ABOUT SUPER GT

SUPER GTとは

世界から注目される日本発の国際GTレース
40台以上の高性能GTカーによる迫力あるバトルが魅力

SUPER GT 2025年 第1戦 岡山  SUPER GT(スーパージーティ)は、GTカーをベースにしたレーシングカーで行われる日本でのレースを中心した国際シリーズ戦です。
 "GTカー"とは「Grand Touring Car(グランド・ツーリング・カー)」の略称で、乗用車では長距離を高速に移動できる高性能なグレード(車両の格付け)です。この高性能なGTカーを、さらに走行性と安全性を向上させたレース専用車両として、競わせるのがGTレースです。GTレースは世界各国で行われていますが、日本を中心にアジアで開催(※1)されているSUPER GTはアジア圏のみならず欧米からも注目されている人気の高い国際シリーズです。

 2025シーズンは、昨年より多い43台(GT500クラス15台3車種、GT300クラス28台14車種)の車両と、国内外で活躍するトップドライバー104名以上が参戦(※2)を予定しています。2024年の1戦平均は42,975人、総観客動員343,800人という、日本発祥のレースシリーズ戦では最大の人気を誇っています。

※1:新型コロナウイルス禍で行えなかった海外開催を2025年より再開予定。
※2:2025年のチーム数はシリーズエントリーリスト(3月17日時点)より。ドライバー人数も同時点の登録人数(未定も含む)より。

2025シーズンは海外レースが復活
国内7戦と海外での1戦も加えて全8戦を開催

 SUPER GTでは1年間で数回のレースを行い、毎戦2つあるクラスごとに順位を決めています。この順位と結果をポイントにして、1シーズンの総計でドライバーとチームのタイトル(チャンピオン)を決めます。

 2025シーズンは全8戦を開催。4月12日、13日に第1戦(開幕戦)が行われ、11月1日、2日の第8戦までを国内6つのサーキット(岡山国際サーキット、富士スピードウェイ、鈴鹿サーキット、スポーツランドSUGO、オートポリス、モビリティリゾートもてぎ)とマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行います。この2025シリーズより、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から開催を見送っていた海外でシリーズ戦開催も再開の予定です。

  • 日本美作市(岡山県)

    第1戦 
    岡山国際サーキット

  • 日本小山町(静岡県)

    第2戦 
    富士スピードウェイ

  • マレーシアセパン(マレーシア)

    第3戦 
    セパン・インターナショナル・サーキット

  • 日本小山町(静岡県)

    第4戦 
    富士スピードウェイ

  • 日本鈴鹿市(三重県)

    第5戦 
    鈴鹿サーキット

  • 日本村田町(宮城県)

    第6戦 
    スポーツランドSUGO

  • 日本日田市(大分県)

    第7戦 
    オートポリス

  • 日本茂木町(栃木県)

    第8戦 
    モビリティリゾートもてぎ

周回タイムに差がある2クラスが混走
追い抜きが頻発する緊張感あるレースを実現

 SUPER GTには「GT500」と「GT300」という2クラスがあります。この速さの異なる2つのクラスの車両が同時に決勝レースを走り、それぞれの順位を争います。

 上位のGT500クラスは約500馬力のエンジンを搭載することから名付けられました。現在は550馬力以上と言われています。また、車体はクラス共通のカーボン製シャシーを使い、市販GTカーのシルエットを採用したSUPER GTのGT500クラス専用車両としています。

 下位のGT300クラスは、約300馬力を想定しています。ただ現在は500馬力以上を出すGTカーも参戦しているため、GT300車両は車種ごとに出力制限や重量調整によって周回タイムや戦闘力を均一化しています。

 このように速度差のある2クラスが同時にレースをすることで、SUPER GTでは常に抜きつ抜かれつの混戦が生じるようになっています。このため、ドライバーもチームも、そしてファンも常に高い緊張感のレースに浸ることができるわけです。

GT500クラス

 シャシーやボディカウルはGTA(SUPER GT運営団体)が定めたGT500クラスの車両規則に則り、GT500専用につくられています。車体シルエットなどイメージは、参戦メーカーの市販GTカーがベースです。
 エンジンは、2000ccの直列4気筒直噴ターボというNRE規格のレース専用エンジンです。NREは「ニッポン・レース・エンジン」の略で、トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing)、ホンダ、日産が日本の上位レースで使う前提で基準規格を決めています。
 TOYOTA GAZOO Racingからは、TOYOTA GR Supra GT500が参戦しています。

GT300クラス / GT3車両

 GT3は、FIA(国際自動車連盟)が定めるカテゴリーで、自動車メーカーが製造・販売するGTレースの専用車両です。チーム独自の改造は許されず、レースごとのミッションやサスペンションの交換もできません。シャシーやエンジンに厳格な制限はありませんが、レースごとに競技団体が性能調整を行い、車種間の戦闘力を均衡させています。中にはGT500車両に匹敵する最高速を記録する車種もありますが、コーナーリングのスピードは遅いとされます。
 TOYOTA GAZOO Racingからは、LEXUS RC F GT3がGT3車両として参戦しています。

