スーパーフォーミュラ 2016年 第2回公式テスト岡山

1日目

トヨタ勢トップとなる総合2番手タイムをマークしたNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

公式テスト初日、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが総合2番手に
タイヤとのマッチング、クルマのセッティングに集中

3月31日(木)からの2日間、岡山県美作市の岡山国際サーキットにおいて2016年のスーパーフォーミュラ第2回公式テストが開催されることとなり、初日はドライコンディションの中、午前と午後の2回にわたり、それぞれ2時間半のセッションが行われた。午前の走行1回目は、終盤にNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が1分13秒228のトップタイムをマーク。また午後からの走行2回目では、No.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)がTOYOTA勢での最速タイムを叩き出した。なお、午前、午後の総合では、デ・オリベイラが2番手につけている。

3月14、15日に三重県の鈴鹿サーキットで行なわれた第1回公式テストを経て迎えた今回の岡山テスト。鈴鹿ではフルウェット、ドライの両コンディション下で実走を重ね、データ収集をしているだけに、ここ岡山では5月末に控える第2戦に向けて新たな準備を兼ねてクルマのセットアップはもちろんのこと、初のヨコハマタイヤとのマッチングにも留意して作業を進めたいところだ。

走行1回目は午前9時30分にスタート。各車がコースへと向うが、その一方でアウトラップだけでピットイン、ガレージの中でクルマのセットアップ作業に入る車両も多く見られた。シリーズ参戦車両の19台、そしてホンダのテスト車両1台の計20台がコース上に出揃ったのは、開始から20分ほど経ってから。上位陣が1分15〜16秒台で走行していたその矢先、バックストレートエンドで1台の車両がコースアウト。車両回収のために赤旗中断となった。

およそ15分後にはセッションが再開。各車自己ベストタイムを更新しながらの走行を続けていたが、10時40分を前に2コーナー先でNo.3 ジェームス・ロシター(KONDO RACING)がコースアウト。クラッシュパッドの下にクルマが潜り込んでしまい、2度目の赤旗中断を招いてしまった。10分後に再開したセッションでは、ルーキーのNo.20 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がトップ10入りするなど各車が拮抗しつつベストタイムをマークし始める。だが、11時過ぎには3度目の赤旗でセッションが中断。今度はNo.8 小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS)が1コーナー先でコースアウトしたのが、原因だった。その後もセッション終了までにNo.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)が最終コーナーで、さらにNo.4 ウィリアム・ブラー(KONDO RACING)がバックストレートでコースアウトするなど、落ち着かないコンディションとなり、結局セッションは予定を5分延長した12時5分をもって終了。終了間際にデ・オリベイラがトップタイムをマークし、さらにNo.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)が総合2番手で続くなど、ベテラン勢が安定感を見せつけた。

No.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)No.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)

No.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)と東條力エンジニアNo.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)と東條力エンジニア

No.8 小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS)No.8 小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS)

午後からのセッションを前に、JRPが主催するプレス向けの「サーズデーミーティング」には、トヨタエンジンユーザーからNo.1 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)と小林可夢偉が出席。石浦は「鈴鹿でのテストよりタイヤへの違和感もないが、タイムを見るととてつもない接戦になっている。(チャンピオンを獲得した)去年のマージンはないことがわかった」とライバルとの戦いがよりハードになっていると語る一方、小林は「鈴鹿、岡山で調子が良ければ、シーズンもうまくいくと思う」と期待を寄せるコメントを残した。

No.1 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)No.1 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)

ルーキーのNo.20 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)ルーキーのNo.20 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

走行2回目は午後2時にスタート。天気もすっかり薄曇りとなり、吹く風もやや冷たさを感じ始める中でのセッションでは、まずほぼ半数の車両が1分14秒台のタイムを刻みながら走行を重ねていった。午前のセッションとは異なり今回は頻繁に赤旗が出ることもなく、各車ともスムーズに周回を重ね、予定していたメニューの消化に努めていた。ところが残り時間30分を前に、パイパーコーナーで1台がコースアウト。赤旗中断となる。だがその後は順調にセッションが進められ、残り時間10分を切ってからは自己ベストのタイム更新する車両が続出。目まぐるしくポジションが入れ替わる中、2番手につけた中嶋がTOYOTA勢のトップタイムとなった。

なお、午後からの走行で大幅に自己ベストタイム更新に成功したルーキーの関口は「クルマに関してはもう慣れてますが、スーパーフォーミュラで走る岡山は初めてなので、少し時間がかかりました。午前は新品タイヤを履くタイミングがなかったので(順位は)沈んでしまいましたが、それなりの感触はありました。それよりもセッティングが自分の思うようになっていないので、そこが課題。いかにクルマに作り込むかというドライバーの仕事をがんばりたい」と意欲を見せた。

なお、明日の公式テスト2日目も初日同様、午前9時30分から走行3回目、午後2時から走行4回目が行われる予定で、それぞれ2時間半のセッションが設けられている。

RESULT
スーパーフォーミュラ 2016年 第2回公式テスト岡山 1日目 総合結果

順位No.ドライバーチーム/エンジン1回目周回2回目周回
116山本 尚貴TEAM 無限
Honda HR-414E
1'13.55538/391'12.90257/57
219ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラITOCHU ENEX TEAM IMPUL
TOYOTA RI4A
1'13.22843/441'13.39451/52
337中嶋 一貴VANTELIN TEAM TOM'S
TOYOTA RI4A
1'13.75245/481'13.33059/61
441ストフェル・バンドーンDOCOMO TEAM DANDELION RACING
Honda HR-414E
1'14.29140/581'13.35261/61
536アンドレ・ロッテラーVANTELIN TEAM TOM'S
TOYOTA RI4A
1'13.46640/411'13.59352/52
640野尻 智紀DOCOMO TEAM DANDELION RACING
Honda HR-414E
1'13.56436/461'14.04055/56
73ジェームス・ロシターKONDO RACING
TOYOTA RI4A
1'15.24021/261'13.62253/53
88小林 可夢偉SUNOCO TEAM LEMANS
TOYOTA RI4A
1'14.56614/191'13.64351/52
965ベルトラン・バゲットNAKAJIMA RACING
Honda HR-414E
1'13.64435/421'13.64746/47
1020関口 雄飛ITOCHU ENEX TEAM IMPUL
TOYOTA RI4A
1'14.62322/431'13.66353/54
1110塚越 広大REAL RACING
Honda HR-414E
1'14.14646/461'13.70051/51
127ナレイン・カーティケヤンSUNOCO TEAM LEMANS
TOYOTA RI4A
1'14.48329/431'13.72762/64
131石浦 宏明P.MU/CERUMO・INGING
TOYOTA RI4A
1'14.43935/351'13.78943/45
142国本 雄資P.MU/CERUMO・INGING
TOYOTA RI4A
1'13.87342/421'14.07437/38
1534小暮 卓史DRAGO CORSE
Honda HR-414E
1'13.89344/441'14.69217/61
1611伊沢 拓也REAL RACING
Honda HR-414E
1'14.76014/401'14.02151/52
1718中山 雄一KCMG
TOYOTA RI4A
1'14.27849/491'14.24255/55
184ウィリアム・ブラーKONDO RACING
TOYOTA RI4A
1'14.54334/391'14.99614/31
1964中嶋 大祐NAKAJIMA RACING
Honda HR-414E
1'14.78330/341'14.62651/51
2005武藤 英紀ホンダテストカー
Honda HR-414E
1'19.456 6/ 61'15.12248/48