMO DANDELION M41S SF14 Honda HR-414E | 1'33.557 s | 1'33.667 s | |
10 | 19 | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 1'33.440 m | 1'33.692 s | |
11 | 37 | 中嶋 一貴 | VANTELIN KOWA TOM'S SF14 TOYOTA RI4A | 1'33.699 s | 1'33.714 s | |
12 | 10 | 塚越 広大 | REAL SF14 Honda HR-414E | 1'34.568 s | 1'34.021 s | |
13 | 4 | ウィリアム・ブラー | フジ・コーポレーション KONDO SF14 TOYOTA RI4A | 1'34.290 s | 1'34.548 s | |
14 | 8 | 小林 可夢偉 | SUNOCO TEAM LEMANS SF14 TOYOTA RI4A | 1'33.795 s | 1'34.664 s | |
15 | 65 | ベルトラン・バゲット | GREEN TEC/NAKAJIMA SF14 Honda HR-414E | 1'34.625 s | ||
16 | 7 | ナレイン・カーティケヤン | SUNOCO TEAM LEMANS SF14 TOYOTA RI4A | 1'34.678 s | ||
17 | 18 | 中山 雄一 | KCMG Elyse SF14 TOYOTA RI4A | 1'34.741 s | ||
18 | 11 | 伊沢 拓也 | REAL SF14 Honda HR-414E | 1'34.760 s | ||
19 | 34 | 小暮 卓史 | DRAGO CORSE SF14 Honda HR-414E | 1'34.853 s |