GT300クラス / GT300車両

 GTAが定めるGT300クラス車両規則に沿って制作された車両です。ベースとなる市販車のモノコックを使用してチームが独自改造し、エンジンもベース車と同じメーカー製ならば変更できます。レースごとのミッションやサスペンションの交換も可能で、コーナーでは速さを示す傾向がありますが、厳しいエンジン出力の調整もあってストレートが苦手と言われます。
 TOYOTA GAZOO Racing公認のGT300車両は、TOYOTA GR Supra、TOYOTA GR86、LEXUS LC500、LEXUS LC500hが参戦しています。

GT300クラス / GT300MC(マザーシャシー)車両

 GTAが定めるSUPER GTのGT300マザーシャシー車両規則に則した車両です。マザーシャシーとはGTAが企画したモノコックとV8の4500ccエンジン、空力パーツなどの車両キットです。これに各チームが市販車を模したボディカウルを載せます。このため低コストでチーム独自のGT300クラス競技車を製作できます。クルマの素性としては、GT300規定車と同等と言われています。
 TOYOTA GAZOO Racing公認のGT300マザーシャシー車両は、TOYOTA 86MCが参戦しています。

2025年はノックアウト予選方式に戻る
Q1を勝ち抜き、そしてQ2でポールポジションを争う

SUPER GT 2025年 第1戦 岡山  SUPER GTの予選はQ1とQ2の2回に分けられ、ドライバーはそれぞれを1名が担当します。なお2025シーズンは再びQ1での上位のみがQ2に進出し、ポールポジション(予選1位)を含む上位を決める「ノックアウト(勝ち抜き)方式」に戻りました。昨シーズンは全車がQ1とQ2を走って、Q1とQ2のベストタイムを合計して順位を決めるタイム合算方式でした。

 2024シーズンの決勝レースは距離300kmを中心に、それより長距離になる3時間の時間制レースを予定しており、大会ごとに異なるフォーマットで行われます。300kmレースはドライバー2名で、それより長距離になるレースではもう1人のドライバーを追加できます。決勝は必ずピットインして給油を伴うドライバー交代を行い、必ず2名以上が走らなければなりません。追加の第3ドライバーは規定の最低距離を走行しないとシリーズポイントは与えられません。
 また定められたピットイン回数を履行しなかった車両は失格になります(途中終了の場合は別途規定あり)。

 このようにSUPER GTは、ドライバー1人制のレースに較べて、勝つために多様な要素をクリアする必要があります。ドライバーの面では2名の相性や妥協も必要で、クルマのセッティングもドライバーに加え、距離や作戦によって異なってきます。しかもレースは2時間弱から3時間もあるため、途中で気温や天候などが変化こともあり、それにも対応しなくてはなりません。

 このようなレース戦略も重要ですが、ピットインでは各チームのメカニックが行う作業時間もレースタイムに響きます。メカニックの素早い作業で順位が上がることも、失敗すれば順位を落とすこともあります。

 SUPER GTでは、ドライバーなどの個人の技量以上にチームとしての総合力、一体感が求められ、それが必要なように競技自体が工夫されています。単に1人のドライバーが速くても勝てない。それがSUPER GTなのです。

毎戦の結果で増えるサクセスウェイト
2025年はGT300クラスのポイント制が変更

毎戦の結果で増えるサクセスウェイト 2025年はGT300クラスのポイント制が変更  SUPER GTで最終的に目指すものは、シリーズタイトル(年間チャンピオン)です。このため、各レースの決勝結果と予選結果に比例したポイントがドライバーとチームに与えられ、その年間合計が最も多い者がチャンピオンとなります。
 2025シーズンは、このポイントのフォーマットが変更されました。台数の多いGT300クラスのみが、その状況を考慮して決勝順位の1位~15位までを得点授与圏内とし、決勝1位の最高得点は25ポイントに増やされています。なおGT500クラスの決勝ポイントは、これまでと同様です(下記の表)。
 また、予選もそのフォーマットに変更に伴い変更され、ポールポジション(予選1位)を獲得した車両の走行ドライバー2名に1ポイントが授与されます。

GT500クラス・シリーズポイント(ドライバーとチームが対象)

決勝順位1位2位3位4位5位6位7位8位9位10位
ポイント2015118654321

GT300クラス・シリーズポイント(ドライバーとチームが対象)

決勝順位1位2位3位4位5位6位7位8位9位10位11位12位13位14位15位
ポイント252016131110987654321

予選ポイント(ドライバーのみが対象)
両クラスの予選1位:1ポイント

GT500クラス・決勝レース周回ポイント(チームのみが対象)
決勝トップからの遅れ周回数

同一周回1周遅れ2周遅れ3周遅れ以上の完走
3211

GT300クラス・決勝レース周回ポイント(チームのみが対象)
決勝トップからの遅れ周回数

同一周回1周遅れ2周遅れ3周遅れ以上の完走
3221

※ドライバーランキングは決勝と予選のポイントを、チームは決勝のポイントをシリーズ全戦で合計。同点の場合は優勝回数が多い者、それも同じなら2位、3位と回数を較べて多い者が上位となります。

