スーパーフォーミュラ 2017年 第1戦(開幕戦)鈴鹿

決勝

開幕戦で勝利を飾った中嶋一貴と舘信秀監督、3位表彰台のディフェンディングチャンピオン 国本雄資

中嶋一貴が完璧なポール・トゥ・ウィンで開幕戦勝利
ディフェンディングチャンピオン国本が3位表彰台

 スーパーフォーミュラの開幕戦が鈴鹿サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした中嶋 一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)が、一度も首位の座を譲ることのない横綱相撲でポール・トゥ・ウィン。完璧なレースで開幕戦を制した。ディフェンディングチャンピオンの国本 雄資(P.MU / CERUMO・INGING)が3位表彰台を獲得した。

 4月23日(日)の鈴鹿サーキットは、雲一つ無い好天に恵まれ、気温23度、路面温度37度というコンディションで、午後1時40分から35周(203km)で競われる決勝レースのスタートが切られた。

 ポールポジションの中嶋一貴は若干スタートで遅れたように見えたが、トヨタエンジンのパワーを活かし、首位の座をキープして1コーナーへ。一方で、最前列2番手に並んでいた国本は、3位へとひとつポジションを落としてしまった。
 後方勢は、得意のダッシュで7番手グリッドから5位へとジャンプアップしたアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)を先頭に、1周目終了時点から次々にピットイン。関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、フェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)、ニック・キャシディ(KONDO RACING)らもこれに続いた。

 2周目終了時点で4位の石浦宏明(P.MU / CERUMO・INGING)、3周目終了時点では3位の国本もピットへ。給油と、タイヤ一本交換でコースに復帰した。
 これで、ピットインしていないのは首位の中嶋一貴とそれを追う山本 尚貴(TEAM MUGEN)を含めた6台に。18番手からジャンプアップした小林可夢偉(KCMG)と、13番手スタートの大嶋和也(SUNOCO TEAM LEMANS)もピットに入らず、それぞれ5位、6位へと順位を上げ前を追った。

 首位を行く中嶋一貴は2位の山本をじりじりと引き離して行き、9周目にはその差は3秒以上と独走態勢に入った。
 後方では、12周終了時に小林がピットへ向かい、11位でコースへ復帰。昨年のGP2チャンピオンとして注目を集めるピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)との激しい10位争いの末に、19周目のシケインでこれをパス。10位へ浮上した。
 21周目、ピットを引っ張り、3位までポジションを上げていた大嶋がスプーンコーナーでスピン。そのままコース上に車両を停めたためにセーフティカーが導入された。

 この時点でピットインしていなかった上位2台は、このタイミングでピットへ。中嶋一貴もライバル同様タイヤ一本交換作戦を採り、首位のままコースへと復帰した。
 27周目にセーフティカーが退きレース再開。首位の中嶋一貴はここでも好ダッシュを決め、1周1秒のペースで後続を引き離していった。

 上位4台がそれぞれ間隔を置いて周回を重ねる中、その後方では、5位のロッテラーに、タイヤを4本交換したばかりのライバルが迫り、また、9位へと順位を上げた小林が、ポイント獲得をかけて激しく前車を攻めるなど、各所でテール・トゥ・ノーズの接近戦が最後まで続き、観客を沸かせた。

スタートシーン スタートシーン

ポールトゥウィンで開幕戦を制した中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S) ポールトゥウィンで開幕戦を制した中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)

3位と4位でダブル入賞となったP.MU/CERUMO・INGINGの国本雄資と石浦宏明 3位と4位でダブル入賞となったP.MU/CERUMO・INGINGの国本雄資と石浦宏明

アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S) アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)

オーバーテイクやテール・トゥ・ノーズの接近戦で観客を沸かせた小林可夢偉(KCMG) オーバーテイクやテール・トゥ・ノーズの接近戦で観客を沸かせた小林可夢偉(KCMG)

 中嶋一貴は、最終的に2位に5秒以上もの大差をつけ、独走でトップチェッカー。金曜日の練習走行から、ほとんどのセッションでトップタイムをマークするなど、圧倒的な速さで週末を支配し、自身スーパーフォーミュラでは2015年第5戦オートポリス以来、通算9勝目をポール・トゥ・ウィンで飾った。中嶋一貴にとっては、前週のWEC第1戦シルバーストーン6時間レースに続き、2週連続の勝利となった。
 国本は一時石浦に迫られるなど厳しいレースとなったが、3位を守り切って表彰台フィニッシュを果たした。石浦が4位、ロッテラーが5位。小林は最後まで前車を攻めたが惜しくも逆転ならず、9位でチェッカーを受けた。