 このポイントに併せたSUPER GT独自のシステムとして、サクセスウェイト制があります。これは獲得ポイントに比例したウェイト(オモリ)を積むハンディの仕組みです。

 2025年より搭載するウェイト指数が変更され、両クラスとも第1戦は搭載ウェイト(オモリ)なし。第2戦から参戦6戦(全8戦の場合)まではポイント×2kgのウェイトを搭載。そして参戦7戦目(先に同じ)はポイント×1kgとなり、参戦8戦目(先に同じ。全戦出場なら最終戦)は搭載ウェイト(オモリ)なしとなります。

 また安全性を考慮し、GT500クラスは車両に搭載するウェイトは50kgまでで、それ以上は燃料流量リストリクターでエンジン出力を絞ることで、数値上のサクセスウェイトと同等になるハンディとします。GT300クラスではサクセスウェイトの上限値に達した場合は、決勝レース中の燃料給油ホース途中に設けられた給油リストリクターを絞られて、給油時間が長くなるハンディが与えられます。
 なおサクセスウェイトの最大搭載重量はGT500クラスが100kg、GT3000クラスは50kgまでとなります(計算上の累積は制限なしで加算します)。

 このようにSUPER GTでは、強い者にはサクセスウェイトを搭載します。確かに強者に厳しいですが、それを跳ね返す工夫やシリーズを見渡して重要レースを定めるなどの戦略も必要になります。そして、最終戦はウェイトなしと実力を存分に発揮して"総合的な最強者"を決める仕組みになっています。

全参加車両がカーボンニュートラル燃料を使用
SUPER GT全体で環境改善対策に貢献

 昨シーズンよりSUPER GTは両クラスの全車両が、カーボンニュートラル燃料(CNF)を使用しています。この燃料はドイツのメーカーによる環境負荷の少ないバイオ燃料です。

 2023年開幕戦からGT500クラスで使用され、CNFは従来燃料と遜色ない走行性能と使用感、そしてモータースポーツらしいエキゾースト・ノート(排気音)を持つことを証明しました。そして、CNF採用の準備が遅れたGT300クラス車両も2024年より対応したことで、SUPER GT参戦全車がCNFを使用することになりました。

 さらに近年は大会あたりのタイヤ使用本数を減らす意図を組み込んだスポーティングレギュレーション(競技規定)を試みており、競技性やGTレースの迫力を損なわない範囲で地球全体の環境改善対策への貢献に寄与しています。

30年超の歴史を刻むSUPER GT
それは1994年の全日本GT選手権から始まる

30年超の歴史を刻むSUPER GT それは1994年の全日本GT選手権から始まる  2025シーズン、SUPER GTは31年目を迎えます。その始まりは、1994年5月に富士スピードウェイで開催された全日本GT選手権(JGTC)です。この前年にも全日本GT選手権は3戦のシーズンを行いましたが、参加台数が少なく独立したシリーズとしては成立しませんでした。1990年代はスポーツカーで行われていたシリーズが終焉を迎え、GTカーのレースに移行していくカテゴリー再編の時代。これまでのスポーツカーシリーズや1993年のGTシリーズ失敗を糧に、日本のレース界では多種多様なGTカーが参加しやすく、ファンにも満足してもらえるシリーズをつくろうという動きが起こました。それが結実して、1994年のJGTC初開催へ至ったのです。

 その後、観客動員、参戦車種、参戦チームを着実に増やしたJGTCは、2000年にマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで初の海外戦(エキジビション)を開催。2002年からは海外戦もシリーズ戦として組み入れて以降は、毎年海外戦を行い()、また2005年には国際シリーズとしてFIAに公認されて、名称を「SUPER GT」と改めました。
※2003年はアジア圏でのSARSでマレーシア戦は富士で代替に。2020~2024年は世界的な新型コロナウイルス禍により海外大会が行えず、国内戦のみの開催となっています。

 現在のSUPER GTは、GT500クラスにおいて参戦車両を供給するトヨタ(TOYOTA GAZOO Racing)、ホンダ、日産が、参戦コストの軽減やドライバーの安全性、サステナビリティなどにおいてメーカーの垣根を越えて連携しています。もちろん、プロフェッショナルレースに参加するマニファクチャラー(自動車製造会社)として、互いに競技性の向上や開発技術の追求を損なわない車両開発を行っています。

 またGT300クラスでは、GT3カーと言われる国内外の自動車メーカーが販売するGTレース専用車両と、GT300カー(マザーシャシー含む)と言われるGT3カーに、中小規模のコンストラクター(レースカー製作会社)が製造した同等の競技性を持つGTレース専用車両が競い合っています。

 このようにSUPER GTは、他の国や地域にはないユニークな特徴とハイレベルな競技性とレース車両性能を両立させ、アジアのみならず世界からも注目されるレースシリーズとして存在感を高めています。

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