中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)

ほっとしたというのが一言目だ。去年も勝てるチャンスはあったが、自分のミスなどで逃して少し優勝から離れていたので、実際に勝つまでは安心出来なかった。贅沢な悩みではあるが、クルマの調子が本当に良かったので、それが逆にプレッシャーになった部分もある。レースの内容としては、スタートでちょっとストールしかけて危なかったが、トヨタエンジンのパワーのおかげで何とか首位をキープすることが出来た。その後は後続の追い上げもあり、決して楽はさせてもらえなかったが、しっかりと良いペースで走れて、タイヤ交換のタイミングも交換後のバランスも良かった。最後まで気持ちよく走ることが出来たので、内容としては100点のレースが出来たかなと思う。

開幕戦の優勝を喜ぶ中嶋一貴と舘信秀監督

国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)

全体的にちょっと上手く行かないレースだった。スタートで抜かれてしまったし、その後も車のバランスがあまり良くなくてペースが上がらなかった。朝から不具合があり、それを色々アジャストしてレースに臨んだが、改善されず、厳しい戦いを強いられた。難しいタイミングだったピットで抜かれることはなかったが、全体的にペースもあまり良くなかったし、前の2台に離されて、すごく厳しいレースだった。ただ、シーズンを考えれば3位というのは悪くない結果だ。

国本雄資

RESULT
スーパーフォーミュラ 2017年 第1戦(開幕戦)鈴鹿 決勝結果

順位No.ドライバー車両名/エンジン周回所要時間ベストラップ
137中嶋 一貴VANTELIN KOWA TOM'S SF14
TOYOTA RI4A
351:03'18.440192.63km/h1'40.713
216山本 尚貴TEAM MUGEN SF14
Honda HR-417E
351:03'23.5265.0861'40.796
31国本 雄資P.MU/CERUMO・INGING SF14
TOYOTA RI4A
351:03'27.2638.8231'41.407
42石浦 宏明P.MU/CERUMO・INGING SF14
TOYOTA RI4A
351:03'27.8489.4081'41.408
536アンドレ・ロッテラーVANTELIN KOWA TOM'S SF14
TOYOTA RI4A
351:03'29.24010.8001'41.637
610塚越 広大REAL SF14
Honda HR-417E
351:03'29.70611.2661'40.404
764中嶋 大祐TCS NAKAJIMA RACING SF14
Honda HR-417E
351:03'35.34716.9071'41.203
841伊沢 拓也DOCOMO DANDELION M41Y SF14
Honda HR-417E
351:03'36.74718.3071'41.587
918小林 可夢偉KCMG Elyse SF14
TOYOTA RI4A
351:03'37.39018.9501'41.074
1015ピエール・ガスリーTEAM MUGEN SF14
Honda HR-417E
351:03'40.00121.5611'41.873
117フェリックス・ローゼンクヴィストSUNOCO TEAM LEMANS SF14
TOYOTA RI4A
351:03'40.55522.1151'41.594
1219関口 雄飛ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14
TOYOTA RI4A
351:03'42.13123.6911'42.265
1365ナレイン・カーティケヤンTCS NAKAJIMA RACING SF14
Honda HR-417E
351:03'42.64424.2041'42.212
144山下 健太FUJI×raffinee KONDO SF14
TOYOTA RI4A
351:03'43.33324.8931'41.963
1550小暮 卓史B-Max Racing team SF14
Honda HR-417E
351:03'46.83828.3981'42.436
1640野尻 智紀DOCOMO DANDELION M40S SF14
Honda HR-417E
351:03'54.72936.2891'42.074
173ニック・キャシディFUJI×raffinee KONDO SF14
TOYOTA RI4A
341:03'48.8431Lap 1'40.509
1820ヤン・マーデンボローITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14
TOYOTA RI4A
3156'48.6764Laps1'41.865
8大嶋 和也SUNOCO TEAM LEMANS SF14
TOYOTA RI4A
2135'56.94814Laps1'41.799